食品に含まれる添加物については、原則として添加物に占める重量の割合の高いものから順に、その添加物の物質名を表示します。
・指定添加物
食品衛生法施行規則 別表第1(外部サイト)に掲げる名称により行います。
・既存添加物
既存添加物名簿に掲げる名称又は「食品表示基準について」の「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物2−1に掲げる品名(細分類の品名を含む。)により行います。
・天然香料
「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物2−2に掲げる基原物質名又は別名により行います。
なお、天然香料の物質名表示にあっては、基原物質名又は別名に「香料」の文字を付けます。
・一般飲食物添加物
「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物2−3に掲げる品名(細分類の品名を含む。)により行います。
一般に広く知られた名称をもつ添加物の場合には、物質名の代わりに簡略名・類別名での記載が可能です。 物質名 簡略名 1 2 炭酸水素Na、重炭酸Na、重曹
・指定添加物
食品衛生法施行規則 別表第1(外部サイト)に掲げる名称のほかに、一般に広く使用されている名称(簡略名又は類別名。以下「簡略名」という。)を用いることができる添加物及びその簡略名は、「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物1−1に掲げる範囲です。
また、同種の機能の添加物を併用する場合は、「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物1−2に掲げる例示に従い簡略化した表示を用いても差し支えありません。
例 L-アスコルビン酸ナトリウム アスコルビン酸、V.C 炭酸水素ナトリウム
・既存添加物、天然香料
物質名の表示に代えて使用できる簡略名は、「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物2−1及び添加物2−3の「簡略名又は類別名」(細分類の簡略名又は類別名を含む。)の項に示されています。
なお、「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物2−1及び添加物2−3の用途欄に増粘安定剤と記載された多糖類を2種以上併用する場合には、簡略名として「増粘多糖類」を使用して差し支えありません。
下記の8種類の用途で添加物を使用する場合は、物質名に加えて用途名の記載が必要です。
(食品表示基準別表第6(外部サイト)関係)
・用途名併記の表示
用途名 | 表示例 | |
1 | 甘味料 | 甘味料(サッカリンNa) |
2 | 着色料 | 着色料(カラメル、カロテン) |
3 | 保存料 | 保存料(ソルビン酸) |
4 | 増粘剤 安定剤 ゲル化剤 糊料 | 増粘剤(キサンタンガム) 安定剤(アルギン酸Na) ゲル化剤(アルギン酸Na) 糊料(CMC、増粘多糖類) |
5 | 酸化防止剤 | 酸化防止剤(L-アスコルビン酸) |
6 | 発色剤 | 発色剤(亜硝酸Na) |
7 | 漂白剤 | 漂白剤(二酸化硫黄) |
8 | 防かび剤 防ばい剤 | 防かび剤(OPP、TBZ、イマザリル) |
複数の用途名が掲げられているものについては、そのうちのいずれかを表示してください。
「別添 添加物関係」(外部サイト)の添加物1−4で示された各一括名の定義及びその添加物の範囲内で使用する添加物は、物質名の代わりに種類を示す一括名での表示が可能です。
(食品表示基準別表第7(外部サイト)関係)
・一括名表示
各一括名 | 一括名での表示 | |
1 | イーストフード | イーストフード |
2 | ガムベース | ガムベース |
3 | かんすい | かんすい |
4 | 苦味料 | 苦味料 |
5 | 酵素 | 酵素 |
6 | 光沢剤 | 光沢剤 |
7 | 香料 | 香料 |
8 | 酸味料 | 酸味料 |
9 | チューインガム軟化剤 | 軟化剤 |
10 | 調味料 | 調味料(アミノ酸)、調味料(アミノ酸等) 調味料(核酸)、調味料(核酸等) 調味料(有機酸)、調味料(有機酸等) 調味料(無機塩)、調味料(無機塩等) |
11 | 豆腐用凝固剤 | 豆腐用凝固剤又は凝固剤 |
12 | 乳化剤 | 乳化剤 |
13 | 水素イオン濃度調整剤 | 水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤 |
14 | 膨張剤 | 膨張剤、膨脹剤、ベーキングパウダー又はふくらし粉 |
以下の場合は、添加物の表示を省略することができます。
栄養強化の目的で使用されるビタミン類、アミノ酸類又はミネラル類といった食品添加物は、表示が免除されます。
栄養強化の目的で使用されたものと認められる添加物の範囲は「別添 添加物関係」(外部サイト)で示されています。
※これらの添加物を栄養強化以外の目的で使用する場合には、物質名の表示が必要です。
※調製粉乳にあっては、栄養強化の目的で使用されたものであっても、従来どおり主要な混合物として表示が必要です。
※食品表示基準別表第4(外部サイト)で掲げる食品の中には、栄養強化の目的で使用される添加物に係る表示の省略規定が適用されない食品があります。
食品の加工の際に添加されるものであって、以下のいずれかに該当する場合は表示が免除されます。
食品の原材料の製造又は加工の過程において使用され、かつ、当該食品の製造又は加工の過程において使用されない物であって、当該食品中には当該物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていない場合は表示が免除されます。
(例:せんべいに使用される醤油に含まれる保存料)
調味料、香料、着色料などの五感に訴えるような添加物は、キャリーオーバーとみなされず表示が必要です。
添加物の目的で使用した場合は、当該物が食品であっても、添加物としての表示が必要です。
一般に、「にがり」は塩化マグネシウムを主成分とする海水から塩をとった残留物をいい、古くから豆腐を固める材料等としても用いられることから、食塩に粗製海水塩化マグネシウムを使用した場合及び豆腐を固める目的で塩化マグネシウム又は粗製海水塩化マグネシウムを使用した場合に限って、当該付加表示を行っても差し支えありません。
香辛料を原材料とし、香辛味の付与の目的で使用される添加物の表示は「香辛料抽出物」又は「スパイス抽出物」(食品への表示においては簡略名、又は類別名である「スパイス」、「香辛料」も使用できる。)を用い、その他の名称は使用できません。
食品中に残存しないことから、加工助剤に該当し、表示は不要です。
1 消費者に誤認等を与えないよう留意して表示する必要があると考えます。
・通常同種の製品が一般的に添加物が使用されることがない場合、添加物を使用していない旨の表示をすることは適切ではありません。
・加工助剤やキャリーオーバー等で表示が不要であっても添加物を使用している場合には、添加物を使用していない旨の表示をすることはできません。
・「無添加」とだけ表示することは、何を加えていないかが不明確なので、具体的に表示することが望ましいと考えます。
2 消費者に誤認を与えないための留意点は、「食品表示基準Q&Aについて 別添 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(外部サイト)を参考にしてください。
このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室食の安全推進課 食品表示グループ
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