ここから本文です。
環境関係法令の調査手順
いずれの「EMS」に取組まれる場合でも、自らの事業活動に関係のある環境法令を調べる必要があります。法令調査は次の手順で進めていきます。なお、記入例や様式はあくまで例示ですので、使用する場合は、事業所に合うように修正して下さい。
- 1)実態把握
事業所で使用する施設・エネルギー・化学物質などを調べ記録する
▼ - 2)法令調査
関係する環境関係の法令を調べ記録する
▼ - 3)適用調査
適用を受ける環境関係の法令を調べ記録する
▼ - 4)リスト作成
適用を受ける法令等をまとめてリストを作成する
1)実態把握
実態を把握しておきましょう
まず、自らの事業所における
- 使用施設の種類と能力
- 消費するエネルギーや材料・資源の種類と量
- 使用する化学物質の種類と量
- 廃棄物の種類と量
- 製品の種類と量
などについて調べます。量については、年間使用量を調べます。調べた結果は、様式1「実態把握リスト」のような調査表を作って記録しておきます。(*記入例1)
実態把握リスト(様式1)(エクセル:119KB) 記入例1(PDF:12KB)
2)法令調査
法令調査はどのEMSでも必要です
- 環境関係法令には、a.公害に関する規制、b.廃棄物・リサイクルに関する規制、c.化学物質に関する規制、d.地球環境、資源、エネルギーに関する規制、e.自然保護に関する規制、f.地方条例等に関する規制などが含まれます。1)で調べた項目について、関係する法令を調べます。(*記入例2)
- 「業種別法令調査ナビ」や「業種別調査表」を使って調べると漏れをある程度防ぐことができます。なお、業種により特殊な法令の適用受ける場合がありますので注意して下さい。その場合はこの調査表に追加して下さい。
- EMSではどれだけの法令を調査したのか、記録が必要となりますので、ここで作成した表は整理し、記録として保管しておきましょう。
環境関連法等調査表(様式2)(エクセル:55KB) 記入例(PDF:26KB)
業種別法令調査ナビ(工事中)
3)適用調査
適用を受ける法令を調べましょう
- 様式2の調査表や内部での調査、書籍などを参考にして、自らの事業所が適用を受ける環境関係の法令を調べます。
- 様式2を使う場合は、適用を受ける可能性のあるものの「可能性」欄に○をつけ、「該当する施設・物・化学物質など」欄に具体的な設備等を記入します。
※業種により適用を受ける可能性の高い法令は、「業種別調査表」に記載していますので、これらの法令については必ず調査しておきましょう。 - 該当する施設等については、各法令の施行令に書かれていますので、施行令も調べておきましょう。
- 大気、排水、騒音、振動関係の法令には国の排出基準が決められていますので、基準値を確認して下さい。
※基準値は、事業所が所在している都道府県条例及び市町村条例で定められていることがありますので、所在地の自治体の条例も必ず調査しておきましょう。(大阪府では「生活環境の保全等に関する条例」等で定められています)
環境関連法等調査表(様式2)(エクセル:55KB) 記入例2(PDF:26KB)
業種別調査票(エクセル:21KB) ※業種別法令調査ナビと同じ内容です
業種別法令調査ナビ(工事中)
4)リスト作成
リストを作成しましょう
1)~3)により、自らの組織が適用を受ける法令が明確になりますので、その結果を一覧表に記載しておきます。(*記入例3)
一覧には、法令の名称、法令の要求事項(*)、法令の適用を受ける施設や化学物質等を記載する必要があります。
リストの例としては「法的及びその他の要求事項登録リスト」をご覧下さい。
法的及びその他の要求事項登録リスト(様式3)(エクセル:18KB) 記入例3(PDF:118KB)
法令の要求事項
法令の要求事項とは各法令ごとに事業者が行なわなければならない義務が定められています。各法令の「事業者の責務」の部分に書かれていますが、次のような義務事項がありますのでよく調べることが必要です。
- 許可義務
- 届出義務
- 測定・記録・報告義務
- 管理者の選任、資格者の保有義務
- 規制基準等の順守義務
- 事故時の処置及び報告義務
- その他の義務(努力規定や協定の順守等)