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更新日:2020年6月5日

ページID:2010

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1 宅地建物取引における人権問題とは

宅建業者の皆さんは、日ごろ、宅地建物を取り扱う中で多くの人との接点を持たれていることと思います。

その中で買主から「この物件は同和地区の物件ですか?」や「なぜこの物件が同和地区にあることを教えてくれなかったのか?」などといった問合せや、家主から「過去にトラブルがあったので外国人の入居を断ってほしい」や「障がいのある方は、事故や緊急時対応など不安だから断ってほしい」などの申入れを受けたことはないでしょうか。

このような問合せや申入れを受けた場合、どのように対応されているでしょうか。

同和地区の物件ならば購入したくない、外国人や障がいのある方は入居させたくないといったお客さんや家主さんの意向は、予断と偏見に基づく差別意識の表れであり、人権問題が正しく理解されていないことに起因するものです。

これらの意向を鵜呑みにし、同和地区であるかどうかを調べたり教えたりすることや、外国人や障がい者などであることだけを理由に入居を断ることは、差別又は差別を助長する行為です。

皆さんは、憲法で保障された居住・移転の自由にかかわる重要な業務に従事しており、業務の執行に関しては常に「基本的人権の尊重」を十分に理解し、認識していただかなければなりません。予断と偏見に基づく問合せなどに対しては、毅然とした対応をしていただく必要があります。

また、お客さんや家主さんに対して、人権問題についての正しい理解と認識を持っていただくよう、日頃から啓発に努めてください。

宅地建物取引の場における人権問題を解消するためには、予断と偏見をなくし、人権問題についての正しい理解と認識を持っていただく必要があります。人権とは全ての人が人間らしく生きながら、それぞれの幸せを築いていく権利です。

自分の権利のみならず、他者の権利と尊厳についても深く理解し、お互いの人権を尊重し、差別のない明るい社会をつくることが大切です。

例えば、次のようなことが人権問題になります。

  • 家を買いに来たお客さんに物件の説明をしていたとき、「この物件は、同和地区にあるのか?」と尋ねられ、お客さんの質問には全て答えなければいけないと思い、お客さんに物件が同和地区にあることを伝えた。
  • お客さんから入居申込みの際に、「この物件は、同和地区にあるのか?」と尋ねられ、同和地区の所在を教えることは問題だが、同和地区でない場合は関係ないと思い、お客さんに「違います。」と答えた。
  • 会社はお客さんに説明責任があると思い、同和地区の物件と知らずに買ったお客さんからクレームがきて、訴訟になると困るので、あらかじめ、物件の住所が同和地区かどうかを市役所に問い合わせた。
  • 外国籍のお客さんから入居の申込みがあったが、「以前にトラブルになったので外国人は断ってほしい」と、家主に言われていたため、入居申込みを断った。
  • 障がいがあるお客さんに対して障がいの状況をきき、それを理由に家主や家賃債務保証会社への交渉等、必要な調整を行うことなく、物件の紹介や入居申込みを断った。
  • ひとり住まいを希望する高齢の方が来店されたが、家主から断られることが多いし、以前、入居後にも家主から苦情を受けたことがあるので、物件の紹介を断った。

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