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府内の読書活動の事例紹介(学校等)
生活の場ごとの読書活動事例(学校等)
子どもの生活の場における読書活動の取組のヒントとなるよう、子どもが読書への興味・関心が高められるような読書活動や、読書活動時間を取ることができない保護者への活動、子どもが主体となって実施する活動等、府内の教育保育施設、学校において実践されている取組事例をご紹介します。
その他、小中学校の学校図書館を活用した授業実践例も掲載されていますので、ご覧ください。
教育保育施設(保育所・幼稚園など)
本とのふれあいを大切に
<つばさ共同保育園>(泉南郡熊取町)
○えほんのへや
・保育室と別に設けた子どものための図書室。
・子どもの本専門店が選書した本に加え、司書に選書してもらった図書館の団体貸出も利用して、絵本だけでなく科学
絵本なども置いている。
・他の部屋よりも一段低く作っており、子どもたちが落ち着いて本が読める空間となっている。
・棚は、子どもが手に取って選びやすい高さになっており、子どもが自分で本を選んで触って開くという、本を読む一連の動作を通して、
本に親しめる工夫がされている。
○ふれあいルーム

・地域交流室(ふれあいルーム)があり、地域の方にも開放している部屋である。そこでは毎週、
熊取文庫連絡協議会の方と一緒に「つばさ文庫」を開室している。
・園児は、ふれあいルームの本を自由に読んだり、自分で選んだ本を借りることができる。
・文庫の開室中は、保育士や文庫の方に絵本を読んでもらったりしている。また、地域の方にも本の貸出を行っている。
・文庫の本だけでなく、図書館の団体貸出も利用しているため、本の種類や冊数も豊富。
⇒子どもたちは自分の好きな本、読みたい本を選んで、本や本を通して人とのふれあいを楽しんでいる。
☆園での活動においては、体験を大事にして、そこから興味を持ったことを探究する学びにつなげている。またその中で絵本と体験を結びつけ、絵本で興味付けを行ったり、ふり返りを行ったりしている。子どもたちは絵本の世界の空想を楽しみ、体験を通して実際に学び、そこから自分を客観視して見つめ直すことができており、日々子どもたちの成長を感じている。
様々な絵本の読み聞かせ
≪大阪市立平野西保育所≫
1分間の座布団読み
- 月に1度、お迎えの際に保護者に1分間で読むことができる赤ちゃん絵本の読み聞かせを行ってもらっている。
- 保護者と乳幼児のスキンシップの時間の確保、乳幼児の本離れの解消、保護者も乳幼児も一緒に絵本の面白さを感じてもらうことを目的として平成25年より実施している。保護者の膝に座って絵本を読んでもらうことから、座布団1枚のスペースでできる「座布団読み」と名付けて行っている。
- 絵本の読み聞かせの大切さはわかっているが、年齢に応じた長い本を読まないといけないと感じており、時間が取れないと思っている保護者が多い中、1分程度で読み切れる赤ちゃん絵本を用意し、忙しい保護者でも無理なく取組むことができるものとなっている。
〔効果〕
乳幼児は毎月の座布団読みの日を楽しみに待ち、めあての絵本を持って嬉しそうな顔をして保護者の膝に座ってお話を楽しんでいる。
忙しい日々の中でも1分という短い時間の中で、本というツールを通して親子のコミュニケーションを図る一助となっている。
「月刊絵本」の日々(にちにち)読み
- 等しく読書環境が整備できるよう0歳児から5歳児全ての乳幼児を対象に、「月間絵本」を購入し、全員に配布している。
- 乳幼児は「自分の本」に愛着を持ち、毎月届く嬉しさから絵本がますます好きになり、大切にしている。
「月刊絵本」は1ヶ月間保育所で乳幼児の手元に置き、保育士が毎日順々に乳幼児1人の「月刊絵本」を選んで読み聞かせを行っている。内容は同じものを繰り返すが乳幼児にとっては今日読んでもらう本は「自分の本」であり、その日は保育士の前の特等席に座ってお話を聞き、特別な1日を感じている。
乳幼児は毎日お話を聞くことで、絵本の内容をしっかりと自分のものにし、お話の世界に入って楽しんだり、文字の読めない乳幼児でも自分で絵本を開いて楽しむことができている。 - 1ヶ月後に、「月刊絵本」を家に持ち帰ると、家で保護者相手に幼児自身が読み聞かせをしているという話も聞く。
また、絵本の内容が幼児の中に浸透すると、絵本の内容から運動遊びやお絵かきなど自ら遊びで表現したり、年長になると劇を創作するなど、自ら創造する行動が見られるようになっている。
〔効果〕

日々読みの実施により、絵本の世界を楽しみながら、ことばを覚え、自ら遊びや物語を作り出すなど、乳幼児の様々な力を養うことに繋がっている。
小学校
魅力ある学校図書館に
<松原市立松原北小学校>
○学校図書館を活用した読書推進の取組み
・書籍の展示方法の工夫や読書活動促進(きっかけづくり)に向けた展示物の作成
1.
2.
3.
4.
1.2.テーマ展示 季節や児童の興味関心に合わせたテーマごとの本の展示 3.平行読書 授業と並行して、同じ作家や関連する本を読めるよう
に学年ごとにおく 4.読み聞かせで児童と楽しんだ本を手書きの短冊にし、廊下に掲示
・児童部会のメンバーによる新刊紹介
・絵の本広場…400冊以上の絵本や写真集を面展台に置き、自由に読める絵の本広場を設営した。
文字に苦手意識がある児童も進んで絵の本を楽しむ姿があった。

・味見読書・・・味見をするように多くの本を少しずつ読み、読書傾向に偏りのある児童の本の世界を広げるために、市民図書館と連携して
行っている。

・Library通信の発行…保護者に向けて「ことばの力を育む大切さ」について発信
⇒取組みの結果、本や読書に興味・関心をもつ児童が増え、不読率も減少した。
○学校図書館を活用し、自分で考え取り組む力(主体性)を高める授業づくり
学校図書館を「読書センター」だけでなく、「情報センター」、「学習センター」として課題解決の場として位置づけ、児童につけたい力を育成 する場としての活用を推進
・各教科の学習について、単元計画の中に図書館の活用を位置づけ、調べ学習や学習内容に関連のある書籍の紹介などに取り組んでいる。
・本の地図…自分の力で、読みたい本や課題を解決するための本を探し出すために作成
・調べ学習のための百科事典の調べ方学習をおこなっている。
・ことばの力を育むための、さまざまな「シンギングツール」を活用し、自分の考えを整理したり、広げたり、深めたりするために学ぶ。
⇒自ら探究したい課題を解決するために、学校図書館を利用しようとする児童が増えた。
☆学校図書館の持つ機能を最大限に発揮し、日々の学習の中に読書活動、学校図書館活用を取り入れることで、子どもたちの「ことばの力」を育むことができている。また「ことばの力」を育むことで、子どもたちが自分の思いを自信を持って相手に伝えることができるようになった。
「ことばの力」をはぐくむ
<茨木市立天王小学校>
学校図書館の活用(学校図書館を学びの1つの手段として大いに活用)
○図書を活用した授業
・カリマネ(カリキュラム・マネジメント)マップを作成し、国語科と他教科のつながりを見える化し、図書活用につなげる。
(例:4年社会「くらしと水」)
1.
⇒ 2.
⇒ 3.
1.国語でつけた話す聞くの力 ⇒2.【言語活動】養護教諭の先生の話を聞く ⇒3.【図書活動】レポートにまとめる
・物流システム(月1~2回)を活用し、市立図書館・他校と連携。授業で使用する本を揃えている。
・成果物は子どもたちの目につくところに掲示している。図書だよりでも紹介。
⇒学びの幅が広がり、表現が豊かになった。自分で調べたいテーマを決めて、自主学習で調べ学習をしてまとめる子が増えた。
○豊かな心を育てる読書活動
・読書ゆうびん・・・はがきにおすすめの本の題名とおすすめの理由を書き、紹介したい人の学年・クラス、名前を書いてポストに入れる。
本を通して、友だちや先生、他学年の子どもとつながる取組み。
・あおぞら読書会・・・中庭の芝生広場を読書スペースとして活用。お気に入りの一冊を手に太陽の光や風を感じながら読書に親しんでいる。
先生たちの読み聞かせも行い、大人気の取組み。
・本に親しむ活動
(例:1年「おはなしを読もう」)
1.「だれでしょう」クイズ
2.絵本の中の人物に着目して本を選ぶ
3.おきにいりのひとしょうかいカード

・図書委員会による『わたしの「推し本」紹介』や「分類番号キャラクターの作成」
⇒読書への興味が1年間で6%アップした。(子どもたちのアンケートから)
☆ことばの力をつけるための取組みによって、自分の「考え」を書ける子どもが増えた。本に触れ合う機会が増え、普段から、図書室で本を使って調べたり、百科事典を使って調べる習慣がついた。調べたことについて交流する中で、相手を意識して、互いに聴き合う姿が増えた。
児童主体による読書活動の活性化
≪枚方市立西牧野小学校≫
図書委員による読書活動
- 平成30年度より、司書教諭及び図書部の教員の指導のもと、図書委員に所属している児童が全児童の読書ノートの進捗を把握することに加えて、読書量の多い児童に贈呈する「しおり」の作成や、おすすめ本の紹介、読書期間中の読み聞かせ等を行っている。
- また、同年度より、学校図書館担当職員を中心にして、「図書館オリエンテーリング」を実施し、授業に必要な蔵書をそろえたり、中学校区内の他の小学校と蔵書情報を共有したりすることで、調べ学習の内容や回数について共通点を持たせている。
〔効果〕
図書委員の活動を活発化させ、図書委員の児童が意欲的に活動できるようにすることで、図書委員が中心となって他の児童と学校図書館の利用や読書を繋げる取組が進んでいる。
学校図書館の活用
≪羽曳野市立古市南小学校≫
読書月間の設置
毎年、6月にあじさい読書月間、11月に秋の読書月間を定めている。- 学校図書館の本を借りる際に、スタンプを押す「スタンプラリー」や「読書すごろく」「先生のおすすめ本」を読むなど取組んでいる。
家読の実施
- 全学年で家読を実施し、毎月「うちどくカード」に家読を取組んだ日や読んだ本を記入。
- 4月に保護者向けの手紙を出し、家庭での協力をお願いし、6月・11月の読書月間の期間には「おうちの人からのひとこと」をつけて家読の様子等、保護者からコメントをもらっている。
朝の読書タイムの実施
全校一斉で、毎日8時30分から40分まで読書時間を作っている。
ビブリオバトルの実施
- 主に高学年を中心に「ビブリオバトル」を実施している。
- 保護者に取組を見てもらうため、本番は参観で行った。
〔効果〕
家読を5年以上、朝読を10年以上続けて実施することにより、読書習慣がついてきており、家庭で読書をする児童の割合が増える等の効果が出ている。
また、読書月間には、家読の様子等について保護者からコメントをもらうなど、保護者を含めた取組を実施することにより、児童のみならず保護者に対しても、本への関心を広げ、児童の読書意欲を引き出すことに繋がっている。

中学校
学びがつながる 学びでつながる
<大東市立深野中学校>
○出会いを生む環境づくり
・教員おすすめの1冊…毎年度4月に教員のおすすめ本を紹介している。
【委員会活動(学習委員)】
・古本市…年に2回(前期・後期)に懇談に合わせて実施。教職員、生徒、保護者、地域から読まなくなった本を寄贈してもらい、正面玄関に ならべ、欲しい人は申込書に記入してもらうことができる。
・一箱本だな…1人1箱自分の好きな本、人に薦めたい本を学校図書館の本の中から選んで、紹介POPと一緒に、一箱にまとめてテーマごとに展示。貸出もおこなっている。


・他にも、学級文庫の本の買い出し、ビブリオバトル、Uber booksなどの活動をしている。
【立ち止まりたくなる新着図書紹介】
・季節ごとの廊下展示は、五感を刺激できるようなものを置いて、興味付けをおこなっている。
【ビブリオバトルの実施】
・学年の実態に合わせて形態やゴールを設定し、全学年で実施した年度もある。学習委員に年々受け継がれている。「伝える」「聞く」の楽しいトレーニングにもなっている。
⇒さまざまな「本と出会う」取組みを通して、本を読む習慣がついたり、いつもは読まないジャンルの本を読んでみたりする姿が見られるようになった。
○学びがつながる探究学習
・全教科での図書活用を実施することで、教員の授業デザイン力も向上。
・学年の実態に合わせて形態やゴールを設定し、自分が調べてみたいことを調べる。
・本が足りないときは、2時間続きの時間で地域の図書館へ。
⇒自分が調べたことを発表することで、1人ずつにスポットが当たり、みんなから「知らんかった!」と調べた内容について、認められる経験になる。また自分の関心のあることがテーマになるので、自ら本を読んでいる。
☆学校図書館を使った授業を通して、子どもたちの普段見ることができない一面を見ることができ、子どもたちの興味・関心が分かるようになった。意欲的に課題に取り組む姿、生き生きと活動している姿もよく見られるようになった。
学校図書館の活用
≪熊取町立熊取北中学校≫
読書センターとしての取組
〈来館しない生徒をいざなう図書館イベントの実施〉
図書委員が企画・運営を行い、スクールライブラリークイズ、ワークショップ、熊取町立全中学校図書委員交流会、町立図書館見学会など、本を介して多くの生徒が集う場となるようイベントを実施している。
〔効果〕
様々なイベントを実施することで来館する機会を作り、自分にとって楽しい場所、利用価値のある場所だと体験を通して知ってもらう取組となっている。
〈小学校への「本の読み聞かせ交流」の実施〉
小中連携の一環として、図書委員が、隣接の小学校へ昼休みの時間を利用して、支援学級を含む全クラスで読み聞かせを実施している。
〔効果〕
全児童から心温まる手紙が届けられ、小学生との繋がりを生む機会となっており、図書委員としての自覚や達成感が得られる活動となっている。
学習・情報センターとしての取組
〈「朝の読書」と「校内ビブリオバトル大会」の実施〉
年間を通し全校で朝の読書を行っており、それを発信する機会として校内ビブリオバトル大会を開催している。
全クラスで取組み、各図書委員がクラスで見本を示して発表し、その後、構成を考え表現を工夫した発表文章を、クラス全員で聞き合い、選出された代表が校内大会で披露している。
そこでチャンプ本(優勝本)に選ばれた代表が、大阪府中高生ビブリオバトル大会に出場している。
〈授業での図書館活用〉
主体的な学びをめざし、学校図書館司書と連携し、授業計画を立案し生徒と共有して進めている。
調べ学習では、生徒が課題に対して、集めた情報を整理し考察してまとめる。わかりやすく発信できるように話の展開を考え発表したり、相互評価して振り返ったりする等、問題解決法を学んでいる。
〈全国の新聞(134紙)活用〉
複数の新聞を読み比べ、物の見方や考え方を広げるねらいで図書館に見本紙を設置している。
全国紙・地方紙等、新聞それぞれの特徴や役割に気づくきっかけとなっている。
〔効果〕
図書委員が考え実施したアンケートの結果において「読むことが楽しいと思えていますか」「去年より本を読む時間が増えましたか」等の質問に、「はい」の回答が多くを占めていた。
また、考えて書く・話す・聞く等の、言語能力が身についたと実感している感想が見られた。
さらに、授業での図書館活用を通し自分で課題を見つけ、より深く学ぶという力・多くの資料や仲間の発表から、広い視野に立って物事を考える力・情報活用力等の育成に繋げることができている。
高等学校
生徒が集う図書館に
<大阪府立東高等学校>
○学校図書館を本を借りる場所に
・学校図書館が学校の中心部に位置している。
・学校図書館の開館時間は、毎日昼、放課後、探究の時間(朝も試験的に開館している)。
・さまざまなジャンルの図書を購入し、生徒が学校図書館に入って来て、一番見えるところに新刊や話題の本を配架している。
・学校図書館に来館する子どもたちにていねいにレファレンスを実施。
・学校図書館にある本や新しく購入した本を、図書館通信を通して紹介。多いときは月2回発行。
・保護者も生徒を通して、学校図書館の本を借りられる。(親子読書交流にもなっている)
・創立100周年の節目に、教員のおすすめ100冊を紹介する冊子を発行し、生徒に配布。近くの書店とコラボし、書店で紹介もしてもらった。
⇒探究学習の取組みとの相乗効果もあり、貸出数は年々上昇。2年間で約2倍に!!
○読むことと書くことはセット(探究学習)
・
「総合的な探究の時間」を1年生は週1時間、2年生は週2時間設定。
・1年次は「論理コミュニケーション」で論理的思考とアウトプットする表現力の育成するとともに、
グループで先行研究を読破したうえで、「プレ探究」により発想力や計画力を身に付け、一通りの「探究活動」のかたちを学ぶ。
・2年次は、1年次の学びに、自らの興味・関心あるいは専門性の高い分野における課題を設定し、

その解決に向けてさまざまな手法でグループで取り組み、発表会で発表する。
・『図書館とつながる探究』を進めており、さまざまな資料を通して、学びを深めている。
・図書館を探究学習が取組みやすいように改修し、子どもたちが集まる場所に。
⇒子どもたちは探究学習を通して、さまざまなジャンルの本に興味を持つことができている。
☆学校図書館の3つの機能「読書センター」「学習センター」「情報センター」を十分に活かし、多くの生徒に学校図書館が活用されている。
また活用が進むことで、学力の向上にもつながっている。
学校図書館の整備
≪府立山本高等学校≫
利用者全てに利用しやすく親切な図書館 誰にでも優しい図書館をめざして
- 合理的配慮に基づきバリアフリーをめざして図書館内の整備を実施した。車椅子の生徒も図書館を利用しやすいよう入口扉を大きく広げ、書架の高さを低くし、更に書架の間隔を広くとる等の改修を行った。
- 図書委員活動のなかで、しおりにもなるリーディングトラッカーを手作りし、カウンターに置いている。
どの生徒も同じように学校図書館での読書を楽しむことができるような取組を実施している。 - 畳を敷いた閲覧スペースや一人でゆっくりできるコーナー等、誰もが本に親しめる居場所を作るようにしている。
〔効果〕
- 誰にでも利用しやすく親切な図書館となるよう取組むことで、生徒が多様性を自然に理解し合える環境となっている。
- 1万冊前後の年間貸出冊数があり、多くの生徒に利用されている。

支援学校
ことばを育む
<大阪府立中央聴覚支援学校>
○本を読むことを楽しむ
聴覚障がいのある子どもが、『言葉の力』をいかに伸ばすかが重要な課題となっており、その一環として図書活動に力を入れている。


校内にことばについての掲示をいろいろおこなっている。
・図書室開放(小学部)
各学部で図書の貸出を行っている。小学部では、毎週火曜日の昼休みに図書室の開放をおこなっている。開放時間には子どもたちが本を持って次々にやってくる。中学部と図書室を共有しているので、高学年は、中学生向けの本を借りる子どももいる。手話についての本も充実している。本を借りるとスタンプカードにスタンプが押される。カードにスタンプ増えるのを見て、どのくらい本を借りたかわかり、達成感を抱くことができる。
図書室はきれいに本が整頓されていて、表示等探しやすい工夫もおこなっている。


・読書への啓発
校内の随所に読書関連の掲示をおこない、子どもたちへ読書の動機づけをおこなっている。



☆読書活動を通して、語彙力を増やしたり想像力を培ったり『言葉を育むこと』は、聴覚障がいのある子どもたちにとって、とても重要なことと考えている。まずは、本を読むことを楽しんでもらいたいと、校内に本や言葉に関する掲示をおこない、目で見て分かりやすい取組みをおこなっている。子どもたちは幼稚部・小学部の頃から読み聞かせ活動などで本に親しんでおり、中学部生徒においては本の感想文において、全国大会に作品を出品するなど取組みの成果が現れている。
障がいのある子どもの読書環境づくり
≪府立東大阪支援学校≫
BOOK(ブック) FOREST(フォレスト)-おはなしの森-プロジェクト
平成28年度に「第3次大阪府子ども読書活動推進計画」の基本方針に基づき、本に親しみ読書の楽しさと大切さを知り、自発的な読書活動や読み聞かせ活動を行うことができる環境整備に取組むため、「BOOK(ブック) FOREST(フォレスト)-おはなしの森-プロジェクト」を実施した。
〈図書室の整備〉
重度重複の障がいのある児童・生徒が、様々な感覚を使って読書活動・読み聞かせ活動できるよう図書室中央にある柱を大きな木に見立てて、それを中心にみんなが集う「おはなしの森」をコンセプトに、壁紙・窓枠・暗幕を緑に、天井は空と雲をイメージしたカラーリングとし、児童・生徒がゆったりとおはなしを楽しめるよう工夫した「おはなしスペース」の整備を行った。
〈図書の充実と読書活動推進〉
印刷物を読むことに困難のある児童・生徒のためのマルチメディアデイジー等の読字支援機器による読書支援や、ページめくりが困難な運動障がいのある児童・生徒のためのデイジー図書・電子書籍と自助具等を組み合わせた環境の整備、書画カメラ等を導入した視覚支援によるグループ学習の推進等、様々な障がいや発達段階に応じた図書の充実と児童・生徒一人一人に合った読書活動を推進している。
〔効果〕
障がいのある子どもの状況に応じて一人一人が様々な形で読書活動ができるよう基礎的環境整備を整えたことにより、子どもが本やデイジー図書等を楽しむ様子が見られ、授業での図書室利用が大幅に増え、貸出冊数も増加している。
教育委員会
言語活動の充実をめざして
<河内長野市教育委員会>
○「B1グランプリ(Best Book Battle)」の開催
・児童生徒一人ひとりがおすすめの本を選び、その本のよさを紹介し合う取組み。
・対象は、市立小学校5年生、中学校2年生。各学校の国語科の学習活動の中で、全児童生徒が自分たちの選んだおすすめの本を紹介し合う。
・その後、市内全校をオンラインでつなぎ、各校の代表がおすすめの本を紹介。全校児童生徒が1人1台端末で投票し、リアルタイムで集計。
一番を決めるのではなく、各発表のよさを見つけて評価する。
・伝え合い、聞き合う言語活動を通して、目的に応じて情報を整理する力、適切な言葉でまとめ構成する思考力、互いの立場や考えを尊重して伝え合う表現力を育成する。
・単発のイベントとして終わるのではなく、この取組みを国語科の教育課程内で扱う内容を題材とし、発展的な学習活動として教育課程に位置づけた取組みとして、令和4年度より実施している。
・大会後には、各校の代表本を掲載したポスターを作成し、読書意欲の向上を図っている。
⇒子どもたちは、自分の好きな本をみんなに聞いてもらえる、友だちが紹介した本に興味を持ち、今までまったく興味のなかったジャンルの本を読んでみるきっかけとなった等、読書への興味・関心・意欲が高まっている。
⇒先生たちは、国語の授業の発展的な活動として計画的に実施できる。この活動を通して、学校図書館や読書の楽しみ方など、読書指導につながる機会となる。また教員もビブリオバトルを実際に行い、子どもたちと一緒になって取り組むことで、互いに読書活動の推進となっている。
○その他の読書推進の取組み
・言語力向上司書職員の配置。(学校図書館の業務だけでなく、言語力向上に資する学習にも関わる)
・学校図書館図書標準を超えた蔵書数の充実。
・1人1台端末を活用した市立図書館の電子図書の貸出を実施。家庭での読書にもつながる。
・市立図書館による「えほんのひろば」事業の実施。
・市独自の「読書ノート」を配付。感想を言葉で記して記録することで、読書意欲、国語力の向上を図る。10冊達成者を表彰。
市HP、広報誌に掲載。また「読書ノート」の表紙やイラストを児童から募集。
・11月の読書月間に読書冊数調査を実施。(結果を提示し、読書活動推進の意識付けとしている)
・小中学校間の本の相互貸借を行い、各教科の授業で参考となる図書や小学校にはない中学校の図書を「おためし読書」として使用するなど、
積極的に活用している。
・「おためし読書」の取組み。普段は読まないような本に出会うことを目的とした取組み。1人2冊(読み物と説明文)ずつ選んで5分間読み、
書名・分類・評価をワークシートに記入する。その後、本を隣に回して、計3回繰り返す。最後にその中から1冊を選んで借りる。
⇒さまざまな取組みを通して、読書への興味関心を高め、主体的に学校図書館を活用している。不読率が低く、取組みの成果が表れている。
☆読書活動から言語活動につなげる取組みを通して、子どもたちの表現力や思考力が高まっている。また読書を通して、多様な価値観にふれることで視野が広がり、特にBest Book Battleにおいては、実施することでコミュニケーション能力も向上している。