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平成27年度中学生チャレンジテスト 実施要領
中学生学びチャレンジ事業費にかかる平成27年度中学生チャレンジテスト 実施要領
1 調査目的
- (1)大阪府教育委員会が、府内における生徒の学力を把握・分析することにより、大阪の生徒の課題の改善に向けた教育施策及び教育の成果と課題を検証し、その改善を図る。
- (2)市町村教育委員会や学校が、府内全体の状況との関係において、生徒の課題改善に向けた教育施策及び教育の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、そのような取組みを通じて、学力向上のためのピーディーシーエーサイクルを確立する。
- (3)学校が、生徒の学力を把握し、生徒への教育指導の改善を図る。
- (4)生徒一人ひとりが、自らの学習到達状況を正しく理解することにより、自らの学力に目標を持ち、また、その向上への意欲を高める。
- (5)大阪府教育委員会は、調査結果を活用し、大阪府公立高等学校入学者選抜における評定の公平性の担保に資する資料を作成し、市町村教育委員会及び学校に提供する。
2 調査実施日 平成28年1月13日(水曜日)
3 調査対象
- (1)原則として、府内の市町村立中学校、特別支援学校及び府立支援学校中学部(以下「学校」と言う。)の第1学年、第2学年を対象とする。
- (2)特別支援学校、府立支援学校中学部及び中学校の支援学級に在籍している生徒のうち、調査の対象となる教科について、以下に該当する生徒は、調査の対象としないことを原則とする。
- 下学年の内容などに代替して指導を受けている生徒
- 知的障がい者である生徒に対する教育を行う特別支援学校及び府立支援学校の教科の内容の指導を受けている生徒
4 調査内容
- (1)教科は、第1学年で、国語、数学及び英語、第2学年で国語、社会、数学、理科及び英語とする。また、生徒に対するアンケートを実施する。
- (2)出題範囲は、調査する学年の指導事項を原則とし、別紙のとおりとする。
- (3)出題形式は、選択式及び短答式に加え、記述式の問題とする。
5 調査実施場所及び調査時間
- (1)調査実施場所は、各学校とする。
- (2)調査時間は、1教科あたり45分とする。
6 調査の実施体制
調査の実施体制は、以下のとおりとする。
- (1)調査は、大阪府教育委員会が市町村教育委員会の協力を得て実施する。なお、調査の一部(調査問題等の作成・配送・回収、調査結果の採点・集計、教育委員会・学校への提供作業等)は、大阪府教育委員会が民間機関に委託して実施する。
- (2)市町村教育委員会は、調査にあたり、自らが設置管理する学校に対して指示・指導・助言等を行う。
- (3)学校は、校長を調査責任者として、設置管理者である市町村教育委員会の指示・指導・助言等に基づき調査実施にあたる。
- (4)調査実施に関するスケジュールについては、別途示す。
7 調査結果の取扱い
(1)調査結果の示し方
- 各学年の教科ごとの得点分布及び平均得点
- 各学年の教科の問題ごとの正答率及び無解答率
- その他、調査の目的の達成に資する調査結果等
(2)調査結果の提供
大阪府教育委員会は、調査の目的の達成に資するため、原則として以下の調査結果を提供する。
- ア 市町村教育委員会に対しては、その設置管理する学校全体の調査結果、その設置管理する学校ごとの調査結果及び府全体の調査結果等
- イ 学校に対しては、当該学校全体の調査結果、各生徒の調査結果及び府全体の調査結果等
- ウ 生徒に対しては、当該生徒にかかる調査結果及び府全体の調査結果等
学校は、調査に参加した生徒に対して、当該生徒にかかる調査結果及び府全体の調査結果を配付すること。
(3)調査結果の活用
大阪府教育委員会、市町村教育委員会及び学校においては、調査の目的を達成するため、調査結果を活用した多面的な分析を行い、以下のような取組みに努めることとする。
- 大阪府教育委員会は、調査結果を踏まえ、市町村教育委員会及び学校における取組みに対して必要な支援等を行うなど、府内全体の教育施策及び教育の改善に向けて取り組むこととする。
- 市町村教育委員会においては、調査結果を踏まえ、設置管理する学校における取組みに対して必要な支援等を行うなど、域内の教育施策及び教育の改善に向けて取り組むこと。
- 各学校においては、調査結果を踏まえ、生徒の学力の向上をめざし、自らの教育の改善に向けて取り組むこと。
- 上記の取組みを進めるにあたっては、保護者や地域住民の理解と協力のもとに適切な連携を図ること。
(4)教育委員会及び学校による調査結果の公表
調査結果の公表については、教育委員会や学校が、教育施策及び教育について、保護者や地域住民に対して説明責任を果たすことが重要であることを踏まえ、以下のとおりとする。
- 大阪府教育委員会は、大阪府全体の状況及び市町村ごとの状況にかかる調査結果を公表する。
- 市町村教育委員会は、域内の状況にかかる調査結果の公表に努めること。また、自らが設置管理する学校の調査結果については、それぞれの判断において公表することは可能であること。この場合、個々の学校名を明らかにした公表を行うことについては、その教育上の影響等を踏まえ、必要性について慎重に判断すること。
- 学校は、保護者等に自校の結果について、教育上の効果や影響等を考慮した上で、公表することは可能であること。
(5)調査結果の取扱いに関する配慮事項
調査結果については、調査の目的を達成するため、適切に取り扱うものとする。調査結果の公表に関しては、教育委員会や学校が、保護者や地域住民に対して説明責任を果たすことが重要である一方、調査により測定できるのは学力の特定の一部分であること、学校における教育活動の一側面であることを踏まえるとともに、序列化や過度な競争が生じないようにするなど、生徒等への影響を十分配慮し、各学校の教育活動に支障を及ぼすことのないよう、また、調査の適切な遂行に支障を及ぼすことのないよう十分配慮すること。このことを踏まえ、具体的な公表の手続き等は以下のとおりとする。
- 公表にあたっては、教育上の効果や影響等を考慮した上で、適切な内容と方法で行うこと。
- 調査結果の公表を行う教育委員会又は学校においては、単に平均得点などの数値のみの公表は行わず、調査結果について分析を行い、その分析結果を併せて公表すること。さらに、調査結果の分析を踏まえた今後の改善方策も速やかに示すこと。
- 調査結果の公表を行う市町村教育委員会又は学校においては、調査の目的に加え、調査結果は学力の特定の一部分であること、学校における教育活動の一側面であることなどを明示すること。
- 市町村教育委員会が個々の学校名を明らかにした調査結果について公表を行う場合、当該学校と公表する内容や方法等について事前に十分相談すること。なお、平均得点などの数値について一覧での公表や数値により順位を付した公表などは行わないこと。
- 大阪府教育委員会は、学校ごと(設置管理する中学校が1校しかない町村にあっては、町ごと又は村ごと)の調査結果については、大阪府情報公開条例第8条第1項第4号の規定を根拠として、同条例における非公開情報として取り扱うこととする。なお、学校名を明らかにしない公開であっても同様とする。また、市町村教育委員会は、それぞれの地方公共団体が定める情報公開条例に基づく規定を根拠とし、本実施要領の趣旨を十分踏まえ、適切に対応すること。
8 留意事項
(1)市町村教育委員会及び学校における実施・活用体制等
- 調査を実施するとともに、調査結果を活用するにあたり、以下の体制を整備することとする。
- 市町村教育委員会においては、調査責任者及び調査担当者を指名するとともに、設置管理する学校からの相談に対応するなど、適切な実施体制を整備すること。
- 学校においては、調査責任者及び調査担当者を指名し、適切な実施体制を整備すること。
- 市町村教育委員会及び学校においては、調査の実施にあたって、その目的や内容、調査結果の取扱い等を生徒、保護者等に周知すること。
- 市町村教育委員会及び学校においては、調査に関して知り得た秘密については、その保持を徹底すること。
- 市町村教育委員会及び学校においては、提供された調査結果等について、本実施要領に基づいて適切に活用するとともに、管理を徹底すること。
- 市町村教育委員会及び学校においては、調査結果の分析やこれを活用して教育施策及び教育の改善を進めるための体制を整備すること。
(2)個人情報の保護
- 大阪府教育委員会及び大阪府教育委員会が委託した民間機関は、生徒の個人名等を取得しない調査方法を用いる。
- 市町村教育委員会及び学校は、調査に関して知り得た個人情報について、それぞれが遵守すべき個人情報保護関連法令又は地方公共団体の定める条例に基づき、適切に取り扱うこと。
(3)調査日程の変更等
調査は、市町村教育委員会及び学校の協力を得て実施するものであるが、学校保健安全法第20条や学校教育法施行規則第63条に示される臨時休業が生起した場合など、調査を実施できないやむを得ない事情がある場合は、市町村教育委員会及び学校の判断により、調査実施日以降に別途調査することができる。この場合、全体の集計からは除外することとするが、市町村教育委員会及び学校の求めに応じて、採点及び調査結果の提供を行うこととする。
(4)教育課程上の位置付け
教育課程上の位置付けについては、市町村教育委員会及び学校の判断により、当該教科の授業時数の単位時間の一部として取り扱うことができる。
(5)障がいのある生徒への対応
障がいのある生徒については、学校の判断により、当該生徒の障がいの種類や程度に応じて、調査時間の延長、点字・拡大文字問題用紙の使用、別室の設定などの配慮を行うこと。
(6)日本語指導が必要な生徒に対する配慮
日本語指導が必要な生徒については、原則として、他の生徒と同様の授業を受けている生徒は、調査の対象とする。ただし、例えば、国語、社会、数学、理科、及び英語の時間に、別室等で他の生徒とは異なる学習指導を受けているなどの事情がある場合は、当該教科を調査の対象としないことができる。なお、調査を行うにあたっては、各学校の判断により、調査時間の延長、ルビ振り問題用紙の使用などの配慮を行うこと。
(7)調査実施マニュアルの作成・配付
調査の具体的な実施方法等については、別途示す。
9 評定の範囲
(1)「評定の範囲」の作成
大阪府教育委員会は、調査結果を活用して、学校の評価活動の改善と充実を図るとともに、大阪府公立高等学校入学者選抜における評定の公平性の担保に資する資料として、「評定の範囲」を作成する。
(2)「評定の範囲」の作成方法
- 「評定の範囲」の作成にあたっては、調査対象校から一定数の学校(以下「抽出校」と言う。)を抽出する。
- 抽出校は、個々の生徒の当該年度の1学期及び2学期(2学期制の抽出校にあってはそれに準じる期間)を通じた学習の実現状況に基づいて推定される成績(以下「仮評定」と言う。)を大阪府教育委員会へ提供すること。なお、各抽出校が提供する仮評定は以下のとおりとし、具体的な提供方法等については、別途示す。
- ア 第1学年 国語、数学及び英語
- イ 第2学年 国語、社会、数学、理科及び英語
- 大阪府教育委員会は、提供された仮評定と調査の結果を分析し「評定の範囲」を作成する。
(3)評価活動の改善・充実に資する「評定の範囲」の活用
- 大阪府教育委員会は、「評定の範囲」を市町村教育委員会へ提供する。
- 市町村教育委員会は、域内の学校へ「評定の範囲」を示すとともに、それを活用し学校の評価活動の改善と充実を図ること。
- 学校は、「評定の範囲」を活用し、自校の評価活動の改善と充実を図ること。
(4)大阪府公立高等学校入学者選抜の調査書における「評定の範囲」の活用
第2学年の調査書に評定を記載する際に「評定の範囲」を活用することについては、平成29年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項に示す。また、第1学年については、平成30年度上記要項に示す。