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更新日:2009年6月11日

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石綿(アスベスト) Q&A

テーマ分類

テーマ「石綿(アスベスト)一般」(Q&A1から8)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

石綿(アスベスト)とは

1 石綿(アスベスト)とはどんなものですか?

石綿(アスベスト)とは天然に産する蛇紋石(じゃもんせき)や角閃石(かくせんせき)の鉱物で繊維状になった天然鉱物です。その直径は0.02から0.06マイクロメートル(1マイクロメートルは1mmの1000分の1)であり、「髪の毛の5000分の1」という非常に細かいものです。

石綿(アスベスト)は熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくい性質があり、経済性にも優れており、建築材料、産業機械、化学設備など幅広く利用されてきました。石綿(アスベスト)は、発がん性が認められていますが、そこにあること自体が直ちに問題なわけではなく、空気中に浮遊した石綿(アスベスト)繊維を吸い込むことが危険であると言われています。(昭和63年環境庁及び厚生省通知)

石綿(アスベスト)はわが国では石綿(いしわた又はせきめん)と呼ばれ、その優れた性質ゆえに、建築材料など幅広く使用されました。石綿(アスベスト)には、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アンソフィライト、アクチノライト及びトレモライトの6種類があり、大気汚染防止法、大阪府生活環境の保全等に関する条例においては、質量中の石綿含有量が0.1%を越えるものを規制対象としています。

なぜ石綿(アスベスト)が使われたか

2 なぜ、石綿(アスベスト)は多く使われたのですか? 石綿(アスベスト)は、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくい性質があり、経済性にも優れており、建築材料、産業機械、化学設備など幅広く利用されてきました。その優れた性質から、石綿(アスベスト)は「奇跡の鉱物」と呼ばれ、産業の発展に多大な恩恵をもたらしました。
石綿(アスベスト)の製造について 3 現在、石綿(アスベスト)製品で、製造されているものはあるか。 平成24年3月労働安全衛生法施行令が改正され、重量比0.1%超の石綿(アスベスト)(6種類)を含む製品全ての製造・輸入・譲渡・提供・使用は禁止されています。
石綿(アスベスト)の用途 4 どんなところに使われているのですか。 石綿(アスベスト)の用途は、非常に多岐にわたり、3,000種類以上の製品に利用されてきました。大きく工業製品と建材製品がありますが、9割以上は建材製品となっています。
工業製品については自動車のブレーキの摩擦材、紡織品等に使用され、建材製品については吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール、吹付けひる石(バーミキュライト)などの吹付け材、断熱材、耐火被覆材、保温材、仕上塗材、下地調整塗材、石膏ボードやスレート波板などの成形板等に使われました。平成18年9月1日以後、製造・輸入・譲渡・提供・使用は禁止されていますが、使用禁止の前に製造・使用され、現在も使用中の建築物等には使われているものがあります。(Q9及び10参照)
5 家庭用品にもよく使われていると聞いたが。 家庭用品については、機器内部のパッキン等接続部を中心に摩擦材等として使用されてきました。これらは、成形されたものであり、通常の使用での飛散性は極めて低いと考えられます。石綿(アスベスト)が使用されている家庭用品については経済産業省のホームページにリストが掲載されています。
環境省HP「この家庭用品はアスベストが使用されているの?使用されている時には、処理はどうすれば良いの?」(外部サイトへリンク)
6 家庭用品で(例えばコタツやレンジなど)、子供が乗って遊んだり揺らしたりするが、危険性はないのか。 家庭用品での石綿(アスベスト)使用は主に機器内部(Q5の回答参照)の成形品としてであり、極めて飛散性は低いと考えられます。
7 学校の理科の授業で、よく石綿金網を使っていました。石綿(アスベスト)を吸引したのではないでしょうか。 石綿金網とは、耐熱・耐酸性等を向上させるため、金網に石綿(アスベスト)布を貼り付け固めたものやモルタルなどに石綿(アスベスト)を混合し塗り固めたものであり、通常の使用での石綿の飛散は極めて低いと考えられます。
8 自動車部品に使われていると聞いたが。 自動車の内部の部品として、石綿(アスベスト)は使用されていました。例としては、クラッチフェージング、ブレーキパッド、ブレーキライニングです。これらについても、家庭用品同様成形品であり通常の使用での飛散性は極めて低いと考えられます。

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テーマ「建材」(Q&A9から25)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

建材の種類

9 どんな建材に石綿(アスベスト)が使われているのですか。

吹付け石綿をはじめとする石綿含有建材を以下に例示します。

  • (1)吹付け石綿
    • 吹付け石綿
    • 石綿含有吹付けロックウール(※)
    • 吹付けひる石(バーミキュライト)(※)
    • パーライト吹付け(※)
    • 発泡ケイ酸ソーダ吹付け石綿(※)
      ※原料に石綿(アスベスト)が含まれるものがあります。
  • (2)石綿含有保温材等
    • ケイ酸カルシウム板第2種
    • 屋根用折板裏断熱材
    • 煙突用断熱材
    • 配管エルボ等保温材
  • (3)石綿仕上塗材
    • リシン
    • 吹付けタイル
    • スタッコ
    • じゅらく 等多種
  • (4)石綿含有成形板
    • 住宅屋根用化粧スレート
    • スレート波板
    • ケイ酸カルシウム板第1種
    • 押出成型品 等多種
  • (5)その他の石綿含有建材
    • ビニル床タイル
    • パッキン
    • 下地調整塗材
    • セメント管 等多種
10 石綿含有建材のリストはあるのか。 石綿含有建材については、国土交通省からデータベースが公表されていますのでご参照ください。
国土交通省HP「石綿含有建材データベース」(外部サイトへリンク)
吹付け石綿について 11 吹付け石綿は、いつごろまで使用されたのか。

吹付け石綿は段階的に規制が行われてきました(参考:厚生労働省HP「これまでの主な政省令改正(労働安全衛生法令関係)」(外部サイトへリンク))。昭和50年9月労働安全衛生法特定化学物質障害予防規則の改正により、石綿(アスベスト)の吹付け作業は、昭和50年10月から原則禁止されましたが、石綿(アスベスト)規制は、建材中の含有量に基づき行われているので、当時の規制対象外の石綿含有率5%未満のものについては禁止されていませんでした。昭和63年にロックウール団体による自主規制が行われ、吹付け石綿は減少しましたが、規制対象外の石綿含有率の低いものの吹付けは、その後も行われており、既存の建築物には施工当時の規制値(平成7年までは石綿含有率5%、平成18年9月1日前は1%、平成18年9月1日以後は0.1%)未満の吹付け石綿(石綿含有吹付けロックウール等を含む)が多数あると考えますが、定かな数はつかめていません。
注)現行の規制値(石綿含有率0.1%)未満のものについては、規制対象の石綿には該当しません。

12 ロックウールなら心配ないのか。 石綿(アスベスト)は、他の物質との混合がしやすく、ロックウールにも混ぜて使用されていました。そのため、ロックウールという名称であっても、規制対象である6種類の石綿(アスベスト)が含まれているものがあります。したがって、吹付けされたものであればその状態(劣化の度合い)により、除去、封じ込め、囲い込みの処理が必要となる場合があります。(Q13及び14参照)
また、当該建築材料の重量に対する石綿の重量の割合が0.1%を超えているものは、大気汚染防止法では特定建築材料と定義され、解体等工事の際、規制対象となります。
13 吹付け石綿は、劣化している場合危険であると聞くが、どういう状態を劣化というのか。 大阪府都市整備部のパンフレット「建築物の石綿(アスベスト)対策マニュアル」に図解入りで解説されています。このパンフレットは、ホームページからダウンロードできます。
大阪府HP「建築物の吹付けアスベスト対策」
14 吹付け等石綿(アスベスト)の飛散が心配な場合、どのような対策をしたらよいのか。 吹付け石綿に関する措置方法としては、除去・封じ込め・囲い込みの3種類があります。
  • 除去・・・吹付け石綿を除去することで根本的な対策となりますが、耐火性能、遮音性能を確保する必要がある場合には代替措置を行わなければなりません。
  • 封じ込め・・・吹付け石綿に薬剤を注入・散布し、固化することで飛散を防止します。(増改築時など建築基準法により対策が義務付けられている場合は、国の認定を受けた薬剤を使用するなどの国土交通省告示の基準に適合する必要があります。)
  • 囲い込み・・・吹付け石綿を板等で密閉し、飛散を防止します。(増改築時など建築基準法により対策が義務付けられている場合は、国土交通省告示の基準に適合する必要があります)
封じ込め、囲い込みは、除去に比べて費用負担は軽減できますが、石綿(アスベスト)が残存しているため根本的な対策ではなく、解体時には改めて除去する必要があります。
建材の用途 15 石綿(アスベスト)を含んだ建材は、どんな箇所につかわれているのか。 国土交通省から、石綿(アスベスト)を含有する建材の使用箇所等を図解入りで解説したパンフレット「目で見るアスベスト建材」が発行されています。このパンフレットは、ホームページからダウンロードできます。
国土交通省HP「現場におけるアスベスト建材の識別資料(「目で見るアスベスト建材」)」(外部サイトへリンク)
16 一般の住居にも使われているのか。 一般の住居であっても部分的に使用されていることがあります。特に、台所周りの天井・壁や、バルコニーの隔壁等の耐火性能を必要とする部分に使用されていることが比較的多く見られます。
17 なぜ、建築物に石綿(アスベスト)を含んだ建材が使われているのか。 石綿(アスベスト)の持つ優良な性質は、建材として重宝されました。主な使用用途としては、鉄骨等の耐火被覆、結露防止、防火材料としての内外装、断熱、吸音、化粧用などが挙げられます。
18 過去、家の外壁に塗材が吹付けられたが、石綿(アスベスト)含有と聞く。大丈夫か? 家の外壁に使用された石綿(アスベスト)含有の吹付け塗材は、主にリシンというもので、樹脂で練りあわされたものです。そのため、通常の使用における飛散性はきわめて低いと考えられます。
19 綿壁に石綿(アスベスト)は入っていないのか。

住宅に使用されている塗り壁は一般的に、綿壁、しっくい塗り、じゅらく塗、繊維壁、珪藻土塗りなどがあり、じゅらく風仕上げにおいて石綿が使用されていることが見られます。詳しくは、日本建築仕上材工業会(略称:NSK工業会)が、石綿含有情報を掲載していますので、そちらをご覧ください。
アスベスト含有仕上塗材・下地調整塗材の概要(PDF)(外部サイトへリンク)

20 スレート波板など石綿含有成形板は、石綿(アスベスト)飛散のおそれはないのか。 スレート波板など石綿含有成形板に含まれる石綿(アスベスト)は、製造過程において練り固められたものであり、通常の使用等において石綿(アスベスト)繊維はほとんど飛散しないと考えられます。
また、撤去時においても破砕・切断したりしない限り、石綿(アスベスト)繊維はほとんど飛散しないと考えられます。
石綿(アスベスト)の分析・測定について 21

「石綿(アスベスト)を含んでいる」ということの定義は?

平成18年8月労働安全衛生法施行令の改正(平成18年9月1日施行)により、(1)「石綿及び石綿をその重量の0.1%を越えて含有する製剤その他の物」の製造、輸入、譲渡、提供又は使用を禁止するとともに(2)規制の対象となる有害物の範囲の拡大(第6条、第18条、第21条から第23条まで、別表第9関係)により、吹き付けられた石綿等の除去等に係る措置の対象となる石綿は石綿をその重量の0.1%を越えて含有するものに強化され、さらに同施行令第16条の「石綿」については、厚生労働省HP「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令の施行等について」(外部サイトへリンク)においてアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト(6種類)をいうこと、と規定されています。
そのため、6種類の石綿が重量比0.1%を超えて含有しているものが、石綿含有ということになります。
大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、建築基準法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例でも同様に取り扱われています。
22 内装工事業者、リフォーム業者などが自宅の建材を見て「これらはすべて石綿(アスベスト)が入っている。すぐ改装しないといけない。」と言っているが本当なのか。目視でわかるのか。

石綿(アスベスト)が入っている建材であっても、通常の使用等において、石綿(アスベスト)繊維はほとんど飛散しないと考えられますので、改装する時期については劣化具合等でご判断いただくことになります。(Q18、20参照)

建材のメーカーが明らかであり、年代等から使用が判明する場合は、石綿含有建材であると判断できる場合があります。ただ、そういった判別が出来ない場合、石綿(アスベスト)繊維は非常に細かなものであるため、建築材料に石綿(アスベスト)が重量比0.1%を超えて含有しているかを目視で判断することは不可能と思われます。(Q68参照)

23 石綿(アスベスト)の分析・濃度測定に許可・資格等は必要か。 大気汚染防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく大気中の石綿(アスベスト)の濃度の測定については、計量法の環境計量証明事業の対象外で特に許可・資格の必要はないですが、測定法についての相応の知識と一定の設備が必要です。また、労働安全衛生法に基づき作業環境中の石綿(アスベスト)の濃度の測定をする場合には、作業環境測定士または作業環境測定機関であることが必要です。また令和5年10月より、石綿則において、事前調査における石綿の分析調査を行う者について、所定の学科講習及び分析の実施方法に関する厚生労働大臣の定める所定の実技講習を受講し、修了考査に合格した者又は同等以上の知識及び技能を有すると認められる者であるという要件が定められています。
24 建材中の石綿(アスベスト)の分析ができる機関を教えてほしい。 石綿(アスベスト)の分析が可能な事業所一覧については、大阪府のHPにおいて掲載しております。
大阪府HP「アスベストに関する測定可能な事業所一覧」(大阪府が事業者にアンケートした結果を集計したものです。これらの事業者を推奨または品質を保証するものではありません)
25 室内の石綿(アスベスト)濃度の基準はあるのか。

現在は、吹付け石綿等が使用されている建築物における石綿(アスベスト)濃度の基準は設定されていません。
<参考>世界保健機関(WHO)の環境保健クライテリア(EHC53)では、「一般環境においては、一般住民への石綿曝露による中皮腫及び肺がんのリスクは、検出できないほど低い。すなわち、実質的には、石綿のリスクはない」とされています。

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テーマ「健康被害」(Q&A26から33)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)
石綿(アスベスト)に関する疾病について 26 石綿(アスベスト)による疾病はどのようなものですか

石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿(アスベスト)による健康被害は、石綿(アスベスト)を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事を通して石綿(アスベスト)を扱っている方、あるいは扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、石綿(アスベスト)を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現に仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)
石綿(アスベスト)を吸うことにより発生する疾病としては主に次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。

  • (1)石綿肺
    肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿(アスベスト)のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿(アスベスト)のばく露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15~20年といわれております。石綿(アスベスト)曝露をやめたあとでも進行することもあります。
  • (2)肺がん
    石綿(アスベスト)が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿(アスベスト)繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。石綿(アスベスト)ばく露から肺がん発症までに15~40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
  • (3)悪性中皮腫
    肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期に石綿(アスベスト)を吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
    (以上、厚生労働省HP「アスベスト(石綿)に関するQ&A」(外部サイトへリンク)より抜粋)

<参考>石綿による健康被害の救済に関する法律(平成18年法律第4号)では救済給付の対象となる「指定疾病」(法第2条第1項)は、中皮腫及び気管支又は肺の悪性新生物(肺がん)の2つであったが、「石綿による健康被害の救済に関する法律施行令の一部を改正する政令」(平成22年5月26日政令第142号)により、指定疾病に「著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺」及び「著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚」(以下「石綿肺等」という。)が追加されたところである(平成22年7月1日施行)。

27 どの程度の量の石綿(アスベスト)を吸い込んだら発病するのか? 石綿(アスベスト)を多く吸い込むほど発病する可能性が高くなることは知られていますが、現時点では、どのくらいの量の石綿を吸い込めば発病するかについての確かなデータはありません。
28 以前石綿(アスベスト)を吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査にいけばよいのか?また、吸い込んだかどうかはどのような検査でわかるのか? 石綿(アスベスト)を吸い込んでから発病するまでの潜伏期は15年から50年といわれています。この間、胸部X線検査を行うと、石綿(アスベスト)を吸い込んでいた可能性を示唆する所見が見られる場合もありますが、全ての方にそのような所見が見られるとは限りません。
各市町村の行う肺がん検診など、レントゲン検査を定期的に受け、また、職場等で検診の機会のある方は、必ず受診してください。
自覚症状がある場合などは、まずはかかりつけ医にご相談ください。必要があれば、専門医療機関を紹介してもらえます。
29 吸い込んだ石綿(アスベスト)は除去できるか? 石綿(アスベスト)は通常の環境では半永久的に分解、変質しません。
私たちは異物を吸い込んだ場合は咳や痰とともに体外に出す仕組みを持っていますが、石綿(アスベスト)はあまりにも小さいため、体内に残ることがあります。
30 石綿(アスベスト)が原因で発症する疾患に特有の症状はあるか? 過去に石綿(アスベスト)を扱う仕事に就いていたなど、石綿(アスベスト)との接点がある場合は、咳、痰、呼吸困難、胸痛などの症状があれば、石綿(アスベスト)による病気を疑う必要があります。
ただし、初期の段階では自覚症状がない場合もありますので、定期的に胸部X線検査等を受けることが重要です。
31 中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいか? 様々な報告がありますが、石綿(アスベスト)ばく露と喫煙が重なると肺がんを発病する危険は飛躍的に高まることが明らかになっています。喫煙されている方は是非禁煙されるように特にお勧めします。
石綿(アスベスト)リスク 32 石綿(アスベスト)は、他の有害物質などに比べて、どの程度危険なのか。 現在、石綿(アスベスト)に関する疾病の発症メカニズムは解明されていません。他の化学物質のように、どれだけ摂取すれば発症するとは言えないので、比較をすることは難しいと考えます。
肺がん発生率における、喫煙と石綿(アスベスト)の関係については、喫煙の方が肺がん発生率が高く、また喫煙かつ石綿(アスベスト)ばく露は、相乗的に危険性を高めると報告されています。
石綿(アスベスト)の影響について 33 私の家族が中皮腫で死亡した。職場で石綿(アスベスト)を取り扱っていたとは思えない。石綿(アスベスト)との関係はあるのか? 職業歴において、石綿(アスベスト)を取り扱っていない場合でも、環境ばく露の可能性がありますので、環境省の独立行政法人 環境再生保全機構(0120-389-931)にご相談ください。また、石綿(アスベスト)は昭和30年代より輸入が急増し、屋根に使われるスレートのような建材を始めブレーキライニングなど、多くの製品に使用されていたことから、職場で知らずに石綿(アスベスト)関連商品を取り扱っていた可能性もありますので、少しでも思い当たる場合には都道府県労働局又は最寄の労働基準監督署にもご相談下さい。

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テーマ「健康不安」(Q&A34から37)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)
健康不安 34 解体現場の近くを通って、帰ったら急に咳が出始めた。石綿(アスベスト)のせいではないか。 石綿(アスベスト)繊維を吸い込んでから発病するまでの潜伏期は15年から50年といわれています。吸い込んですぐに病状が出ることはないと考えられます。(Q28参照)
35 交通量の多いところを通る。車などから発生する石綿(アスベスト)が健康に影響しないか。 自動車に使用された石綿(アスベスト)については、通常の使用での飛散性は極めて低いと考えられます(Q8参照)。大阪府が実施した調査においても、幹線道路沿線とその他の地域では大きな差はありませんでした。
水中の石綿(アスベスト) 36 水道管などに石綿(アスベスト)が含まれていると聞く。水道水は危険ではないのか。
  • 水道水中の石綿(アスベスト)は下記の報告により、危険性は極めて低いと考えられています。
  • 飲料水水質ガイドライン第4版(外部サイトへリンク)において、飲料水中の石綿(アスベスト)については、「経口摂取したアスベストが健康に有害であるという一貫した証拠はない」とあります。【WHO:世界保健機関】
  • 平成17年7月13日付け厚生労働省健康局水道課の事務連絡「水道管に使用されている石綿セメント管について」(PDF)(外部サイトへリンク)では、「平成4年(1992年)に改正した水道水質基準の検討時にアスベスト(石綿)の毒性を評価したが、アスベストは呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性はきわめて小さく、また、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにない」とあります。
健康相談 37 石綿(アスベスト)に関する健康相談はどこで受けられるのか。 最寄の保健所や医療機関(かかりつけ医)にご相談ください。より専門的な診断が必要な場合は、医療機関より、紹介してもらえます。
また、労働災害の可能性がある場合は、最寄の労働基準監督署にご相談ください。

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テーマ「労働災害」(Q&A38から48)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

作業における措置について

38 当社では石綿(アスベスト)を取り扱う作業を行っているのですが、どのような措置を講じればよいでしょうか。

平成24年3月労働安全衛生法施行令が改正され、重量比0.1%超の石綿(アスベスト)(6種類)を含む製品全ての製造・輸入・譲渡・提供・使用は禁止されています。(現在、大阪府内においてはこれらの製品の製造工場等はありません)
石綿(アスベスト)が使用されている建築物の解体等の作業については、Q85からQ87に示す措置が必要となります。また、解体等で生じた石綿を含む産業廃棄物の処理についてはQ89からQ91を参照してください。

39 電気工事の作業に携わっているが、天井裏等でどうしても吹付け部に肩が当たったりすることがある。何もなし(保護具)で作業をするのは心配である。

石綿障害予防規則第10条第2項に「事業者は、その労働者を臨時に就業させる建築物若しくは船舶の壁、柱、天井等又は当該建築物若しくは船舶に設置された工作物(第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣を使用させなければならない。」と規定されており、電気工事の作業に伴い吹付け石綿に触れてしまうのであれば、石綿(アスベスト)粉じんが飛散し、ばく露する可能性があると判断され、呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣を使用しなければならないと考えます。

どのような装備をすべきかについては、最寄の労働基準監督署にご相談ください。
また、その他の業種の労働者の方についても、厚生労働省のホームページにアスベストに関する注意事項が示されています。
厚生労働省HP「石綿にばく露する業務に従事していた労働者の方へ」(外部サイトへリンク)

40 石綿(アスベスト)が吹き付けられている建物で仕事をしているが、どこに対策を求めたらよいのか。 石綿障害予防規則第10条第2項に、「事業者は、その労働者を臨時に就業させる建築物若しくは船舶の壁、柱、天井等又は当該建築物若しくは船舶に設置された工作物(第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣を使用させなければならない。」と規定されており、当該仕事の事業者に対策を求めることとなります。
事業者との話し合い方法については、大阪労働局又は最寄の労働基準監督署に相談ください。
労働災害における申請、相談について 41 石綿(アスベスト)を扱う作業に従事していたことがあり心配です。どこへ相談したらよいでしょうか。 最寄の労働基準監督署にご相談ください。
監督署において、詳しくお話を伺い、必要な調査を行います。その結果、仕事が中皮腫の原因であると認められれば、労災認定が受けられます。
42 石綿(アスベスト)を扱う作業に従事していた場合は、無料で定期的に健康診断を受けることができる健康管理手帳制度があると聞きました。どこで手続きをすればよいのですか。 過去に労働者として石綿(アスベスト)を取り扱う作業に従事し、離職の際または離職後の健康診断で、一定の所見が認められる場合には、住所地の(離職の際は、事業場の)都道府県労働局に健康管理手帳の申請をすることにより、健康管理手帳の交付がされます。手帳が交付された場合には、その後、無料で定期的に健康診断を指定の医療機関で受けることができます。
なお、この健康管理手帳の申請は、所属していた事業場が倒産等により、今現在存在していなくても、申請することができます。
申請方法などの詳細につきましては、大阪労働局又は、最寄の労働基準監督署にお問い合わせ下さい。
43 医師に中皮腫と診断され、労災が適用されるといわれました。どのような手続きを行えばよいのですか。また、中皮腫と診断されましたが、どこで石綿(アスベスト)を扱ったかわからない場合でも、労災認定を受けられるのでしょうか。 業務により石綿(アスベスト)を吸入し、それが原因で石綿(アスベスト)関連疾患に羅患し、治療が必要となったり亡くなられた場合には、労災としての認定がされれば、労災保険の給付を受けられます。
労災保険の給付には、治療費の給付に当たる療養補償給付や治療するために会社を休んだ場合に支給される休業補償給付、死亡した場合に支給される遺族補償給付などがあります。いずれの場合も請求書に必要事項を記入して、医療機関又は労働基準監督署にその請求書を提出して手続きを行います。詳しくは、大阪労働局又は最寄の労働基準監督署にご相談ください。
また、石綿(アスベスト)を取り扱った場所がよくわからない場合でも、最寄の労働基準監督署にご相談ください。監督署において、詳しい聞き取りや必要な調査を行います。その結果、仕事が中皮腫の原因であると認められれば、労災認定が受けられます。
44 既に退職していますが、在職中は石綿(アスベスト)を取り扱う作業に従事していました。中皮腫や肺がんを発症した場合、退職後でも労災認定は受けられるのでしょうか。 労災保険給付を受ける権利は、退職しても変更されません。したがって、退職された後であっても、労災認定を受けることができますので、大阪労働局又は最寄の労働基準監督署にご相談ください。
45 家族が中皮腫・肺がんでなくなった。労災等の申請はできるのか? 業務上、石綿(アスベスト)を吸入し、それが原因で石綿(アスベスト)疾患で亡くなられた方のご遺族に対して労災補償される場合がありますので、最寄の労働基準監督署にご相談ください。なお、遺族補償給付金の支給を受ける権利は、被災者が亡くなられた日の翌日から起算して5年以内に請求しない場合には、時効によって消滅します。
<参考>厚生労働省HP「アスベスト(石綿)情報」(外部サイトへリンク)
46 会社の社長、あるいは一人親方の場合、石綿(アスベスト)の健康被害に対し、労災補償は受けられるのか。

労災補償制度のうち、任意で加入できる「特別加入制度」を活用すれば、雇用者の立場である会社の社長や一人親方の場合でも、労災補償が受けられます。

また令和3年5月の建設アスベスト訴訟の最高裁判決を受けて、令和3年6月に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が公布され、今後は一人親方の場合でも、「特別加入制度」を活用せずとも補償が受けられるようになります。制度の詳細や施行日等については、厚生労働省HP「建設アスベスト給付金制度について」(外部サイトへリンク)をご参照ください。

補償に関する相談 47 石綿(アスベスト)による健康被害には救済制度があると聞いたが、どこへ申請すればよいのか。

「石綿による健康被害の救済に関する法律」が平成18年3月に施行され、石綿(アスベスト)が原因である肺がん、中皮腫、石綿肺等により、現在治療中の方、また、亡くなられた方のご遺族には、医療費や弔慰金の支給などの救済制度が運用されています。詳しい制度の内容は、(独)環境再生保全機構のホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。申請は、環境省の各地方環境事務所(大阪市内に近畿環境事務所があります。)、(独)環境再生保全機構または最寄の保健所で受付しています。

48 家族が中皮腫・肺がんで亡くなったが、石綿(アスベスト)が原因と思わずに、労災の申請をせず、10年以上経過してしまった。何らかの救済は受けられるのか。 過去に石綿(アスベスト)を扱う職業に従事されており、石綿(アスベスト)が原因と思われる中皮腫、肺がん、石綿肺等で亡くなられたにも関わらず、労災の申請期間を過ぎてしまった場合であっても、過去の職業が原因と思われる方に対する救済もありますので、最寄の労働基準監督署にご相談ください。なお、この相談はできるだけ早く行うよう願います。(請求期限が平成34年3月27日までとなっているため。)(Q45参照)

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テーマ「石綿(アスベスト)工場」(Q&A49から53)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

石綿(アスベスト)製造工場関連

49 現在の大阪府内の石綿(アスベスト)工場の所在を知りたい。

平成24年3月労働安全衛生法施行令が改正され、重量比0.1%超の石綿(アスベスト)(6種類)を含む製品全ての製造・輸入・譲渡・提供・使用は禁止されています。(Q3参照)
現在、大阪府内では大気汚染防止法・大阪府生活環境の保全等に関する条例(以下「府条例」という。)に基づく特定粉じん(石綿)発生施設及び府条例に基づく岩綿又は鉱滓綿加工施設を有する工場はありません。

50 昔、石綿(アスベスト)製品製造(石綿(アスベスト)加工を含む)工場の近くに住んでいたことがあるが大丈夫か?

大阪府では、環境省の委託を受け、一般住民の方々の健康リスクについて調査を実施しました。調査結果は、環境省のホームページで公表されています。大阪府HP「石綿ばく露者の健康管理に関する検討会」(外部サイトへリンク) ご自分の健康がご心配な方、自覚症状がある方は、検診を受けられることをお勧めします。(Q37参照)

51 大阪府は石綿(アスベスト)の製造、使用が盛んであったということだが、大気中の濃度は他県と比較して高くないのか。 大阪府内において、毎年一般環境における石綿(アスベスト)大気濃度測定を実施していますが、他県の濃度と比較してもそれほど変わりはありません。大阪府HP「アスベスト大気濃度調査結果」をご参照ください。
労働者の家族について 52 大阪府は石綿(アスベスト)の製造、使用が盛んであったということだが、健康被害も多いのではないか。 大阪府は、石綿(アスベスト)による特徴的な疾患といわれている中皮種による死亡者が全国の都道府県の中で最も多いと報告されています。
53 夫が石綿(アスベスト)工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいか? 作業経験者の家族の方で、石綿(アスベスト)による健康障害が懸念される症状が現れた場合には、早めに医師に相談すると良いでしょう。ご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関にご相談ください。

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テーマ「建築物」(Q&A54から67)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

建築物の石綿(アスベスト)について

54 古い建物には石綿(アスベスト)使用の可能性があると聞いたが、戦前からあるような古い建物の場合はどうか。

石綿(アスベスト)の輸入は戦前から始まっていますが、建材として多く使用されるようになったのは、昭和30年代以降であり、戦前の建築物に使用されている可能性は低いと考えられます。
ただし、その後の改修や空調・ボイラー・電気施設の設置などに伴い、石綿含有建材が使用されている可能性もありますので、調査することをお勧めします。

55 家の中で、見えるところには吹付け石綿が使用されていないのだが、見えないところは大丈夫か。

石綿(アスベスト)を含有する可能性がある建材としては、「吹付け石綿」、「吹付けロックウール」、「吹付けひる石(バーミキュライト)」、「パーライト吹付け」などの吹付け材、断熱材や保温材、リシンなどの仕上塗材、石膏ボードやスレート波板などの成形板、下地調整塗材やパッキンなどその他建築材料が挙げられます。石綿(アスベスト)は、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています。まず、家の中に石綿含有建築材料が使われているか否かを調査し確認する必要があります。その結果、石綿含有建材の使用が確認されれば、その状態(劣化の度合い)により、除去、封じ込め、囲い込みの処理が必要となる場合があります。

56 建築物(事務所、店舗、倉庫等)は石綿(アスベスト)が使用されているのか。 建築物においては、
  • 耐火被覆材等として吹付け石綿
  • 石綿(アスベスト)を含んだ配管等の保温材及び断熱材
  • 石綿を含んだ内外装仕上塗材
  • 屋根材、壁材、天井材等として石綿(アスベスト)を含んだセメント等を板状に固めた成形板等
  • パッキンやビニル床タイル、下地調整塗材等といった石綿を含んだその他の建材が使用されている可能性があります。
露出して吹付け石綿が使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、仕上塗材や成形板等、天井裏・壁の内部にある吹付け石綿からは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
吹付け石綿は、比較的規模の大きい鉄骨造の建築物の耐火被覆として使用されている場合が多いです。
まずは、石綿(アスベスト)使用の有無や劣化の状態を調べてから、対応を検討していくことになります。
57 建築物(事務所、店舗、倉庫等)に吹付け石綿が使用されている場合においては、どうしたらよいか。 石綿障害予防規則第10条第1項に、「事業者は、その労働者を就業させる建築物若しくは船舶の壁、柱、天井等又は当該建築物若しくは船舶に設置された工作物(次項及び第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、当該吹き付けられた石綿等又は保温材、耐火被覆材等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならない。」、また、第10条第4項に「法第三十四条の建築物貸与者は、当該建築物の貸与を受けた二以上の事業者が共用する廊下の壁等に吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、第一項に規定する措置を講じなければならない。」と規定されています。
当該建築物(事務所、店舗、倉庫等)が賃貸、自己所有にかかわらず、事業者は、建築物に石綿(アスベスト)が吹付けられ、その石綿(アスベスト)が、損傷、劣化等により粉じんを発生させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、石綿(アスベスト)の飛散防止措置を講じなければなりませんので、最寄の労働基準監督署にご相談ください。
ビル管理と石綿(アスベスト)対策措置 58 マンションに住んでいる。吹付け石綿がある。はがれたり垂れ下がったりしており、除去してもらいたい。 建築物の維持管理は所有者等に責任がありますので、建築物の石綿(アスベスト)対策は、所有者等において行っていただくことになります。分譲マンションの共用部分については、管理組合で協議するなどしてください。また、賃貸マンションであれば家主に相談してください。

59

マンションに住んでいる。吹付け石綿がある。はがれたりはしていないが、除去してもらいたい。

吹付け石綿に劣化、損傷等が見られない場合は、石綿(アスベスト)が飛散している可能性は低いと考えられます。除去等の対策についてはQ57で回答したとおり、建築物の所有者等により、行っていただくことになります。
60 テナントと所有者では、どちらが石綿(アスベスト)に関する調査をすればよいのか。また、どちらが石綿(アスベスト)の除去等の措置をすべきか。 建築基準法による規定は建築物の所有者等に課せられていますが、賃貸契約上の問題もありますので、当事者間でよく協議してください。
また、石綿障害予防規則第10条第1項では、「事業者は、その労働者を就業させる建築物若しくは船舶の壁、柱、天井等又は当該建築物若しくは船舶に設置された工作物(次項及び第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、当該吹き付けられた石綿等又は保温材、耐火被覆材等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならない。」と規定されていますので、テナントで業務を行っている場合、従業員の健康管理の観点から、雇用主に対策が求められる場合があります。
61 吹付け石綿が使用されているが、除去する場合の助成・融資はあるのか。 国及び自治体から助成を受けられる場合があります。詳しくは、市町村へお問い合わせください。
62 石綿(アスベスト)が含まれている建築物を売買する際にはどのような法的規制があるのか。 平成18年4月に「宅地建物取引業法」が改正され、重要事項説明に「アスベスト調査」が追加されています(調査をした場合に限る。)。具体的には国土交通省ホームページをご参照ください。
国土交通省HP「宅地建物取引業法 法令改正・解釈について」(外部サイトへリンク)
公共的な建築物の対策について 63 学校における石綿(アスベスト)対策について教えて下さい。

学校施設においては、吸音等を目的として天井等に吹付け石綿が使われてきました。昭和62年に学校、公営住宅等における吹付け石綿が社会問題となり、国の補助制度等を活用し、対策が実施されてきました。しかし、一部の学校では、今なお石綿(アスベスト)が使用されている実態があります。
また、平成18年8月労働安全衛生法施行令の改正(平成18年9月1日施行)により、吹き付けられた石綿(アスベスト)等の除去等に係る措置の対象が石綿(アスベスト)をその重量の0.1%を越えて含有するものに強化され、規制対象となる石綿(アスベスト)の種類がアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライトとされたことにより、当時は石綿(アスベスト)無しとされていたものが、現在においては石綿(アスベスト)有りとなるものもあるため、改めて学校施設等における吹付け石綿使用状況等の実態調査が全国的に実施されており、その結果を踏まえ、施設管理者(自治体や学校法人)において、順次、対策が講じられているところです。

64 官公庁の庁舎における対策はどうか。

国や各自治体において、石綿(アスベスト)使用の有無の調査や対策が進められているところです。
大阪府においては、吹付け石綿があり、府民・職員が日常使用する箇所から優先して、計画的に対策を進めているところです。また、対策の一環として府有施設の石綿(アスベスト)使用の点検結果標示に取り組んでいます。大阪府HP「府有建築物における吹付け材のアスベスト対策」をご覧ください。

65 石綿(アスベスト)が使われている建物を知るにはどうしたらよいか。 大阪府では、府有施設に石綿(アスベスト)使用の点検結果標示に取り組んでおり、吹付け石綿の有無や対策の状況、室内環境調査結果を建物の入口付近に標示しています。また、同様の取り組みを、府内市町村や民間団体にも呼びかけているところです。
民間建築物の対策について 66 大阪府では、民間建築物の石綿(アスベスト)についてどれくらい把握しているのか。 国土交通省からの依頼により、昭和31年から平成元年までに建築された延べ面積1,000平方メートル以上の建築物を対象に調査を実施し、結果を公表しています。未回答のもの、吹付け石綿が露出して使用されているもの等には、フォローアップ調査を実施し、その結果を公表しています。大阪府HP「建築物の吹付けアスベスト対策」をご覧ください。
67 大阪府における民間建築物の石綿(アスベスト)対策はどのようなことを行っているのか。 Q66の調査により吹付け石綿の使用が判明した場合には、対策の働きかけを行っています。また、平成18年10月に建築物への石綿(アスベスト)使用規制などを規定した改正建築基準法が施行されたことから、法に基づく検査や報告の徴収、対策の指導を行っています。大阪府HP「建築物の吹付けアスベスト対策」をご覧ください。

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テーマ「建築物の解体」(Q&A68から82)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

石綿(アスベスト)事前調査

68 石綿(アスベスト)有無の事前調査の対象や方法を知りたい。

原則として建築物、工作物の解体、改修、補修工事を行う際には、事前調査を行うことが義務づけられています。ただし、釘を打って固定する、又は刺さっている釘を抜く等、材料に石綿が飛散する可能性がほとんどないと考えられる極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業や、既存の塗装の上に新たに塗装を塗る作業、既存する材料等の除去は行わず、新たな材料を追加するのみの作業などは、事前調査が不要となります。(電動工具等を用いて、石綿が使用されている可能性がある壁面等に穴をあける作業は、前述した「極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業」には該当せず、事前調査が必要となります。事前調査が必要がどうかご不明な場合は、必ず工事前に所管自治体にご確認ください。)
事前調査の方法としては、まず建築当時の設計図書やその他の資料の確認、目視などで、石綿(アスベスト)を使用している建材の有無を確認してください。
先の方法では石綿(アスベスト)含有の有無が確認できない場合には、分析による調査が必要となります。
特に吹付け材がある場合は、建築材料名や建築年次だけから判断することは危険です。また、法令改正による規制の強化等により、当時は「石綿(アスベスト)無し」とされていても、現行法令においては「有り」とされる場合がありますので注意してください。

69 解体工事前の事前調査において、建築物石綿含有建材調査者講習や石綿作業主任者講習の修了、又は建築士等の資格がいるのか。 令和5年10月より、調査者等による事前調査が義務化されます。ここでの調査者等とは、建築物石綿含有建材調査者講習を終了した者、一戸建て住宅等の工事に限りますが一戸建て等石綿含有建材調査者、義務付け適用前(令和5年10月まで)に一般社団法人アスベスト調査診断協会に登録された者が該当します。石綿(アスベスト)があることを見落として解体工事を行った場合、届出義務や作業基準遵守義務に違反することになり、その点で発注者や元請業者が処分を受ける可能性がありますので、令和5年10月までの工事であっても、この調査者や石綿作業主任者等による事前調査が望ましいとされています。
70 石綿(アスベスト)が含有率1%超の定義であった頃調査を行ったが、0.1%超への法改正に伴い再度調査しなければならないのか。 建築物等の解体等工事を施工するには、全て事前調査が必要となります。質問のケースにおいては、労働安全衛生法施行令の改正(平成18年9月1日施行)により「石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物の製造、輸入、譲渡、提供又は使用を禁止することとしたものであること。」、「石綿とは、繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイルクロシドライト及びトレモライトを言うこと。」と定義されたことをうけて、厚生労働省より平成20年7月17日基安化発第0717003号「建材中の石綿含有の分析方法に係る留意事項について(PDF)(外部サイトへリンク)」が出されていますので、再調査に際してはご参照ください。
解体工事付近の環境について 71 近所で建築物の解体工事をしているが、石綿(アスベスト)飛散の心配はないか。 建築物等の解体工事を始めるにあたっては、大気汚染防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例において、事前調査とその結果の掲示、また石綿を含む作業を伴う場合はその作業内容の掲示を義務づけています。石綿(アスベスト)の使用有無、石綿を含む場合の作業内容や石綿の飛散防止対策等に関しては、掲示板を確認してください。
72 近所で解体工事があり、スレート板が重機で割られている。何とかしてくれないか。 スレート板などの石綿含有成形板が使用されている建築物の解体作業においては、発注者又は自主施工者が管理する解体工事に使用される一団の土地の範囲内で、除去する石綿含有成形板等の合計が1,000平方メートル以上の工事については、大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づき、工事の発注者又は自主施工者は着工の14日前までに届出を行う必要があります。
また届出が不要であっても、当該工事では作業実施基準(飛散防止幕の設置、原則手ばらし、手ばらしが困難である場合は薬液等による湿潤化、除去成形板等の破砕の回避、やむを得ず切断する際の集じん装置の使用、排水の処理等)及び掲示板の設置に係る基準を遵守して行うことが義務付けられています。
これらの基準に準じた作業が行われていない場合、状況に応じて適切な対処を指導します。
73 近所にスレート板が使用されている倉庫があり、かなり古くあちこち欠けたり傷が入ったりしている。そういうところから飛散していないのか。 スレート板などの石綿含有成形板は、欠けたり傷が入ったその時に若干飛散した可能性は否定できませんが、通常の使用において石綿(アスベスト)の飛散は極めて低いと考えられます。(Q20参照)
74 近所でスレート板が積まれているところがある。問題はないのか。

スレート板などの石綿含有成形板は、通常の使用状態で石綿(アスベスト)の飛散性は極めて低いと考えられますので、そこに置かれているだけでは問題はないです。(Q20参照)

75 マスクをすれば石綿(アスベスト)を吸うことは防げますか? 石綿(アスベスト)は非常に細かい繊維であり、市販のガーゼマスクでは防げません。石綿(アスベスト)から防護するためには専用のマスクを装着する必要があります。ただ、石綿(アスベスト)含有建材を含む建築物の解体工事であっても、作業基準等が遵守されていれば周辺への石綿(アスベスト)の飛散はほとんどないと考えられるため、それほど心配する必要はありません。
76 石綿(アスベスト)を含有するビニル床タイル(Pタイル)をはがす作業があるが、問題はないのか。 令和3年4月より、すべての石綿(アスベスト)含有建材が大気汚染防止法の規制対象となり、石綿(アスベスト)を含有するビニル床タイル(Pタイル)は、「石綿含有成形板等」に該当し、当該作業では、作業基準(飛散防止幕の設置、原則手ばらし、手ばらしが困難である場合は薬液等による湿潤化、除去成形板の破砕の回避、やむを得ず切断する際の集じん装置の使用、排水の処理等)及び掲示板の設置に係る基準を遵守して行うことが義務付けられています。また、石綿含有成形板等が使用されている建築物の解体作業においては、発注者又は自主施工者が管理する解体工事に使用される一団の土地の範囲内で、使用される石綿含有成形板等の合計が1,000平方メートル以上の工事については、大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づき、工事の発注者又は自主施工者は着工の14日前までに届出を行う必要があります。
石綿(アスベスト)除去工事に関する資格・許認可等 77 石綿(アスベスト)の除去工事に何か資格はいるのか。また、アスベストの除去工事業には、何か許認可は必要か。 労働安全衛生の観点から「石綿作業主任者」、また廃石綿等を処分する際には「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格が必要となります。これらの資格は講習を受けることにより得ることができます。
業として営む場合には、建設業の許可などが必要となります。なお、作業者は、石綿(アスベスト)に係る特別教育を受講していなければなりません。
78 石綿(アスベスト)除去工事ができる業者を紹介してもらいたいのだが。 (一財)日本建築センターの「審査証明取得技術(吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術)一覧」や(一社)日本石綿協会石綿処理部会のホームページを参考にして業者選定する方法があります。
(これらの技術や業者を推奨又は品質保証するものではありません)
費用等 79 石綿(アスベスト)の除去費用はどれくらいか。 国土交通省から、参考として処理費用の調査結果が公表されています。(平成20年4月25日「石綿(アスベスト)除去に関する費用についての公表」)
下記は、1平方メートル当たりの処理費用の目安です。
  • (1)処理面積が300平方メートル以下の場合
    2万円から8万5千円
  • (2)処理面積が300から1000平方メートルの場合
    1万5千円から4万5千円
  • (3)処理面積が1000平方メートル以上の場合
    1万円から3万円

ただし、作業場所の状況(障害物の有無、足場仮設の要否等)によって大きく左右されますので、具体的に作業箇所が決まったら施工業者と協議してください。

助成制度 80 石綿(アスベスト)含有建材を使用している建築物の解体工事あるいは分析について、助成制度はあるのか。

国及び自治体から助成を受けられる場合があります。詳しくは、市町村へお問い合わせください。

石綿(アスベスト)封じ込め工事 81 石綿(アスベスト)の封じ込め工事をしようと思うが、どんな薬液があるのか。 各メーカーから封じ込め剤が販売されていますが、一例として、(財)日本建築センターの「建設技術審査証明事業(建築技術)」を取得したものとして「吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術(封じ込め工法)」が紹介されています。
(これらの技術や業者を推奨又は品質保証するものではありません)
また、増改築時など建築基準法第28条の2に基づき封じ込める場合は、建築基準法第37条の規定に基づき、国土交通大臣の認定を受けた薬剤を使用する必要があります。(国土交通省HP「石綿飛散防止剤の認定状況について」(外部サイトへリンク)
82 封じ込めをしようと思うが、完全に無害化し、いずれ解体するときも除去しなくてよい薬剤があると聞いたが? 現在、国土交通省等において、無害化処理として認定された薬剤はありません。封じ込めや固化を行った吹付け石綿は、法律上、あくまで石綿(アスベスト)として扱われ続け、いずれ解体、処分する際には、吹付け石綿の除去、処分と同様の措置が必要となります。

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テーマ「法令関係」(Q&A83から96)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)

石綿(アスベスト)法令全般

83 これまでの石綿(アスベスト)規制の歴史・流れを教えてほしい。

昭和46年に、「特定化学物質障害予防規則」が施行され、労働者の健康被害防止の観点から法規制が導入され、その後段階的な規制強化を経て、平成16年10月には、建材、摩擦材等の石綿含有製品の製造、輸入、譲渡、提供又は使用が禁止され、平成18年9月1日には、石綿(アスベスト)の製造、輸入、譲渡、提供又は使用は原則禁止されました。
周辺環境への影響防止の観点からは、平成元年に「大気汚染防止法」が改正され、石綿(アスベスト)製品製造工場の規制が導入されました。平成8年には、建築物の解体等による石綿(アスベスト)の飛散防止のため、大気汚染防止法が改正されています。また、平成18年10月に建築基準法が改正・施行され、使用中建築物の定期調査報告に「石綿を添加した建築材料の調査状況」が追加されています。その後大気汚染防止法は、平成25年6月に解体等工事の事前調査及び説明の義務化等を追加する形で改正され、さらに令和2年の改正で、石綿を含有する全ての建材への規制拡大や事前調査結果の報告の義務付け等の見直しが行われました。
大阪府におきましては、昭和46年9月から大阪府公害防止条例により、石綿・岩綿又は鉱滓綿加工施設を有する工場に対しバッグフィルターと同等以上の性能を有する処理設備を設けることを規定した設備基準による規制を開始し、現行の大阪府生活環境の保全等に関する条例に改正される平成6年まで継続しました。平成18年1月条例を改正し、建築物の解体等による石綿飛散防止規制を開始しました。

その後、府内で不十分な事前調査による不適正な工事が確認される等の問題があったため、平成25年6月改正の大気汚染防止法と整合をとった、大阪府生活環境の保全等に関する条例の改正条例を平成26年6月1日に施行し、届出者を工事の施工者から発注者又は自主施工者に変更し、事前調査が不十分であった場合の勧告の規定の強化等の改正を行いました。令和3年7月には、令和2年の大気汚染防止法の改正を受け法との整合性を図るとともに、作業基準等について追加規定を設ける等の見直しを行い、改正した大阪府生活環境の保全等に関する条例を施行しました。

84 石綿(アスベスト)関連の法令はどのようなものがあるのか。 石綿(アスベスト)関連法令は非常に多岐にわたっています。主なものを下記にお示しします。
  • 労働安全衛生法、特定化学物質障害予防規則及び石綿障害予防規則・・・石綿作業従事者の暴露防止(労働者の健康被害対策)
  • 大気汚染防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例・・・石綿(アスベスト)の周辺環境への飛散防止
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律・・・石綿含有廃棄物の適正処分
  • 建築基準法・・・建築物に使用された石綿(アスベスト)の管理
  • 宅地建物取引業法・・・建物の取引の際の石綿(アスベスト)の調査結果の告知
  • 石綿による健康被害の救済に関する法律・・・石綿(アスベスト)による健康被害の救済制度
石綿(アスベスト)を含んだ建築物の解体工事 85 石綿(アスベスト)を含んだ建築物等を解体するときは、どのような法令がかかるのか。 労働安全衛生の観点から「労働安全衛生法」、「特定化学物質障害予防規則」及び「石綿障害予防規則」、周辺環境への飛散防止の観点から「大気汚染防止法」の規制を受けます。また、廃石綿等を処分する際には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従わなければなりません。このほか、大阪府においては「大阪府生活環境の保全等に関する条例」で規制を設けています。詳しくは、所管官庁へお問合せ下さい(Q88参照)。
86 石綿(アスベスト)を含んだ建築物等を解体するときは、具体的にどのようなことが必要になるのか。 労働安全衛生法、石綿障害予防規則、大気汚染防止法、大阪府生活環境の保全等に関する条例及び建設リサイクル法の規定に基づく所管官庁への事前届出、工事現場での事前調査結果の掲示、石綿(アスベスト)のばく露防止対策・飛散防止対策等を定めた作業計画の作成、それに基づく作業基準等の遵守が必要になります。事前調査結果についても、工事現場での掲示及び事前調査書面の現場備え付けを行って、閲覧に供することが義務付けられています。
また、吹付け石綿除去作業には作業主任者(専門の資格者)を有すること、記録の保存などが規定されていますが、作業の種類や規模によって異なる場合がありますので、詳しくは、所管官庁へお問い合わせください。(Q88参照)
87 石綿(アスベスト)を含んだ建築物等を解体するときの方法を具体的に知りたいのだが、参考になるものはないか。

作業方法を詳細に示したマニュアルが以下のホームページに掲載されていますので、ご参照ください。
環境省「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和6年2月改正)」(外部サイトへリンク)

88 石綿(アスベスト)を含んだ建築物等を解体するときは、どこに相談すればよいのか。

以下の所管官庁へご相談ください。

  • 労働安全衛生関係(石綿障害予防規則)・・・最寄の労働基準監督署
  • 環境への飛散防止(大気汚染防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例)・・・権限を有する市町村及び大阪府環境農林水産部環境管理室事業所指導課(泉州地域については、大阪府泉州農と緑の総合事務所環境指導課)
  • 廃棄物の処理関係(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)・・・大阪府環境農林水産部循環型社会推進室産業廃棄物指導課及び政令委任市廃棄物担当
  • 解体工事における分別解体(建設リサイクル法)・・・大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室審査指導課及び政令委任市

詳細は大阪府HP「アスベスト(石綿)に関するお問合せ先・相談窓口一覧」を参照してください。

石綿(アスベスト)系廃棄物の処理 89 石綿(アスベスト)を含んだ廃材を処分するときは、どのような法令がかかるのか。 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、石綿(アスベスト)を含む廃棄物の処分等の方法が定められています。大阪府環境農林水産部産業廃棄物指導課ホームページ「廃石綿等の処分について」を参照の上、適正に処理してください。
90 石綿(アスベスト)の処理について、吹付け石綿等の飛散性石綿(アスベスト)の処分方法は。 吹付け石綿等については、処理後十分な強度を有する耐水性の袋で二重に梱包し、仕切りを設け、特別管理産業廃棄物管理責任者が責任を持って保管しなくてはなりません。
また、収集・運搬の際には、廃石綿等の許可を有する業者に委託し、処分の際には、廃石綿等の許可を有する特別管理産業廃棄物処分業者(埋立処分または溶融処理)、又は、国の認定を受けた無害化処理施設に委託しなければなりません。(Q89参照)
91 石綿(アスベスト)の処理について、スレート板などの非飛散性アスベストの処分方法は。 スレート板等の石綿含有産業廃棄物の収集・運搬の際は、十分な飛散防止措置を行い、他の廃棄物と区分してください。(Q89参照)
積替え・保管の際は、十分に飛散防止措置をとり、他の廃棄物と区分し、掲示板に石綿含有産業廃棄物を含む旨を記載してください。
また、処分の際は、破砕・選別・圧縮・焼却等による中間処理は禁止されており、埋立処分もしくは溶融、無害化処理のみになります。
さらに、マニフェストには、石綿含有産業廃棄物が含まれる旨及びその数量を記載してください。(Q89参照)
建築物の管理 92 石綿(アスベスト)を含んだ建築物を管理するときは、どのような法令がかかるのか。 平成10年10月から、「建築基準法」が改正・施行され、吹付け石綿等の石綿(アスベスト)の飛散のおそれのある建築材料の使用は規制されています。具体的な内容としては以下の4点になります。
  • (1)増改築時における除去等の義務づけ
  • (2)石綿の飛散のおそれのある場合に必要な措置の勧告・命令等を実施
  • (3)報告徴取・立入検査を実施
  • (4)定期報告制度による閲覧の実施
大阪府都市整備部のホームページ「建築物の吹付けアスベスト対策」に詳しく解説されています。
また、石綿障害予防規則第10条第1項に「事業者は、その労働者を就業させる建築物若しくは船舶の壁、柱、天井等又は当該建築物若しくは船舶に設置された工作物(次項及び第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、当該吹き付けられた石綿等又は保温材、耐火被覆材等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならない。」と規定されています。
93 石綿(アスベスト)を含んだ建築物を管理するときは、具体的にどのようなことが必要になるのか。 建築物の所有者(管理者)は、吹付け石綿等の石綿(アスベスト)の飛散のおそれのある建築材料が使用されている場合は、劣化、損傷がないか定期的に点検してください。
劣化・損傷が認められた場合は、石綿(アスベスト)が飛散する可能性がありますので、飛散防止対策(除去、封じ込め、囲い込み)が必要となります。石綿(アスベスト)の飛散のおそれがあるときは、建築基準法により勧告・命令の対象となる場合があります。
また、石綿含有建築材料を使用した建築物は、増改築時には、建物全体の石綿飛散防止対策が必要になります。
これらの情報は、大阪府都市整備部のホームページ「建築物の吹付けアスベスト対策」に詳しく解説されています。
大阪府の条例 94 大阪府は独自の条例があると聞いたが、どのようなことを定めているのか。 大阪府では、令和3年4月の大気汚染防止法(令和2年6月改正)の施行に伴い、同年7月に「大阪府生活環境の保全等に関する条例」を改正施行し、建築物の解体等に伴う石綿飛散防止対策を強化しました。
現在、大阪府生活環境の保全等に関する条例の独自規定としては、石綿含有仕上塗材及び石綿含有成形板等の届出(規模要件あり)、飛散防止幕の設置や排水の処理等を含む作業基準、工事施工境界基準や石綿濃度測定義務づけ等があります。
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大阪府の条例で規定する、建物の解体工事の際に適用される敷地境界基準とは何か?
また、敷地境界における石綿(アスベスト)濃度測定と、作業環境の測定とは異なるのか。

令和3年3月に改正、令和3年7月に施行された「大阪府生活環境の保全等に関する条例」において、それまでの「敷地境界基準」が「工事施工境界基準」と新たに規定されました。この「工事施工境界基準」は、工事請負者が占有し、発注者従業員を含む一般公衆が立ち入ることができない当該専有部分を囲んだ線から外側1メートルの位置を境界としており、その基準は、大気中の石綿(アスベスト)の濃度が1リットルにつき10本以下です。基準の確認については、平成29年大阪府公告第19号の石綿の濃度測定法により行うこととしています。詳しくは、大阪府HP「建築物の解体などの作業に係る石綿(アスベスト)飛散防止規制」より、「分析方法」の「解体現場等における石綿(アスベスト)濃度の測定方法(平成29年度改正)」をご覧ください。
この測定法は、大気中の石綿(アスベスト)をろ紙で2時間以上4時間以下捕集し位相差顕微鏡等を用いて計測する方法です。作業環境の測定法とは、使用するろ紙の径、吸引速度、吸引時間などが異なります。
96 大阪府の条例で規定する石綿含有仕上塗材及び石綿含有成形板等に対する規制とは何ですか。

令和3年4月より、すべての石綿(アスベスト)含有建材が大気汚染防止法の規制対象となり、石綿含有仕上塗材を除去する場合は、薬液等による湿潤化等の作業基準を、石綿含有成形板等を除去する場合は、原則手ばらし、手ばらしが困難である場合は薬液等による湿潤化等の作業基準を、それぞれ遵守する必要があり、またいずれの場合でも、掲示板の設置に係る基準を遵守することが義務付けられています。

そして大阪府の条例では、大気汚染防止法の作業基準に加え、石綿含有仕上塗材を除去する場合は、飛散防止幕の設置と排水の処理が、また石綿含有成型板等を除去する場合は、飛散防止幕の設置、除去成形板の破砕の回避、やむを得ず切断する際の集じん装置の使用、排水の処理が、それぞれ義務付けられています。また石綿含有仕上塗材又は石綿含有成形板等の使用面積が1,000平方メートル以上の建築物等の解体等工事については、事前に届出が必要となります。このとき、それぞれの使用面積の算定につきましては、当該工事において施工者が管理する範囲の全てを合計とすることとなります。

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テーマ「石綿含有建材の取扱い」(Q&A97から100)

質問項目 No. Q(質問内容) A(回答内容)
石綿(アスベスト)含有建材の除去対策事例 97 外壁に吹付けられているリシンに石綿(アスベスト)が含有されていた。除去する場合、どのような対策をしたらよいか。

外壁の仕上塗材の除去作業において、大気汚染防止法では、作業基準(薬液等による湿潤化に加え、電気グラインダーその他の電動工具を用いる場合は、負圧なしの隔離養生)及び掲示板の設置に係る基準を遵守して行うことが義務付けられています。大阪府の条例では、大気汚染防止法の作業基準に加え、飛散防止幕の設置や排水の処理が義務付けられ、また石綿含有仕上塗材の使用面積が1,000平方メートル以上の解体等工事については、事前に届出が必要となります。

98 配管やダクトの接続部に使用されているパッキン(ガスケット)に石綿(アスベスト)が含有されていた。除去する場合、どのような対策をしたらよいか。 0.1%を超えて石綿(アスベスト)を含有する成形板その他の建築材料(吹付け石綿、石綿含有断熱材、保温材、耐火被覆材及び石綿含有仕上塗材を除く)については、大気汚染防止法で規定する「石綿含有成形板等」に該当し、除去する場合、作業基準(原則手ばらし、散水の実施等)及び掲示板の設置に係る基準を遵守して行うことが義務付けられています。大阪府の条例では、大気汚染防止法の作業基準に加え、飛散防止幕の設置や排水の処理が義務付けられ、また石綿含有成形板等の使用面積が1,000平方メートル以上の建築物等の解体等工事については、事前に届出が必要となります。
99 外壁の塗膜にアスベストが含有していて穴をあけたい。普通のドリルを用いて行おうと思っているが、その際の飛散防止対策はどうすればよいか。 薬液等による湿潤化及び飛散防止幕の設置を行う必要があり、除去後は、場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行ってください。また、集じん装置付きの工具(以下の要件を満たすもの(1)集じんカバーつき工具、(2)HEPAフィルタ付き集じん装置、(3)集じん性能は作業環境の管理濃度0.15本/c立方メートル(150本/L)下回る)を使用する場合であれば、湿潤化及び隔離養生と同等以上の効果を有する措置とみなされるため、薬液等による湿潤化は不要となります。
100 下地調整塗材を除去する場合、どのような対策をとればよいのか。 薬液等による湿潤化及び飛散防止幕の設置を行う必要があり、除去後は、場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行ってください。また下地調整塗材は「石綿含有成形板等」に該当するため、使用面積が1,000平方メートル以上の場合、大阪府の条例に基づく届出が必要となります。

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