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大気汚染防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例の改正内容について
改正法令施行後の石綿規制について
大気汚染防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例が改正され、アスベスト工事のルールが変わりました。
施行時期
- 大気汚染防止法は、令和3年4月1日に施行されました。
(事前調査結果の報告は令和4年4月1日、有資格者による事前調査は令和5年10月1日に施行されます。) - 大阪府生活環境の保全等に関する条例は令和3年7月1日に施行しました。
大阪府生活環境の保全等に関する条例の一部を改正する条例(条例第25号)一部抜粋(PDF:5,266KB)
大阪府生活環境の保全等に関する条例施行規則の一部を改正する規則(規則第76号)一部抜粋(PDF:2,929KB)
大気汚染防止法の主な改正事項
出典:【法改正説明資料】大気汚染防止法及び政省令の改正について(外部サイトへリンク)
規制対象の拡大(令和3年4月1日施行)
【改正前】吹付け石綿、石綿含有断熱材、石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材
【改正後】全ての石綿含有建材
規制対象として追加された石綿含有建材は、石綿含有成形板、セメント管、押出成形品、石綿含有仕上塗材、下地調整塗材などです。石綿含有建材における石綿含有の考え方は、従来の判断基準と同様に、石綿の重量が建築材料の重量の0.1%を超えるものとしています。
届出対象(令和3年4月1日施行)
【改正前】吹付け石綿(石綿含有仕上塗材を含む)、石綿含有断熱材、石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材
【改正後】吹付け石綿(石綿含有仕上塗材を除く)、石綿含有断熱材、石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材
大気汚染防止法では石綿含有仕上塗材を届出対象外としていますが、石綿含有吹付けパーライト及び石綿含有吹付けバーミキュライト(ひる石)については、従来と同様に、「吹付け石綿」として取り扱います。なお、大阪府生活環境の保全等に関する条例では届出対象(除去面積が1000平方メートル以上の場合)としていますのでご注意ください。
事前調査に関する記録の作成・保存(令和3年4月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】元請業者又は自主施工者による、事前調査に関する記録の作成及び3年間の保存
元請業者又は自主施工者が行う事前調査は、設計図書及び目視により行わなければなりません。ただし、平成18年9月1日以降は石綿の新たな使用が禁止されているため、設計図書で明らかである場合、平成18年9月1日以後に設置の工事に着手した建築物等については、目視による調査の必要はありません。その上で、書面による調査、目視による調査により石綿含有の有無が明らかにならなかった場合は分析が必要です。ただし、すべての建築材料において、石綿が含有しているものとみなす場合、分析の必要はありません。
事前調査結果等の報告(令和4年4月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】元請業者又は自主施工者による、都道府県知事へ事前調査結果の報告
(報告の対象)
- 建築物の解体作業で、当該作業の対象となる床面積合計が80平方メートル以上のもの
- 建築物の改造・補修作業で、当該作業の請負代金の合計が100万円以上のもの
- 工作物の解体・改造・補修作業で、当該作業の請負代金の合計が100万円以上のもの
「請負代金の合計」とは、材料費を含めた作業全体の請負代金の額をいい、事前調査の費用は含まないが、消費税を含む額とされています。また、解体等工事を同一のものが2つ以上の契約に分割して請け負う場合においては、これを1つの契約で請け負ったものとみなすとされています。
事前調査結果等の報告は、事前調査後に調査結果の整理など必要な作業を行ったうえで、速やかに行わなければならず、遅くとも解体等工事着手する前とされています。未報告又は虚偽報告の場合には、30万円以下の罰金が規定されていますのご注意ください。
有資格者による事前調査(令和5年10月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】特定建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者
一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て住宅・共同住宅は住戸の内部に限定)
令和5年9月までに一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者
作業基準遵守義務の対象(令和3年4月1日施行)
【改正前】元請業者
【改正後】元請業者及び下請負人
下請負人が除去等の方法や作業基準を遵守せずに施工し、元請業者が施工していない場合であっても、元請業者及び下請負人のそれぞれに対して罰則が適用されますのでご注意ください。
直接罰の創設(令和3年4月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】吹付け石綿及び石綿含有断熱材等に係る特定粉じん排出等作業で、除去作業に係る措置及び方法に違反した場合には、3月以下の懲役または30万円以下の罰金
吹付け石綿及び石綿含有断熱材等の除去の措置について、次の3つの方法により行うこととされていますので、必ず作業基準を遵守して除去作業を行ってください。
- 搔き落とし、切断、破砕することなくそのまま建築物等から取り外す。
- 除去を行う場所を隔離養生し、HEPAフィルタを付けた集じん・排気装置を使用する。
- 2と同等以上の措置。(グローブバッグの使用)
作業終了時の確認(令和3年4月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】有資格者又は石綿作業主任者による、作業終了時の確認
確認事項は、作業基準に定める、集じん・排気装置の正常な稼働、負圧の状況、除去または囲い込み等の完了、隔離解除前の大気中への特定粉じんの排出等の恐れがないことの確認の結果などです。
作業結果の記録・保存(令和3年4月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】元請業者又は自主施工者による、作業結果の記録及び3年間の保存
記録事項として、特定粉じん排出等作業を実施した期間、実施状況、除去または囲い込み等の完了の結果及び確認を行った者の氏名等の事項が定められており、作業基準の各規定に対応した作業の実施状況がそれぞれ確認できるよう、写真、動画等を使用して作成してくだい。また、作業の途中で作業計画に変更が生じた場合は、変更内容についても記録してください。
発注者へ作業結果の報告(令和3年4月1日施行)
【改正前】規定なし
【改正後】元請業者による、発注者への作業結果の報告
大阪府生活環境の保全等に関する条例の主な改正内容
※レベル1建材:吹付け石綿
レベル2建材:石綿含有断熱材、保温材、耐火被覆材
石綿含有成形板等:レベル1、2建材及び石綿含有仕上塗材を除くすべての石綿含有建材
規制対象建材
【改正前】レベル1、2建材、石綿含有成形板
【改正後】全ての石綿含有建材
これまで対象としていた石綿含有成形板以外に、改正大気汚染防止法で届出対象建材から外れた石綿含有仕上塗材、これまで規制がされていなかった下地調整塗材、ビニル床タイル等についても対象となります。
届出要件
【改正前】石綿含有成形板(樹脂被覆・固化建材等は除く)の使用面積が1000平方メートル以上の工事
【改正後】
- 石綿含有仕上塗材の使用面積が1000平方メートル以上の工事
- 石綿含有成形板等の使用面積が1000平方メートル以上の工事
下地調整塗材は、「石綿含有成形板等」に該当します。ただし、石綿含有仕上塗材と下地調整塗材が塗り重ねられている場合で、高圧水洗工法などで同時に除去する際は、1つの建材(石綿含有仕上塗材)として扱います。別々で除去する場合は、2つの建材(仕上塗材、成形板等)として取り扱い、規模に応じて届出が必要となりますのでご注意ください。
届出要件についての具体例は、届出のしおり(令和6年4月)(ワード:761KB) 届出のしおり(令和6年4月)(PDF:1,681KB)の「3 届出書の作成要領」に記載しておりますので、あわせてご覧ください。
作業基準
【改正前】
≪レベル1、2建材≫
法の作業基準に加え、排水の処理
≪石綿含有成形板等≫
飛散防止幕の設置、原則手作業による原形撤去、散水設備の設置、除去後の建材の切断時における集じん機を備えた切断機の使用、排水の処理
【改正後】
≪レベル1、2建材≫
法の作業基準に加え、排水の処理
≪石綿含有仕上塗材≫
法の作業基準に加え、飛散防止幕の設置、排水の処理
≪石綿含有成形板等≫
法の作業基準に加え、飛散防止幕の設置、散水設備の設置、除去後の建材の切断時における集じん機を備えた切断機の使用、排水の処理
(原形手作業による撤去は法で規定)
飛散防止幕の設置は、防音シートや防炎シート、防音パネル等の幕を建物の高さ以上に設置する必要があります。ただし、周辺養生(負圧を伴わない隔離養生)を行う場合や屋内作業で目張りを行う場合など施工状況・施工方法によっては、飛散防止幕の設置が不要となる場合もあるので、作業時は事前にご相談ください。
大気中石綿濃度測定の要件
【改正前】吹付け石綿等の法届出対象工事のうち除去面積が50平方メートル以上の工事
【改正後】吹付け石綿等の法届出対象工事のうち除去面積が50平方メートル以上の工事(レベル2建材のかき落とし等以外の作業は除く)
工事施工境界
【改正前】敷地境界
【改正後】工事施工境界
工事施工境界とは、施工者が当該工事を行うために工事関係者以外の者の立ち入りが禁止された区画の境界をいいます。発注者及び施行者の従業員等で工事施工に直接関与しない者は工事関係者ではありません。
大気中石綿濃度測定結果の報告
【改正前】規定なし
【改正後】発注者へ測定結果の報告義務
様式等は定めていませんので、法の完了報告書に添付して発注者に報告してください。