1 大阪の雪について
順位 | 最深積雪(センチメートル) | 年月日 |
---|---|---|
1 | 18 | 明治40年2月11日 |
2 | 17 | 昭和59年1月31日 |
3 | 14 | 昭和6年2月10日 |
4 | 14 | 昭和21年3月10日 |
5 | 12 | 昭和40年3月17日 |
6 | 12 | 昭和26年2月14日 |
7 | 12 | 昭和20年2月25日 |
8 | 11 | 平成2年2月1日 |
9 | 10 | 昭和11年1月31日 |
10 | 9 | 昭和6年2月12日 |
年月日 | 最深積雪(センチメートル) | 気圧配置 |
---|---|---|
平成23年2月14日 | 3 | 南岸低気圧 |
平成23年2月11日 | 5 | 南岸低気圧 |
平成20年2月24日 | 1 | 冬型気圧配置 |
平成20年2月9日 | 5 | 南岸低気圧 |
平成17年12月22日 | 1 | 冬型気圧配置 |
平成17年2月1日 | 0 | 冬型気圧配置 |
平成16年12月31日 | 1 | 南岸低気圧 |
大阪に降雪を主にもたらすのが「南岸低気圧」。紀伊半島南部を通過する時が要注意。九州南部通過時には準備を始めること。
2 平成2年の雪害
平成2年1月31日から2月1日にかけて、日本の南岸を低気圧が通過し、それに伴う積雪(10から15センチメートル)で、府下のぶどうハウス地帯で、約40 ヘクタールのハウスが倒れた。
平成2年1月31日の地上天気図
3 ハウスの倒壊について
一般的な構造のハウスで、平坦地においてハウスが耐えられる重量は1平方メートル当たり33キログラム。
これに、ぶどう棚の重量と雪の密度を加味すると、約10センチメートル以上の積雪で、ハウスは倒れる。
実際に、傾斜地の多いぶどうハウスでは、10センチメートル以下でも倒れる恐れが十分にある。また、一度倒れたハウスを修復するのに、かなりの経費と労力がかかることを考えあわせると、万一の場合は、ビニールを切断することの決断が必要である。
積雪時に施設内に立ち入る場合は倒壊の恐れがあるため、十分に注意する。
4 こんなハウスは倒れやすい
1 ビニール被覆後、あまり日数がたっていない。
2 ハウス面積が20から40アールと、比較的大きいもの。
3 傾斜地のハウスで、くぼみとなっている園に雪が積もり、傾斜ハウスの上部に力が集中しやすい場合。
4 ビニールの縦張り(上下張り)ハウス。
5 ぶどうハウスの主な補強対策
1 外柱、周囲柱及び角柱の基礎はできるだけ大きくし、控え線も深く埋める。さらに、ハウス上部の強化を図り、外柱、周囲柱及び控え線
の増加や緊急用の控え杭を設置する。
2 中柱の基礎は、土の軟らかいところでは、ブロック程度の大きさの土台にする。とくに、傾斜ハウス上部、周囲柱、くぼみの部分は
受け石の大きなものとする。
3 中柱等は点検し、傾斜部では、できるだけ垂直か又はやや傾斜面に沿わすように直すが、風の強いところでは垂直までに止める。
なお、柱は深く埋め込むほど強くなる。
4 傾斜ハウスの上部は、とくに力がかかりやすいので、中柱の間隔はできるだけ密にする。
5 外柱間、中柱間に筋交いを入れ補強する。
6 雪が降る場合の対策
1 常に天気予報で情報を収集するよう心がける。不在となる場合は近隣農家に協力を依頼しておく。
2 道路に融雪剤を準備しておく。降雪が予想される場合、融雪剤散布と道路の側溝を示す目印を設置し、車の運行の安全を図る。
3 ビニール被覆後はできるだけ早く加温機の稼動準備をしておく。
4 夜間であっても降雪がみられたら、ハウスごとにこまめに降雪量をチェックする。
5 ハウスを補強したから安心と過信せず、常に現地で状況を確認すること。
6 近隣ハウスの状況にも目を配り、農家間で情報を共有化するよう努める。
7 防鳥ネットにも雪が積もる場合があるため、冬季はネットを除去しておく。
8 積雪があった場合、発芽していないハウスでは、ビニールを開いて積もっている部分の雪を落とす。(場合によっては、ビニールを
切ることも必要である)
すでに新梢が伸長しているハウスでも、積雪が多い場合はビニールを開いて、できるだけ雪をかき降ろし、直ちにハウスを閉め、保温
に努める。
さらに、ハウス内の雪はできるだけ早く外へ運び出す。0度以下にならなければぶどうに障害はない。
9 加温ハウスの場合、内張りを開いて温度を上げるか、または雪の降り始めにダクトの先を内張りの上に出し、温度を上げて屋根の雪を
融かす。
なお、ハウス内を20度以上に保持できるように努める。
(参考)
このページの作成所属
環境農林水産部 南河内農と緑の総合事務所 農の普及課
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