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更新日:2009年10月9日

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環境側面の調査と環境影響評価

「著しい環境側面」決定手順

環境影響評価は、環境マネジメントシステムを構築するにあたって、非常に重要な作業項目です。この作業により、「著しい環境側面」を特定し、その「著しい環境側面」を含んだ環境目的・目標を設定し、実施計画を立てて活動を行っていくこととなります。

環境側面調査と環境影響評価の流れ」は下記のフロー図のようになります。

環境影響評価の調査と実施

環境側面調査と環境影響評価の方法は色々ありますが、ここでは「評価点算定法」について説明します。

※【評価点算定法】とは?

自社で洗いだした環境側面の発生の可能性、発見の可能性 (エクセル:19KB)結果の重大性 (エクセル:24KB)範囲の大きさ (エクセル:17KB)等を点数化し、数式で評価点を出して重み付けを行う方法です。(論理的で一貫性があればどのような手法を用いてもかまいません。

1)環境実態の把握(環境側面の洗出し)

業務工程等を分析し、事業活動全般、製品及びサービスが環境に影響を与えている原因・活動(「環境側面」という。)を調査し、環境側面を洗い出します。また、エネルギー使用量等の実態把握を行います。

2)環境影響評価の実施方法

洗い出した環境側面を点数化し、環境に与える影響度合いを確認します。
※「評価点算定法」で実施

3)著しい環境側面の特定

環境に与える影響の大きい側面(点数の高いもの)を「著しい環境側面」として特定します。

※「環境側面」とは→環境に影響する可能性のある、組織の活動または製品またはサービスの内容をいいます。「著しい環境側面」とは、特定した環境側面(原因)の中で特に悪い環境影響をもつ側面(原因)をいいます。

※「環境影響」とは→有害か有益かを問わず、組織の環境側面(原因)から生じる、環境に関するあらゆる変化(結果)をいいます。

1)環境実態把握(環境側面の洗い出し)手順

  1. 全社、または部門で「環境実態把握リスト」(様式4)を使い
    • エネルギー、新エネルギーの使用
    • 水の使用
    • 自動車の使用等輸送
    • 紙の使用
    • 化学物質の購入、保管、使用、輸送、排出
      等を調査し記入します。
  2. 業務工程洗い出し表(様式5)を使い、業務の工程(プロセス)にあわせて、エネルギー、材料等のインプット(投入)と廃棄物、悪臭等の排出(アウトプット)の調査、計測を行い、様式5の該当する欄に記入します。
  3. 環境に関する苦情や要望(騒音・悪臭・振動)等が過去にあった場合は、「過去発生事象調査書」(様式6)に記録します。

注意点

「業務工程洗い出し表」にて調査を行うため、用紙が複数にわたるときは洗い出しの漏れがないように注意してください

部門の工程は漏れないことが多いですが、部門間の工程、全社の設備等等も漏れのないように注意が必要です。

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2)環境影響評価の実施手順

  1. 全社、または部門で「環境影響評価表」(様式7)を使います。
  2. 「環境影響評価表」(様式7)の左上に部門名を記入します。
  3. 活動・施設・工程を記入します。ここでは分類にあまりこだわらなくてかまいません。自社で分かりやすいように区分してください。
  4. 次に「業務工程洗い出し表」(様式5)に記入したINPUT(環境側面)、OUTPUT(環境側面)を環境側面の欄に記入します。
  5. 環境側面の欄に記入した環境側面が、どのような環境影響を与えるのかを考え、該当する欄に●を付けます。
    環境影響については、環境に有益な影響を与えるもの、典型7公害、地球環境問題、職場環境という視点で考えます。
    ※ 一つの環境側面が複数の環境影響事項がある場合、複数に●をつけてください。(騒音、振動、職場環境等)
  6. 環境側面が与える影響は環境に直接与えるものなのか、または間接的に与えるものかを考え、影響区分欄のどちらかに●をつけてください。
    • 直接→事業活動に伴って直接生じる環境影響をいいます。
    • 間接→委託、外注先等依頼に伴い発生する影響。
  7. 環境側面が与える影響は、どの時点の事業活動により発生するものなのかを考え、影響時期区分欄の、過去、現在、未来の欄のいずれかに●をつけてください。
    • 過去→過去の事業活動によって起こったもの(事故等を含む)
    • 現在→現在の事業活動によって起こるもの
    • 未来→将来起こりうる影響(緊急事態、事業拡大計画によるもの)
  8. 環境側面が与える影響は、どのような状況で発生するものなのかを考え、影響事態区分欄の通常、非通常、緊急のどれに当てはまるかを判断し●を付けます。
    • 通常→通常の事業活動の実施状態、機械設備等が正常に稼動している状態で発生する影響
    • 非通常→設備や機械の立上げ、停止、点検、操作ミス、故障等通常と異なる状態で発生する影響
    • 緊急→緊急時に汚染物質の漏洩等で発生する影響。地震、事故等
  9. 環境側面について、法規制がある場合は●をつけてください。
  10. 環境側面について、利害関係者(顧客、取引先等)の要求がある場合は●をつけてください。
  11. 環境側面ごとに、環境への影響が発生する可能性、影響を発見する可能性、発生した場合の影響の重大性、その影響が発生するのはどのような範囲なのか、について、「発生の可能性」、「発見の可能性」、「結果の重大性」、「範囲の大きさ」のそれぞれの評価基準に従って、得点を環境リスク欄の該当欄に記入します。
  12. 記入した得点を次の式で計算し、計算結果を環境リスク欄の「点数」欄に記入します。
    点数→(発生の可能性+発見の可能性)X(結果の重大性+範囲の大きさ)

→著しい環境側面の特定手順へ

環境影響評価表(様式7)(エクセル:27KB)記入例(PDF:39KB)

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3)著しい環境側面の特定手順

著しい環境側面を特定します

  1. 「環境影響評価表」(様式7)の環境リスク欄の点数の高いもの上位4項目を「著しい環境側面」として決定し「環境側面登録簿」(様式8)に登録します。
  2. 様式8に登録した環境側面は、環境影響評価表(様式7)の登録欄に○印を記入します。

環境側面登録簿(様式8)(エクセル:18KB)記入例(PDF:10KB)

留意点

  • 何を「著しい環境側面」とするのか、どれだけの数を「著しい環境側面」とするのかについては、特に決められた判断基準はありません。上位4項目等のように、自らで基準を設定してください。
  • ISOの規格では、著しさの基準を確立する場合、企業は次の事項を考慮するとよいとされています。(ISO14004)
    1. 環境基準(影響の規模、深刻度及び継続時間、または環境側面の種類、規模及び頻度など)
    2. 適用可能な法的要求事項(許可または規制などによる排出及び放出の制限など)
    3. 内部及び外部利害関係者の関心事(組織の価値、対外的イメージ、騒音、臭気または景観上の劣化など)

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