平成23年8月教育委員会臨時会議会議録

更新日:2011年8月29日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

   平成23年8月10日(水曜日) 午前 9時30分 開会
                      午前10時50分 閉会

2 会議の場所

   大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

委員長生野 照子
委員長職務代理者小河 勝
委員川村 群太郎
委員中尾 直史
教育長中西 正人
教育監川村 幸治
教育次長藤井 睦子
教育総務企画課長見浪 陽一
教育振興室長津田 仁
高等学校課長和田 良彦
児童生徒支援課長吉美 学
教職員室長大西 弘之
教職員企画課長秦 光広

4 会議に付した案件等

報告事項入学者選抜の今後のあり方について

5 議事等の要旨

(1)会議録署名委員の指定
中尾委員を指定した。
(2)前回の会議録について
全員異議なく承認した。
(3)議案の審議等
 ◎報告事項 入学者選抜の今後のあり方について
【報告の趣旨説明(高等学校課長)】
 平成23年度入学者選抜の結果と分析を踏まえ、今後の入学者選抜のあり方に係る次の事項について、検討状況を報告する件である。
・選抜のあり方の検討に向けた論点と対応スケジュール
・府立高校の広報に関する取組方策
・私学との協議に係る高等学校入学者選抜をめぐる論点
【委員の質問及び意見】
(中西教育長)
今回の趣旨を説明させていただく。前回に続いて入学者選抜のあり方について議論いただきたい。前回は選抜の日程と今後のあり方を議論いただき、選抜日程については承認いただいたが、今後の考え方についてはいろいろご意見をいただいたので、もう一度議論をしていただきたい。補足資料として対応スケジュールを作成しており、今後の大きなスケジュール感を整理している。あとは広報の取組みと入学者選抜の論点の資料である。私学団体との意見交換に向けて、論点についてご意見を頂戴したい。今後の日程としては、8月26日に大阪教育会議を開催し、私学にもご参画いただきたいと考えている。
(中尾委員)
いろいろな問題が入っているので、分けて考えていくべきである。
(生野委員長)
公立高校のあり方が一番大きな問題だというのが前回の意見だったと思う。今回の説明では、もう少しアンケートを分析するなど準備段階が必要、それを踏まえて討論をしたいということか。
(和田高等学校課長)
そうである。
(中尾委員)
スケジュールが一番大事だが、このスケジュールではだめである。平成26年度から変えるとなると、平成25年8月に公表では遅い。私学は年度明け5月頃から動き始めている。平成24年度中にはある程度固めておかなければならない。それと、資料では、中学校との関連が示されているが、特に進学指導特色校などへの受検には塾の指導が入っている。中学校の意向を聞くのはいいが、進学を目指している保護者や生徒は、中学校の意見より塾の指導を重視していることを認識しておかなければならない。
(川村委員)
平成24年度と平成25年度のことが気になっている。平成24年度は既に公表しているので変えず、平成25年度は選抜全体の抜本的な検討を行うこととして、具体的な検討を行うとなっているが、平成25年度選抜での実施に向けてということは、平成25年度は変えず検討だけか。
(中西教育長)
平成25年度に変える。
(川村委員)
全体のあり方とは違って、選抜制度については1年早いということか。
(中西教育長)
来年2月に方向性を出し、平成24年度選抜の状況も踏まえた上で6月の委員会会議で最終結論を出す。
(川村委員)
選抜のことだけやるのでなく、公私とも同じ環境になったということで、府立高校のあり方をどうするのかという議論を、同時に併行してやっていくべき。しかし、検討がなぜこんなに長いのかというと、私学のことがわからないからである。私学への要望は、私学に本当に実現させなければいけない。塾の問題もある。市場がどうなっているか、受検者側が何を考えているか。もっと前倒しでやらなければならない。案を今年中に作るくらいのスピード感でなければ変わらない。
(中尾委員)
平成25年2月の選抜に向けてということは、平成24年の6月から7月には変更内容を固めて公表しておかなければならない。
(中西教育長)
入試制度については、平成25年度選抜から実施するので、来年2月に向けて改正案を作る。公立高校のあり方については、検証しつつ方向がはっきりすれば実施に移していきたい。全体をどう再編していくかは平成23、24、25年の就学状況を見なければならず、それを教育力向上プランの後継計画として打ち出す。できるだけ前倒しをして具体化できるものは早く実現していきたい。
(川村委員)
三本線を走らせるということは、短期・中期・長期のことを同時に決めていかなければならないということ。来年度は今までどおりであるならば、平常業務は例年どおりだから、今から改革案を作り出さなければならない。特色づくりの検証はもう済んでいる。検証してほしいのは私学のことである。私学との会議もスケジュールに入れておかなければならない。
(藤井教育次長)
特色づくりの検証は、できるところからやっていく。
(中尾委員)
総合学科の問題等については、半年、一年前から言っている。
(中西教育長)
学校との合意形成もしなければならない。
(中尾委員)
選抜に向けていろいろ反省点があったが、なぜ私学に流れたかを各学校ごとに詰めなければいけない。土曜日や長期休業中の補習体制はどうだったか。夏休み中でも先生は勤務日なのだから、補習をしてもいい。公立高校はしっかりやっていたのか。広報活動への支援についても、教育委員会としてやるのはこの内容でよい。しかし、最終的に保護者や生徒が学校を選ぶときは、その学校のホームページを直接見に行くし、学校説明会に行く。志願割れした学校のホームページや説明会がどうだったか検証しないといけない。私学ならば、去年に比べてどれぐらいの参加人数が変化したかなど分析している。塾では、何月何日にどこの私学が説明会をやる、去年はこれだけの参加数があった、今年はこれだけの参加数だったということを全部見ている。そして、ここの学校は苦戦するだろう、ここの学校は人気が出てきているなどと分析している。そういうことができているかどうか。もう一つは私学の教育条件についてである。IT、体育館、運動場の問題など施設・設備がどうなっているか、全部検証しておかなければならない。
(川村委員)
志願割れした学校をいつまでにどうすると手を打たなければ、再編整備という声が出てくる。手を打ったところは、こういう手を打ったとすぐに言わなければならない。また、今年志願割れした学校に対する対策をどうするかもスケジュールに入れておかねばならない。校長にもっと支援すべきなのか、何か手を打たなければならない。スケジュールでは、3年間先送りのように見える。
(中西教育長)
個別施策で対応している。
(小河委員長職務代理者)
一番象徴的だったのは、私学はそんなことしないはずということが破られ、1.5次選抜をして募集定員の2倍以上の合格者を出していることである。そこまでモラルハザードになったことがショックである。問題は、こんなことでいいのかという世論が出ないことだ。やった者勝ちで事態が流れていっており、公立高校の選抜制度を揺さぶっている。26日に大阪教育会議があるというものの、そこで明確な結論を出せるかどうか。ルールを守った学校にも、あんなことをしてもいいのだという風潮が広がることを恐れる。
(中尾委員)
大阪の私学何校かとディスカッションしているが、私学も二極化している。一方では定員の倍くらい生徒を取れる学校もあれば、半分の学校もある。生徒を取れなかった学校は、やはり学校改革ができていない。土曜日の補習などもやっていない。広報活動にも力が入っていない。努力の結果が表れている。コンピューター一つにしても、倍取ったらコンピューターの数も倍要る。そこはちゃんとできているのか。そうなってくるとやはり教育力は落ちてくる。こんな状態が来年も続くのかというところも見ておくべきである。私学はいろいろな助成制度があるが、修学旅行助成など、どうなっているのか我々は分からない。教育力を上げるためにお金が使われているということだが、実際には違うところに使われていたら困る。そこは一番気になる。
(小河委員長職務代理者)
募集人員とは何か、ということになる。
(中尾委員)
私学が募集人員を増やす、倍にすると言えばどうするか。
(小河委員長職務代理者)
私学は、それぞれの学校が独自に動いていると思う。個々の学校でさらに動けば、来年どういう形で爆発するか、怖い。今の段階で、明確な楔を打っておくべき。打っても守られるかわからない状況である。教育委員会は私学には手が及ばないとは言っていられない。問題は、もっと先にあり、5年後私学への補助が今と同様に維持されるのか、維持されなくなればどうなるのか。今の段階では言えないが、大阪の教育のフィールドが荒れていく危険性を感じる。
(川村委員)
公立高校全体の募集人員について「7対3」の「7」をやめて67.8で設定すると言っていたが、どういうことか。今年公立高校が私学に負けた実績を採用するということか。新しい改革ができるまでは、「7対3」の「7」で行こうと言うべきではないか。志願割れしている学校があって、シェアが下がったことを前提に決めるのはおかしい。具体的な議論をしなければならない。今後のあり方、公立高校の再構築についてはすぐに答えは出ないが、来年度の定員の設定については検討を急ぐべきである。
(中西教育長)
今年11月までには固めたい。今回の志願割れの状況を踏まえて、できるだけ弾力的に考えたい。収容できる学校があれば、定員を増やせばいい。ただ、来春卒業予定の生徒が2400人ほど増える見込みであることから、総数で7割確保は相当厳しい。
(川村委員)
これまで「7対3」を念頭に置きながら、投資し、改革もしてきた。府立高校の枠として考えてきた「7」に対して責任を持って、来年こうするという考えがなければ、そのたびに振り回される。
(中尾委員)
各学校のクラス数を足した結果、67.8にならなければ、どこかを増やすということか。その学校が増学級して志願割れになったらどうするのか。
(和田高等学校課長)
年度途中で募集クラス数を変更するのは、影響が大きい。
(中尾委員)
先生の数に影響していく。そこはどう考えるのかを整理していかないといけない。学校への投資は選別と集中である。支援していきたいところ、特色を作っていきたいところへは、何とか予算を回して持っていくというのが普通である。
(生野委員長)
中学校への働きかけはどうしていくか、その分析について伺いたい。私学はパーヘッドの原則で?常費助成が決まることから生徒獲得に努力しているが、中学校としては、私学へどんどん行ってもらうという流れなのか。それとも、今までのノウハウが通用しなくなったので、バランスが壊れてしまった結果であると理解しているのか。中学校のスタンスはどうなのか。
(和田高等学校課長)
各地域ごとに温度差がある。私学に行きたければ行けばいいという考えがある一方、公立高校を支えるのは、公立中学校という考えもある。
(生野委員長)
府としては、中学校にはどういうことを希望するのか。
(和田高等学校課長)
やはり支えてもらいたい。日ごろから中学校の先生方と高校が頻繁に会合することが大事だと思う。
(生野委員長)
今まで中高の連携に甘えていたが、中学校に府立高校の良さを理解してもらうために、府立高校からの働きかけを強めることはあるのか。
(和田高等学校課長)
今年度は早くから学校説明会を計画し、回数も倍にしている。また、夏休みには、各学校が中学校訪問もしている。
(生野委員長)
公立高校がもっとしっかり中学校に理解してもらう努力をしないといけない。志願動向は中学校の先生が生徒や親にどう指導するかにかかってくる。そこをよろしくお願いしたい。また、セーフティネットの考え方には賛成である。パーヘッドが前提と思うが、セーフティネット的なことを私学も担っているのが現状。公立に求められるセーフティネットとはどういうものになるか。
(和田高等学校課長)
質という面ではないかと考える。
(中西教育長)
競い合いだと思う。私学と公立が教育努力を互いに競うのであって、どちらが担うということではない。
(生野委員長)
これまでは公立のセーフティネットとしての役割は理解しやすかった。これから公立はどういうスタンスでセーフティネットとして機能するかを考え直し、アピールし直すことが求められている。
(小河委員長職務代理者)
公立高校で成功しているところの努力のあり様を広めないといけない。1.5次選抜について文書で明確に示すのは今回が初めてと思うが、該当校はしまったとは思っておらず、むしろ他の学校が同じように募集するかもしれない。それではいけない。そこに明確に楔を打ち込むような措置をしてもらいたい。
(中尾委員)
兵庫県では原則として1.5次入試はないが、大阪では制約がない。だからそういう点は要望していかなければならない。
(中西教育長)
情報の公表とセットだと考えている。学校別にそれぞれの合格者数を出していくべき。
(中尾委員)
退学者数も出していくべきである。全体のスケジュールとしては、早く決めたいという傾向はあるが、困っているのは、早く決まれば入学するまでの間が長いことで、決まれば卒業式まで生徒が勉強しないことになる。私学は、中学卒業後入学予定者を集めたり、宿題を出したりしている。そういうこともしなければ、生活が乱れてしまう。前倒しというのも問題である。基本は、卒業まで勉強してもらい、その上で選んでもらえる魅力ある学校を作るのが理想と思う。
(川村委員)
中学校の要望を聞いて普通科総合選択制を後期にもってきたのに、後期に人が集まらないという状況をどうするか。
(川村教育監)
学校ごとに選抜結果を分析し、今後の広報に生かすようにしている。入試の教科ごとの分析の中にも、今回の結果が表れている。学力の中間層であるボリュームゾーンがいなくて、上下に二極化している。後期選抜の志願者がいない状況で、その層が、前期選抜の前に私学に流れている。今、教育振興室の副理事が全高校を回って校長にヒアリングし、同時並行で志願割れした普通科総合選択制の校長のヒアリングもして、検証している。
(川村委員)
もう分析でなく、方針を出す時期。そして、高校へのヒアリングではなく、中学校や私学に要望しないといけない。明快に手を打つことが大事。
(中西教育長)
選抜についてということであれば、既に進めている。ただ、平成25年度選抜については来年2月に向けて検討するので、もう少し時間をいただきたい。
(川村委員)
早く出さないと、何もしていないように見える。
(小河委員長職務代理者)
26日の会議で、私学と具体的な契約などはするのか。
(中西教育長)
一度には無理。情報の公開が鍵になると考えている。公私双方がきちんと情報発信しないといけない。そうして両方が教育の質を上げ、生徒にとって望ましい状態を作っていくことが大事である。
(中尾委員)
これだけ錯綜してきたら、原点に戻るべきである。公私が切磋琢磨して、大阪の教育力を向上させることが原点である。あとは、タイムスケジュールが大事である。中期的にすべきこと、今すぐすべきことに分けなければならない。苦戦した学校については、去年の取組みはどうで、今年はどう変わったのか。学校説明会はどうか。人数はどれだけ集まったのか。一覧表にして見せてほしい。最終志願者は、説明会に集まった人数に比例するものである。
(川村教育監)
大阪市内においては大阪市立高校との関係があって、大阪市内にある府立高校では、説明会の参加率と比例しない。今、400人から500人集まっても、秋には変わってくる。
(中尾委員)
最終的には11月から12月ごろに何人集まるかで決まる。どの時点で何人集まっているか、きっちりと把握することが大事。
(生野委員長)
広報のことだが、高校がPRに慣れていなかったということもあるのでは。府立高校全体をPRする広報担当部署を作れないか。
(中西教育長)
組織を設けることにはならないが、担当を明確にし、教委全体で広報にどう取り組むか検討する。
(中尾委員)
学校によっては、校長、教頭、首席くらいしか広報に取り組んでいないところもある。私学の場合は、生徒が集まらなければ困るので、全員でやっている。中学校を訪問するにも、きめ細かくやることが大事。
(中西教育長)
具体的なご指摘をいただいたので、スケジュールについては前倒しに努力をする。入試選抜をどうするかは、今日の時点では方向性しか示せないが、今後検討を進める。8月26日の大阪教育会議を第一歩にし、私学とともに生徒のための教育を作るということで、問題意識を共有しながら議論をしていきたい。
(中尾委員)
普通科総合選択制や総合学科をどうするかというあたりは、現場とともに検討を進めてほしい。
(生野委員長)
次の段取りはどうなるか。
(和田高等学校課長)
定員割れした40校の今年度の広報に関する取組みと今後の進め方について報告したい。
(中西教育長)
8月26日の私学との意見交換において、論点の資料をどういう形で出すかについて、また相談させていただきたい。
(生野委員長)
大阪の教育力の向上という原点に戻るということで、よろしくお願いする。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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