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防災農地の取組み
このページは、防災農地の取組みパンフレットのhtml版です。
写真や図表の入ったpdf版はこちらから御覧になれます。
農空間は、新鮮で安全な食料を供給する場としてはもとより、国土の保全、水源涵養、防災、景観・環境保全、教育・福祉、健康レクリエーション等の多面的機能を有しています。
阪神・淡路大震災では、農地やため池等が都市部における貴重なオープン・スペースとして、避難地や避難路、さらに延焼の遮断防止等に重要な防災空間であることが認識されました。
また、東日本大震災では、応急仮設住宅の建設用地について、公有地に加えて農地等の民有地の活用の必要性が高まり、国が農地情報の提供を市町村に協力依頼しました。
こうした状況からも、営農を通じて保全されている農地を生産面だけでなく、防災面からもとらえ、地域のまちづくりにおいて果たすべき役割を明らかにし、農家と、行政・地域住民等の多様な連携により、農地等を防災空間として保全・活用する取組みを進めています。
農地は大切な空間です
まちの農地のよいところ
- 阪神・淡路大震災の経験から、災害に強いまちづくりを考えた場合、防災空間としての利用価値が高い。
- 学校や住宅地が近く、教育の場やレクリエーションの場としての価値が高い。
- 都市の中の貴重な緑、オープン・スペースであり、農地周辺を日常の散策等に活用できる。
- 住宅地に近いので、市民農園としての需要が高い。
- 身近な生物の生息環境、農業体験の場として活用することができる。
→しかし、まちの農地を維持管理するのは簡単なことではありません。
まちの農地の困っているところ
- 農業従事者の高齢化や担い手の減少が進んでいる。
- 道や水路が不便で小さな農地も多く、生産効率が悪い。
- 周辺に住宅が増え、水質悪化、日照不足、ゴミの投棄等が生じている。
- 農薬散布、騒音、臭い等に対する苦情がある。
- 農家と地域住民との交流が進んでいない。
みんなで農地を守り育てよう!
防災農地の取組み
平常時の農地利用
- コミュニティー活動を促進し、地域の連帯感、助け合いの意識を醸成する。顔見知りの集う身近な小公園の役割を果たす。
- 自治会、隣組、各家庭等による、農地を活用した身近な自主的防災訓練の実施や避難・集合場所の確認ができる。
- 農業体験や、農地の生み出す景観、生態系等、農の多面的機能が発揮でき住民にやすらぎや生きがいを提供できる。
- 食料生産の場となる。
災害時の農地利用
- 緊急避難地、延焼遮断帯、緊急資材置場、仮設住宅用地、ヘリポート等の防災空間が確保できる。
- 面積が小さくても、軽微な災害時の「一時的な避難地」、盗難や火の元の心配、忘れ物を取りに帰れる等、「目の届く距離の避難地」となる。
- 消火活動や負傷者の搬出等、地域住民が行う自主的災害救助活動の場となる。
- 農地を中心とした地域コミュニティーが活かされる。
- 既設の農業用水路、井戸等の用水が消火や生活雑用水に活用できる。
防災協力農地登録制度とは
この制度は、市町村の要綱に基づき、災害時における住民の安全確保及び復旧活動の円滑化を図る用地を確保するため、避難空間、仮設住宅建設用地、復旧用資材置場等として活用できる農地を、農家のご協力により、あらかじめ登録するものです。
農地が農作物の生産の場だけでなく、環境・防災面からも重要なオープン・スペースであることを、住民にご理解いただくとともに、農地の保全と都市農業の振興に寄与することも目的としています。
登録していただいた農地には、案内標識を設置し、住民にお知らせすると共に、ゴミの投げ捨て防止の啓発も行っています。
1月31日は「防災農地」の日です。
大阪府防災農地推進連絡会では、1月31日を防災農地の日と制定し、農地等を防災面から保全・活用する取組みを推進しています。
1月31日は語呂が「防災」と読むことができ、また、「大阪府防災農地推進連絡会」が発足した日です。
大阪府防災農地推進連絡会
大阪府及び府内市町村が、農地等の持つ「防災」機能に着目し、農地等を防災空間として保全・活用することを目的として、平成15年に設置しました。