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更新日:2019年4月24日

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令和元年度第2回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】

議題1 人権3条例の改正及び制定について

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資料1 人権3条例の改正及び制定について、大阪府人権尊重の社会づくり条例の一部改正(案)の概要

資料1(PDF:778KB)

資料1(PPT:71KB)
資料2 大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例(案)の概要 資料2(PDF:724KB) 資料2(PPT:73KB)
資料3 大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例(案)の概要 資料3(PDF:765KB) 資料3(PPT:77KB)

※資料に基づいて、府民文化部から説明

【新井副知事】
ヘイトスピーチ条例(「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例(案))は禁止規定を設けているが、性的マイノリティ条例(「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例(案)」)は禁止規定を盛り込んでいない。その理由は何か。

【府民文化部】

  • まず、性的マイノリティに関して、大阪府人権施策推進審議会(以下、人権審議会)において、具体的にどういうことが差別的又は不適切な扱いであるかどうかが定まっておらず、当事者によって受取り方が様々であるという指摘があった。それらを踏まえ、禁止規定を今時点で設けることは、違和感があるという見解。
  • また、禁止を規定する前に、まずは性的マイノリティの人々が社会の中で様々な暮らしにくさを抱えていることについて、理解を広めていくことが、まず大切なのではないかという議論があった。
  • 一方で、ヘイトスピーチに関しては、国がヘイトスピーチ解消法(「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」)を制定しており、その中で、ヘイトスピーチの定義や行政として啓発活動や教育に取組むことを定めている。そういったことから、ヘイトスピーチについては、一定の共通認識が既にあるということを踏まえ、今回、大阪府として条例において積極的にヘイトスピーチの禁止を掲げ、啓発等に取組んでいくことにしたものである。

【新井副知事】
性的マイノリティにおける差別の定義がはっきりしていない中、条例を制定することは、時期尚早だとの意見はないのか。

【府民文化部】

  • 人権審議会において、当事者の声を聞くべきとの指摘を受け、様々な方から話を伺った。例えば、「家族関係の悪化、解雇などの差別対応を受けている、トイレもなかなか行きにくい、住まいの確保が困難」といった様々な話を聞いた。そのような様々な課題を当事者が抱えていることの原因は、性的マイノリティに関する府民の理解が不足していることではないかと、人権審議会の委員も我々も受け止めている。
  • そういった中で、まずは、府として理解を促進するための条例を策定するとともに、条例制定を契機に、積極的に啓発などに取り組むことが、喫緊の課題であると判断した。

【新井副知事】
差別の定義が非常に困難な状況であるなか、府としても様々な配慮をしていかなければならない。条例を作っただけでは意味がないので、一定の運用指針のようなものを打ち出していかなければならないと思うがどのように考えているのか。

【府民文化部】

  • 大阪府では、平成29年3月に性的マイノリティの人権問題の理解増進に向けた取組みとして庁内方針を策定。具体的には、府の取組み姿勢や府民の意識啓発等について記載しており、人権局で積極的に啓発を行っている。また、まずは職員が性的マイノリティの人々の置かれている環境について理解をするために、府職員向けの研修を行っている。さらに、大阪府全体として、性的マイノリティをはじめ様々な人権課題に関しての相談体制を置き、積極的に取組みを進めている。
  • 資料2「性的マイノリティの今後の取組の方向(案)」に記載しているように、性的マイノリティの方々が抱える困難の解決に向けて、今後、先進事例等の調査や当事者・専門家の意見を聴取し、さらに検討を進めていく。行政の勝手な思い込みで物事を進めることにならないよう、今回の条例制定を契機に幅広くご意見をお伺いし、できることから具体化をしていきたい。

【新井副知事】
ヘイトスピーチ条例については、定義等も定められており、大阪市もすでに取組まれている。一方、性的マイノリティ条例については、定義が難しいなかで条例を制定するという政策判断だと思うので、やる限りは課題にしっかり向き合っていただきたい。

【財務部長】
ヘイトスピーチと性的マイノリティ条例に関する相談等について、現状どのような対応をしているのか、また、条例を制定することでどのように体制を強化すべきか、考え方があれば、教えていただきたい。

【府民文化部】
人権課題に関する相談体制については、幅広く人権相談等を受け付ける体制をとっており、条例の有無に関係なく引き続き充実させていくので、条例制定後、大きく直ちに変わることはないと考えている。仮に、定量的に相談数が増加した、質的に変わってきたなどの状況が生じれば、体制の強化を検討する。

【財務部長】
現在、性的マイノリティに関する相談は、具体的にどのくらいあるのか。

【府民文化部】
性的マイノリティの方々から一定の相談件数はある。

【山野副知事】
ヘイトスピーチに関して、これまでも、府内市町村との緊密な連携を図っていると思うが、条例制定をきっかけに、さらなる取組みを考えているか。

【府民文化部】
ヘイトスピーチも人権課題の一つであるので、従前から、市町村と大阪府の人権局が、ネットワークを築き、進めている。各市町村で対応できない案件で、広域的・重大な案件に関する個別事象については、大阪府に報告があれば、府市連携で対応している。今まで当たり前のようにやっていたことを、この条例を契機にし、市町村にも問題意識をより高く持っていただく。つまり、この条例を作ったから、新しく何かが変わるということではなく、今までの取組みをさらに充実をしていく。

【政策企画部長】
今回、条例を作って、変えていこうとしていることは、資料に記載しているとおり、国際都市大阪を作っていく上で、オール大阪で人権問題にしっかり取組んでいくことだと思う。まず、行政としてやらなければならない啓発、理解促進等に重きを置いて進めていくことになるが、従来通りの取組みを進めるなら、条例を作る意味がないと思う。府の事務事業の中でも性的マイノリティの方々に配慮をしていくなど新たな取組みを行うことになるが、取組みの方向性や考え方を教えてほしい。

【府民文化部】

  • ヘイトスピーチ条例に関しては、国際都市大阪として、世界に向かってヘイトスピーチを許さないという禁止規定をしっかり掲げるので、それに基づいて、我々だけでなく市町村や法務局との連携を強めていく。大きな糧になると思っている。
  • 性的マイノリティ条例については、配慮できることがたくさんあるという職員の認識もある。例えば、行政文書で男女別の欄を設けないといった取組みをすでに行っている。庁舎内で配慮することなど、他にもいろいろ出てくると思われる。具体的な取組み方針についても、当事者の意見を聞きながら、よりバージョンアップをして、やれることをしっかりと取組み、国際都市大阪に相応しいことをしていきたい。

【知事】

  • 今までも取組みをやっているわけだが、大阪府の意思として示すということは、非常に重要だと思う。また、その先、どういうことがあるのかを考えることも重要である。
  • 性的マイノリティ条例において、府が実施する事務事業で配慮するように努めるということで、今後、性的マイノリティの方々に対する配慮などをどう具体化していくのか個々の事業としてやっていくことになると思う。
  • 例えば、大阪市長時代、LGBTのカップルの認証制度を確立したが、大阪府でもこのような取組みをやっていくべきなのではないのか。条例制定後、そういう議論になるだろうと思う。相談体制などの取組みをこれまでどおり続けるということだが、条例が可決されて、府の意思を明確に示すのであれば、具体的な措置を取っていかなければいけない。
  • 同様に、ヘイトスピーチ禁止条例においても、インターネット上のヘイトスピーチは非常に増えてきており、大阪法務局に対して、積極的にどんどん削除要請をしていく。大阪府として、ヘイトスピーチを禁止し、解消するという意思表示をする以上、大阪法務局が適切な対応をとらないのであれば、積極的に働きかけをしていくことが重要なのではないか。今後、具体的にどういうことをしていくのか、部局において詰めてもらいたい。

【政策企画部長】
他に意見はないようなので、知事、まとめていただきたい。

【知事】

  • まず、人権基本条例について、これまでは大阪府の責務のみ規定されていたが、今後は、府民、事業者の皆さまにもご協力をいただくという方向で改正する。
  • 次に、性的マイノリティ条例は、非常に重要。生まれながらにして持っているもので差別を受けてはならないということは基本的な認識としてそうあるべきだと思う。
  • 性的マイノリティの方の割合が約3%ぐらいだという調査も出ており、学校では、クラスに一人ぐらいは性的マイノリティの子どもがいるという現状だと思う。その理解が進んでなければ、それがいじめの原因になったり、あるいは、「自分に問題があるんじゃないか」と思い、自殺に追い込まれたりすることもある。それは、あってはならないことだと思う。
  • 性的マイノリティは別におかしなことでも、異常なことでも、病気でもなんでもない。それによって、自分らしい生き方が出来ないというのは僕は変えていくべきだと思う。このように、性的マイノリティに関する府民の理解増進に関する条例を積極的に大阪府としても進めていくべきだと思う。府が実施する事務事業においても、これからそういう視点で見ないといけない。そして、新たにすべきこととして、今、大阪市、枚方市及び堺市でLGBTの認証制度をやっているが、これを大阪府全域で大阪府の事務としてもやるべきと思っているので、部局には検討をお願いしたい。
  • 最後に、ヘイトスピーチについては表現の自由はあるが、その範囲を超えるヘイトスピーチは、禁止していくことが必要。
  • 「何がヘイトスピーチか」という定義なども事例が積み上がってきているところであるが、今、問題になってるのは、特にインターネット上のヘイトスピーチだと思う。自由な空間で行われ、拡散するのも速いし、アップするのも自由にでき、匿名性も高い。このようなネット上でのヘイトスピーチにどう対応していくのが重要だと思う。
  • 明確に「ヘイトスピーチは禁止する」という条例を策定する以上、大阪法務局に条例趣旨を伝え、インターネット上に書き込まれたヘイトスピーチをどんどん削除していく。府として、「これは駄目なんだ」ということを積極的にやっていくべきだと思う。インターネット上の書き込みの阻止について、力を入れてもらいたい。
  • この3条例を9月議会に提案し、議会とも議論し、進めていくので、よろしくお願いする。

【政策企画部長】
それでは本日審議したこの3条例について、所要の手続きを経た上で9月議会に提出していただく。

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