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更新日:2015年1月29日

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農空間リアル・レポート(広域農道「打越大橋」ができるまで)

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農空間リアル・レポート(広域農道「打越大橋」ができるまで)

打越大橋(うちこしおおはし)について

打越大橋は、急峻な谷部を効率的な路線とするために架設する橋梁で、長さ112m、幅9.9m、小井関川からの高さが約30mの曲線橋です。
地形条件等から、架設方法については、日野側から加賀田方面に向かって橋桁を送り出す”送り出し工法”によって施工されました。
桁は四角の箱を2つ並べたような形をしており、複雑な力が作用する曲線橋でも、安定した構造となっています。
また、桁に使用した鋼材はおよそ300トンで、その大部分に耐候性鋼材と言われる、さびに強い鋼材を使用しています。

橋の名前は、日野地区のみなさんに考えていただきましたが、『橋が架かる地域一帯が、昔から”打越峠”と呼ばれていた』ことから、「打越大橋」と名付けられました。

「打越大橋の概要」PDFファイル(PDF:349KB)

完成までの軌跡

打越大橋の概要

平面図
打越大橋平面図

竣工写真
打越大橋竣工写真

縦断面図
打越大橋縦断図

横断面図
打越大橋横断図

〈上部工工事概要〉

工事名:広域農道岩湧地区26橋梁上部工製作・架設工事

施工業者:日本車両製造株式会社大阪支店

工期:平成26年10月15日から平成28年1月29日まで

工事内容:鋼3径間連続非合成箱桁橋(橋長L=112m 鋼重300t)

〈下部工工事概要〉

工事名:広域農道地区25-1橋梁下部工工事

施工業者:株式会社安田組

工期:平成25年7月19日から平成26年3月24日

工事内容:橋台2基、橋脚2基

2015年1月9日 工場検査

日本車輌製造株式会社 衣浦製作所(愛知県半田市)において「原寸検査(※1)」を実施。

日本車輛製造株式会社原寸検査1 日本車輛製造株式会社原寸検査2

※1 原寸検査とは:鋼橋の設計図は、全て完成後の寸法、形状を示されており、溶接による収縮や歪み、切断した場合の余裕しろ等が加味されていません。従って、設計図の寸法、形状どおりに直接切断、加工することはできません。原寸とは、このような設計図に直接現れない要素を設計図に織り込み、部材の正確な寸法を決定し、加工・溶接等製作に必要な資料を作成する作業のことをいいます。原寸検査は、これら橋梁製作の基本となる原寸について、設計図が意図する諸元を正確に反映しているかどうか、全体図、単部材図、付属品図を中心に検査するものです。

新日鐵住金株式会社 名古屋製作所(愛知県東海市)において「材料検査(※2)を実施。

材料検査1 材料検査2

※2 材料検査とは:鋼材は、その用途に応じ規格、寸法、形状などが極めて多岐多様に渡ります。橋の設計にあたっては、それぞれの鋼材の特性が考慮された上で計算されていますので、製作する上でも、設計仕様どおりの部材が指定された場所で使用されなければなりません。材料検査は、府が指定した鋼材が必要数量分納入されているか、また、その機械的性質、化学的性質、塗装仕様等が指定された規格を十分に満たしているかなどを検査するものです。

2015年4月 地組作業

地組とは、道路の規制等によりそのまま運搬できない部材を分割、搬入し、現場の地上で組み立てることです。この橋梁は全長112mとなるため分割して工場より運び込み、現地で組み立てます。
4月中旬からこの作業を始めております。6月からは組み立てた橋桁を橋脚に送り出して架設する作業にかかります。

写真撮影時点で30mが完成。
橋桁の地組

橋桁の組み立てが完了すると、このジャッキで橋脚方向に押し出します。
ジャッキ

2015年6月 送り出し作業。

6月15日 橋げたの地組全景

6月15日 最初の橋げたに届く

6月15日 次の橋脚まで42m

6月15日 対岸から橋げたを望む

6月25日 42mの半分まで送り出し

6月25日 次の橋脚に届く

6月25日 橋台から橋げたを望む

6月25日 橋台まであと31m

7月23日 橋台に到達

7月23日 橋台に到達(下から望む)

7月23日 送り出し起点から終点を望む

7月23日 対岸の橋台に到達

2015年7月23日 小学生現地見学会を開催。

橋の話し

7月23日木曜日、施工業者の日本車輛製造株式会社大阪支店の協力を得て、公募した小学生と保護者計56名を対象に、送り出し工法など橋梁架設現場の見学会を開催しました。
参加者は、隣接する会場で「橋の話」を聴いた後、架設現場に移動し、実際に橋が架けられていく様子を見学しました。
現場に入ると、子どもたちは作業員のきびきびした動作に緊張している様子でしたが、巨大な鋼構造物が頭上でゆっくり送り出され始めると、四方から驚嘆の声が次々に上がりました。
また、鋼重およそ300tを支える約18,000本の高力ボルトの説明に子どもたちは興味しんしんの様子でした。その後行われた「高力ボルト締付け体験」では、子どもたち全員が参加を希望し、主催者側が慌てて用意したボルトの数を確認する一幕もありました。ボルトは記念品として子どもたちが持ち帰りました。
当事務所では、今後もこのような見学会を継続して開催することにより、広域農道をはじめ様々な農業施設の役割や農業農村整備について、多くの府民に理解を深めていただくとともに、ものづくりに対する子どもたちの興味がさまざまな方向へ広がっていくことを期待しています。

【見学会内容】

  • 橋のはなし
    • 橋の種類、形について・耐候性鋼材について
    • 高力ボルトについて
    • 橋の架け方について(今日の現場で見られるもの)
  • 現場見学
    • 架設(送り出し工法)見学・高力ボルト締付け体験

送り出し見学 高力ボルト締め付け体験

橋の下から見学 最後に集合写真

2015年8月12日 日本車両製造株式会社さんが河内長野市長から感謝状贈呈されました

河内長野市長からの感謝状

7月23日に開催した小学生現地見学会でご協力をいただいた日本車輌製造株式会社に対し、河内長野市長より感謝状の贈呈がありました。

河内長野市内の56名(定員のほぼ2倍)の小学生(3年生以下は保護者同伴)に対し、見学会を開催していただいたことに対する感謝の意を示すものです。

芝田市長からはお礼の言葉と併せて、「この体験を通じて、モノづくりに興味を持つようになって、将来技術者になる方が出てくるといいですね。」とのお言葉がありました。

2016年1月18日「打越大橋」(うちこしおおはし)橋名板お披露目会を開催。

打越大橋日野地区の小井関川(こいぜきがわ)に架橋した「打越大橋」が完成し、橋名板のお披露目会を開催しました。

橋の名前は、日野地区のみなさんに考えていただきましたが、『橋が架かる地域一帯が、昔から”打越峠”と呼ばれていた』ことからと名付けられました。

当日は霧雨が時折降る空模様でしたが、日野自治会の皆様、地元府会議員様、河内長野市などの行政関係者など、多数ご出席いただきました。

橋名板は、文字を揮毫(きごう)していただいた方(下写真右側女性)と地元自治会区長様により取り付けをしていただきました。
また、揮毫(きごう)していただいた方には、橋名板のレプリカを記念に贈呈しました。

この橋が、将来にわたり地元の皆様に愛されることを願ってやみません。

橋名板取り付け 集合写真

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