魅力あふれる移管校紹介第10弾 「デザインとアートを学べる学校 大阪府立工芸高等学校」(きょういくニュース 第251号 6ページ)

更新日:2023年3月3日

大阪府立工芸高等学校について

 本校は、令和5年度に創立100周年を迎える長い歴史を持つ「デザインと美術」を専門とする高等学校です。
 デザイン、美術、造形分野を中心に、多くの才能を世に輩出してきた歴史と伝統を大切にするとともに、新時代に求められる、豊かな美的感性と、確かな技術の育成のため、専門性の高い最新の施設・設備を設置し、充実した教育活動を行っています。

中庭で過ごす生徒たち

各科紹介

 学びたい分野についての専門的な学びを高校時代からスタートさせたいという、高い志と目的意識を持った生徒たちが、デザイン系の5分野(ビジュアル・映像・プロダクト・インテリア・建築)及び美術科のいずれかに出願し、3年間の継続的かつ専門的な授業を通じて、自らの卒業後の具体的な将来ビジョンを設計することができます。

ビジュアルデザイン科 Visual Design

 生活の中に溢れる広告、ポスター、パンフレット、パッケージなどのビジュアルデザインについて、イラストレーションや画像加工などの技術を活かして、より良いものにする方法を学びます。グラフィックデザインを中心に学習し、発想力・企画力・プレゼンテーション力など、総合的なデザイン力を育みます。

生徒作品の写真

映像デザイン科 Projected Image Design

 広告写真や印刷等のフォトデザイン、C M・ドラマ等の制作に必要なビデオ、コンピュータグラフィックスの3つを柱とした映像メディア制作を通して豊かな感性を磨き、デザインの基本と応用を実践的に学びます。Webページやコンテンツのデザインについて学習し、時代のニーズに応じた教育を展開しています。 

生徒作品

プロダクトデザイン科 Product Design

 ステンドグラスを用いた照明器具、木材や陶器を使った食器や調理器具などの日用品、木材や金属などの異素材を組み合わせたインテリア家具、お菓子のパッケージデザインから自動車などの大型製品まで、立体製品・造形物を考案、デザイン、制作するための様々な素材の知識や加工技術を習得し、美しさ、機能性などの多様な視点を通じて実践力を身に付けます。
 企業のデザイナーや作家から、実技講習会を通じてデザイン力や技術力向上に向けた指導を受けることができ、プロダクトデザインに関する最新の知識や技術を習得することができます。 

生徒作品

インテリアデザイン科 Interior Design

 住宅、店舗、家具、ディスプレイなど、空間に関わる様々な製品について、設計・制作を行いながら創造力や技術力を高めます。伝統的工具からコンピュータまで様々な道具を駆使して、木、硝子、布、紙などの素材自身が持つ魅力を活かした空間づくりの技術を育みます。

生徒作品

建築デザイン科 Architectural Design

 戸建住宅、オフィスビル、マンションなど、大型の建築物の設計や住環境のデザインを行います。設計技術・C A D実習・パース着彩実習・模型製作などの学習を通じて、最先端技術や再生利用の手法を活用したサービスやビジネスを創造する力を養います。また、建築士の資格取得や設計コンペティション応募のための学習サポートを充実させています。

生徒作品

美術科 Fine Art

 美術に対する好奇心にあふれた個性豊かな生徒たちは、互いを尊重し合いながら仲良く協力し、制作に取り組んでいます。美術科では、美術造形の基礎となる「素描」「構成」「色彩」の3つの柱について、3年間を通じて繰り返し学びます。2年次は、絵画(日本画・洋画)、彫刻、デザインから専門的に学習したいコースを選択します。デッサンの実技実習や体験講座(油彩画・日本画・版画・染織・C G・人物モデルによる絵画制作など)を通じて実践的な制作力を育んでいます。少人数の班別学習を展開し、きめ細かい指導により専門的な知識及び技術を習得させるとともに、豊かな感性と技術を育てます。

生徒作品

学校生活について

 生徒は、体育祭・合唱祭などの生徒会行事や特色ある修学旅行等、ユニークな学校行事を通じて、豊かな感性と協働性を身に付けます。
 特に、イタリアのミラノにある姉妹校とは、2年に一度、希望者を募って実施する「イタリア研修旅行」を通じて交流しています。しかしながら、近年、新型コロナウイルス感染症の影響で、イタリア研修旅行の実施が難しいため、令和3年度から「イタリアリモートツアー」を行っています。現在、リモートツアーを通じてミラノの美しい街並みを体験することができますが、できるだけ早い時期にイタリア研修旅行を再開したいと考えています。

年間行事予定と生徒の写真

歴史と共にある学校

 多様な夢や希望を持った生徒が集う本校の象徴である赤レンガ造りの本館校舎は、世界の近代デザイン界をリードしたドイツのバウハウスの前身であるワイマール工芸学校をモデルとし、19世紀初頭にヨーロッパで流行したアールヌーボー様式を取り入れた由緒ある建物です。その歴史的価値が評価され、平成12年に大阪市指定有形文化財に、平成21年には、産業近代化の歴史を物語る建築物として、経済産業省の近代産業遺産に登録されました。これまで18,000名に及ぶ卒業生は、芸術界・産業界を拠点に様々な分野で活躍し、我が国の文化・芸術、経済の発展に大いに貢献しており、その活動の場は国内だけではなく、世界中に広がっています。

新旧校舎の写真

工芸高校展

 人々の生活空間を豊かにし、新たな価値を創造するデザイン。自らの思いや感情を絵画や彫刻などの作品に込め、人に様々な感動を与える美術。本校は全国でもユニークな専門高校として、我が国の産業・文化の継承を担う有為な人材の育成に取り組んでいます。
 毎年1月末に開催している本校生徒全員が出展する作品展では、様々な専門科目の授業を通じて学んだ知識・技術を駆使し、各科の生徒の思いがあふれた、大変見応えのある作品を数多く展示しており、来場者を魅了するものとなっています。ぜひ一度ご来場いただき、デザイン・美術に正面から向き合う本校生徒の情熱を感じて欲しいと思います。

工芸高校展当日

大阪府立工芸高等学校ホームページ(外部サイト)

(教育振興室高校教育改革課)

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このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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