魅力あふれる移管校紹介第４弾　「国際的な舞台で活躍するための素地を養う　大阪府立水都国際中学校・水都国際高等学校」きょういくニュース　第２４５号　４ページ）

大阪府立水都国際中学校・水都国際高等学校について

　大阪府立水都国際中学校・水都国際高等学校は、自国の伝統や文化に根ざした国際理解教育と外国語教育(英語教育)に重点を置きつつ、心・知性・身体のバランスのとれた全人教育を理念の核とする学校です。大阪府内の公立学校として唯一の国際バカロレア(以下ＩＢ)認定校であり、英語を活用した探究型の授業を中心に展開し、基礎学力の定着と併せて深い探究活動を通じて生徒の主体的に学ぶ力や豊かな知性の育成をめざしています。
　本校は、全国初の公設民営による併設型の中高一貫教育を展開しており、管理・運営を学校法人大阪ＹＭＣＡが担っています。これにより、多くの外国人教員(英語が第一言語である教員)を配置し、ＩＢ教育に加え、英語・数学・理科においては英語での授業を展開しています。また、外国人教員が学年を担当する教員に入っており、授業だけでなく学校生活のあらゆる活動の中でも英語を活用する機会が多いことも特徴です。

特色ある教育活動

　水都国際中学校では、水都国際高校への進学を前提として、英語・数学・理科を英語で学んでいます。学年が進むにつれ、日本語を用いて学ぶ時間の割合が少なくなり、高校入学時には、ほとんどの時間が英語で実施されます。総合的な学習の時間では、「クリエイティブラーニング」の授業を展開しています。「アート思考」や「デザイン思考」とよばれる「生み出す際の考え方・思考プロセス」を探究活動を通じて身に付けています。

　特徴的な授業として、中学１年生から高校２年生が協働するSuito Action Project(以下ＳＡ)があります。中学生は「コミュニティ＆アクション」の授業、高校生は「グローバルイシュー探究」の授業において、生徒自らがＳＤＧｓの17項目の達成に貢献するため、社会課題を解決していくプロジェクト型学習を展開しています。生徒及び教員が主体的に集まり、学年の壁を越えグループを編成しプロジェクトに取り組んでいます。本プログラムは、昨年、三菱みらい育成財団の助成を得ており、年々活動範囲と内容が広がっています。

　高校２年次に、グローバルコミュニケーションコース(文系)、グローバルサイエンスコース(理系)、国際バカロレアコース(ＩＢ)の３つから１つのコースを選択し、３年次も継続したカリキュラムで学びます。
　グローバルコミュニケーションコースでは、地球市民として地域、国際社会で活躍するための実践的なコミュニケーション能力や英語運用能力を育成します。
　グローバルサイエンスコースでは、自然科学分野において、国際的な舞台で科学的能力や知見を発揮して活躍できる人材を育成します。
　国際バカロレアコースでは、英語及び日本語でディプロマ・プログラム（ＤＰ）授業を行い、国際バカロレア資格の取得をめざします。自らの考え・文化等について高い語学力を駆使して世界に発信でき、また交渉力を発揮して、ビジネスを含めた国際舞台でリーダーシップを発揮できる人材を育成します。
2022年の３月に１期生が卒業しました。ＩＢコースに限らず他のコースからも、海外の大学に進学した生徒がいます。

国際バカロレア教育

　本校は、高校２年生・３年生対象の国際バカロレアコースがディプロマ・プログラム(ＤＰ)の認定校となっています。日本語と英語のデュアルランゲージ(ＤＬ)によるディプロマ・プログラム（ＤＰ）となっており、科目により使用する言語を決定します。国際バカロレアＤＰのコア科目である、知の理論(ＴＯＫ)、ＣＡＳ、課題論文(Extended Essay)は、日本語で学びます。教科科目のＩＢ国語(日本語)、ＩＢ英語(英語)、ＩＢ歴史(日本語)、ＩＢ化学(英語)、ＩＢ数学(英語)、ＩＢ美術/ＩＢ生物(日本語)は、科目によって使用する言語が異なります。学習においては、日本語と英語で同じレベルの読解力・表現力が求められます。
　探究活動を進めるうえで、多くの情報を収集し処理することが求められるコースであり、自ら進んで探究活動を行うことが好きな生徒に適した学びとなっています。

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