会議開催の日時
平成21年6月24日(水曜日)
午前 9時30分 開会
午前10時30分 閉会
会議の場所
大阪府教育委員会委員会議室
会議に出席した者
委員長 | 生野 照子 |
委員長職務代理者 | 小河 勝 |
委員 | 友田 泰正 |
教育長 | 中西 正人 |
教育監 | 田中 保和 |
教育次長 | 向井 正博 |
教育総務企画課長 | 藤井 睦子 |
教育振興室長 | 楠野 宣孝 |
教育振興室副理事 | 紺野 昇 |
高等学校課長 | 津田 仁 |
支援教育課長 | 村上 慶太郎 |
市町村教育室長 | 藤村 裕爾 |
小中学校課長 | 角野 茂樹 |
教職員室長 | 角 善啓 |
教職員人事課長 | 橋本 正司 |
施設課長 | 田中 稔崇 |
財務課長 | 久木元 秀平 |
会議に付した案件
第1号議案 知事からの意見聴取について
急施議案 大阪府公立学校教員の懲戒処分について
議事等の要旨
(1) | 会議録署名委員の指定 | ||
小河委員を指定した。 | |||
(2) | 議案の審議等 | ||
◎ | 第1号議案 知事からの意見聴取について | ||
【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】 | |||
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成21年6月臨時府議会に提出される次の議案について、異議がないものとする件である。 | |||
○予算案 | |||
平成21年度大阪府一般会計補正予算の件(教育委員会関係分) | |||
【委員の質問及び意見】 | |||
中西教育長 | |||
今回の補正予算案は、教育に重点がおかれたものになっている。補正予算全体では908億円となっているが、歳出の大半は基金への積立で、実質的な歳出は経済危機対策交付金となる。それが実質的に使える部分で55億円、そのうち教育委員会が28億円、公安委員会が10億円、その他で数億円程度という状況である。 | |||
生野委員長 | |||
教育現場へのパソコンの完備が期待されるところであるが、業者選定については、どのようにしていくのか。 | |||
藤井教育総務企画課長 | |||
市町村分は市町村ごとに、府直轄分は府がそれぞれ入札を行う。市町村によってはLANの整備が済んでいないところやそれが済んでいて一気にパソコンの導入をするところなど、それぞればらつきがある。機種等も違う。 | |||
生野委員長 | |||
機種については日進月歩で、5年もたてばかなり古くなると思われる。どの程度のスパンで考えているか。 | |||
藤井教育総務企画課長 | |||
今回の補正予算は経済対策という側面もあるため、とりあえず今年度執行するということで購入を前提としている。また、メンテナンス費用については、5年間分で7%の補助となっている。 | |||
中西教育長 | |||
機器の更新については、課題意識を持っている。計画的、効率的に実施していきたい。 | |||
生野委員長 | |||
大量の機器の導入にはリスクも伴うものである。業者と綿密な折衝をし、長期的な対策を講じておくように。 | |||
小河委員長職務代理者 | |||
機器をどのように活用していくかの問題だが、全体の教育機能活性化のためのグランドデザインを描く必要がある。パソコンを導入するだけで教育機能が向上するわけではない。その辺りの検討が大事である。 | |||
生野委員長 | |||
耐震化工事については、これで十分なのか。 | |||
中西教育長 | |||
平成21年2月補正予算でも対応しているが、工事が夏休み中しかできないので、現時点で実施が可能なところについて精一杯配慮している。耐震化率は低いので、引き続き取り組んでいく。 | |||
藤井教育総務企画課長 | |||
経済対策ということでもあるので、すぐに対応できるものを予算化している状況である。 | |||
田中施設課長 | |||
耐震診断から設計、工事と3年サイクルで実施していかないといけない。工事は夏休みしかできないということもあって、マンパワーとしてはこれで精一杯の状況である。ただ、大阪府は、耐震化率は低いが伸び率は全国第4位となっている。加えて、小中学校についても、市町村がよくやってくれている。 | |||
小河委員長職務代理者 | |||
予算はこれでいいのだが、別の角度から意見を言うと、私は、バーチャルなツールの普及に警戒心を持っている。子どもたちがそういう文化に取り囲まれていくことに対し、パソコンの専門家の中には、子どもたちにパソコンに?れさせるべきではないという意見を持っている者もある。クリエイティブな能力は、会話等の体験的な概念から形成されると思う。埼玉県での幼児殺傷事件に始まって、秋葉原での青少年の事件やアメリカでの銃乱射事件等異常な事件が頻発しているが、共通してこのようなことが要因と考えられる。バーチャルな機器を一目散に導入していって、教育効果がどの程度上がるのか疑問である。 | |||
中西教育長 | |||
ゲームソフト等によると思われる一部の事件の問題と教育現場への機器の導入とは別の問題だと考える。委員が指摘される問題についてはしっかりと検討していくべきだが、支援教育へのICT機器の導入は有効であろうし、タブレットパソコンやデジタルテレビ、電子黒板等を活用した授業は非常に分かりやすく、教育効果は高いと思う。 | |||
小河委員長職務代理者 | |||
その点についても複雑な側面があるようで、一時的に効果は高まるが、その後、低下していくという指摘もある。統計的なデータをもとに、我々も議論していく必要がある。表面上の脳の活性化と内面的な成長とがかなりずれていると思われる。今回の予算についてどうこう言うつもりはないのだが、全体の大枠として我々が認識しておくべきこととして注意したい。 | |||
生野委員長 | |||
人から人への温かみのある触合いというのは教育の基本であり、忘れてはならないものである。教育現場はそれを確認しながら機器の導入をしていく必要がある。 | |||
小河委員長職務代理者 | |||
だからこそ、家庭での会話や先生と生徒との会話の時間を増やしていける教育上の措置が重要なのだと思う。 | |||
【採決の結果】 | |||
原案どおり決定した。 | |||
◎ | その他 全国学力・学習状況調査の結果に係る情報公開請求について | ||
生野委員長 | |||
全国学力・学習状況調査の結果に関する情報公開請求について、小河委員が前回欠席されていたので、あらためて、小河委員の意見を伺いたい。 | |||
小河委員長職務代理者 | |||
ベトナム戦争のときに「殺される側の論理」という本があったが、学力を公開する場合、2つの側面がある。一つは全体の学力向上という視点からだけの見方で、公開することによって競争意識が働くため、プラスの面も確かにある。しかしそれはできる子の領域のことである。もう一つは、結果をオープンにされることで悔しさや恥ずかしさ、悲しさを感じる側の子もたくさんいるということである。これは個人のことだけでなく学校単位でも同じことで、いい点であっても自分の実態を公開されることについては、悲しみや嫌な気持ちを持ち、つらいと思う子もいる。我々はそういうことを把握した上で公開の是非を判断すべきである。私は中学校の教員だったが、その年代の子で暴れる子のほとんどは、学力が問題となって絶望的になり自暴自棄になっている。逆に言うと、そういう子らが学力を掴み始めると劇的に変わるものである。大阪は学校の荒れもひどいが、学力向上はその改善の鍵にもなると確信している。ただ、成績がよくないことをさらけ出されるというのは、学校単位でも同じことで、「お前の学校最低やな。」と周りから言われたりするのは辛いはずである。人間の誇りに関わる部分を公開することについては、十分論議されるべき。500点満点のテストで200点を切った場合、途端に意欲をなくすという調査データもある。平均で20点を切ったら自暴自棄になる。それを考えるとできない子に十分配慮する必要がある。私は、公開には慎重であるべきと考えている。それと悉皆調査は必要ないと考えている。このやり方が市町村に苦しみを与えた原因になっている。多くの予算を使って実施する意義がどれだけあるか。そのことを是正するよう要望も出すべきである。 | |||
中西教育長 | |||
今回の答申は、学校別データについては非公開が相当で、市町村別データについて公開すべきとされている。そのことについては、いかがか。 | |||
小河委員長職務代理者 | |||
市町村の判断を尊重すべきである。市町村別データの公開についても、本来は慎重であるべきと考える。隂山委員も指摘しているようであるが、国が市町村別データを公開すべきでないとしている一方で、矛盾した問題だと思う。 | |||
生野委員長 | |||
この案件については、引き続き、改めて議論をしたい。それまでにまたそれぞれで時間をかけて考えてほしい。 | |||
委員長から次の議案については、個人の情報等を含むものであることから非公開としてはとの動議があり、採決の結果、全会一致で非公開とすることを決定した。 |
このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ
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