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更新日:2012年5月9日

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平成26年2月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成26年2月19日(水曜日)午前9時30分開会
午前11時19分閉会

2 会議の場所

大阪府公館

3 会議に出席した者

  • 委員長
    隂山 英男
  • 委員長職務代理者
    小河 勝
  • 委員
    立川 さおり
  • 委員
    木村 知明
  • 委員
    井上 貴弘
  • 教育長
    中原 徹
  • 教育監
    津田 仁
  • 教育次長
    藤井 睦子
  • 教育総務企画課長
    見浪 陽一
  • 教育振興室長
    和田 良彦
  • 高等学校課長
    丸岡 俊之
  • 支援教育課長
    水守 勝裕
  • 保健体育課長
    真野 正道
  • 市町村教育室長
    吉美 学
  • 小中学校課長
    浦嶋 敏之
  • 地域教育振興課長
    吉原 孝教
  • 職員室長
    山本 讓
  • 教職員企画課長
    白居 裕介
  • 教職員人事課長
    中野 伸一
  • 施設財務課長
    福本 芳次
  • 文化財保護課長
    荒井 大作

4 会議に付した案件等

  • 議題1 知事からの意見聴取について
  • 議題2 大阪府教科用図書採択地区の変更について
  • 議題3 平成26年度公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校教職員定数配分方針の承認について 

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    木村委員を指定した。
  • (2)前回の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議題の審議等

議題1 知事からの意見聴取について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成26年2月定例会に提出される次の議案については、異議がないものと決定する件である。

予算案
  1. 平成26年度大阪府一般会計予算の件(教育委員会関係分)
  2. 平成25年度大阪府一般会計補正予算の件(教育委員会関係分)
事件議決案
  1. 工事請負契約変更の件(重要文化財(建造物)大阪府立中之島図書館本館ほか2棟耐震補強工事)
条例案
  1. 職員の給料及び管理職手当の特例に関する条例制定の件
  2. 知事等の給料、報酬、期末手当等の特例に関する条例制定の件
  3. 職員の給与に関する条例等一部改正の件
  4. 職員の高齢者部分休業に関する条例一部改正の件
  5. 大阪府職員基本条例一部改正の件
  6. 府吏員退隠料等条例一部改正の件
  7. 大阪府附属機関条例一部改正の件
  8. 大阪府立学校条例一部改正の件
  9. 大阪府立漕艇センター条例一部改正の件
  10. 大阪府立臨海スポーツセンター条例一部改正の件
  11. 大阪府立体育会館条例一部改正の件
  12. 大阪府立門真スポーツセンター条例一部改正の件
  13. 大阪府立図書館条例一部改正の件
  14. 大阪府立少年自然の家条例一部改正の件
  15. 大阪府立博物館条例一部改正の件
  16. 大阪府社会教育委員条例一部改正の件
  17. 大阪府教育行政事務手数料条例一部改正の件
  18. 府費負担教職員定数条例一部改正の件
  19. 大阪府文化財保護法に基づく事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件

委員の質問及び意見

  • (隂山委員長)確認だが、大阪府の教職員の給与は他府県に比べてどの程度改善されるのか。
  • (白居教職員企画課長)新規採用職員の状況としては、人勧実施と特例減額の縮小に伴い、給与月額で約7千円程度改善する予定であり、年収ベースでは10万円程度の改善となる。近隣他府県との比較では一番高い状態となる。30代、40代の中堅層では、特例減額の緩和が大きく、年収ベースでは60万円程度、管理職では70万円程度の改善が見込まれる。
  • (隂山委員長)議会の反応はどのようになると予想されるのか。
  • (中原教育長)人事委員会も勧告しており、元に近づけるという話になるため、反対はないのではないかと考えている。1つ新しいものとして、校長・教頭については、校長や教頭の若い人と教頭や教諭のベテランでは、ベテランの方が給与が高いという現象があった。年齢にかかわらず責任は同じであるが若い校長や校長の処遇改善が進んでこなかった。それを今年度、全体的に給与が戻ることとは別に、若い教頭では30万程度変わることとした。先ほどの70万円と合わせると、100万円程度年収が変わることとなる。その代り、校長・教頭については、評価は適正に行っていくこととしている。今はSS、S、A、B、Cという5段階に分かれており、Aは真ん中で概ね目標を達成している場合であり、Bは少し未達成だが資質が駄目と言うものではない場合であり、Cは資質がないというものである。今まではBがほとんど存在しなかったが、Bは色々な要素が絡むことで、あって然るべき評価であることから、今後はその点もしっかり見ていくこととする。また、現時点で校長に対して面接により評価結果を伝えているが、進路が決定していないこの時点で評価が決まっているのはおかしいため、今年は暫定で評価した上で、最終結果によって上方修正や下方修正を行うこととしている。
  • (隂山委員長)最近東京の方で大阪の先生方は頑張っているという声を良く聞く。そうした中、給与も改善されてくると現場に活気が戻ってくる。
  • (中原教育長)塾や予備校の方の話を聞いても、この3年程で学校長が自分の学校の強みを意識してマネジメントしているとのことである。学校長の意識はこの3、4年で明らかに変わってきており良い兆候である。
  • (隂山委員長)予算の面ではスクール・エンパワーメント推進事業や支援学校の新校整備事業など、セーフティーネットに手厚くなっていることが理解されると思う。当初競争主義だと批判していた人にこの予算を見ていただきたい。一部の層だけを見ているのではなく、府内全ての生徒達に夢や希望をということで推進してきている。給食の予算が減額となっているのは推進が進んでいるからか。
  • (藤井次長)市町村の事業量により変動するためであり、全体計画は既に提出済みのため全体の進行への影響はない。
  • (隂山委員長)中学生に学力上げてもらうには食べてもらわないと話にならない。
  • (中原教育長)給食については費用対効果の面で、議会の一部で反対の声が強い。
  • (藤井次長)給食事業は始まったばかりのため、給食の導入による学力向上までは精査できていないが、生徒保護者がどの様に受け止めているのかや、教室の状態が落ち着いたのか等といった検証をすべきだというご意見がある。また、選択制を導入した市町村では、喫食率が上がっていないという課題も指摘されている。
  • (中原教育長)腹が満たされないと何も始まらないという趣旨であり、直ちに学力や教室が落ち着くかどうかということは関係ないものである。
  • (小河委員長職務代理者)費用対効果の関係でしか理解が浸透していないというのは、我々の責任も大きい。
  • (中原教育長)我々の責任ではなく価値観の問題である。何をしているかという事実関係についてはご理解いただいているため後は価値観の違いだけである。事実を伝えて意見を伝えているので、後は府民の代表者である議会の判断による。
  • (藤井教育次長)5年間の債務負担行為であり、246億円の補助については既に議決済みであるため、事業自体を否定する議論はないと考えている。
  • (小河委員長職務代理者)費用対効果という話が出てくるということは、我々の給食に対する位置付けの理解がされていないと思う。
  • (立川委員)給食に関しては命にも関わることでもある。虐待防止の活動の中で、ネグレクトの事例では何日も食事をしていないという話もある。中学でまず食べることは使命感をもってやって頂きたい。
  • (小河委員長職務代理者)議会に対する情報発信をしていきたい。
  • (木村委員)給食の視察に行ってきたが、食育に重きを置いているように感じた。反対に、1日200キロの食材が廃棄されていたり、デリバリーには限界があるという現場の声もあった。食育に対する指導を浸透させるなど、ただお腹を満たすという目的だけではなく、上のレベルの目標を立てて、給食の在り方を子ども達や教職員に周知していく必要があるではないか。
  • (中原教育長)1校で大阪全体の傾向を一般化するのは危険である。全体の具体的なデータを頂けると解決に向けて動きだす。
  • (隂山委員長)給食の効果は出るものだと期待している。気になっているのは、選択制を取っている市町村の教育委員会はどうしても腰が引けてしまうように思う。子ども達の昼食は私たちが提供するという思いでやってもらいたい。その辺の割合はどのようなものか。
  • (真野保健体育課長)9市が選択制となっている。
  • (隂山委員長)子ども達の問題行動や学力テストの結果に対してぼんやりとでも効果が見えてくればそれはそれで良いと思う。逆に今後導入していくところは、給食が導入されたからにはしっかりと勉強をしてもらうということで、効果を狙っていくことが大切である。
  • (中原教育長)親に時間的余裕があり、食材も選んで栄養をコントロールしたいという人に対しても、中学校ではとにかく給食を食べていただくという点についての合理性が少し躊躇するところである。
  • (隂山委員長)今の食環境を考えると各家庭でそれを達成することは困難である。全国的に見れば給食はしっかりと体制が作られている。愛情弁当も良いがそれに負けず劣らず学校給食というものは府民の総意で提供していくものである。
  • (小河委員長職務代理者)現場の経験では朝食をほとんど食べないグループが3割近い。学校ではほとんど菓子パンを食べており、成長期の体にとって良くないことである。食事、睡眠、生活リズムは子どもの発達の基礎条件であり、その中でも食事は重要なファクターである。もし議会で費用対効果と言われているのなら我々の考えをもっと理解してもらわなければならない。
  • (中原教育長)食事をしっかり取れない子ども達に給食があるようにするというのは教育委員会のスタンスとして固まっておりそのように答弁しているが、次の問題として、全員なのか選択制とするのかがある。家庭の昼食の選択権を奪うことが本当に良いことなのか。
  • (藤井教育次長)全員喫食を補助の対象とするかどうかは、23年度の制度導入の際に議論した。早くから選択制を導入している吹田市教委などでは学校単位で保護者、PTAを交えて議論している。府教委としては市教委単位の議論を尊重し、全員喫食の市町村も選択制の市町村も補助の対象とした。基本的スタンスは市町村教委で保護者、生徒の意見を踏まえて考えていただくものと考えている。
  • (立川委員)10年以上前に堺市のO157事件が起こった時に、自校方式かセンター方式かを小学校レベルの給食では議論があったはずである。府内でも中学校で長年給食を提供している市町村はあるが、それらのデータから給食の効果を調べることはできないか。
  • (隂山委員長)現段階ではとにかく子ども達がお昼ご飯をきちんと食べられる状況でなければならないということには異論はないと思う。そのことからすると給食を食べていただくのが望ましいということになるのではないか。
  • (中原教育長)選択権を奪ってでも全員喫食が望ましいのかどうかは、今後議論して決めていきたい。
  • (隂山委員長)中学校給食導入促進事業費補助金に政令市を加えるのがこの機会となったのはなぜか。
  • (見浪教育総務企画課長)大阪市から要望が出てきたためである。
  • (井上委員)民間企業と完全に比較はできないのだが、民間企業では定量的な目標を立てやすい。公の仕事では定量的な目標は難しいと思うが、1つ1つに目標設定はしているのか。また、1つ1つの目標設定があるのならば、それらをトータルとしてまとめているのかどうか。
  • (中原教育長)枠としてはある。例えば、学校経営推進費であれば、プレゼンで勝ち取ったところに配分される。しかし、問題は、先ほども申したが、それを評価するための人事や給料への反映という、運用の最後の一番大切な所がうやむやにされてきているところである。そこをしっかりすれば、よりよくなると考えている。
  • (井上委員)例えば、教職員採用選考費において教員採用選考テストのPR活動を行なった結果、どの様な効果を目指すのかというのはあるのか。それはチェックされているのか。
  • (藤井教育次長)2つある。1つは、全て予算査定を経ているため予算要求単位ごとにどのような目標を持って事業を行うのかを額を決めるまでに細かな事業レベルで設定しており、これは来年度の予算議論の際に到達したかどうかを検証するもの。もう1つは、教育委員会独自の仕組みとして、それぞれの項目ごとに基本計画において達成目標を設定しており、9月の事務事業の点検評価により前年度分を取りまとめている。これら2つの視点から対外的にも説明できるものである。
  • (井上委員)今回の資料では、予算の内容だけとなっているのが、目標があるならみんなで共有し、チェックされていくことが認識されるようにしたほうがよい。
  • (見浪教育総務企画課長)4月に運営方針を出し、全体のアウトカム指標を10の基本方針ごとに出している。それにより1年間の事業の整理を行っていく。
  • (井上委員)金額と内容と評価の3つがセットで議論されていくべきではないか。
  • (中原教育長)民間では運命共同体のため、利益が上がらなければ自分の生活に支障が出てくるが、公務員の世界ではそれが無い。結局、枠があって、成果指標も出てくるが甘いものである。成果が出ていないところであってもなんとなくぼやかしてきている。枠があるが厳しくチェックしていない。責任については、みんなで薄まるようになっている。評価に対する責任を取る体制になっていない。
  • (隂山委員長)2点要望がある。各学校に教材を配信するという話だが、どの程度学校現場で使われるのか。子ども達の学力向上には宿題が大切である。教材がどの様に提供され、その教材がどの程度学校現場で意識され、子どもの指導に使われていくのかを、指標にしていただきたい。もう1つは、来年度以降の話となるが、体育についてである。ソチ五輪でも10代の選手が活躍しているが、一方で奈良のハーフパイプの選手などは毎週10時間かけて父親に送り迎えしてもらいながら銅メダルを取ったとのこと。果たしてそれは適正なのだろうか。ソチ五輪のメダリストは家族に支えられている部分が大きいと思う。大阪府内で一元的に指導できるような、例えば、東京赤羽の味の素トレーニングセンターのような施設を大阪でも検討してほしい。乳幼児の段階からメダリストまでの道筋がイメージできるよう、オリンピックに合わせて制度面、施設面を検討していただきたい。
  • (中原教育長)それも考えているが、予算規模を考えると悩みである。スポーツのエリートを育てるために、赤羽のような施設と作ったとしても、運動に興味のない子どもが興味を持ってもらえるのかどうか。また皆さんで議論していきたい。
  • (立川委員)質問が3つある。1つは知事からの意見聴取における条例案の7において、知事の附属機関として大阪府立学校等のいじめの重大事態に係る再調査委員会を設置するとあるが、これは第3者委員会ととらえて良いのか。
  • (丸岡高等学校課長)教育委員会の中で事案について審議するが、その上で、十分ではないという状況が起きた場合に知事部局の方で審議するという形をとっている。
  • (中原教育長)これは、大津の事件を念頭に置いていると思うが、市長から要請があっても教育委員会が動かなかったことから、大阪府で言えば知事に権限を与えたというもの。
  • (立川委員)高校における英語力の養成の対象校のカッコ書きの中で、GLHS候補2校となっているが、これはGLHS10校の入替を検討しているということか。
  • (丸岡高等学校課長)GLHSそのものの入替と言うよりも英語教育について17校を選んでいくということ。
  • (中原教育長)英語とは無関係にGLは今までの取組みを精査して、もしかしたら入れ替わるかもしれないし、増減があるかもしれないし、そこは検討しているところ。英語は別途、今までになかった英語教育を実現する能力のある学校の対象基準がそこに記載されている。
  • (立川委員)今回、キャリア教育支援体制整備事業に予算がつくとのこと、私が関わってきた事業が先駆けにあり、嬉しく、感謝します。その中で就職希望者数40人以上の学校を支援校としているが、定時制高校は対象となるのか。
  • (丸岡高等学校課長)含まれている。
  • (中原教育長)これについては、財政課の予算査定はゼロであるが知事が認めてくれたもの。約6,000万円認めてもらっているが、現場から要望が強く実際に就職できている人の数も増えている。費用対効果が高いものであり、セーフティーネットとして一番力を入れているところ。40人というのも原則であり、学校間で調整できればコーディネーターの配置を柔軟に調整する余地はある。
  • (立川委員)要望だが、エンパワメントスクールの3校はタイプが異なるため、人の配置については、使命感を持っている方が配置されることを望む。

採決の結果

原案どおり決定した。

議題2 大阪府教科用図書採択地区の変更について

議案の趣旨説明(小中学校課長)

大阪府の教科用図書採択地区のうち、大阪市の8つの採択地区を1つに変更することについて決定する件である。

委員の質問及び意見

  • (井上委員)採択地区が1つになることのデメリットはあるのか。
  • (浦嶋小中学校課長)採択地区が大きくなるので、教科書会社の競争が激しくなることは想定されるが教育の中身についてのデメリットはない。

採決の結果

原案どおり決定した。

議題3 平成26年度公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校教職員定数配分方針の承認について

議案の趣旨説明(教職員人事課長)

平成26年度公立小・中学校、高等学校及び特別支援学校教職員定数配分方針について、大阪府教育委員会事務決裁規則第5条の規定に基づき教育長が代決したことに対して同規則第7条第2項の規定に基づき承認する件である。

委員の質問及び意見

  • (隂山委員長)文部科学省から加配については項目が提起されているが、これは各項目について何人という紐が付いているのか。
  • (中野教職員人事課長)ついている。最初に国の方から枠の提示があるが、枠の中での変動をお伺いすることはできる。
  • (隂山委員長)学校現場にしてみれば加配というのは自由な使い回しが望ましいが、紐付きとなると中々難しい。しかし、無条件にしてしまうと酷い使い回しをして財務省から詰問されることとなる。
  • (中原教育長)今もこの枠内での使い方を改良していかねばならないと考えているが、定数と関連して教員の多忙化解消を来年度の大きなテーマとしたい。文科省も財務省に毎年要望しているが全然予算が付かない状態であり、地方吏員が要望したところで変わらない。国会議員が動かなければならない問題であり、本当に変える必要があるのかという議論をしていきたい。中高については、クラブ活動の先生の拘束時間を改善すれば時間が取れるようになるだろうが、小学校の先生はそうはいかない。先生の数を増やすことが1つの端的な解決策だが、1割増やすだけで大阪だけでも500億円かかってくる。そのような予算は中々捻出できない。日本という国が教育にもっとお金を使っていくんだという決意が無ければ変わっていかない問題である。今迄は個々の先生に押し付けて先生もあきらめに近い状態であったが健全ではない。教育にお金を使っていくという決意を府民国民がしていかなければ永久に変わらない。本当に大事な問題とするなら、政党や組合を乗り越えて議論を起こしていかねばならない。小学校の先生もちゃんと休みが取れて、家族と過ごす時間があり、それなりの待遇を受け、その代わりプロとして仕事の中身の評価は厳しいという然るべき姿にすべきだと思う。
  • (隂山委員長)小学校の先生については、相当に自分で自分の首を絞めていると私は考えている。例えば職員室の横に改善黒板を置き、一年間で洗い出しをしてはどうか。そういうことをせずに、忙しいから人を増やせとなっているが、人を増やしても人の数に合わせて仕事を増やし更に忙しくなるだけである。本当にしんどくなってきているのは保護者対応と学習障害を持った子ども達である。この点は大阪は他地域に比べて状況は厳しいように思う。その点はスクールカウンセラー等を増やした方が良いのかもしれない。時間を取って議論していくべきだとは思うが、例えば、通知表や指導要録の電子化をしてはどうか。事務処理能力の低い人に合わせ、エラーの起こらないように丁寧に進め過ぎて、全体の作業量が増えてしまっている。
  • (井上委員)私がアメリカの大学院で衝撃を受けたのはアメリカの大学教授は教えることに集中できる環境があり、事務は完全にアシスタントがしている。学校現場でも仕組みを大きく変えてその枠内で進めていかないと、人を増やしても仕事が増えてしまう。人口減少の中で一番打撃を受けるのは教育分野である。ある一定の人口であれば切磋琢磨して能力のある子どもが出てくるものだが、人口が減少していくのであれば、何かしらそこに力を入れていかなければならないという雑誌の論説があった。読んでいてその通りだと思ったが、現場の整備となると、大阪だけでは解決できない問題であり、声を上げる方法を考えないと良くならない。
  • (中原教育長)現実的に小学校の先生は、朝から休みなく給食も面倒を見て、3時頃まで授業をし、毎日丁寧にマル付けをして、職員同士の会議や保護者への連絡があり、毎日ではないが会計や事務作業もある。如何に効率が良くても、5時や6時には帰れない。朝早いことを考えると十分働き過ぎである。
  • (小河委員長職務代理者)教育長の発言はまさに事実である。駄目であるが現実には仕事の持ち帰りがある。教師が自分で締め付けている部分も確かにあるが、現実としては、日本の教育予算は世界的に見ても半分程度である。これはなんとか変えなければならない。技術革新が日本の生命線だというのであれば、予算を10倍にしても良いぐらいだと考えている。
  • (隂山委員長)現状認識をきちんとしなければならない。例えばこの2、30年の間に定数改善はされており、教師一人に対する生徒数はOECD平均に近づいている。加配というのは紐付きになっており、学校現場で自由に使える状態にない。学校現場で何の予算が足りないのかというと、教材費が足りていないのである。授業改善というのが学校現場の首を絞めている。良い授業として、子ども達に関わってノートを書かせてと際限なく広がってしまっているが、学力向上はそのようなことをしなくても上がるものである。根本的には学校現場に効率や要領という発想が無いことである。そのためにも改善黒板を設置してほしい。学校現場では個々の教師の力量でこなしていくものだというロマンが覆ってしまっている。
  • (小河委員長職務代理者)トータルで見て予算が半額というのは事実であるので、外国の教育現場がどうなのか研究しましょう。
  • (中原教育長)少し始めているが、これは今年のテーマとしていきたい。
  • (立川委員)外部人材を入れるなら専門性の高い方を入れるなど、分業が非常に大切であると思っている。
  • (隂山委員長)研究を進めるにあたり、教職員の数が増えないということを前提としてどこまで改善できるのかを考えてほしい。
  • (井上委員)仕事のやり方が非効率なのか、仕事の範囲が広すぎるのか、先生の仕事の範囲をきちんと定義して、一定の事務処理能力のある先生が事務をしたと仮定して、どれだけの人数が足りないのかを外国の事例も含めて調査することは意味があると思う。
  • (隂山委員長)この20年間で教科数は増えてきている。例えば英語を指導したことのない人が英語の指導を任されるようになった。ゆとり教育の導入により家庭に返すべきは返すと言っていたものが学校に残ってしまっている。そのような個別の事を言っていくと今の議論とは異なる部分に問題が出てくると思っている。とりあえず私は指導要録と通知表のデジタル化を一度導入してもらうことで、現場は楽になるだろうと思っている。

採決の結果

原案どおり決定した。

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