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平成30年(2018年)大阪府産業連関表(延長表)
報告書・統計表・経済波及効果推計ツール
結果の概要
1 平成30年(2018年)大阪府産業連関表(延長表)の概略
平成30年(2018年)大阪府産業連関表(延長表)の概略は、図1のとおりである。
実際の産業連関表では、供給項目である輸移入を需要側に控除項目として表示しており、タテ方向 (供給) ・ ヨコ方向(需要)とも合計は府内生産額となる。なお、タテ方向は中間投入及び粗付加価値で、 ヨコ方向は中間需要、府内最終需要、輸移出及び(控除)輸移入で構成される。
- 総供給(=総需要)は94 兆7441 億円で、平成27 年の91 兆799 億円から4.0%増加した。
- 総供給は、府内生産額(69 兆7633 億円)と輸移入(24 兆9808 億円)からなっている。
府内生産額は、平成27 年の67 兆1480 億円から3.9%増加した。 - 粗付加価値は、雇用者所得(19 兆9574 億円)、営業余剰(7 兆5961 億円)、資本減耗引当(9 兆245 億円)などからなっている。
うち雇用者所得は、平成27 年の18 兆5426 億円から7.6%増加した。 - 総需要は、中間需要(29 兆3162 億円)及び最終需要(65 兆4279 億円)からなっている。
最終需要は、生産された財・サービスのうち最終的に使用される需要項目であり、府内最終需要(38 兆8574 億円)及び輸移出(26 兆5705 億円)からなっている。 - 府内最終需要は、民間消費支出(21 兆8768 億円)、一般政府消費支出(6 兆4364 億円)、府内総固定資本形成(9 兆4163 億円)などからなっている。
中間需要と府内最終需要の合計が府内需要(68 兆1736 億円)である。
図1 平成30年(2018年)大阪府産業連関表(延長表)(概略)
図2は、平成30年(2018年)大阪府産業連関表(延長表)からみた財 ・サービスの流れを示したものである。
中間投入と粗付加価値の合計が府内生産額となり、府内生産額に輸移入を加えたものが総供給となり、総供給は同額の総需要となる。
総需要は中間需要及び最終需要からなり、中間需要は供給項目である中間投入と同額であり、最終需要は府内最終需要及び輸移出からなる。
図2 平成30年(2018年)大阪府産業連関表(延長表)からみた財・サービスの流れ
(注1)「財」は統合大分類の分類コード01から41及び68、「サービス」は同じく46から67及び69の合計である。
(注2)「消費」は「家計外消費支出」「民間消費支出」及び「一般政府消費支出」の合計、「投資」は「府内総固定資本形成」及び「在庫純増」の合計である。
(注3)四捨五入していることから、内訳は必ずしも合計と一致しない。
(注4)( )は構成比を示す。
産業連関表から分かる財・サービスの流れ(製造業を例に)
産業連関表は、需要に基づき各産業の生産活動(供給)が行われる、という考え方で作成されるため、総需要と総供給は一致する。
大阪府の平成30年の製造業を例にとると、材料や部品、燃料費などの購入費用9.9兆円、雇用者の賃金、企業の利益など6.2兆円を用いて16.1兆円規模の製品を生産している。この16.1兆円と、府内への輸入・移入14.9兆円の合計31.0兆円が総供給である。
総供給31.0兆円を需要側からみると、府内の各産業で材料などとして購入されたもの11.0兆円、府内の一般家庭などで購入されたり、府外へ輸出・移出されたりしたものが20.0兆円となっている。
図3 産業連関表から分かる財・サービスの流れ(製造業を例に)
(注)四捨五入していることから、内訳の合計値は必ずしも合計と一致しない。
2 平成27年から30年の動き
総供給、府内生産額ともに増加
平成27年から総供給は4.0%、府内生産額は3.9%、輸移入は4.4%、それぞれ増加した。
図4 府内生産額の推移
図5 府内生産額の全国シェア
(注1)全国延長表では、「自家用自動車輸送」(旅客、貨物)部門の特掲を行っておらず、「社会資本等減耗分」も取り扱っていないため、平成30年の全国値と比較する場合には注意を要する。
(注2)平成30年府内生産額から自家用自動車輸送(旅客、貨物)及び社会資本等減耗分を除いた額(68兆6795億円)と平成30年国内生産額を比較すると、平成30年の全国シェアは6.7%である。
表1 総供給、生産額、輸移入の推移
(注)全国延長表では、「自家用自動車輸送」(旅客、貨物)部門の特掲を行っておらず、「社会資本等減耗分」も取り扱っていないため、平成30年の全国値と比較する場合には注意を要する。
第3次産業の構成比は減少
- 産業別(13 部門 除く「分類不明」)の府内生産額は、平成27 年から、農林漁業、製造業、建設、金融・保険、不動産、運輸・郵便、情報通信、サービスの8部門で増加した。
- 第1次産業は、ほぼ横ばいだった。第2次産業は、府内生産額の23.0%を占める製造業が5.0%増加し、全体では7.0%増加した。第3次産業は、府内生産額の最も高い割合(28.5%)を占めるサービスが3.8%増加し、全体では2.7%増加した。
- 大阪府の産業で最も大きな比率を占める第3次産業の構成比は、平成27 年の72.3%から71.5%に下降した(全国61.0%)。大阪府は全国に比べ第3次産業の比率が高く、第2次産業の比率が低い。
図6 産業別の生産額伸び率(13部門 除く「分類不明」)
(注)時系列比較のために参考として掲載している平成23年の計数は、平成27年表及び平成30年表の分類コードとの対応関係を勘案して簡易に組替集計している。
図7 生産額の産業構成
(注)時系列比較のために参考として掲載している平成23年の計数は、平成27年表及び平成30年表の分類コードとの対応関係を勘案して簡易に組替集計している。
表2 産業別の生産額(13部門)
(注1)第1次産業は農林漁業、第2次産業は鉱業、製造業、建設、第3次産業は左記以外である。
(注2)時系列比較のために参考として掲載している平成23年の計数は、平成27年表及び平成30年表の分類コードとの対応関係を勘案して簡易に組替集計している。
粗付加価値率は全国を上回る
- 粗付加価値額は40兆4471億円で、平成27年から4.4%増加した。粗付加価値率(府内生産額に占める粗付加価値額の割合)は58.0%で、平成27年から0.3ポイント上昇した(全国53.3%)。
- 産業別(13部門 除く「分類不明」)の粗付加価値率は、農林漁業、鉱業、建設、商業、運輸・郵便、情報、通信、公務、サービスの8 部門で上昇した。
図8 粗付加価値率の推移
(注1)平成23年から平成27年の粗付加価値率の上昇には、2008SNA対応における研究開発などの資本化に伴い、平成23年表までは中間投入に計上していた金額の一部を最終需要に計上し、この資産から発生する資本減耗引当を粗付加価値に計上したことによる影響が含まれているため、平成23年と平成27年以降との比較には注意を要する。
(注2)全国延長表では、「自家用自動車輸送」(旅客、貨物)部門の特掲を行っておらず、「社会資本等減耗分」も取り扱っていないため、平成30年の全国値と比較する場合には注意を要する。
図9 産業別の粗付加価値率(13部門 除く「分類不明」)
(注1)時系列比較のために参考として掲載している平成23年の計数は、平成27年表及び平成30年表の分類コードとの対応関係を勘案して簡易に組替集計している。
(注2)平成23年から平成27年の粗付加価値率の上昇には、2008SNA対応における研究開発などの資本化に伴い、平成23年表までは中間投入に計上していた金額の一部を最終需要に計上し、この資産から発生する資本減耗引当を粗付加価値に計上したことによる影響が含まれているため、平成23年と平成27年以降との比較には注意を要する。
(注3)全国延長表では、「自家用自動車輸送」(旅客、貨物)部門の特掲を行っておらず、「社会資本等減耗分」も取り扱っていないため、平成30年の全国値と比較する場合には注意を要する。
表3 産業別粗付加価値率(13部門)
(注1)表中の「差(ポイント)」は平成27年から平成30年の差である。
(注2)時系列比較のために参考として掲載している平成23年の計数は、平成27年表及び平成30年表の分類コードとの対応関係を勘案して簡易に組替集計している。
(注3)平成23年から平成27年の粗付加価値率の上昇には、2008SNA対応における研究開発などの資本化に伴い、平成23年表までは中間投入に計上していた金額の一部を最終需要に計上し、この資産から発生する資本減耗引当を粗付加価値に計上したことによる影響が含まれているため、平成23年と平成27年以降との比較には注意を要する。
(注4)全国延長表では、「自家用自動車輸送」(旅客、貨物)部門の特掲を行っておらず、「社会資本等減耗分」も取り扱っていないため、平成30年の全国値と比較する場合には注意を要する。