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大阪府教育委員会における臨時的任用職員の任用更新に関する申出
大阪府男女共同参画施策苦情処理事案の概要
大阪府教育委員会における臨時的任用職員の任用更新に関する申出
経過
- H22年10月6日 苦情申出受付
- H22年10月21日 知事から大阪府男女共同参画施策苦情処理委員(以下「苦情処理委員」という。)へ調査依頼
- H23年10月28日 苦情処理委員3名の協議による「調査結果報告書」を知事に提出
- H23年11月17日 苦情処理委員の調査結果報告を踏まえて決定した「苦情処理方針」を申出人に通知
1 苦情申出の概要
- 府教育委員会では、地方公務員法第22条第2項の規定に基づき任用されている臨時的任用職員で、その任用の更新後の任用予定期間中に出産予定日を迎える者の任用更新については、任用の更新期間を産前休暇取得可能日の前日までとする取扱いを行う旨、府内市町村教育委員会に通知(平成15年3月11日付け教委職人第584号通知)している。
- 本件申出の契機となったのは、堺市教育委員会が任用した臨時的任用職員(定数内常勤講師)の任用更新に関する事例である。堺市教育委員会は、本職員の給与負担者が大阪府であることから、府教育委員会の通知を理由に、本職員の更新後の任用期間を産前休暇取得可能日の前日までとした。
- 定数内常勤講師は、地方公務員法第22条第2項の規定により、通常は6ヶ月単位の任用となっているが、特段の問題がない限り、更新をして事実上1年間の任用を行っている。本件は、妊娠を理由として、通常の任用更新を行わないものであり、妊娠・出産等を理由とした不利益な取扱いを禁止した平成19年改正の男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)の趣旨等に反する。
- このため、府教育委員会の府内市町村教育委員会あて通知を撤回・全面的是正すること。
2 苦情処理委員の意見
- 平成19年に男女雇用機会均等法が改正され、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いが禁止されたところであり、地方公務員についても、地方公務員法第13条の規定に基づき、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いが禁止されているところであり、定数内常勤講師(臨時的任用職員)の任用の更新にあたっても、妊娠・出産のみを理由とする不利益取扱いを行ってはならないと考える。
- 従って、臨時的任用職員について、出産予定者の任用の更新期間を一律に産休取得可能日の前日までとする府教育委員会の通知は、妊娠・出産のみを理由とする不利益取扱いに該当すると考えられることから、本件取扱いは改めるべきである。
- なお、妊娠・出産に対する配慮が必要なことをもって、当初任用に際し、女性を避けるといった風潮が生まれることや、任用の更新に際し、妊娠・出産した者を更新しない運用が事実上行われることがないよう、くれぐれも留意するとともに、今後とも府の教育行政全般にわたり男女共同参画の理念が浸透するよう積極的な取組をお願いする。
3 施策実施機関(教育委員会事務局教職員室教職員人事課)の処理方針
苦情処理委員の意見を踏まえ、地方公務員法第22条第2項の規定に基づき府教育委員会が任命権者として任用している臨時的任用職員で、その任用の更新後の任用予定期間中に出産予定日を迎える者の任用更新については、今後、任用の更新期間を一律に産前休暇取得可能日の前日までとする運用は行わないこととする。