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全大阪労働組合総連合 要望書
| 要望受理日 |
令和7年12月24日(水曜日) |
|---|---|
| 団体名 | 全大阪労働組合総連合 |
| 取りまとめ担当課 |
商工労働部 雇用推進室 労働環境課 |
| 表題 | 地域循環型社会による経済活性化などに関する懇談のお願い |
要望書
2025年12月18日
大阪府知事 吉村 洋文 様
全大阪労働組合総連合
議長
地域循環型社会による経済活性化などに関する懇談のお願い
貴職におかれましては、日頃から、国民・住民の安定と安全・安心の確保、働く者の労働条件の改善、くらしの向上のためご尽力されていることと存じます。
わたしたちは、労働者のいのちとくらしを守り、人間らしい生活と豊かな職場・地域をつくるため、「すべての労働者の大幅賃上げと底上げを実現し、この日本を賃金が上がる国に転換させること、長時間労働や人手不足の解消をはかり、安定した雇用のもとで誇りとやりがいをもって働き続けられる職場・地域をつくること、市場原理で歪められ脆弱化した公共と社会保障を再生・拡充させること」を重点に26国民春闘に取り組んでいます。
24・25春闘は、労働組合だけでなく、政府も企業も賃金引上げを表明する春闘となりました。日本政府は、我が国の最重要課題は「賃上げの促進と定着だ」としています。また、企業も、人手不足もあり「賃上げ」を表明しています。しかし、企業主導の「賃上げ」では、人材確保のため一部の労働者の「賃上げ」はするものの、中高年層の賃上げを抑制し、非正規労働者や女性労働者の不当な低賃金を固定化することが意図的に行われ、結果、労働分配率が史上最低となっています。大企業が史上最高の利益と内部留保を増やし続ける一方で、労働者の賃上げは物価高騰分すら賄えない水準の賃上げとなっているのが現状です。
物価高騰から労働者の暮らしを守り、日本経済の回復をすすめるためには、24・25春闘でつくられた賃金引き上げの動きを加速させ、GDPの6割を占める国民の消費購買力を高め、経済の好循環をつくる必要があり、すべての労働者の賃金の大幅引き上げ・底上げの実現が求められています。そのために、貴自治体が直接雇用する労働者の賃金や、貴自治体が発注する公共工事や公共調達、業務委託、指定管理者制度事業に従事する労働者に公正な賃金・労働条件を保障する施策の実施を求めます。
また、コロナ禍や自然災害対応のなかで、これまでの新自由主義的な政策によって、国民生活に直結している医療、公衆衛生、介護、福祉、保育、学校、清掃、交通、流通、飲食などの生活インフラや国民生活を支えている公共サービス分野が疲弊し、深刻な人手不足に陥っていることが明らかになっています。特に、ケア労働の分野では、低い処遇・労働条件が人手不足に拍車をかけ、サービス提供にも影響を及ぼしています。日本医師会や日本病院会・医療法人協会などの病院関係団体、介護関係団体から、「物価高騰対策・他産業並みの賃金引き上げ」に向け、政府に財政措置を求める声が次々とあげています。日本医師会や6病院団体が、全国の病院うち実に7割が医業収益赤字、6割が経常損益赤字という調査結果を発表し、「このままではある日突然病院がなくなる」と警鐘を鳴らして国に対して改善を要望しています。
ありとあらゆる社会生活に欠かせない公共財の多くが市場原理で効率化が優先され、災害時など必要なときにまともに機能しない事態を招いていることに対し、労働者・住民は、公務・公共サービスと社会保障の拡充、雇用とくらし・営業の安定のための公的支援策の強化を求めており、民営化、市場化されてきた「公共」を見直すことを求めています。
地域のことは地域の住民が決定する民主主義社会の原則を取り戻すことが必要です。しかし、歴代内閣は、沖縄で米軍基地建設を強行、地方自治を否定し続けるなど、憲法を蹂躙し、戦争する国づくりに邁進しています。地域を基礎に、いのちとくらしをまもる共同を広げ、物価高騰のなかで生活改善できる賃金の大幅引き上げと中小企業支援の強化など地域循環型の経済・社会をつくっていく取り組みをすすめることが求められています。
本来、国や自治体が責任を持って行うべき施策や公共事業が民営化された結果、住民サービスの低下や労働者の就労条件の切り下げに繋がるケースがあります。この状態は再公営化などにより早急に改善されなければなりません。
このように、地方自治体の役割がいっそう重要になっています。日本国憲法をいかし、中でも地域循環型社会にかかわって、私たちの見解を申し上げるとともに、行政の現実や地域の実態を熟知されている皆様から率直なご意見をお聞かせいただきたいと考え懇談お願いするものです。よろしくお願いします。
【要請と懇談の要旨】
(1)2025年度の大阪の最低賃金は63円引き上がり1,177円となりましたが、フルタイムで働いても年収220万円程度にとどまり、消費の拡大に繋がりません。地域経済を活性化させるためには、さらなる賃金水準の確保・改善が必要です。また、最低賃金を大幅に引き上げるには中小企業への直接支援が重要です。奈良県では賃上げをする中小企業に支援金を出しており、全国的にも同様のとりくみを実施する自治体が増えています。中小企業の倒産・廃業件数の多い大阪府においても中小企業に直接支援すべきてはないでしょうか。ご意見をお聞かせください。
(2)大阪は、コロナ禍で死亡者が全国一となり、脆弱な医療体制が明らかとなりました。しかし、現在も病床削減を進めています。府民の健康といのちを守るためにもコロナ禍の教訓をいかした医療体制の強化が必要ではないでしょうか。ご意見をお聞かせください。
(3)2030年開幕に向けてカジノが夢洲で建設されています。カジノは、ギャンブル依存症など社会的損失を加えるとマイナス効果が大きく、潤うのはゼネコンやカジノ関連企業だけで地域経済を落ち込ませるだけです。大阪の企業の9割が中小企業で、労働者の7割が働いています。カジノ建設ではなく、中小企業の経営を支え、労働者の賃金を引き上げる地域循環型の経済対策が必要ではないでしょうか。ご意見をお聞かせください。
(4)大阪・関西万博では、海外パビリオンの建設に携わった建設業者に対する工事代金未払い問題が解決されていません。万博成功のために努力した事業者への救済を放置することなく、大阪府として一刻も早く解決に向けて手立てを取るべきではないでしょうか。ご意見をお聞かせください。
以 上