なにわの伝統野菜について/大阪産
なにわの伝統野菜
大阪はかつて「天下の台所」と呼ばれたように、古くから食文化が栄え、その食文化を支える大阪独特の野菜が多数ありました。しかし、戦後、生産性を上げるための品種改良や農地の宅地化、食生活の洋風化が進み、地域独特の歴史や伝統を有する品種が次々に店頭から消えていきました。
近年、こうした伝統ある野菜を見直そうという機運が高まり、昔ながらの野菜を再び味わってもらえるよう、大阪府では各地域の農業者が守ってきた「なにわの伝統野菜」の発掘と復活に取り組んでいます。現在、下記の基準で「なにわの伝統野菜」に認証されている品目は17品目あり、このうち6品目が北部地域のものです。
「なにわの伝統野菜」の基準
- (1)概ね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜
- (2)苗、種子等の来歴が明らかで、大阪独自の品目、品種であり、栽培に供する苗、種子等の確保が可能な野菜
- (3)府内で生産されている野菜
北部地域の「なにわの伝統野菜」
服部越瓜
(はっとりしろうり)
原産地 高槻市
発祥時期 江戸時代
収穫時期 7から8月
高槻市塚脇地区で江戸時代から栽培されています。果実は淡緑白色で歯切れがよい加工向け品種です。天保14年(1843年)の服部村明細帳には「富田で造られる粕漬けに専ら使用される」と記載されています。
参考「服部越瓜ア・ラ・カルト」
鳥飼茄子
(とりかいなす)
原産地 摂津市
発祥時期 江戸時代
収穫時期 7から9月
摂津市鳥飼地区で江戸時代から栽培されている丸なすです。見た目は京都の賀茂(かも)なすに似ていますがやや下ぶくれで、皮が柔らかく、果肉が緻密で煮くずれしにくいなすです。
参考:「鳥飼茄子ア・ラ・カルト」
三島独活
(みしまうど)
原産地 茨木市
発祥時期 江戸時代
収穫時期 2から3月
茨木市を中心に三島地域で江戸時代から栽培されてきました。促成軟化技術で白く育てられた株は、香り高く柔らかく、酢の物、サラダなどに向いています。
吹田慈姑
(すいたくわい)
原産地 吹田市
発祥時期 江戸時代
収穫時期 12月
吹田市で江戸時代以前から自生していたくわいです。青くわいよりも小型のくわいで、えぐ味が少なく、肉質は緻密で甘さがあります。
参考:「吹田慈姑ア・ラ・カルト」
高山真菜
(たかやままな)
原産地 豊能町
発祥時期 江戸時代
収穫時期 12から3月
豊能町高山地区で江戸時代から栽培されているつけな類です。全長が20から30cmで茎の部分が柔らかく甘みがあり、春先に伸びてくるトウ(花茎)は「まな漬け」として利用されています。
参考:「高山まなア・ラ・カルト」
高山牛蒡
(たかやまごぼう)
原産地 豊能町
発祥時期 江戸時代
収穫時期 12月
豊能町高山地区で江戸時代から栽培されている牛蒡です。香りが良く、スジが少ないため、早く柔らかく煮えます。
「なにわの伝統野菜」について、さらに詳しくお知りになりたい方は、以下のリンクをご参照ください。
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