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営業保証金還付制度
旅行業者営業保証金の還付(弁済)制度及び手続きの概要
1 旅行業者営業保証金還付(弁済)制度とは
旅行業者は、旅行業の登録をしてから14日以内に、営業保証金を管轄法務局(供託所)に供託するか、もしくは弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納入し、供託書又は納付書の写しを添付して、登録行政庁に届け出なければ、営業を開始することができません。(法第7条3項)
これは、旅行取引の形態が、出発前に旅行者から旅行代金を収受することが一般的なことから、旅行業者が倒産等の理由でその債務の履行ができないときに、旅行者の債権の保障となるものとして、旅行業法で定められています。
もし、旅行者が代金の支払いをしたにもかかわらず、旅行が履行されない場合は、その旅行業者が供託している営業保証金、もしくは納入している弁済業務保証金分担金から、旅行代金が還付(弁済)されることになります。
2 旅行業者営業保証金(弁済業務保証金分担金)権利実行の申立て先は
旅行が実施されない場合の還付の申立て先は、その旅行業者の登録行政庁がどこか、また、旅行業協会に加入しているか否か等により違います。
(1)旅行業協会に加入して旅行業協会に「弁済業務保証金分担金」を納入している場合
観光庁長官が指定する旅行業協会、「日本旅行業協会」又は「全国旅行業協会」に加入し、営業保証金の代わりに同じ性格を持つ弁済業務保証金分担金を納付している旅行業者の場合には、この弁済業務保証金分担金から還付(弁済)されます。この手続きは、旅行業協会が行います。
旅行業協会は次の二つがありますので、その旅行業者が加入している協会にお問い合わせください。
- 一般社団法人日本旅行業協会(JATA)関西事務局 Tel 06-6635-3080
- 一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)大阪府支部 Tel 06-6641-8008
(2)旅行業協会に加入せずに、法務局に「営業保証金」を供託している場合
旅行業者が旅行業協会に加入せず、法務局に旅行業者営業保証金を供託している場合には、当該旅行業者が登録している行政庁が窓口になりますので、登録行政庁(観光庁長官又は、都道府県知事)に申立て手続きをしてください。
大阪府内で営業している旅行業者の営業所であっても、観光庁長官登録の第一種旅行業者や他の都道府県知事の登録旅行業者の営業所など、大阪府知事登録旅行業者でない営業所もあります。この場合は登録している国や都道府県がこの手続きを行います。
観光庁と大阪府の担当部署は次のとおりです。
- 観光庁 観光産業課 Tel03-5253-8329
- 大阪府 府民文化部 都市魅力創造局 企画・観光課 Tel06-6210-9313(直通)
(3)旅行業者代理業者の場合
契約相手が旅行業者代理業者の場合には、独自の営業保証金はなく、代理(所属)している旅行業者の営業保証金または弁済業務保証金分担金から弁済を受けることになりますので、先ずは代理(所属)している旅行業者に相談をして解決を図るようにしてください。
営業保証金権利実行の申立て先一覧
旅行業者の種類 |
登録先 |
旅行業協会 |
営業保証金等還付の申立先 |
---|---|---|---|
第一種旅行業者 |
観光庁長官登録 |
非加入 |
観光庁長官 |
加入 |
日本旅行業協会 |
||
第二種旅行業者 |
都道府県知事登録 |
非加入 |
都道府県知事 |
加入 |
日本旅行業協会 |
3 大阪府へ旅行業者営業保証金の権利実行の申立てをする場合の手続き
契約の相手が大阪府知事登録で、旅行業協会に加盟していない場合の手続きは概ね下記のとおりです。
(1)旅行業者営業保証金の権利実行の申立て
大阪府に、旅行業者営業保証金規則第二条第一項に従い、申立書(第二号書式、大阪府にあります)に権利を証明する書面をつけて申立をすることになります。
※ 権利を証明する書面とは
- ア 支払いの事実を証明する書類
- 旅行会社の発行した領収証
- 金融機関発行の旅行会社への振込金受取書・振込明細書など
- イ 申し込んだ旅行の名称・価格を証明する書類
旅行の旅行申込書・条件説明書・契約書、パンフレットなど - ウ その他権利を証明する書類
確定判決の正本及び確定証明など
(2)旅行業者営業保証金の権利実行申立てに係る公告
大阪府は申立書を受理しますと、営業保証金規則に従い「旅行業者営業保証金の権利実行申立てに係る公告」を「官報」に掲載します。この公告は、「当該旅行業者の営業保証金に権利を有する者は、公告掲載の日の翌日から60日を下らない一定の期間内に、申出書(第三号書式、大阪府にあります)に権利を有することを証明する書面を添付して、大阪府知事に提出すること。この期限までに申出書の提出がないときは、この手続きから除外される。」という内容です。
(3)権利調査のための意見聴取会の開催及び仮配当表に係る公告
60日を経過しますと、次に大阪府は「旅行業者営業保証金の権利調査のための意見聴取会及び仮配当表に係る公告」を「官報」に掲載します。
この公告は、営業保証金を比例配分し、仮配当額を計算します。そして、この手続きに必要な費用(官報掲載費用、郵送代)を配当を受ける金額に応じて負担とするという規定に従い、その負担額を差し引いた払渡し額一覧表・仮配当表を掲載します。
さらに、この仮配当表及び新たな事実の発生などについて意見を聞く会「意見聴取会の開催の日時、場所など」の内容です。
(4)意見聴取会の開催
意見聴取会では、申立等を受けた旅行業者と申立・申出をした者の当事者双方から仮配当表に対する意見や申立等をした以降に返済等なされたかなどを確認し、正式な配当額を確定します。この日以降は返済等の事実があっても、額の変更はできないことになります。
(5)旅行業者営業保証金の権利実行のための配当表に係る公告
この公告は、意見聴取会で確定した「申立・申出者ごとの配当額、手数料額、払渡し額一覧」と「この手続きに要した費用を営業保証金規則に従い大阪府に支払う」という内容です。
(6)証明書の発行
配当表を公示した日から80日を経過しますと、大阪府は、申立・申出者が配当表に従った金額を法務局より受け取るための大阪府知事名の「証明書」を発行します。
(7)配当の実施と払渡し
この「証明書」が郵便で届きましたら、旅行業者が営業保証金を供託した法務局で払渡しを受けることになります。
この手続きに必要な書類そして供託をしている法務局については、「証明書」と一緒にお送りします。