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大学生によるIRに関する取組みについて
令和7年度「大学生によるIRに関するリサーチ・プレゼンテーション」
大阪府・大阪市は、令和7年12月20日(土曜日)にナレッジキャピタル(グランフロント大阪北館内)において、「大学生によるIRに関するリサーチ・プレゼンテーション」を開催しました。
これまで学生の皆様には、IR推進局職員による出前講座等を通じて大阪IRへの理解を深めていただく機会を提供してきましたが、令和7年度は取組を一歩進め、参加いただいた関西7大学の学生に「IRがもたらす大阪・関西の未来」「世界における大阪・関西の立ち位置」「IRがめざす多文化共生、スマートなまちづくり」「IRに対する懸念とその対策」等のテーマのもとゼミにおける活動の中でIRに関する調査・研究を深め、継続的に積み重ねてきた成果を発表していただきました。
参加大学など
参加大学(50音順)
- 大阪観光大学
- 大阪経済大学
- 大阪公立大学
- 京都橘大学
- 帝塚山大学
- 阪南大学
- 立命館大学
講評者
溝畑 宏 氏(大阪府・大阪市IR推進会議座長、公益財団法人 大阪観光局 理事長、元観光庁長官)
各大学からの発表(50音順)
大阪観光大学 観光学部 細川 比呂志 教授ゼミ
発表テーマ:留学生の視点から考えた大阪IRに必要な人材/法制度の厳格性と社会的影響
(発表内容概要)
- 今後のIRや観光産業には外国人人材の活用が重要。一方でビザの取得・更新の費用や手続きの負担で日本での就職をやめる留学生もいる。
- 大学と企業の連携強化や在留資格や就職について安心して相談できる体制整備だけでなく、現場を想定したコミュニケーション力の強化、日本的なおもてなし研修を行うなどの多文化ホスピタリティ強化が重要と提案。
- IRにはギャンブル依存症対策が重要。韓国やシンガポールの例を参考に、課題解決への方向性を模索し、より安全で社会にとってもよい形での運営が必要。

大阪経済大学 人間科学部 相原 正道 教授ゼミ
発表テーマ:大阪IRの交通/IRを起点としたニューツーリズム/日本観光のゲートウェイ形成
(発表内容概要)
- ゼミ内で3班に分かれそれぞれの研究テーマで発表。1班目は、シンガポールの事例から交通面に着目し、富裕層向けの空港からIRに直行する専用の海上便を提案。
- 2班目は、IRを起点としたニューツーリズムとして、日本の魅力である四季の移ろい、豊かな自然、日本特有の建物や食文化などを前面に出したIR限定の周遊パスを提案。
- 3班目は、IRから日本各地に旅行客を送り出すための滞在観光用のアプリを提案。アプリで地方の観光地を知ってもらい、IRと連携して日本観光することが目的。

大阪公立大学 経済学部 杉田 菜穂 教授ゼミ
発表テーマ:万博事例から考える、IRにおけるオーバーツーリズムについて
(発表内容概要)
- 夢洲にIRが開業されることで、観光客の大幅な増加が見込まれるため、近隣住民への配慮が必要。特に、住民に影響する交通面に着目。
- 交通に関する構造的課題として、来場者の変動が大きいこと、安全確保の必要性があること、交通手段の偏りなどの問題をあげる。
- 交通手段をより効率的に分散化させるためのアプリの開発やアプリ利用促進のためのIR関連商品を購入できるポイント付与制度を提案。

京都橘大学 国際英語学部 樋口 ゆかり 専任講師ゼミ
発表テーマ:「IR」「MICE」「Casino」について、近年発表された学術論文の紹介
(発表内容概要)
- マカオや韓国などの海外のIR、MICE、カジノに関連した英語論文を5本読み解き、そのエッセンスとそこから得た知見を発表。
- 1本目は、マカオにおけるカジノ観光とMICE産業の総合的発展について。2本目は、IR開発に対する地域住民支持の分析モデルについて。3本目は、カジノを含むゲーミングセクターと政治的状況との関係性について。4本目は、IRにおけるフロー価値と顧客の共創行動との関係性について。5本目は、韓国におけるIRと住民との関係性について。
- 大阪IRは世界のIRから学び、長期的な視点に立って、生産的に商品やサービスを洗練させることが必要。

帝塚山大学 経済経営学部 姜 聖淑 教授ゼミ
発表テーマ:ESG視点で考えるIR ーなぜ教育投資が重要なのかー
(発表内容概要)
- IRは長期的にわたって運営される事業のため、社会に与える影響も大きいため、「IRが何を社会に残すのか」という視点が不可欠。
- 長期事業にはESG(環境・社会・ガバナンス)の3つの要素を考慮することが重要。長期的な視点は人材育成や教育投資と強く結びつく。
- 顧客満足や施設の価値を高めるには人材育成が必要。教育への投資は社会貢献であると同時にIR自身の競争力を高める。

阪南大学 国際学部 福本 賢太 教授ゼミ
発表テーマ:IRがめざす多文化共生とスマートなまちづくり
(発表内容概要)
- 多文化共生の視点から他国のIRを研究。多文化共生には、仕組みづくり・教育・交流の場の3つを整備することが必要。
- ICTやデータを活用して、都市の課題を解決するスマートなまちづくりには、自治体・企業・住民が同じ方向を向いて進めていくことが重要。
- 大阪IRは「技術×行政」によって進化する観光の未来拠点であり、多様性と先進性が共存する空間づくりが鍵になる。

立命館大学 経営学部 田中 祥司 教授ゼミ
発表テーマ:大阪IRを便利で楽しい場所に
(発表内容概要)
- 大阪IRへの「ネガティブなイメージの払しょく」と「夢洲へのアクセスと会場内移動」について考え、さらに大阪IRの持続的な発展のための提案をまとめた。
- ネガティブイメージの払しょくのために、「先行体験×SNS発信プログラム」を提案。アクセス改善では、ケーブルカーの建設などを提案。
- 持続的な発展のためには顧客ロイヤルティの確立、つまりファンづくりが重要。

溝畑 宏 氏による講評
- 本当にどの大学もよく勉強しており、非常に頼もしく思った。それぞれ大学に特色があって、より具体的に踏み込んだ提案や教育、交通面をテーマにアプローチする話や他国との比較や優位性の議論もあった。
- 今のような熱い思いを持って、これからの自分の人生において、どのように社会に貢献し、世界に羽ばたいていくのかを考えてほしい。7大学参加されているが、皆さん一人ひとりがこの国や大阪を良くしたいという思いをもっていたので、ぜひ、今日の提案やネットワークを大事にしてほしい。

表彰式
溝畑理事長および主催者で審議し、以下の表彰を行いました。
- チームワーク賞
大阪経済大学 人間科学部 相原 正道 教授ゼミ - 分析力発揮賞
帝塚山大学 経済経営学部 姜 聖淑 教授ゼミ、京都橘大学 国際英語学部 樋口 ゆかり 専任講師ゼミ - 地域貢献賞
阪南大学 国際学部 福本 賢太 教授ゼミ - 創意工夫賞
大阪公立大学 経済学部 杉田 菜穂 教授ゼミ - 未来展望賞
大阪観光大学 観光学部 細川 比呂志 教授ゼミ - 大阪観光局理事長賞
立命館大学 経営学部 田中 祥司 教授ゼミ