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更新日:2024年9月30日

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遺族からのメッセージ(あすの会 林 友平さん)

私、全国犯罪被害者の会「あすの会」関西集会の林 友平と申します。本日は「犯罪被害者週間」の式典に被害者遺族の一人として、心苦しい所もありますが、被害者の現状を知って頂く事が、犯罪被害者週間の意味があるのではないかと思い、この場に立たせて頂きご挨拶をさせて頂きます。
ご存知の方もおられるかと思いますが、平成17年12月27日、犯罪被害者等基本計画が閣議決定され、内閣府において、毎年この11月25日から12月1日迄の1週間「犯罪被害者週間」が設定されました。今回で4回目を迎えますが、一般市民の多くの方々にはまだ馴染みの浅い週間ではないかと思います。一年を通じて様々な週間がありますが、この犯罪被害者週間は“被害者の権利と被害回復を求め訴える”週間です。家族の一人が犯罪に遭い被害者家族となった時、悲しい事や辛い事、又悔しい事が強いられる事となり、生活をしていく上において大きな障害になります。加害者の方も同じ事が言えます。
私事で大変恐縮ですが、平成10年2月、当時19歳の娘が刃物で数ヵ所刺されて命を亡くしております。事件発生からこの年が明ければ12年になります。もし今、生きていたら31歳です。親として都合のいい考え方をすれば・・・孫の一人でも出来ていたかもしれません。年々、年を重ねていくと、悲しさよりも寂しさが先行するようになりました。勿論、犯人に対する憎しみや、悔しさは今も変わってはおりません。

この犯罪被害者週間や、平成18年4月、大阪府に「安全なまちづくり推進課」が新設され、窓口が開かれた事、同12月に「大阪府犯罪被害者等支援のための取組指針」が策定され、事業が展開されてきた事、被害に遭われたご家族の方々にとっては大きな心の支えになった事かと思っております。でも、忘れては成らないのは平成12年以前の過去の被害者の方々です。なんの保障も無く苦しみ辛い思いを強いられて来たという事です。
民事での審判で損害賠償を獲ても手にする事も無く、泣き寝入りしている人も多く、命を取り留めたものの体に障害を受け、床から起き上がれず家族の手を借りている方々もおります。又、日々の生活の中で日一日一日と時効を迎えている家族もおられる事も忘れないで欲しいと思います。
刑法に関する犯罪は年々減りはしておりますが、その中身は凶悪、冷酷な犯罪が目につきます。
月が替わって12月の師走に入ります。事件の多い月かと思います。物を取られるのならまだいいとしても、命まで取られることにもなりかねません。犯罪の少ない大阪を願っておりますと共に、今後とも「あすの会」を宜しくご支援頂きますようにお願い致します。

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