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更新日:2021年7月2日

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専門家のコラム(7月2日配信)

“My 緊急事態宣言”で緊急事態宣言を回避しよう!

地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所理事長 朝野 和典 氏

緊急事態宣言は国が出して、大阪府が実施します

緊急事態宣言がこれまで3回出されました。1回目は昨年の4月、2回目と3回目が今年の1月と4月からでした。緊急事態宣言が出されると、飲食店の営業が20時までになったり、酒類の提供を中止したり、デパートや遊園地などが休業したりします。緊急事態宣言は感染者数が増えてきて、病院のベッドが足りなくなって(ひっ迫して)きたら国が宣言を出します。それを受けて都道府県の知事がお店や施設に時短や休業の要請を行います。このようにして人との接触を減らすことで効果的に流行の波を抑えてきました。でも同時に経済的に大きな犠牲を払ってきました。

流行の波のパターンと緊急事態宣言

流行の波を考えてみましょう(図)。感染者数が少ない状態のとき(Ⓐ)から緩やかに増加してきたとき(Ⓑ)、急速に増加して医療がひっ迫してきたとき(Ⓒ)、減少に転じたとき(Ⓓ)、減少が止まったとき(Ⓐ)と続き、このパターンを繰り返します。緊急事態宣言は、感染者数が急激に増えてくる Ⓒ の時期に出てから、十分減少する Ⓓの時期まで続きます。

図「流行の波」

増えはじめの時期 Ⓑ が一番大事

流行の波の中で一番重要な時期は緩やかに増加し始める Ⓑ のときです。この時期に増加を抑えることができれば、時短や休業を要請されるまん延防止等重点措置も緊急事態宣言も出なくてすむのです。それではどうしたら Ⓑ から Ⓒ に行くのを止められるでしょうか?
そこで考えてみました。まず Ⓑ の時期を知るにはどうしたらよいでしょう?大阪府では「大阪モデル」で Ⓑ の時期になったら府のホームページなどに黄色信号がともるようになっています(緊急事態宣言や、現在のまん延防止等重点措置の期間は感染者数にかかわりなく赤信号のままです)。さらに、「見張り番指標」といって、20代、30代の感染者が増えてきたら、これから感染者が増加する恐れがありますという予報を出すシステムもあります。これは Ⓑ の時期の早い段階で出すことができます。これらの指標が Ⓑ の時期であることを教えてくれます。

増え始めたら、自分自身に緊急事態宣言(My 緊急事態宣言)を出して身を守ろう!

このように Ⓑ の時期になっていますよというアラート(警報)が出たら、自分で自分に緊急事態宣言、すなわち“My 緊急事態宣言”を出しましょう。外から強制される緊急事態宣言ではなく、自分自身で感染から身を守る“My 緊急事態宣言”です。不要不急の外出を控えて、もしどうしても会食に行くときには、少人数で、感染対策をしたお店(ゴールドステッカーのお店)で、マスクルールを守って短時間の会食をしましょう。そうして緊急事態宣言の出る Ⓒ の時期をみんなで避けることができれば、これまで苦しい思いをしてきた飲食店の皆さんも安心して営業が続けられます。
見張り番指標で感染者の増加の恐れが出てきたら、また、大阪モデルで黄色信号や赤信号になったら、“My 緊急事態宣言”を出して感染から身を守る慎重な行動をとりましょう。

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