平成22年度第20回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】

更新日:2015年8月5日


議題に先だって、知事から私学助成の制度について発言

【知事】
・今、私学助成の制度について、府民とりわけ中学3年生のお子さんを持つ保護者の関心はものすごく高まっている。そういう中、私学団体が公私の切磋琢磨を避けるような動きがあるとの情報がいろいろなところから入ってきたので、関係の皆さんに緊急に集まってもらった。
・今回の私学助成の制度は、800万円未満世帯のボリュームゾーンの生徒に、公立でも私立でも学校の選択権を与えて、公私が生徒獲得のため切磋琢磨してもらうというところが肝中の肝。しかし、私学団体サイドが、生徒が逃げないようなことを制度的に構築するようなことを求めてきたら、それこそお金を使って私学を助けるだけの話になってしまうので、これは許せないと思っている。やはり生徒獲得に向け学校に頑張ってもらうようにしないといけない。
・今回の制度は幹部の皆さんと議論して、大阪府内の学校に絞ろうと決めたので、制度を変えるつもりはないのだが、今の大阪の私学の動きが非常に気になるので、念のため、兵庫と京都と奈良、和歌山といった近隣府県の私立の高校に対して、標準授業料58万円という大阪の制度に乗っかる意向があるかどうかの意識調査をお願いしたい。生徒の選択にさらすということであれば、府県関係なく切磋琢磨してもらわなくてはならないと思うので、「大阪がそういう制度をやるんだったら、兵庫も京都も奈良も和歌山も入れてよ」というような意向があるのかどうか。
・転入制度など、これから公私で考えてもらう様々なルールがあると思うが、その際にはなぜ今回こういう制度をやろうとしたのかという趣旨をしっかり伝えて頂いて、切磋琢磨という制度趣旨が歪まないようにお願いしたい。

 

議題1 今後の採用戦略について

  採用戦略プロジェクトチームから資料に基づいて説明

資料名

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資料1 採用戦略(案)

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採用戦略(戦略本部会議修正後)

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【木村副知事】
・チャレンジングで、民間でもここまでやっているところは無い。試験受験者もかなり増えると思うので、事務方の体制が大変ではないか、どう対応するのか。

【人事委員会事務局】
・第1次試験はかなり人数も増えると思うので、知事部局との連携も含め戦略的に人員配置、会場等を対応していく。

【木村副知事】
・特に論文については、全てチェックしていくのは大変なので体制を作ってやっていってほしい。

【人事委員会事務局長】
・論文試験の採点は、従前の択一式に比較して手間がかかる。ただ論文試験全体は今も実施しているので事務局にノウハウもある。試験実施までに採点基準を設け、職員の訓練をした上で、現有戦力で処理できるような具体的方法を考えていく。

【政策企画部長】
・7ページの人材像は現実の職場で欲しい人材。民間と同じ人材を採りに行くので、獲得競争は激しくなる。その時我々は何を持って競争優位性を確保していくのか。実際に、学生や就職を希望している方のニーズに我々の案がマッチングしているのか調査しているか。

【総務部】
・詳細な調査までには至っていないが、報告をまとめるにあたり、民間企業、大学の方にもご意見を伺った。大学からは、公務員試験ではかなりの勉強が必要なので、3年生の早い時期に公務員志望と民間志望にはっきり分かれてしまうと伺った。そこを改革する必要があることから今回の案を作った。民間を元から希望されて公務員志望ではない人まで採りに行くところまでは難しいかとは思うが、我々ターゲットとしたいのは、公共のために役立ちたいという強い意識を持った方。そうした方は、民間希望の方にもいらっしゃるのではないかと考えている。
・民間に行くより府庁に行く方が人生にとっていいですよという具体的な事例があれば一番良いが、そこは難しいので、そこは知事のPRが一番効くのではないかと思う。

【政策企画部長】
・我々の組織はやはり「人」中心であり、ぜひ大阪府庁に行きたいという人を開拓するようお願いしたい。

【総務部長】
・4ページにあるように、今は公務員志望者にターゲットを当てた採用試験を実施しているが、これだけ申し込み数も減っているし、実際申し込んでも受験しない方が増えている深刻な事態。今のやり方でも我々は優位性を発揮できていない。そこは大阪府の仕事の魅力、組織の活性化を地道にやっていくしか仕方ないのかと思う。こういう深刻な状況を打破するために民間志望者も開拓したいというのが今回の改正案の内容であり、これでチャレンジしていく。それをPDCAサイクルを回しながら良いものしていきたい。
・数字は資料に挙げていないが、先般主査試験の合格者発表があった。社会人採用者の受験意欲は高いが、新卒採用者の受験率が落ちてきているという報告を受けている。その要因分析は十分できていないが、社会人で仕事を辞めて、府庁にチャレンジされた方はそういう意味で意欲が高い方かと思う。今回の改正で、新卒者もチャレンジ精神を有する方を採用したい。
・職員はまじめに仕事をしているが、組織がスリム化しており、余裕がない中、それを個人のパワーで打開できるような職員を採用したい。

【木村副知事】
・民間で35年、この2年2か月は公務員の仕事をしたが、公務員はすごくやりがいがある。それをどういう風に志望者に伝えるか。単純には伝わらないのでその工夫が一番のポイント。公務員になりたい人は心の底に世のため、人のために何かやりたいという思いのある方。きっちりと、やりがいがあり、素晴らしいんだと伝える、その方法についてもっと議論すべき。私などが学校へ説明にいくのもいいのかも知れない。

【綛山副知事】
・資料1のP4のH17-21比で申込者数66%減、受験率70%→34%に減。P5で合格しているにも関わらず10%が辞退という数字は、本当に深刻に受け止めなければならないと思う。大阪府庁が「面白い」という情報発信が必要。安心してはいけないが、昨日、ある金融機関の方と雑談をしていたら、「大阪府の財政課題もそろそろ片付いてきましたね」と言われた。財政構造改革プランで、H34〜H36先を見通せば、一つのヤマはあるが、起債の償還という、そのヤマを越えれば、回復に向かうという評価。課題解決に向けた取り組みを着実に進めてきたと受け止められている。また成長戦略をまとめ、「大阪府も元気になろう」というメッセージが伝わりつつある。
・受験率34%減という数字は、公務員志望ではあるが他の府県や政令市と試験日が同じといった部分もあると思うので、大阪府庁を志望してもらえるような仕組みをきちんとつくることが必要。
・教育委員会とも同じような議論をしたが、教師塾のようなものを行い、合格者に事前勉強をしてもらって、「みなさんがする仕事はこういう仕事」と知ってもらうことで、合格者の辞退に歯止めをかける、受験者数を増やす取組みが必要であるということを意見として申し上げたい。
・この戦略に基づき試験方式を変えるということになれば、試験問題を大阪府が独自につくる取り組みは、高卒程度の試験だけになるのか。

【人事委員会事務局長】
・今回の見直しで、大卒程度の択一式がなくなるが、行政B(警察の事務職員)は従来どおりの採用試験をするので、問題作成のボリュームや手間から言えば、あまり変わらない。高卒程度の択一式試験は残る。

【綛山副知事】
・エントリーシートも採点対象とするのか。読んだ上でどれだけの意欲があるかについて採点するのか。

【人事委員会事務局】
・エントリーシートについても採点対象と考えている。我々が考えているエントリーシートは、事前に書いていただくのではなく、第一次試験の当日に来ていただいて直接書いていただく予定。そういう意味では、文章的表現力や意欲は測りやすくなると考える。

【木村副知事】
・「二段階選抜」はしないのか。民間では、9割ぐらいはエントリーで落としてしまって、試験を受けること自体が難しい。手が上がれば何千人になるかもわからないが、全部受けていただくという姿勢なのか。

【綛山副知事】
・1次、2次、3次それぞれで選抜していくので絞られていくのではないか。

【小河副知事】
・新たなチャレンジは良いこと。資料では「多様な行政ニーズに対応」とあるが、我々の仕事は多岐にわたっている。現場の人間で、いろんな事にチャレンジするのは高校卒の方が多い。なぜなら、彼らは現場で地域の人と接することで、感覚がわかるから。そういう人たちをこれからも、どれだけ採用できるか。今、高校卒程度の採用が非常に少なくなっている。少ないと切磋琢磨しなくなる。素直でチャレンジ精神があれば、どんどん変わっていける。その点は意識しておいてほしい。
・インターシップ制度をやっているが、その経験で「大阪府に入ろう」という人が多いので、この制度は是非続けてほしい。

【知事】
・求める人材像の部分は、組織としてのメッセージなので皆さんが決めてもらえばいい。3つの案のどれでも異論はない。
・試験が論文等になると、採用にあたって外部からの圧力云々などが気になる。公務員試験の場合は点数がはっきりしていたので、ある意味公正と言えたが、対外的にきちんと言える仕組みはどうなるのか。

【人事委員会事務局】
・採点基準を委員会として定めて、それに基づき採点をする。透明性・公正性のあるような採点基準で実施する予定。

【知事】
・人事委員会が採点するのか。採点者は、誰かにお願いするのか、人事委員会の職員が担うのか。

【人事委員会事務局】
・人事委員会の事務局で考えている。
・現在でも、論文採点は、採用試験、主査級昇任考査で事務方が実施している。過去の経験から、人事委員会として具体的な採点基準を設定し、採点者への採点の訓練を実施しており、十分対応できる。

【知事】
・エントリーシートと論文で全部受けるとなったら、何名まで対応できるか。

【人事委員会事務局】
・一次試験で3,000人程度を考えており、対応可能。会場設定からも3,000人程度を想定している。

【知事】
・これまで専門知識を問うていた試験を変更して、学力レベルはどうやって担保するのか。大学卒業時の成績を見るのか。

【人事委員会事務局長】
・学力の問題は、3次試験の適性試験でチェック可能と考えている。民間の採用試験でもそういった例がある。1次、2次である程度をふるい分け、最終段階で、英語力や読解力など一定の基礎的な学力について適性試験を課す。それを見習いたいと考えているが、具体的な中身については人事委員とも相談して決定したい。

【総務部長】
・民間は面接重視。会社で必要な能力は、会社に入ってから資格などをとらせる。TOEICやファイナンシャルプランナー資格を取りなさいとか、会社の独自の資格試験をいくつもやっている等
・給与制度の改革で、副主査について、今までは任用ということで経験を考慮して選考していたが、これからは能力重視としていく。資格試験や効果測定、研修実績の得点化などを考えている。
・今回の改革は、専門知識や学力を求めるのではなく、チャレンジ精神のある職員を採用するもの。必要な知識は入ってから教育するということでカバーしたい。

【知事】
・非常にチャレンジングで面白い。安定的な上場企業ではない、チャレンジングな企業では同趣旨でやっているところが多い。問題があれば修正をかければよい。
・これからは面接が重要になってくるが、今の面接は2回程度と聞いているが、これも変えていくのか。

【人事委員会事務局長】
・個別面接をどうするかは課題。今後、人事委員と議論しながら決定していく。人事委員からも、面接の回数を増やすべきとの意見がある。現行3人の試験員を絞り込んだり、個室でなくブースでもいいのではないかという意見もあり、物理的な面も含め委員と議論していきたい。

【木村副知事】
・民間でも、最初は集団面接形式が多い。一人で面接を受けるのは最終段階。効率化はできるかもしれない。

【知事】
・民間では面接は4〜5回くらいは受けるのか。

【木村副知事】
・3回くらいはどこでもやる。

【知事】
・OBとの面接などはしていくのか。

【人事委員会事務局長】
・10ページ記載の「OB・OG等を活用した大学説明会の開催」とあるように、現在も実施している。業務内容や試験について具体的イメージをつかめるということで評判が良いので、これをさらに徹底してやっていきたい。

【木村副知事】
・一般的に大企業がやっているのは、エントリーシートで絞り込んだあと、面接前にOBが個別にあたってさらに絞り込み、1次試験から最終試験の役員面接までで選考となっている。OB訪問を絞り込むための手法として使っているが、今回の案はそうではなく、PRで間口を広げるために使っている。それは行政として良い試み。ただ、始めるとすごいことが起こると思う。トライアンドエラーで臨機応変に対応すればよい。

【知事】
・私の方が昔ながらの考え方かなと思って質問させてもらうが、大学の成績などは問うのか。

【人事委員会事務局】
・一切問わない。現在も問うていないし、卒業資格も不要。

【総務部長】
・「高校卒業程度」「大学卒業程度」という区分なので、高卒の人が「大学卒業程度」試験を受けても構わない。

【人事委員会事務局】
・現に高卒の人でも「大学卒業程度」試験で採用されている。

【知事】
・これまで弁護士としていろいろな民間企業に携わってきたが、知事をやらせてもらって感じたのが、府庁の職員の学力的な部分は、絶対に他の組織ではないくらい高い。そういう部分については、後から必要なものは学んでもらうということか。

【総務部長】
・そのとおり。それで失敗したらまた変えていく。

【知事】
・その時代に合わせて必要な能力というものがある。状況に応じて課題を課して育成していきながらキャリアアップを図っていただく。
・あとは人事委員の方から、基礎知識と面接の部分で懸念があるという意見が出ていると聞いている。そこはしっかり詰めてほしい。
・大阪府の仕事について、府は「都市の運営」「都市経営」をしているということが学生の皆さんに今一つ伝わっていないと思う。もちろん、着実に正確にやるべき業務というのも多いだろうが、今は地域主権、地方分権を確立する過渡期であり、「都市経営」というのは民間企業にはない仕事。そこをPRしながらチャレンジングにいきましょう。

【政策企画部長】
・では、本件については採用戦略として了承することとする。

【知事】
・採用戦略は、トライアンドエラーで、問題があれば修正するということで。かなりドラスティックな案なので、私自身どういう採用になるか楽しみ。

【木村副知事】
・何人受験するかが一つのポイント。


このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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