いざというときに備えて作ってみませんか?(サイフォン式簡易緊急放流装置について)

更新日:2017年5月19日

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いざというときに備えて作ってみませんか?(サイフォン式簡易緊急放流装置について)

 地震や豪雨などの際にため池が決壊すれば、下流に甚大な被害を及ぼします。
ため池の決壊防止や被害の低減を図るためには、速やかに貯留水を放流し、水位を低下させることが必要です。

 しかしながら、緊急放流施設を備えていないため池は多く、また、備えていたとしても老朽化・故障等により操作できない場合もあるため、
現地で容易に放流できる手段が求められています。

そこで、南河内農と緑の総合事務所では、サイフォン式の安価で取扱いの容易な緊急放流装置を職員自らが立案、作製したので、ご紹介します。

安くて、簡単に作れる装置ですので、いざというときに備えて作ってみませんか?

特徴(φ100mmの場合)

・ホームセンターで購入できる資材で作製が可能!

・必要な資材の費用は約9万円!(サクションホースの延長が30mのとき)
  (同程度の排水能力を持つエンジンポンプの価格は約31万円ですので、サイフォン装置は非常にお安く作ることができます。)

・解体・組立が可能で、運搬時の最大重量は約13kgと軽量であるため、進入路のないため池においても人力で配備が可能
     (同程度の排水能力を持つエンジンポンプの重量は約48.5kgであり、運搬時の負担が大きい)

・サイフォンの原理を利用しているため、燃料・電力が不要。さらに燃料補給に係る時間・手間も不要。

装置の原理・構造

 下図はため池の堤体断面とそれをまたぐように設置した装置を示しています。

 装置の両端にある、吸込み口と吐出し口の水位差を利用したサイフォンの原理により、
動力を用いることなくため池の貯留水を放流し、水位を低下させます。

              サイフォン装置の構造

作業手順

製作

《必要なもの》

サクションホースφ100

注水口ユニット (TSチーズφ100、塩ビ製ラッパ管φ100×2、ネジ式水甲栓φ100、塩ビ管φ100  20cm)

吸込み口、吐出し口 (塩ビ製ラッパ管φ100×2、ネジ式水甲栓φ100×2)

パワーロックバンドφ100 (ホースとパーツの接続箇所の数)

※サクションホースの長さに制約はないが、ホースの重さは約1.3kg/mであるため、10m程度で切ってつなげる方が運搬しやすい。
  ホースを延長する場合は、両口ニップルとパワーロックバンドで接続・固定する。 

両口ニップルとパワーロックバンド接続部分

 

 

サイフォン必要物品

《作製方法》

 注水口ユニット、吸込み口、吐出し口、サクションホースを連結し、
水漏れや空気が入ることがないよう、パワーロックバンドでしっかり固定する。

注水口ユニット

吸込み口・吐出し口

サクションホース

パワーロックバンド

注水口ユニット

吸込み口・吐出し口

φ100mmサクションホース

パワーロックバンド

緊急放流

  1. 堤頂部に注水口ユニット、上流側(ため池の水面より下)に吸込み口、下流側(放流水路)に吐出し口をセットし、
     吸込み口、吐出し口のキャップを閉める。
  2. 小型エンジンポンプ又はバケツリレーで注水口からホース内を満水にし、注水口のキャップを閉める。
  3. 吸込み口のキャップをあけた後、吐出し口のキャップをあけると放流開始。

注水作業

上流側

下流側

放流の様子

注水の様子

ため池上流側

ため池下流側

放流の様子

お問い合わせは 南河内農と緑の総合事務所 耕地課まで。

このページの作成所属
環境農林水産部 南河内農と緑の総合事務所 耕地課

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