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更新日:2012年5月9日

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平成29年4月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

※印刷用は会議録(PDF:286KB)をご参照ください。

1 会議開催の日時

平成29年4月21日(金曜日)午前10時00分開会

午前11時30分閉会

2 会議の場所

新別館北館1階 災害対策本部会議室

3 会議に出席した者

  • 教育長
    向井 正博
  • 委員
    竹若 洋三
  • 委員
    井上 貴弘
  • 委員
    岩下 由利子
  • 委員
    岡部 美香
  • 教育監
    橋本 光能
  • 教育次長
    中野 伸一
  • 教育センター所長
    山崎 政範
  • 教育総務企画課長
    村田 幸正
  • 教育振興室長
    向畦地 昭雄
  • 高等学校課長
    松田 正也
  • 高校再編整備課長
    土佐 邦之
  • 支援教育課長
    田中 一人
  • 保健体育課長
    田中 実
  • 市町村教育室長
    坂本 暢章
  • 教職員室長
    河西 陽三
  • 教職員人事課長
    大武 基
  • 施設財務課長
    土佐 泰豊

4 会議に付した案件等

  • 議題1 平成29年度大阪府教育庁の運営方針について
  • 報告事項1 平成28年度第3学期(平成29年1月21日以降)における教職員の懲戒処分の状況について

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    岡部委員を指定した。
  • (2)3月27日の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議題の審議等

議題1 平成29年度大阪府教育庁の運営方針について

議題の趣旨説明(教育総務企画課長)

標記について、決定する件である。

質疑応答

  • (教育長)平成28年度と比べて事業が大きく増えてきている。学習指導要領の改訂もある。
  • (竹若委員)最初に質問も含めてお話させていただきたい。資料5ページにある、「小・中学校の教育力の充実します」の学力の向上のところで、10か年計画の中で、後半5年にかけて成果を上げていかなければならないとのことだが、過去、大阪の小中学生の学力向上に関わってのさまざまな取組みがあり、市町村の教育委員会もそれぞれ努力をいただいているが、漠然と向上と言ったところで、なかなか見えてこない。府教育庁として、これから求めていくべきものは、この5年間でのそれぞれの取組みをどのように検証したものを、今後の取組みに生かしていくのか、具体的なデータ等を用いて表す必要があるのではないか。特に、スクール・エンパワーメント推進事業について、これは開始してから何年目になるのか。
  • (坂本市町村教育室長)今年で5年目になる。
  • (竹若委員)5年目ということで、まとめを出すにはいい時期と思うので、大変な作業になるかもしれないが、特別チームを作り、検証した結果を生かす手はずを整えてもらいたい。併せて、6ページの「英語教育の充実」のところで、DREAMの普及という記載があるが、どのくらいの普及率なのか、現状は。
  • (坂本市町村教育室長)DREAMは一昨年に開発を終え、昨年から各市町村に活用いただいているところ。今掴んでいる暫定値ではあるが、今年度は、全体の約60パーセント弱、59パーセント台の小学校で活用していただく予定となっている。
  • (竹若委員)60パーセント弱の普及率ということで、これから先、小学校の英語は教科として重要になってくる。DREAMの購入には金銭的な負担になるかもしれないが、市町村の教育委員会の方にも強力にお願いして、普及に努めてもらいたい。また、併せてお聞きしたいが、同ページ右側の成果指標の箇所で、「公立中学校の教員が英語による発話を授業の半分以上行っている」とあり、47.2パーセントという数値が記載されているが、どのように調べたのか。
  • (坂本市町村教育室長)平成28年12月1日付けで、文部科学省が全中学校に対し調査を行い、学校からの回答を集約したものである。2年前が28.7パーセントであり、今回47.2パーセントということで、この2年で約18パーセントあまり改善しているが、我々の目標が60パーセントであるため、まだ目標値には達していない。しかし、現在行っている英語リーダー研修についてかなり手ごたえを感じており、今後数値を上げていきたいと考えている。
  • (竹若委員)この文部科学省による調査は自己申告がメインだろうと思われるが、府立学校では、TOEFL iBTを位置付けて、その資格者の割合をどのくらいにするかという目標がある。できれば、公立中学校の英語の教員についても、そういった方向性を打ち出すべきと思うが、その辺の考えはあるか。
  • (坂本市町村教育室長)最終的には子どもの学力向上を目指している。いわゆる4技能、新学習指導要領では5技能、5領域のうち、特に「話す」能力が計りにくいため、英検を活用する等の方法を国も模索しているが、民間の調査であるため、学校現場で全員が取り得る方法とはなっていない。国は、生徒の学力についても集計しているが、委員おっしゃるとおり、「英検3級相当の力がある」との教員の見込みによる集約となっており、客観性のある調査には至っていないというのが、全国的な状況である。
  • (竹若委員)今後のことであるが、英検やTOEFL等の有資格者についてのデータ化にも努めていく必要があるし、教員に対する研修を年間5~6回組まれている中で、同じ教員が継続して研修を受けることで、今、求められる授業ができる。教育センターとも連携し、5年後の構築に向けてお願いしておきたい。
  • (坂本市町村教育室長)我々が取り組んでいる、中学校教員のリーダー研修が年5回の継続研修であり、非常に効果があると実感している。しかしながら、キャパ等の関係で、3年間研修を行ったとしても、全体の10パーセント程度しか受講できないので、あとはどれだけ、受講した教員たちが、学んだ内容を市町村で広めてくれるかが重要であるため、そこをしっかりと市町村教育委員会と連携していきたいと考えている。
  • (竹若委員)そこが非常に難しいところである。大阪府は英語教育の向上をうたい文句にしているのだから、市町村教育委員会や学校現場に一層の理解を求め、全ての英語教員が研修に参加することを前提に、物事を進められるように積極的に行ってもらいたいと要望しておく。
  • (岡部委員)竹若委員から発言のあった学力向上に関し、追加で質問したい。今年のスクール・エンパワーメント推進事業については、120の小学校、64の中学校においてそれぞれ学力向上に取り組んでいるが、それぞれ共通する要因、学力向上を推進させるために必要なこと、あるいは学力が向上しないのは何故かということについて、それぞれ要因があるかと思うが、それを適切に把握しなければ、教員が一生懸命取り組んでいたとしても、違うポイントに重点をおいて指導してしまった場合は、学力がなかなか向上しない事態になってしまう。サポートチームが派遣される時期は、最初になるのか、それとも学校で調査が終わったタイミングになるのか、学校での分析をサポートする形になるのか。いつのタイミングで派遣されるのか。
  • (坂本市町村教育室長)スクール・エンパワーメント事業については、基本的に年間で3回、学校訪問を予定している。1回目は来週から開始予定である。各学校では昨年度末に計画を作成しているため、その計画がうまくスタートしているかどうか、の確認及びアドバイスを行う予定である。2学期は8月に全国学力学習状況調査の結果が出るため、その分析や検証も踏まえた助言をしたいと考えている。3学期については、特に課題のある学校、必要な学校について訪問し、改善を目指したいと考えている。加えて、今年度からは教育センターとの連携をより深め、学校の校内研修への支援にも出向く予定である。
  • (岡部委員)学力については、学校教員の授業の質やサポート以外の要因も大きく関わってくることも考えられる。福祉的な要因へのサポートが必要となる課題が浮かび上がってきたときに、どういう連携を予定しているのか、考えを伺いたい。
  • (坂本市町村教育室長)子どもの学力に影響を与える要因としては、この間、国も様々な調査を行っており、例えば家庭所得や保護者の考え方等、子どもの生活背景の要因が極めて大きいという結果もある。ご指摘のスクール・エンパワーメント事業については学校の潜在的な力を高めることが主眼であるため、基本的には学校の教員に努力してもらう方針でこの間進めてきた。ただし、ここでのテーマである「すべての子どもに確かな学力を身に付けさせる」ことを掲げる事業であるため、ターゲットは、委員ご心配の学力に課題のある子どもになる。具体的には、学校が放課後学習に取り組むとか、プリント等を使った基礎基本の徹底に取り組むとか、家庭学習を促すためのさまざまな工夫などが、この4年間で実績を上げてきた取組みとして頭に浮かんでくる。府としては、学校においてそれらの取り組みを行う教員を位置付けることと、中学校のみではあるが、地域人材、サポート人材の予算を約2700万円計上し、学校に配置することで、今ご心配のあたりの懸念にケアしている。ただ、福祉部局との連携について、この事業においては明確に位置付けてはいないが、現在、貧困等の問題で福祉部局においてもさまざまな取り組みをしているので、その連携の中で我々として何ができるか考えたい。
  • (岡部委員)この事業だけでなく、長期入院している生徒や、高校のエンパワメントスクールにおいても同様に、福祉との連携は必要だと考えられるが、行政の所管が異なることにより、教員たちが困惑するという状況も想定されるので、今後5年間で、そのような状況に対し可能な限りのサポートがなされることを期待したい。
  • (教育長)補足すると、昨年度、貧困の連鎖を断ち切ることを目的として、福祉部が調査を行っており、その中で「貧困と教育、学力」という項目も含まれている。福祉部が関係部局を集め、大阪府としてどのような施策が可能であるか、現在検討している。できれば教育庁としては、来年度の予算に反映させたいと考えており、内部の検討をしているところである。
  • (岩下委員)16ページの「志学の推進」は、平成23年から全ての府立高校で展開されているとのことだが、どのような形で推進されているのか。授業の中で教えられているのか。また、教材はあるのか。
  • (向畦地教育振興室長)平成23年度から、「志(こころざし)学」ということで、各学校で3年間計画的に取り組んでいる。たとえば体験的な取組みをするとか、学校行事等を用いて計画的に行っている。総合的な学習の時間であるとか、ホームルーム活動の時間を利用し、例えば、1年生で10時間、2年生で10時間、トータルで35時間であるとか、3年生も含めて35時間であるとか、そのような計画を全校で立てて取り組んでいる。その中で各校が取組んだ事例集を作成し、「志(こころざし)学」という冊子を作り、CDと併せて各校に配布して活用してもらっている。
  • (井上委員)1ページ目の「29年度の部局運営にあたって」の中で、今年で5年間の最終年度に当たるとあり、次年度からの5年間について、今年度は計画を取りまとめるとのことだが、今年のいつごろから、その作業を進め、どのようなプロセスで、どのような意思決定を経ていくのか。また、その中身について、現場の教員の意見や府民の意見とか、各分野の専門家の意見を聞くなど、どのように進めていくのか、を教えてほしい。特に5年間というのは非常に長い期間であるので、専門家の先生といってもどのような方がいらっしゃるのかわからないが、世の中の動きが非常に早くて、色々な技術革新も起きてくる中で、5年間、しっかりと骨太の方針を決めるのは非常に大事だが、基本方針を定めた後で、実態と合わない場合は、柔軟に見直していくことも必要になってくるかと考えられるが、その点はどうか。
  • (村田教育総務企画課長)点検評価については審議会があるため、毎年点検を行っており、審議会の意見を反映している。委員おっしゃるとおり、今後5年間を見据えての方針となってくるため、まずは今の計画で何が課題か、ということをピックアップしながら、関係課との調整を行いたいと考えている。専門家の意見をお聞きするについては、状況に応じて、点検評価の審議会委員のご意見を踏まえながら検討したいと考えている。振興計画自体の変更はなく、基本方針の大きな変更はないと現時点では考えている。具体的な事業計画をどのように構築していくかについては、進捗等を教育委員会会議の場でご報告し、ご意見をいただく機会もあると思われるため、またご相談させていただきたい。タイミングを見ながら進めていきたいと考えている。
  • (井上委員)専門家ということについて、教育に関する専門家も必要だが、できれば企業経営をされた方とか、経済的なトレンドに精通した方など、この先世の中がどのように変化していくかの知見を有する方々を活用することが、今後世の中に出ていく子どもたちにどのような教育が必要かを考える上で参考になると思われるので、ぜひそういうことを考えてほしい。あと、細かいが、同ページの下から2行目「なお、」の行で、「本年度が」と「今年度は」とあるため、どちらかにそろえてもらえれば、と思う。
  • (村田教育総務企画課長)修正する。ご指摘いただいた点についてはまた検討させていただく。
  • (竹若委員)後半の5年間というのは私も気にかかっている。さきほどは学力の件で話をしたが、一方、不登校の数について、府立学校においては中退率について、よく大阪がワーストであるなどと言われている。不登校にしても中退にしても、根本は、児童・生徒が、学校が楽しいんだ、という基本的なスタンスに立つ必要があるのでは、と思う。例えば、エンパワメントスクールが増え、その効果が徐々に出てきており、これは事実と思う。また、小中学校においてもさまざまな取り組みにより、多少ではあるが成果が上がっているが、もう一度、原点として、児童・生徒にとって、学校に行きがいがある、学校は楽しいということを、大阪府教育庁として、府内全域に打ち出す良い機会ではないか。児童・生徒にとって、学校の何が楽しいのか、一番は勉強が分かることだろうし、それに伴い、先生が好きということもあるだろうし、友達どうしのコミュニケーションが良いなど、色々な要素がある。これから、5年に向かって打ち立てるのに、今申し上げた基本的な視点に立って、例えば学校現場では自分たちに何ができるのか、自分たちの学校は、子どもにとって行きがいのある学校の目玉はこれですよ、と、経営的な面でも構築する必要があるのでは、と常々考えている。児童・生徒一人ひとりの要因はそれぞれ違うだろうが、要因を持ちながらも、それを乗り越えられる学校の魅力を考えてもらいたい。学校現場、教育行政に携わってきた立場として、子どもをとりまくさまざまな状況の中で、一人ひとり違う中で、教育に携わる関係者が熱い思いで、児童・生徒をリードできるよう、今後の5年に向けてお願いしたい。
  • (橋本教育監)竹若委員のご発言はそのとおりで、中途退学や不登校の問題は大きな課題であると考えている。この問題を解消する特効薬はない。ただし、この問題に立ち向かう術は、まさに委員がおっしゃったとおり、勉強が分かること、授業を楽しいと思えること、学校が楽しいと思えることに尽きる。我々はその地道な取り組みを進めていくしかない。学習指導要領が変わり、文科省も新たな学力観を打ち出している。特に主体的、対話的で深い学びという切り口で授業のあり方を抜本的に変え、分かる授業をすることで、この課題を解決していく絶好の機会だと考えている。そういう観点からも取り組んでいきたい。
  • (竹若委員)府立学校が不登校や中途退学の一つのバロメータとして自己満足度、学校に対する満足度のデータを出しているが、これは非常に良いことと思う。自己満足度という一つの言葉だが、その生徒は、どのようなことで満足しているのかというところまで、学校現場が入っていければ、より鮮明な要因が分かるのではないかと思う。小中学校でも同じだと思われるが、学校の自己診断等を活用して、子どもたちが満足できる学校を目指すようお願いしたい。
  • (岩下委員)21ページで「子どもたちの健やかな体をはぐくみます」とあり、今の不登校の部分にも関連すると思われるが、2020年にオリンピックが東京で開催されることは決まっており、テレビ等でも東京五輪で金メダルを取れるようなジュニア選手が各競技から出てきていることが放送され、皆さんもご存じだと思うが、日本の選手がさまざまな分野で育っている。2020年に向けて、体力を上げる取組みはチャンスである。めっちゃスマイル体操等、大阪府は良い取り組みをしていると思う。2020年を目途にオリンピアンも呼びやすいと思われるので、体力の向上等に関しても今がチャンスであるので、この項目の中身をより濃いものにして、進めてもらいたい。
  • (田中保健体育課長)2020年、東京オリンピックは絶好のチャンスである。この夏には、今のオリンピアンは難しいが、過去にオリンピックに出場した方を招いて、子どもたちに競技を実際に体験してもらおうという取り組みを企画している。現在考えているのが、卓球、体操、バドミントン、レスリングである。選手の活躍により、これらの種目の競技人口が増えている。一つの種目に限ると、子どもたちが体験できる競技も一つだけになってしまうため、できれば全ての種目を経験してもらうような企画を考えている。子どもたちの体力は依然として低い状況だが、子どもたちが頑張っている姿を府民に多く見てもらうことが必要だと考えている。学校での取り組みは進めているところだが、ダンスや体操など、過去に作ったツールがあるため、現在、検討しているのは、ショッピングモールでダンスを行うというものである。子どもたちに発表してもらい、目標をもってもらい、保護者の方々に見ていただき、大阪の子どもたちは元気だなと感じてもらい、オリンピックのムーブメントに繋げていきたいと考えている。
  • (岩下委員)スポーツを好きにならなくてもよいが、データにおいて「嫌いな子」「やや嫌いな子」という項目がなくなることが望ましいと思っている。ぜひ良い企画を進めてもらいたい。
  • (岡部委員)英語教育などで、民間の企業と連携するとあるが、地域だけではなく、社会全体で子どもたちの力を育んでいくことが大切だと思われるため、予算の事情もあるだろうが、ぜひ活用してもらいたい。出口の保障という観点での連携が必要である。13ページで、障がいのある生徒の就労支援について記載があるが、大学においても問題になっていることで、障がいのある方を就業させたいという企業もあるが、そのことを学校がその情報を十分に知らない場合がある。情報がある学校もあるが、ない学校もある。情報が十分に伝わっていなければ、学校と企業がお互いニーズがあるにも関わらず、うまくマッチングしないことが起こる。企業は費用をかけず、少し変化するだけで障がいのある方を雇えるにも関わらず、企業がその情報をもっていない場合もあるため、お互いが少し工夫できるかもしれない、ニーズがあるかもしれないという情報交換ができるようなツールを開発していくことが必要と思っているので、お願いしたい。
  • (田中支援教育課長)昨年度、セブン-イレブン・ジャパンと話をする機会があった。これまで、知的障がいのある子どものレジ業務が難しいということがあり、学校も職場実習等に行っていなかったが、今のレジの操作は簡単であるということをセブン-イレブン・ジャパンから聞き、そういうことを気付かせていただき、教員の研修にも生かせることになった。このように、一つずつ、今まで気が付かなかったことを見つめていくということを、もう一度やっていきたいと考えている。
  • (竹若委員)14ページ「個別の教育支援計画」について、ページの右にある平成28年度の小中学校、府立学校の取り組みが、それぞれ100パーセント、96.5パーセント、府立学校の66.7パーセントというのは、一見低いように見えるが、高校生活支援カードを全高校生に配っているという話を前回聞かせてもらい、それに代わるものかと思うが、その下に記載のある、支援学校に入学する児童生徒の率が公立小中学校、府立学校に比べて低い。支援教育でさまざまな要素はあるだろうと思うが、個別の教育支援計画というものは欠かせないと思うが、これらの率が伸びない理由は何かあるのか。
  • (田中支援教育課長)療育関係の施設から入学される場合、個別の教育支援計画がそもそもない場合もあるため、療育関係の施設に対しても計画について知っていただくことが必要と考えている。
  • (竹若委員)明確な理由は分からないだろうが、保護者の方に理解してもらうことが重要である。教育そのものが支援教育に変わったとき、支援教育計画の話になった場合に、どれだけ保護者の方に説明し、ご理解いただくかが大きなウエイトを占めると思われる。その点にもう一度立ち返り、率の向上を目指してもらいたい。
  • (田中支援教育課長)保護者の理解を得られるよう進めたい。
  • (岩下委員)13ページの「知的障がい支援学校高等部卒業生の就職率」について、低いパーセンテージが記載されているが、就職しない生徒はどのような状況になるのか。障がいの程度も、重度、軽度があるかと思うが。
  • (田中支援教育課長)雇用契約を結ぶ就労の場合は就職率に反映されるが、例えばB型事業所であるとか、雇用契約を結ばない福祉施設に行かれる方も結構おられるし、障がい者の能力開発系の施設に行かれる方も結構おられる。保護者の方が、子どもが18歳になったからといって、就職を望まないというところも、影響しているようである。我々としては、保護者の方が就職を希望するような動きを作らなければいけないと考えている。一方で、就職を希望された方の就職率はかなり高い。ただ、なぜ、まだ18歳なのに就職に、というお考えは結構あるようである。
  • (教育長)支援教育課長の説明のとおり、そもそも保護者も本人も就職を望まない方々が多い。まずは就職をするというところに力を入れている。そこが増えれば、就職率も上がってくるはずである。課長が言ったように、就職を望んでいる方の就職率は8割以上である。この資料のように全員の生徒数で割り戻すと、どうしても就職率が上がらない。こういったところに原因があると考えている。
  • (井上委員)就職を望まないというのはどのような事情か。
  • (教育長)初めから就職は無理だとあきらめてしまっている場合がある。
  • (田中支援教育課長)まだ18歳というと、周囲の生徒は大学に進学する場合も多いため、自分の子どもを何故就職させなければならないのかと考える保護者の方もいる。ただ、先ほど申し上げたように、B型事業所などに行かれる場合も多い。
  • (岩下委員)23ページの「意欲のある受験者の確保」ということで、実施計画をされていくのはとても良いことだと思う。なお一層、中身を充実させてほしい。28ページだが、避難訓練の実施について、100パーセントを目指すとあるが、昨年の数字はなぜ実施率が99.8パーセント、97.5パーセントなのか。また、交通安全教室の実施率もなぜ公立中学校で98.3パーセントなのか。
  • (田中保健体育課長)全ての学校で避難訓練は計画されているが、例えば天候やイベントの関係で調整がつかずに実施できなかったことが100パーセントに至らなかった理由である。
  • (岩下委員)一部でも実施するなどの指導を、学校に対してしないのか。全く実施しないというのは良くないのではないか。体験をしなくても、例えばホワイトボードで説明だけを行うとか、予定されていた内容だけでも伝えるなど、訓練に代わるものが必要ではないか。
  • (田中保健体育課長)訓練が実施できない場合の代替方法については、検討したい。

採決の結果

委員の意見を踏まえた修正は事務局に一任し、その他の箇所については賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、岡部委員)

報告事項1 平成28年度第3学期(平成29年1月21日以降)における教職員の懲戒処分の状況について

報告の趣旨説明(教職員人事課長)

教育長が専決した標記状況について、報告する件である。

質疑応答

  • (岩下委員)処分の数はかなり減って府教委の取り組みは成果が出てきていると思われる。ただ、残念なのは、体罰の数値が上がっているのは問題である。また、昨年度の資料もそうだったが、不祥事を起こす教職員の年代について、20代はまだ経験の浅さが原因とも考えられるが、気になるのは、50代、60代のベテランが多い。恐らく初めて不祥事を起こした人がほとんどではないか。50代半ばを過ぎると、余裕が出てくるが、甘えやたるみが出てきたりとか、勘違いをする場合がある。例えば、書類の提出にしても先延ばしにしたりとかがある。未然にゆるみやたるみを防止するよう、50代以上のベテラン教員のため、再度、認識の確認を促すような研修を、教育センター長にはぜひお願いしたい。
  • (山崎教育センター所長)私も岩下委員と同じ課題意識をもっている。ベテラン教員にはいわゆる特権的な意識が潜在的にあるという、そういう趣旨か。
  • (岩下委員)特権的な意識も確かにあるかもしれないが、そうではなくて、ベテランという経験豊富な中で。
  • (山崎教育センター所長)どちらかというと慢心とかがあるということか。
  • (岩下委員)そういうことである。
  • (山崎教育センター所長)ご指摘の点について、今ここで50代の教員を対象とした研修ができるかについてはお答えできないが、非常に重たい課題であると受け止め、考えていきたい。それよりもまずは、管理職研修において、校長に強いリーダーシップを発揮してもらい、非違行為については絶対に許されないということを学校の中で厳しく認識してもらうことが第一と考えている。年間を通じ、管理職研修は数回あるため、今の実態と、どのような背景でこのようなことが生じるのかということについて、学校長を通じて教職員に徹底してほしいと考えている。
  • (大武教職員人事課長)50代、60代の教職員に限定はされないが、我々は通達を出す際には、単に出すだけではなく、直近年度に発生した不祥事や、懲戒処分の具体的事例を掲載し、それに関するチェックリストを付けた上で発出している。校長が当該学校の教員に対して指導する際にチェックを入れるようにすることで、指導しやすいような工夫をしているし、今後もさらに工夫していきたい。
  • (中野教育次長)将来に向けて研修することも大事と思うが、ほぼ全ての教員が体罰をせずに指導している中で、体罰をする人は、過去にも体罰、又はそれに類似する行為をしている場合が結構多い。その際に、当時の校長がきちんと指導をしていない。指摘をしていない例が多いように思う。そのような人が再び非違的な行為をした場合、きちんと叱る、何が悪いのかを理解させるということが大事だと思う。
  • (岩下委員)もう一つ、表に追加できるのであれば、年代別に処分された人数、全国と比較して大阪府はどのくらいの件数があるのかを追加すればより分かりやすいと思われる。検討してもらいたい。
  • (大武教職員人事課長)検討する。
  • (教育長)大阪府は教員が多いので、率で表示するなど検討してほしい。
  • (岡部委員)懲戒処分をするのも、働きやすい環境を作るために重要だと考えられるが、子どもや同僚など、被害に遭った方たちが学校に来にくくなっていないか、働きにくくなっていないか、懲戒処分とともに、被害から回復していく先生方の努力も非常に大変だと思われる。それぞれの学校で行われていると思う。これらに対し、うまくフォローできているのかについて、このような事案が上がってきたときには、教育庁で把握できているのか。
  • (大武教職員人事課長)基本的には、当該教員をいかに反省させるか、改善させるかを中心としている。当然、一人で改善するものではないため、いかにチーム、学校総体として取り組んでいただいていると思うが、引き続き、その点についてはフォローするようにして参りたい。
  • (山崎教育センター所長)以前もこの会議で報告したが、処分の後、すぐに学校現場に戻る人もいるが、教育センターにおいて資質向上研修を行い、なぜこのようなことが起こったのか、今後どのようなところを改善していくのかという研修を行っている。定期的に学校長ともディスカッションしながら、学校現場をどのようにしていくか指導している。ただ、まれに、研修を行っても学校現場に復帰できない教員もいる。
  • (岡部委員)こういうことをした人への指導は大事だと思うが、被害に遭った人が放置されてしまうと、被害を受けた方は全く悪くないのに、働きにくくなってしまう。また、最も気になるのが、具体的な事情は分からないし、先生方がフォローされたとは思うが、資料1-2ページ(1)(1)イの事例は非常に残念である。生徒が転校せざるを得なくなってしまったということは、この先生が原因であるとはいえ、皆さんがフォローするというところの努力が実りにくい状況だったと思われる。どういうふうにしていけばよりよい学校にしていけるのか、というところもできればフォローしてほしい。
  • (中野教育次長)委員がおっしゃるとおり、被害を受けた生徒や同僚の教員へのケアは非常に大事であると思っている。教育センターで研修を行うことに加え、学校現場に戻ったときに、被害を受けた生徒がその人の顔を見るだけで精神的にショックを受ける場合も当然あるため、その動線を考える、ないしは二人の人間関係を取り結ぶように関係者が努力する、ということを行っている。今後も取り組むべきと考えている。
  • (橋本教育監)特に、被害者が子どもの場合、処分するのは教職員人事課が担当だが、教育振興室は子どもの指導にあたるので、そこは連携し、先ほど福祉との連携の話もあったが、必要な人材を派遣したり、常に校長として生徒を守るという観点で指導、支援を行っているところである。
  • (岡部委員)ぜひ続けていただきたい。
  • (井上委員)体罰は絶対に良くないのは当然だが、資料1-2ページ(1)(1)アの事例で、「生徒から拳で左胸を叩かれた」とあり、決して、だからいいというわけではないが、先生の指導が委縮しないようなルールが必要だと思われるが、生徒に対し、このような行為をしたら、このような処分があるということはしっかり伝わっているのか。特に、先生に暴力を振るうというのは、明らかに悪いことだと分かると思うが、先生に対する暴言などに対し、何かルール化されているのか、お聞きしたい。私の子どもは、今は高校生だが、世田谷区立の中学校に通っているとき、一部の生徒が親の写真をビリビリ破っており、先生が何度叱っても言うことを聞かないということがあった。非常に熱心な先生だったが、生徒にやめるように叱ると、「教育委員会に言ってやる」などと言って、先生を集団で押し倒した。先生が避けるために生徒を突き返したところ、一部の親から体罰だという声があり、詳しい経過は知らないが、結果として、私が保護者会に出席した際に、先生が体罰をして申し訳ないと謝罪させられていた。そもそも、親の、保護者の写真を破るという悪いことに対し、熱心に指導したところ、自分の防衛のために行ったことが体罰だとされてしまった。資料の事例と、今の事例は一義的に同じだとは思わないが、先生が指導を委縮しないための、高校生くらいになれば生徒に対してのルール決めも、学校現場でされているのか、伺いたい。
  • (松田高等学校課長)難しい問題だとは思う。現実問題、高校生くらいになると、生徒のほうが感情的になって対応してくるという場面もよくある。私自身も経験がある。ただし、抵抗しなければ教員自身が身を守れないというのは、本当に特別な状況であると思われる。資料の文章だけでは分からないが、教員の対応の問題として客観的に把握をし、事実関係をきちんとした上で、不可抗力的な対応をしたということであれば、それは適切な対応であったことが説明できると思う。資料の事例については、「男子生徒から拳で左胸を叩かれたことで感情的になった」ことの経過や、それに対する教員側の対応として、やむを得ない状況であったかどうかの判断をした上で、そうではなかったという判断の上で出てきた事例だと思う。そこについてはきちんとした事実確認をした上で、客観的な判断というのが行われたのだと思う。先ほどのような例が一切ないとは思えないが、府立学校の中で、教員側が非常に不利な状況に追い詰められていて、生徒に対し強い態度に出られなくなっているという事例が蔓延しているということはないと考えている。ただ、可能性として、そのようなことは起こり得るため、そこは注意して見ていく必要がある。具体的な事例の中で状況を把握していかなければならない。
  • (井上委員)資料の例では、生徒が感情的になって先生の左胸を叩いたことに至る経過は分からないので何とも言えないが、確かに先生もひどいことをしているが、叩いたことに対してはしっかり生徒を指導していくことが必要ではないか。先生が加えて体罰をしているが、生徒の側にも処分されると伝えておかなければ、体罰は絶対に良くないし、先生が生徒に暴言というか強い言葉を発する、著しく強い言葉、生徒が傷つくような言葉で指導するのは良くないが、先生が指導しにくくならないように、生徒側にも一定のルールをしっかり守ってもらうということをやらないと、先生が事なかれ主義になり、もめごとが起こっても放置したり、一生懸命指導すると問題になる、ということは避けてもらいたい。
  • (大武教職員人事課長)一般的には井上委員のご意見のとおりだが、資料の事例については支援学校で起こった事案であるため、障がい者理解という観点から、このような処分になっている。
  • (井上委員)ことさらこの事例のことを言っているわけではなく、論点として言いたいのは、先生が委縮して指導しにくくならないよう、生徒側にも守るべきルールをしっかりしておいてほしいということである。
  • (山崎教育センター所長)府立高校で勤務した自身の経験によると、懸念されている点について言えば、高等学校においては懲戒処分があるため、言葉の暴力や指導拒否を行った場合、懲戒の対象となる。もちろん暴力的な行為については、各学校で厳しい懲戒規定が設けられているため、府立学校においては心配されているようなことはないと思う。生徒が悪意をもった行動をすることも考えられるが、多くの大阪の子どもたちはそんなに悪意のある子どもばかりではない。ケアが必要な場合はケアが必要だが、制度的にきちんと対応できる体制になっている。

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