(温州みかん)ジベレリン液剤による隔年結果の是正効果の実証

更新日:2020年10月28日

(温州みかん)ジベレリン液剤による隔年結果の是正効果の実証

 近年、温州みかんは全国的に隔年結果現象が激しく、今年度のような豊作年(「表年」)は価格が下がり、一方で昨年度のような不作年(「裏年」)は収量が少ないため、売上額が安定せず、経営を不安定にする要因となっています。

 この現象を抑制するためには摘果作業をおこなう必要がありますが、高齢農家にとって夏期の高温時の作業がは重労働です。さらに、結果量が多くなることに伴って、果実間での養分競合が起こり、品質の悪い小玉果の割合が増えてしまいます。

 そこで、注目されているのが、次作が豊作と予想される冬期のジベレリン液剤の散布です。本剤は花芽の形成を抑制する作用を持つことが知られています。

 今年度、富田林市内にモデル園(1カ所)を設置し、昨年12月25日に本剤を散布(希釈濃度:2.5ppm、散布量:400リットル/10a)しました。その後、着果数や果実サイズへの影響について調査しました。

 6月25日(木曜日)に、果実1個に対する葉の数を表す葉果比を測定しました。その結果、無処理区では6.8枚であったのに対して、処理区では33.9枚と約5倍でした。

 8月31日(月曜日)に、果実のサイズを測定した結果、無処理区に比べて処理区では平均で約4cm大きくなっていました。

 処理区では無処理区に比べて着花数が減少したことで葉果比が増加しました。また、小玉果数も減少し、適正サイズの果実が増加しました。これにより、本剤の散布をおこなうことで着果数を減らすとともに、摘果作業を省力化することができました。

 来年度(不作年)の結果枝数および着花数に関する両区の比較については、引き続き調査をおこないます。

無処理   処理

      ▲無処理区の樹            ▲ジベレリン処理区の樹

このページの作成所属
環境農林水産部 南河内農と緑の総合事務所 農の普及課

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