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更新日:2025年3月17日

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5種混合ワクチンについて(ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ・Hib)

各疾患の概要

ポリオ(急性灰白髄炎)

ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、ポリオウイルスによって発生する病気です。
名前のとおり子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、麻痺などを起こすことのある病気です。
主に感染した人の便を介してうつり、手足の筋肉や呼吸する筋肉等に作用して麻痺を生じることがあります。
永続的な後遺症を残すことがあり、特に成人では亡くなる確率も高いものとなっています。
ポリオウイルスに感染した場合、弛緩性麻痺を起こす割合は1%以下とされていますが、麻痺性の急性灰白髄炎を発症した場合には一般に2~5%のお子さんが亡くなってしまうと言われています。また、特に成人の場合は重くなりやすく、15~30%の方が亡くなってしまうと言われています。

百日咳

百日咳は百日咳菌によって発生します。
名前のとおり激しい咳を伴う病気で、一歳以下の乳児、とくに生後6か月以下の子どもでは亡くなってしまうことがあります。
主に気道の分泌物によってうつり、咳のために乳幼児では呼吸ができなくなるために全身が青紫色になってしまうこと(チアノーゼ)やけいれんを起こすことがあります。
また、窒息や肺炎等の合併症が致命的となることがあります。百日咳にかかった場合、一般に0.2%(月齢6か月以内の場合は0.6%)のお子さんが亡くなってしまうと言われています。
また、肺炎になってしまうお子さんが5%程度(月齢6か月以内の場合は約12%)いるとされており、その他けいれんや脳炎を引き起こしてしまう場合もあります。

破傷風

破傷風は、破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる場合が非常に高い病気です。
以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
主に、傷口に菌が入り込んで感染を起こして毒素を通して、様々な神経に作用します。
口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもあります。

ジフテリア

ジフテリアはジフテリア菌により発生する疾病です。
その発生は最後に報告されたのが、1999年であり稀になりましたが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に、気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。
この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺、心不全等を来して、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があります。

Hib感染症

Hib感染症はヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌によって発生する病気で、そのほとんどが5歳未満で発生し、特に乳幼児で発生に注意が必要です。
主に気道の分泌物により感染を起こし、症状がないまま菌を保有して日常生活を送っている子どもも多くいます。
この菌が何らかのきっかけで進展すると、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎等の重篤な疾患を引き起こすことがあり、これらを起こした方のうち3~6%が亡くなってしまうと言われています。
また、特に髄膜炎の場合は生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すと言われています。

ワクチンの効果

  • ポリオに対して、ワクチン接種により99%の方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
  • 百日咳の罹患リスクをワクチン接種により80~85%程度減らすことができると報告されています。
  • 破傷風に対して、ワクチン接種により、100%近い方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
  • ジフテリアに対して、ワクチン接種により、罹患リスクを95%程度減らすことができると報告されています。
  • Hibによる髄膜炎や髄膜炎以外の侵襲性感染症を減少する効果が期待できます。
    Hibワクチンは世界の多くの国々で現在使用されており、その結果、Hibによる髄膜炎症例は激減しています。2008年~2010年とHibワクチン定期接種化後の2014年を比較すると、インフルエンザ菌髄膜炎の5歳未満人口10万人あたり罹患率が、7.7から0.0に100%減少し、インフルエンザ菌による髄膜炎以外の侵襲性感染症の罹患率が5.1から0.5に90%減少しました。

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