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平成29年11月委員会会議会議録
大阪府教育委員会会議会議録
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1 会議開催の日時
平成29年11月17日(金曜日)午前10時00分開会
午前11時45分閉会
2 会議の場所
災害対策本部会議室(新別館北館1階)
3 会議に出席した者
- 教育長
向井 正博 - 委員
竹若 洋三 - 委員
井上 貴弘 - 委員
岩下 由利子 - 委員
良原 惠子 - 委員
岡部 美香 - 教育監
橋本 光能 - 教育次長
中野 伸一 - 教育センター所長
山崎 政範 - 教育総務企画課長
村田 幸正 - 教育振興室長
向畦地 昭雄 - 高等学校課長
松田 正也 - 高校再編整備課長
土佐 邦之 - 支援教育課長
田中 一人 - 保健体育課長
田中 実 - 市町村教育室長
坂本 暢章 - 教職員室長
河西 陽三 - 教職員企画課長
古田 正 - 府民文化部・スポーツ振興室 スポーツ振興課長
田上 恵生
4 会議に付した案件等
- 議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について
- 議題2 平成30年度大阪府公立高等学校の募集人員について
- 議題3 平成30年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科及び大阪府立高等学校に設置する共生推進教室の募集人員について
- 議題4 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく平成29年度実施対象校について
- 議題5 第2次大阪府スポーツ推進計画(案)にかかる知事からの意見聴取について
- 報告事項1 教職員の働き方改革に向けた取組み等について
5 議事等の要旨
- (1)会議録署名委員の指定
井上委員を指定した。 - (2)8月23日及び9月1日の会議録について
全員異議なく承認した。 - (3)府民文化部スポーツ振興室スポーツ振興課長の出席について
議題5の審議に参加させるため、府民文化部スポーツ振興室スポーツ振興課長の出席について諮り、全員異議なく承認した。 - (4)議題の審議等
議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について
議題の趣旨説明(教育総務企画課長)
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成29年9月定例府議会に提出された議案について、大阪府教育委員会事務決裁規則第5条に基づき教育長が代決により異議がない旨を回答した。この代決を、大阪府教育委員会事務決裁規則第7条第2項に基づき承認する件である。
質疑応答
なし。
採決の結果
賛成多数により、原案どおり承認した。
(賛成者 向井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)
議題2 平成30年度大阪府公立高等学校の募集人員について
議題の趣旨説明(高等学校課長)
標記について、府内公立中学校卒業見込み者数等の動向を踏まえ、決定する件である。
質疑応答
- (向井教育長)2-9ページについて少し補足すると、これまでの7対3という公立私立の募集人数の割合を無くし、府内の進学予定者は64,680人、一方で公立と私立の募集人数を足して68,253人で、約3,600人の余裕をもって募集をする、ということで受け入れ可能という確認をしている。
- (竹若委員)文理学科になっている10校について、予想される応募状況は。
- (松田高等学校課長)まだ現状ではわからない。北野高校と天王寺高校がすべて文理学科に移行したときには、倍率そのものは少し下がったが、残り8校についてはまだ分からない。
- (竹若委員)蓋を開けてみないと分からないということか。
- (松田高等学校課長)昨年度、この8校については志願者全体の93%が文理学科志望ということで、大きな変動があるとはあまり考えていない。ただ、純粋に普通科志望の生徒は志望しなくなるので、他校にまわる可能性も考えられる。
- (竹若委員)教育長の方から補足説明があったように、セーフティネットの観点で、こういう数字を出していただいて安心した。この観点で今後ともよろしくお願いしたい。
採決の結果
賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 向井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)
議題3 平成30年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科及び大阪府立高等学校に設置する共生推進教室の募集人員について
議題の趣旨説明(支援教育課長)
標記について、決定する件である。
質疑応答
- (良原委員)総合募集ということだが、これはいつぐらいの時期にどのようにしてそれぞれの科に分けていくのか。
- (田中支援教育課長)学校によって若干の違いがある。夏休みまでにまずそれぞれの学科を生徒が体験し、その上で希望を聞いて決めていく、というところと、1年間でそれぞれの学科を経験して、2年目で決めるというところがある。
- (良原委員)その場合、人数の偏りが出るのか。
- (田中支援教育課長)以前もご質問いただいたが、比較的偏りは少ない。偏りがあるところも第一希望、第二希望という聞き方で、生徒といろいろ話をしながらやっていく。大きな偏りはないと聞いている。
採決の結果
賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 向井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)
議題4 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく平成29年度実施対象校について
議題の趣旨説明(高校再編整備課長)
標記について、以下のとおり決定する件である。
- 平成29年度の方針
平成29年度は、特色ある教育活動を他校に継承・発展させる機能統合による学校の再編、普通科総合選択制から総合学科への改編に着手する。 - 実施対象校
- 機能統合により再編する学校
- 柏原東高校(機能統合先となる学校:八尾翠翔高校)
- 長野北高校(機能統合先となる学校:長野高校)
- 普通科総合選択制から総合学科に改編する学校
- 枚方なぎさ高校
- 機能統合により再編する学校
質疑応答
- (向井教育長)補足すると、大阪だけではないが、人口が減って、卒業者数が減っている。実際、先ほどの説明にもあったが、毎年2000人、多い場合は3000人の卒業者が減っているという状況を踏まえて、計画的に、また、条例に基づいて再編整備を行っている。あとで教育監にフォローしてもらおうと思っているが、2年間定員割れになると、次の年、3年定員割れという状況になるので、学校だけに任せているのではなく、柏原東高校、長野北高校については、昨年度教育監を筆頭に、地元市町村・学校等に動いていただいて、できるだけの努力したが、3年連続定員割れという状況になったこともあり、府トータルで考えた結果、今回このような結論になった。
- (橋本教育監)高校を募集停止するというのは、我々にとっても非常にしんどいことだが、人口が減っていく以上、避けて通れないと思う。その中で、定員になかなか満たないところについては、我々も去年市町村を回り、なんとか生徒が集まるように一緒に頑張っていきましょうと、お願いも含めて、努力はしたつもりだ。結果的にこういうことになり、再編整備計画でも学校数を少し減らしていくということがある以上、避けて通れないということが結論である。
- (竹若委員)柏原東と長野北高校に関しては、今までルールについて、教育庁から説明を受けてきた。今、教育長と教育監から話があったように、根本的には生徒数の減少が要因だろう。府内全体で減少傾向にある中で、特にこの地域の減少が著しいという話を聞いたが、その点はどのような感じか。
- (土佐高校再編整備課長)柏原東高校の方だと、主に八尾市、柏原市、東大阪市から8割程度と、大半の生徒が来ているが、その3市の今後の卒業者数の見込みを見ると、平成28年3月と37年3月を比較すると、府全体の平均の減少率は13%だが、22%減と、非常に減少率が高くなっている。同じように、長野北高校には、河内長野市、富田林市、大阪狭山市から通っている生徒の割合が高いが、同じように見るとこちらも19%減と、大阪府内の平均を大きく上回っている。
- (竹若委員)今の数値、減少率を聞いて、教育監が各市町村を回って、志願者数が増えるようにお願いしたという努力はよくわかるが、学校も懸命に努力してきたと思う。ただ、この生徒数の減少ということを考えるならば、仕方がないと思うが、今までにないような、例えば、柏原市議会の意見書や、私もかつて公立の中学校長会に属したことがあるが、地域の公立中学校長会から意見書が出てくるというのは、今までで初めてではないだろうか。このように閉校に関わる意見書の提出は今まであったか。
- (土佐高校再編整備課長)能勢高校の改編の時に、町議会からの意見書をいただいた。
- (竹若委員)能勢高校の場合は特別として、今回こういうことで意見書が出てきて、非常に深刻な問題だと思う。その点で今説明のあった趣旨のもとに、決断しなければならないだろうと私個人も思う。そこで、あえて言うならば、柏原東高校なり、長野北高校にこれから残っていく生徒は、2年ないし1年、学校活動、教育活動そのものに非常に不安があるだろうと思う。その点も、教育庁をはじめ、各学校関係者が徹底的に取り組んでいくことを特にお願いする。
- (井上委員)今回の再編整備について、統合整備と機能統合の2つがあると思うが、この2つがどういったものか今一度教えてもらいたいということと、今回、柏原東と長野北高校は機能統合という手法になっているが、なぜ機能統合なのか、という2点について教えてほしい。
- (土佐高校再編整備課長)統合整備という手法は、複数の府立高校の取り組みを発展させる形で統合して、全く新しい学校を作るものということである。西淀川高校と北淀高校という両方の普通科を統合して全く新しい総合学科としてのエンパワメントスクールをつくるという事例があるが、今回、柏原東高校と長野北高校それぞれの強みや特色をしっかり見て、周辺の高校等も同じように見て、どういう形で行うのが最も教育的効果の高い再編整備になるのかということを検討した。今回は機能統合ということであり、それは府立高校の特色ある取組みを別の高校に継承させて、そこで発展させるのがいいのではないのかとなった。具体的にいうと、柏原東高校の機能を継承する八尾翠翔高校というのは、27年度から大学等の進学の教育の充実を図るために、普通科専門コース設置校に改編した。長野高校の方は、普通科に国際教養科を併置して、英語教育や国際理解教育に力を入れている高校で、そういう独自の取組みで成果を両方ともあげている。その高校に、柏原東高校や長野北高校が取り組んできた優れた取組みを継承して、より八尾翠翔高校や長野高校の発展をめざすという形が最も良いと判断した。
- (岩下委員)この再編に関する問題は、すごく心苦しい気持ちで毎回見ている。私は、今までやってきたことや過去を振り返りながら、あと、今だけの問題ではなく、将来を見据えて、少子化になり、確実に生徒数は減っていくので仕方がなく、この方法がベストではないかと思う。ただ、先ほど竹若委員からもあったように、いろいろなところから要望書があるということは、もちろんみなさん真剣に考えて、子どものことを思っての結果だと思うが、この11月の段階で校名を変えてほしいという要望書が出たということは、説明が足りなかったのではないか。先ほど土佐課長から話があったように、機能統合の場合は、校名は変えない、統合整備の場合は校名を変えると、そのような形で過去からやってきているので、一部の人にしか伝わっておらず、多くの方には伝わっていないのではないかと思う。会合などもそれほど多くはできない。きっと中身の濃い会合がされているとは思うが、その後も、人間なのでそれぞれまた考えや意見が出てくる。今後は再確認、再々確認という形で、「このように進めたいと思いますが、また何か新しい点はないですか」ということを確認すべき。双方の100%の納得はいかないと思うが、一番に生徒のことを思って考えてやっていれば、自ずとこれがベストになるのではないかと思うので、丁寧な対応をお願いする。
- (中野次長)今の校名の変更の件だが、地元の市には機能統合方式は校名を変えない方式であるということ、そして、変えないことの考え方については事前に伝えている。今回要望が出てきたのは、そのことを知らないから出てきたということではなく、地元にとって非常に大事な学校で、アイデンティティもあるので、校名を残してほしいという要望であった。
- (岡部委員)人口が減少していく中、やむを得ず、教育庁としても取らざるを得なかった措置だと今の説明から理解した。それを受けて、柏原東高校の同窓会の方から、あるいは、長野北高校の中学校の校長会の方から、進学しようと思っていた中学生が行けなくなるということについてのフォローはどうしたらいいのか、という問題に対する措置が問われている。あと、その高校への受験準備をしてきたという子たちがきちんと進学し、別の高校に行ってもよかったと思えるような措置もこれから大事になってくると思うが、そういうことに対して学校側や教育庁で、こういう形でフォローや手助けをしていこうというのがあれば聞きたい。もう一つ、校名のことについて、今、アイデンティティの問題を言っていたが、地域に密着してきた学校ということで、そこまで愛着を持っているということだと思う。その地域に密着してきた学校ということでの、今まで行ってきた教育の特色を次の学校にどのような形で受け継ごうとしているのか、具体的に教えていただきたい。
- (土佐高校再編整備課長)まず1点目について、本日の議題2とも関連するが、高校進学を希望する中学生に応えられるように、公立と私立合わせて十分な受け皿を用意するということと、これから関連する地元市や個々の府立高校とも連携し、学校のPRをしっかり行い、できるだけ希望に沿うような高校を受けてもらうように、学校説明会をはじめ、きめ細かく対応していくということになるかと思う。2点目については、地域に密着した形ということだが、例えば、柏原東高校では、地元の中学校との連携という形で、柏原東高校の書道書写の先生が柏原市内の7中学校に出向き、1年生の全クラスで年間5回の書写の授業を行っている。その延長で、中高書写書道合同展覧会を行ったり、体験学習会ということで、柏原東高校に市内の中学生を招いて、体験授業も行っている。その他、これは市内の全中学校というよりも、個別の中学校と柏原東高校の連携だが、部活動での合同練習やあいさつ運動を駅前で行うなどしてきた。長野北高校でもクリーンキャンペーンやあいさつ運動など、いろいろ地元と連携してきた。そのため、このような良いところは、今後、八尾翠翔高校あるいは長野高校が引き継いで、より発展していくような形でこれから協議して、良いものにしていきたいと考えている。
- (岡部委員)ぜひそうしていただきたい。
- (井上委員)教育監を中心に、生徒に対し、柏原東高校、長野北高校に応募してもらうように地元で働きかけをしたとのことだが、具体的に両校に対して、教育庁として取ってきた施策、学校をサポートする、取組み内容を充実させるというようなことについて教えていただきたい。
- (土佐高校再編整備課長)両方の高校に対して、重点的に教員の加配措置をしてきた。他の府立高校の平均を上回る重点的な加配措置、教頭の2人配置や養護教諭の2人配置、それからスクールカウンセラーや就職コーディネーターの配置など、人的な支援というのはこれまで手厚く行ってきた。特色ある授業を支援する意味では、学び直しの教材開発やあいさつ運動など地域連携にかかる費用について支援するなど、いろいろな形で手厚く府教育庁として支援してきた。
- (向畦地教育振興室長)補足すると、例えば柏原東高校では連携型中高一貫教育を導入しており、高校というのは地元の中学校に力添えをもらわないとなかなか充実した教育ができないということで、こうした取組みを進めてきた。柏原市教育委員会にも、また柏原市立中学校の先生方にも非常に努力してもらい、力添えいただいてきたが、残念ながら定員を満たせない状況が生じてきたということである。
- (井上委員)統合先の八尾翠翔高校と長野高校がしっかりと受け継いで、統合される2校のいろいろなもの、文化、歴史を受け入れていかないといけないと思うが、具体的には両校の校長先生はどういう思いで、またこうやっていこう、ということはあるか。
- (土佐高校再編整備課長)両校長とも話をしており、八尾翠翔高校の方では、柏原東高校は大阪教育大学との連携を行ってきており、キャリア教育にも力をいれてきたため、そういった良いところは引き継いで、八尾翠翔高校の発展につなげていきたいとの話であった。長野高校の方でも、長野北高校が取り組んできた郷土学であるとか、そういう地域との連携等を取り入れ、より発展をめざしたいと前向きにとらえてもらっているので、府教育庁としても支援していきたいと考えている。
- (向畦地教育振興室長)今、土佐課長からもあったが、八尾翠翔高校あるいは長野高校の校長とも、柏原東高校、長野北高校の思いを引き継ぎながらできる限りのことをしていきたいと言っている。我々も、まず柏原東高校あるいは長野北高校の残された生徒が不安を抱かないよう、先ほど委員からも指摘あったが、教育環境を低下させることのないように全力を挙げていきたいと思う。また、八尾翠翔高校と長野高校については、さらに今の教育を充実させることが我々の使命だと考えている。
- (井上委員)先ほど岡部委員も言っていたが、地元と密着した教育というのが大事だということで、柏原市長と柏原市教育委員会教育長から向井教育長に要望書を提出いただいた中で、地域連携型中高一貫教育というのを強く望まれていると思うが、これは引き継いでいく予定なのか。
- (橋本教育監)今の柏原東高校は柏原市にあって、その中で中高連携という特別な形でやっている。それが八尾翠翔高校に統合されるので、同じ形ではなかなかできないが、八尾翠翔高校で柏原市を含む地元との連携ができるよう、実質的なことはやっていきたいと考えている。
採決の結果
賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 向井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)
議題5 第2次大阪府スポーツ推進計画(案)にかかる知事からの意見聴取について
議題の趣旨説明(保健体育課長)
スポーツ基本法第10条第2項の規定により知事から意見を求められた第2次大阪府スポーツ推進計画(案)に対する意見について決定する件である。
質疑応答
- (良原委員)5-14ページにある「スポーツ推進委員」とは、具体的にどういう方々がどういうことをされるのか。
- (田中保健体育課長)市町村長が委嘱しており、以前は「体育指導委員」と呼んでいたものであるが、それぞれの地域における様々な体育に関する取組みを地域で担っていただいているというものである。例えば、少年団とか地域のさまざまなスポーツ活動に関わる方に委嘱するということが多いが、そういった方々が市町村単位で行う、あるいは地域で行う、あるいは校区単位で行う取組みについて積極的に関わっていただいて、地域スポーツの振興を担っていただく。大阪府では市町村を束ねる大阪府全体のスポーツ推進委員というものがあり、その事務局を保健体育課が担っており、その研修を毎年大阪府で行ったり、あるいは近畿で行ったりしているため、ここに掲げた。
- (良原委員)その研修は年に何回くらいあるのか。
- (田中保健体育課長)大阪府での研修は年に1回である。
- (井上委員)関連するが、どのような方がスポーツ推進委員になっているのか。
- (田中保健体育課長)地域の競技団体など競技に長けている方、バレーボールをしたり野球をしたりする方が、市町村の野球連盟とかバレーボール連盟とかに居るので、そういった方々が地域の子どもたちにしっかりと、地元の体育振興をするために、例えば、市町村単位で体育大会とか、あるいは校区の大会、府民体育祭などがあるので、そこに積極的に関わってもらうようにしている。スポーツ推進委員だけではなく、元々体育や運動されている方に市町村が、「振興のために働いてもらえませんか」という感じで委嘱する。
- (井上委員)何人ずつくらいいるのか。
- (竹若委員)スポーツ推進委員というのは、各市町村の教育委員会が委嘱しており、市町村によって人数に多少ばらつきはあるが、大体30人くらいいる。その経歴を見ると、例えば野球なら野球、バレーボールならバレーボールというように、そのスポーツが堪能な方が応募されるケースが多い。
- (井上委員)公募なのか。
- (竹若委員)そうである。それからもう一つは団体からの推薦というのがある。最近は、エアロビクスなどを自分で研修している方が、市民に広めたいと応募されることもある。それはそれとして、これは5年計画で大々的であるが、5-20ページの業績評価指標では全体指標が1つと、あとは個別指標があるだけであり、正直なところ何か物足りない。特に気になるのは、最初の5-2ページで説明があった2本の柱の2で、「都市魅力の創造」という非常に大きなことを謳っている。その4番目に、「スポーツを通じた地域・経済の活性化」とある。ところが、指標にはそれが見受けられない。もしかしたらこの個別指標の中に入っているのかもしれないが、今の説明では、この「スポーツを通じた地域・経済の活性化」というのが指標として見られないので、また一度内部で検討いただきたい。
- (向井教育長)個別指標はこれだけか。他にないのか。
- (田上スポーツ振興課長)個別指標はこれだけにしている。前計画等の指標を踏まえ、あまり指標だらけにするのもどうかということで、真ん中ほどに施策との関連という欄を設けて、それぞれの大くくりの施策に何らかの関わりが1つずつはある形で、事務局としては工夫したつもりである。先ほど竹若委員から話があった地域・経済の活性化という部分については、少し無理な感じもあるかもしれないが、大阪ゆかりの主なスポーツチームの年間主催試合での観客合計数、いわゆる「見るスポーツ」の府内府外からの観客がいるということで、見るスポーツが盛り上がり、大阪の街の活性化につながるのではないかということで、こういう指標を設定した。
- (竹若委員)今の説明でそういう思いを持っているのだろうと思うが、府をあげて盛り上げていこうとすれば、府民の方にも指標や目標を理解してもらわなければ、なかなか広まらないと思う。この後の広報活動などによると思うが、5年かけてやるのだから、しっかり成果が出るようにお願いしたい。
- (向井教育長)この目的についてはこの指標を見るということを、もう少し丁寧に説明してもらえればいい。
- (岩下委員)5-20ページの個別指標の一番下のところ、「ラグビーワールドカップ2019の認知度」の目標の数値のところだが、「2019」の2019はワールドカップ開催の年だが、80%強という書き方の意味が理解できない。2019年にこの目標なのか、上には2021年の目標と書いてあるが。
- (田上スポーツ振興課長)ワールドカップ自体が2019年に開催されるので、2020年度以降は、オリンピックの翌年に関西で開催される、世界的なマスターズ大会である「ワールドマスターズゲームズ2021関西の認知度」にラグビーワールドカップの認知度の指標を切り替えることを考えている。
- (岩下委員)2019年ワールドカップ、そして2020年オリンピック・パラリンピックと、日本で大イベントがある。推進計画のところで、誰もがする・見る・支える、そして、特に高齢社会で、もちろんスポーツされている高齢者の方もいるが、することだけがスポーツではもちろんなく、観戦やボランティアなど、高齢者の方は結構、時間に余裕があると思うので、すべての国民、大阪府民を巻き込んで活性化できる推進計画をこの5年間で成功させるために、有意義に使っていただきたいし、チャンスだと思う。ただ、私が懸念しているのは、どこもそうであるが、宣伝などがうまくいかず、終わってから何が行われていたかを知る人もいるので、宣伝にあたっては、今まで以上の工夫をしなければならない。また、支援金というか、今まで以上に多くの予算が付くということはあるのか。
- (田上スポーツ振興課長)予算についてはなかなか苦しい状態が続いているが、例えばプロスポーツチームの協力で、選手・コーチに小・中学校へ出向いてもらい、トップアスリートのパフォーマンスを見て、子どもたちのスポーツに対する興味・関心をかきたてるといった事業などは、チームの方々の協力で、あまり税金をかけない形で、様々な主体の協力を得て実施するという工夫をしている。
- (岩下委員)工夫もそうだが、やはり成績を上げようと思うとお金が必要になると思う。今オリンピックに向けて、各団体もそうだが、国からかなり補助金が出ており、その成果が十分出ている。例えば、私はトランポリンという競技に携わっているが、ついこの間世界選手権があり、女子は史上初のメダルを取った。昭和34年にトランポリンが入って以来の快挙である。国からかなりの事業支援が出ており、このまま行けばオリンピックでもメダルを取れるのではないかというところまで来ている。もちろん卓球や、バドミントンも今、中学生や高校生がかなり活躍している。やはりお金をもらえると貴重な体験もできるし、良い講師も呼べる。もう少し費用に関しては出していただけるよう、知事に協力していただきたい。もう一つは、とても良い計画内容が書いてあるが、迅速にやっていかないといけない。特にスポーツに関しては、結果が出てからでは遅い。結果を出すために、より具体化して迅速に行動するということをぜひ頭に入れてもらうようにお願いしたい。
- (岡部委員)5-2ページの2の「スポーツの振興による都市魅力の創造」のところだが、4つ項目があがっており、1,2,3がトップアスリートを呼ぶという、運動の得意な人に光が当たるという項目になっている。元々の目的は、運動が得意であろうと不得意であろうと、全員が生涯スポーツをすることで、大阪をスポーツを中心とする魅力のある都市として活性化していくことである、と謳われていたが、スポーツが得意な人に焦点が当たるきらいがあり、あとの人は見るという側に行きがちな印象を受ける。4番目の「スポーツを通じた地域・経済の活性化」というところでいくならば、大きな国際的なアスリートの大会だけではなくて、地元の人たちが地元のために開くようなイベントなど、必ずしも得意ではない人たちが親子で参加できるとか、そういったことも応援していけるような形で、宣伝文句などをいれてもらえたらという希望がある。目立つような形で入れてもらえたら嬉しいし、あるいは、ここにそのような形で入れなくてもそういう活動をしていってほしい。
- (井上委員)皆さんが指摘しているところと同じだが、4番の「スポーツを通じた地域・経済の活性化」というところと、指標がかみ合っていない気がする。観にいく人数を増やす、試合数、観客数を増やす、これもひとつは活性化ということになると思うが、この文言をそのままでいくのであれば、これは府民文化部が所管しているので、そういう指標はそぐわず、経済や大阪の産業を担当している部署の指標になるのかもしれないが、例えばスポーツ関連産業の市場規模の拡大とかが入れば、まさしく地域スポーツを通じた経済の活性化ということになるし、そういう市場規模の拡大を大阪の中ですれば地域経済も潤うことにもなる。所管が違うと難しいのかもしれないが、せっかくやるのであればそういった部署とも連携して、関連する指標を入れたり、スポーツ関連産業の育成も、この際進めていけばはっきりするのではないか。
- (田上スポーツ振興課長)この策定に当たっては、産業などを担当している商工労働部も加わっていろいろな検討を重ね、また、大商、関経連、同友会等にもいろいろ話を伺っていく中で、どの団体も、国の計画でも書かれたように、「スポーツを通じて経済を活性化させる、スポーツ産業を盛り上げていく、裾野は広い」という認識は一致しており、「何かやろう」という意識はあるが、その方法論、具体の取組み、その取組みに基づいて生み出される成果がどういうものなのか、なかなか確たるものが無いというところもあり、検討はしたが、経済が活性化し、「スポーツ産業の裾野が広がった」という指標として取り入れることは難しいということで、現在に至っている。経済団体や商工労働部と連携しながら、この部分の取組みは進めていきたいと考えているので、ご指摘のようにやっていきたい。
- (井上委員)もう一つ、岩下委員が指摘した「ワールドカップの認知度」が2020年からは、「ワールドマスターズゲームズ2021関西の認知度」に変わるということだが、今から2021のワールドマスターズゲームズの認知度は指標に入れられないのか。なぜかというと、ラグビーのワールドカップは全国で行うが、ワールドマスターズゲームズはどちらかというと関西が中心で、大阪はかなり重役を担っていると思う。私の周りの昔一生懸命スポーツやっていた人に、「ワールドマスターズゲームズというのがあるよ」と言うと、出てみようかなと言う人もいるが、50前後のおじさんが運動を始めるとなると、長期計画になると思う。3、4年ないと間に合わないのではないか。「今からやろうかな」と言っている友人もいる。ワールドマスターズゲームズというのはまさしく、先ほど岡部委員の話にもあったが、トップアスリートの養成ということではなく、ある意味、一番運動してもらいたい中高年の人たちの「私もやってみようかな」という刺激に関しては非常にいいイベントではないかと思う。当然、世界中からいわゆるマスターズのトップアスリートも来ると思うが、私の理解では、この試合は予選などがなく、世界大会とはいえ誰でも出られるものかなと思うので、もう少し告知をしていく意味で、ここにもう一行入れてもいいのではと感じたが、いかがか。
- (田上スポーツ振興課長)ご指摘のとおり、ワールドマスターズゲームズは概ね30歳以上であれば、参加料は必要だが誰でも参加できる大会ということで開会され、今度関西で行われるのが10回目であり、「ワールドマスターズゲームズ2021関西の認知度」をこのような形で明記しているところである。また検討過程では、あまり認知度ばかりを指標としていくつも重ねるのはどうかという意見もあったため、ラグビーワールドカップが終わった段階で切り替えるという整理を一旦事務局の方ではして、このような配置にした。ただ、今はコメ印の添え書きのような形で、埋もれたような形になっているので、ここの表記を変えることによって、ワールドマスターズゲームズというのが関西で2021年、オリンピックの翌年にあるということを、見せ方としてまだ工夫の余地があると思うので、そういう方向で考えていきたい。
- (井上委員)個人的な意見だが、ラグビーのワールドカップは日本にとって非常に大きなイベントであると思うが、関西、ひいては大阪においては、やはりワールドマスターズゲームズの方が、私は優先度が高いのではないかと思う。経済の波及効果という点でも、大阪だけでなく関西一円でやると、大阪にお越しになる方もたくさんいるし、できればワールドマスターズゲームズというものをしっかりと皆さんに周知するため、指標が2つになっても私は構わないと思う。優先順位のつけ方だと思うので、ぜひ検討してほしい。
- (岩下委員)5-17ページの、「主な施策の方向性」の一番下の丸印のところで、「支援学校運動部等のスポーツ組織の活性化を図ります」とは、なにか具体的に考えている内容があれば教えてほしい。
- (田中支援教育課長)今年度から国の事業を使い、約300万円くらい国から出るが、スポーツを通じて交流して共同学習する、これは障がいのある子もない子も一緒にやろうという事業である。文化芸術活動も併せてあるが、府内の5つの支援学校のうち、3つの支援学校をモデル校として指定し、例えば枚方支援学校であればフロアホッケー、肢体不自由の藤井寺支援学校であればボッチャ、たまがわ高等支援学校は陸上やバスケットボールといったものを高校生と交流する、あるいは大阪ガスのコーチに来ていただくといったことを始めている。特に、藤井寺支援学校については、ボッチャを今までクラブとしてはなかったが、クラブ活動として進めていこうというようなことを現在している。
- (岩下委員)年間の回数などは。
- (田中支援教育課長)陸上、バスケットボールは年間必ず1回、大会があり、例えばバスケットボールでは22校が参加して支援学校のバスケットボール大会をしている。陸上は10月に万博の競技場を使い、100名近くの子どもが集まって陸上の大会を開催している。サッカーは年2回あり、それぞれ27校程度参加して大会を開催している。
採決の結果
本会議において提出された意見を事務局で整理・集約し、教育委員に確認の上、回答することを決定した。
(賛成者 向井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)
報告事項1 教職員の働き方改革に向けた取組み等について
報告の趣旨説明(教職員企画課長)
標記について報告する件である。
質疑応答
- (向井教育長)検討途中だが、課長が言ったように、取組みをまとめた上で、後期事業計画に位置付け、提出させていただく。
- (竹若委員)1-2ページの3の29年度の取組み状況で、「自動車通勤の要件の一部の緩和」ということは、これは教職員の働き方改革ということに当てはまるのか。
- (古田教職員企画課長)働き方改革については、負担軽減と、柔軟な働き方があり、教職員の勤務時間内での業務もそうだし、長時間拘束しているという負担もある。自宅の扉を出てから帰ってくるまでのうち、我々が把握しているのは校舎に到着してから帰るまでだが、トータルで教員の健康や負担を考えると、自宅から校舎までの通勤部分を軽減できないかということで、取り組んだものである。
- (竹若委員)これは大阪府教育庁として、教職員の負担を軽減する意味で考えたことだという趣旨はわかる。これは府立学校だけでなく、小中学校も含めての話か。
- (古田教職員企画課長)小中学校については、各団体が通勤のルールを定めているが、府立に比べたらやや緩く、かなり柔軟に、自転車も含めて、交通手段を使っていると聞いている。
- (中野次長)小中学校はご案内のとおり服務監督権は市町村にあるので、通勤の方法等については市町村が管理している。府立学校が市町村の小中学校と違うのは、比較的、府内全域や県外からも教職員の方々が通っており、長距離通勤をしている方もいる。学校の中でも非常に忙しく、長時間働いている方が多い。その中で、合理的に許容できる範囲で、通勤の時間を短くし、健康に勤務してもらいたい。そういった趣旨である。
- (竹若委員)検討中の話なので、しつこくは言わないが、府立学校の先生方も小中学校の先生方も、府の教職員ということで同じだと思う。そのため、大阪府の新たな施策として、この10月に実施されたので、その良さが市町村にも行きわたればいいと思うのが一つ。もう一つは、府立学校の26年、27年、28年のデータと、国が出した10年単位のデータとを、比較するように言われたら比較ができないこともないが、いつも思うのが、教職員のことに関わって、いつかの近畿教育委員会連合会の会議でこのようなテーマがあり、府立学校のデータがあったが、市町村のデータがその時は十分でなかった。難しいかもしれないが、大阪府教育庁として、教職員の働き方改革を打ち出していくならば、小中学校も、府立学校も同じデータを基に、我々が判断できるように、今後気を付けていただければと思う。
- (古田教職員企画課長)市町村については、我々の取組みを適宜お知らせしている。我々については、電子で国のガイドラインとおりにやっているが、府内市町村についてはまだそれが100%ではない。現在、国のガイドラインに即して、電子で本人の申告で、何時から何時まで働いたという申告で管理している団体も半数近くあるが、そのような状況は、今回のガイドラインではふさわしくないということで、まずは一旦提出してくださいということを働きかけている。またそれが整ったら、委員の発言の趣旨も踏まえて、データとして出したいと考えている。
- (向井教育長)私も、働き方改革の内容が自動車通勤というのはどうかと思う。「制度(業務)の見直し」というのは書き方がどうなのか、もちろん教職員の負担軽減という点では、委員がおっしゃる通りなので、少し書き方等を最終見直して、まとめたいと思う。
- (岡部委員)10月26日に文部科学省の方に研修に行き、その時に働き方改革の部会に参加し、文科省の方から情報をいただき勉強した。その時に、教員の負担を軽減するために、地域の人材を活用するということを、強力に進めようとしているのは確かにそのとおりだと思ったが、そこを進めていくと、明らかに、地域格差が教育格差にすぐに結びつきかねないというところがある。クラブの人材ということが今言われているが、クラブでも、野球が得意な人たちが多くいるところと、全くいないからと地域の方でもサッカーをやっていた人が野球を教えるということになってしまう。働き方改革は本当に大事であるが、先生方が頑張ってくださっていることで、どこに行っても、全国どこにいても日本では良い教育が受けられるという信頼があったところに、そういう格差が生まれてしまうのは、先生方としても、残念なところもでてくるのかもしれないので、そういったものが連動しないように、スタッフや地域人材の活用という点で気遣いしてほしい。もう一つが、事務的なことを先生方が今本当に負担されているため、他のスタッフで変えていこうという方向もかなり強く打ち出されようとしていることを知ったが、確かに本当にその通りで、諸外国、イギリスなどでは整理していっているが、逆に言えば、そういった事務作業の中で先生方がいち早く子どもたちの変化、家族の変化、家庭の変化に気づいてきたという部分を、どう補っていくかという新しい問題が出てくるかと思う。その点、またスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの力を借りることになると思うが、働き方改革をしたからその点が薄くなったということにならないような形でぜひ進めてほしい。
- (古田教職員企画課長)現在、国の中教審に、文科省から、学校の先生がやるべきこと、学校がやるべきこと、という形で、やるべきことを整理できないかということが諮問されて、検討されている。そういった中で、クラブ活動指導員であったり、スクールサポーターであったり、というようなアイデアが出ている段階なので、その審議の状況をみながら、考えていきたい。
- (良原委員)岡部委員が言ったように、これを減らしたらこちらがおろそかになってしまう、というバランスがすごく難しいと私も感じる。それともう一つ、例えば先ほどのスポーツ振興計画で、子どもに対していろいろ働きかけるところに、「運動部活動を通じて」というのがあり、もちろんこれはしっかりがんばっていく、そこはやはり学校の先生方が中心になる一方で、働き方改革となると、クラブなどの問題は今までもすごく言われ続けているテーマだと思うので、スポーツも頑張って、スポーツも振興していかなければならないけど、働き方のところでも考えなければならないという、そういうバランスも少し考慮してほしい。
- (古田教職員企画課長)クラブ活動は、運動部は例えば土日なくやっているとか、かなり負担にかけている部分もあるので、負担のかからないように質を守りながら、というのを考えながら取り組んでいく。
その他 懐風館高校の頭髪指導に関わる訴訟について
- (向井教育長)予定していた議題は以上であるが、先日より報道されている府立懐風館高校の頭髪指導に関わる訴訟に関し、学校へのヒアリングが終わったため、松田高等学校課長からご報告させていただく。
- (松田高等学校課長)平成29年9月8日に大阪地方裁判所に提訴された懐風館高校の案件について、説明させていただく。これは、頭髪指導に関わって不登校となったと提訴された案件である。訴状では、黒染めを強要したことは違法であり、慰謝料を含む226万4948円の損害賠償が請求されている。訴状の内容については、事実認定等で異なる内容があるので、その点については、府教育庁としての見解を裁判の場で主張していきたい。本日の委員会会議の場では、学校の指導や校則に関わって、3点ご報告する。1点目は、懐風館高校における、頭髪指導についてである。同校では、校則で生徒の染色や脱色は禁止しており、染色や脱色をした生徒には生まれつきの髪の色に直すように指導を行っている。ただし、もともとの、生まれつきの髪の毛が黒くない生徒に対して黒染めを強要するような指導は行っていない。実際に多くの生徒が、生まれつきの髪色のままで学校生活を送っている。また、もともと金髪である留学生などに対して、黒染めを行わせるような指導は行っていない。2点目は、懐風館高校の指導の過程において、問題となる点があったということである。具体的には、原告生徒が3年生になったときに、「3年生の名簿にその氏名を記載しなかった」ことは事実であり、これは許されるものではない。そこで、学校に対しては指導を行い、学校は11月14日から新しい名簿を使っている。3点目は、府立高校における校則の在り方についてである。校則については、「校則は校長の責任において定めるもの」、「社会通念上、認められる範囲のものであるべきで、行き過ぎたものであってはならない」、「生徒や保護者に丁寧な説明を行い、理解を得ることが大切」であると考えている。当然、これらの趣旨に反するようなものであれば、教育庁として指導を行う。13日より、教育庁は府立高校に対して、頭髪指導に関わる校則についての実態把握を行っている。校則は、各校の実態を踏まえて定められるものであるため、一律に文言だけで、ただちに適不適を判断すべきでないと考えているが、各学校において改めて点検を求めるとともに、必要があれば指導していきたいと考えている。
- (良原委員)いつから不登校なのか。また、この生徒に対する関わり、支援について、これまでに行われたことも含めて教えてほしい。
- (松田高等学校課長)現在、当該生徒は3年生であるが、1年ほど前の、2年生の9月初旬から不登校の状況になっている。学校はそれ以降、家庭訪問等を行っていたが、なかなか上手く行かず、その後、学校からは当該生徒が学習を継続できるように、課題を提供し、その課題を生徒が学校に提出して、内容を点検し、評価するなどしており、9月以降は不登校ではあったが、3年生に進級した。その後3年生になってからも、同様に課題を提供していたが、6月以降は課題の提出はされていない。このような状況である。
- (竹若委員)2年生のときは課題を提供し、家庭訪問するなど対応ができていたが、3年生になってからは、それができていないということか。
- (松田高等学校課長)当初は家庭訪問ができていたが、なかなか会えない状況が続いていたため、代理人である弁護士に課題を渡し、提供してもらっていたと聞いている。
- (竹若委員)頭髪指導に端を発し、問題がこれほど大きくなってしまったことには、さまざまな要因があるだろうと思う。厳しいことを言うが、今の説明で、名簿に記載されていなかったとあった。誰のミスなのか分からないが、懐風館高校には、そのような体質があるのではないか。2年生から3年生に進級したことを皆が認識していながら、その名簿に気が付かなかった。そして11月14日からは新しい名簿になったという説明だったが、そこに懐風館高校の指導体制に大きな要因があったのではないか。厳しく指導を求めたいと思う。また、現在、係争中であり、どう結論が出るかは分からないが、どのような結論が出たとしても、当該生徒の思い、生徒を取り巻く仲間、友人たちなど人間関係が心配である。今後も学校に対し、継続して指導を行うと思うが、大阪府教育庁としては、どのような結果になろうとも、一人の生徒として元気に復帰できるように、仲間とのコミュニケーションが取れるように、強く学校関係者に指導してほしい。また、そのための支援もしてほしい。
- (橋本教育監)竹若委員からお話いただいた2点については、我々も重く受け止めている。生徒本人への支援、また学校の至らぬ点についても明確にしていきたいと考えている。