南河内地域の森林林業

更新日:2022年11月16日

《南河内地域の森林林業》

南河内地域(大阪府の南東部)の森林林業について

 大阪府には約56,846haの森林林業地域があります。南河内地域には、約12,486haの豊かな森林が広がっています。この地域の森林は、古くから森づくりを熱心に行ってきた、河内林業地と呼ばれています。河内林業地では、全国有数の林業地として名高い奈良の吉野林業の流れを汲み、およそ300年もの昔から、スギ・ヒノキの人工造林が行なわれてきました。

 河内林業地の特徴のひとつに、森林の持ち主が農業などと兼業しながら、自力できめこまやかに森を育て、とても質のよい木材を生産してきたことです。そしてスギとヒノキを混交密植し、間伐材生産を経営の中心とする、伝統的な林業手法「河内林業」(かわちりんぎょう)が営まれてきました。河内林業地で生産されるスギ・ヒノキは樹幹が真っ直ぐで、年輪幅は緻密で均一、色合いも淡紅色で美しく、粘りのある良質な「おおさか河内材」として知られ、大阪の地域産材として住宅・公共施設・神社仏閣などに利用されています。

 私たちの暮らしを支え守ってきた木と、その森林を大切に育ててきた、河内林業のことをこれからも、もっと皆さまに紹介していきます。

大阪府/みどり推進室のホームページ

《林業普及指導員活動情報一覧》

森林や林業の情報や木材利用促進についての普及活動を行う、林業普及指導員の取り組みについて紹介します

1 令和4年3月25日  【大阪府森林組合・千早共販所】
 南河内郡千早赤阪村中津原地区の大阪府森林組合・木材共販所での木材市売りを視察してきました。   

 大阪府内で唯一の国産材原木市売市場で、毎月1から2回程度競り市を実施しています。素材生産者が出荷した原木を、樹種・長さ等に
 仕分けし、セリ売りにより製材業者や木材販売業者が買い取ります。販売後は、商品保管や引き渡し等の業務を行い、手数料等により運
 営しています。
   大阪南東部(南河内・泉州地域)の森林から伐採・搬出される木材の流通拠点として、重要な役割を担っています。
  当日は、買い手19名、売り手11名で、スギ 67.996㎥、ヒノキ 122.451㎥が取引されました。

  施設内には一般の方も購入可能な広葉樹(ケヤキ・クリ等)のテーブル・イス及び木工素材(天板・端材等)の取り扱いもしています。
 また、市場見学会などを実施して、木材を利用する方を増やす取り組みも行っております。

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2 令和4年6月28日

南河内郡千早赤阪村水分地区の「大橋山」で「大径木(樹齢約100年のスギ・ヒノキ)伐採」が実施されましたので報告します。

「大橋山の概要」
 大和葛城山(標高959m)の、山頂付近(930m)から中腹(440m)にかけての南西斜面に広がる約100haのスギヒノキは、通称「大橋山」と呼ばれています。「大橋山」を含めたこの一帯は、「河内林業地」と呼ばれ古くから林業が盛んな地域でヒノキとスギの人工林となっております。「大橋山」は現在1haあたり約1,000本の森林となっており、植栽してから約80年から100年程度経過しています。森林内の作業道(木材を搬出するための道)は、約11年もの歳月をかけて、現在約2万5千mで1haにつき約250mの高密度でつけられています。

 今回の伐採は、株式会社南河内林業により、国道309号線沿いの土場(伐採した木を一時的に集材しておく場所)周辺の森林から3日間で6本伐採されました。胸高直径(地面上から1.2mの高さ)約60cmで長さ約8mの一番玉が6本採れ、その他、約4mの長さの材が12本採れました。伐採した木の一部は木材市場でせり売りされ、また一部はイベントで使われるとのことです。

 河内林業地には、このような高径木が残っており、今後は他の森林についても発信していく予定です。
 

塩木木2
           伐採前のお清め           伐倒中          伐倒後
木2木46本
           林外搬出中           集材中           集材後

3 令和4年8月23日

「令和3年度緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」受賞者を訪ねました。

 「令和3年度緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」は、緑化推進運動に顕著な功労のあった方々に対して、表彰をするものです。
表彰式は、令和3年4月23日(金曜日)東京都千代田区の憲政記念館にて「第15回 「みどりの式典」 (内閣府主催)」で行われました。
令和3年度の受賞者は2個人・10団体で、個人受賞者として河内長野市の奥野寿一氏が受賞されました。

 奥野氏は、50年近くにわたり林業活動・技術指導・普及等に貢献されました。
また、地域林業協議会や大阪府森林審議会において豊富な知識や技術、経験から、林業及び森づくりについて提言されました。
さらに、平成18年7月5日より、永年にわたり大阪府の指導林家として活躍されております。
 
スギヒノキの人工林を約30ha保有し、間伐材生産を中心に150年伐期を目標に間伐、択伐による林業経営を実施しておられます。

 

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4 令和4年11月14日
  南河内郡河南町平石地区の山林で、森林経営計画を策定し、立木の間伐業務を行っているクリエイション株式会社の作業現場について紹介します。

 平石地区の山林には、苗木を植えて約50年前後のスギやヒノキがあります。現在は、木を間伐して利用する適期となっています。
最初の業務は、間伐する木を選木し、倒すべき方向を決めます。チェンソーで木の根元に「受け口」という切れ込みを少しずつ入れ、方向を確認しながら修正しつつ、反対側からも切り口を入れて倒していきます。山林は急斜面で足場が悪く、非常に危険を伴いますが、熟練した伐倒手により僅か数分で伐倒されます。
 伐倒された木は、フォワーダ(林内運搬車)に積み込み、山土場(伐採した木の集積場)まで運ばれます。
運ばれた木は、小型トラックに積み込まれて、山のふもとの広い土場まで運ばれ集積されます。
原木は、ここで一定の大きさや長さごとに選別されて大型トラックに積み込まれ、各地の木材市場へと運搬され、せり売りにかけられます。
 南河内地域では、河南町以外でも千早赤阪村、河内長野市等も林業が盛んに行われています。

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        伐倒中    フォワーダで運搬  小型トラックで運搬   大型トラックに積み込み市場へ



このページの作成所属
環境農林水産部 南河内農と緑の総合事務所 森林課

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