安威川ダム

更新日:2020年3月30日

ダムの目的と効果

洪水調節

計画高水流量配分図の画像

計画高水流量配分図

洪水調節計画安威川ダムは洪水調節容量として1,400万m3の水量を貯めることができます。例えば、100年に一度の確率で降るような大雨の場合では、ダム地点には1秒間に850m3の水が流れ込みますが、そのうち690m3をダムがカットし、残りの160m3を川の下流へ放流します。

このダム地点の流量カットにより、下流の相川地点の流量は1,850m3から1,250m3に減り、600m3の流量カットが可能となります。

これは、昭和42年7月と昭和47年9月の二つの洪水パターンから決定しています。

洪水調節計画図の画像

洪水調節計画図

安威川は流域に多くの人口が集中し、数多くの鉄道や道路が川を横切っています。大阪府では、4つの手法を検討した結果、下流域で用地を確保したり、多くの鉄道や道路を改修するよりは、早く、しかも経済的に治水効果をあげることができる方法として、河川改修とダムの築造をあわせて行うことを決定しました。

1.河道の拡幅

河道の拡幅の写真

川幅を拡げたり、川底を掘って深くしたりして、川の流量を大きくする方法です。この方法では川の下流から上流までをすべて改修しなければ効果があがりません。安威川の場合は神崎川との合流点から上流までの約17kmにわたって、20mから50mの拡幅が必要となりますが、下流域に人口が密集しているため、川幅を拡げるための用地の確保は非常に困難です。また、川幅の変更に伴って多数の鉄道橋・道路橋、さらに水道・ガスなどのライフラインの改築が必要となり、長期間にわたり都市機能に大きな影響を与えます。

・ 移転戸数:約890戸

2.遊水池の設置

遊水池の設置の写真川幅を拡げることが困難な場合に、水を一時ためておける池を河川沿いにつくるという方法です。この方法で洪水を防ぐためには、氾濫の危険性がある地域の上流の比較的近くに池をつくらなければならないという条件があります。安威川の場合、川の両側に深さ約6m、面積約150haの遊水池をつくり、また、遊水池からダム地点までの河川改修をすることになります。安威川下流の平野部は市街化しているため広大な用地の確保が非常に困難です。

・ 移転戸数:約1,130戸

3.放水路の設置

放水路の設置の写真

川の途中に新たな水路をつくって海や他の河川(安威川の場合には淀川)に直接放流する方法です。やはり、下流の市街地で水路をつくるための新たな用地を確保することが必要になります。また、安威川堤防が淀川堤防より低いため、淀川に放流するためには毎秒約500m3をポンプを使って人為的に排出しなければなりません。そのため、排水機場など大規模な施設の建設も必要になります。さらに、遊水池と同様に放水路からダム地点までの河川改修も必要となります。

・ 移転戸数:約400戸

 4.ダムの築造

ダムの築造の写真大雨が降った時などの急激な水の増加を一時上流でカットし、ピーク後徐々に下流に放流します。安威川の場合は流量などを考えると、上流域に治水容量1,400万m3の貯水池が必要となります。大規模な工事となるため、水没地域等で移転を余儀なくされる人々の生活再建や地域整備に配慮し、自然環境に対しては細心の注意をはらわなければなりません。しかし、ダムの築造に適した地理的条件を備えており、移転戸数が他の手法に比べて少なくかつ経済的であることから最も有効な手法です。

・ 移転戸数:約70戸

既得取水の安定化、河川環境の保全

洪水調節を行うとともに、既得取水の安定化及び河川環境の保全等のための流量を確保します。

既得取水の安定化、河川環境の保全の画像

環境改善

ダムは大きな出水を減らしますが、同時に日頃生じる小さな出水も減らしてしまうため、下流河川の環境が変わってしまう懸念があります。そのため、安威川ダムでは計画段階から環境改善容量(94万㎥)を位置づけ、ダムに貯めた水を一時的に流す「環境改善放流」を行うこととしています。これにより人工的に小規模出水を起こして川床をかく乱させ、ダムより下の河川の生き物の活性化を図ります。

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都市整備部 河川室河川整備課 地域河川・ダムグループ

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