何度も浸水被害を受けてきた寝屋川流域。それは、急激な都市化がもたらした課題でした。
密集市街地における深刻な課題を解決するため、大阪府が日本で初めて誕生させたのが、
巨大地下トンネル「寝屋川南部地下河川」と「下水道管(下水道増補幹線)」です。
これからの寝屋川流域は、1時間に40mm程度の雨でも、浸水被害がほとんど発生しません!
寝屋川流域は、淀川、大和川、生駒山、上町台地に囲まれた、お椀の様な地形です。
寝屋川南部地下河川若江立坑内部 左が下水道増補幹線、右が地下河川
淀川、大和川、生駒山、上町台地に囲まれた、お椀の様な地形です
むかしは田んぼや畑がいっぱいあって、降った雨を保水する力を街が持っていました。
しかし、現在の街は、保水する力を失い、河川も下水道管もいっぱいになり、浸水を繰り返しました。
河川と下水道を、大きくする必要がありましたが市街化が進み、地上はすでに、過密都市になっていました
巨大地下トンネル完成後は、浸水の回数、浸水の規模は、これまでの半分以下になります。
1時間に40mmを超える雨が降ってもほとんど浸水被害が発生しなくなります
伸びる:寝屋川南部地下河川は、9.2 kmから11.2kmに、2km延伸します。寝屋川南部流域下水道増補幹線は、24 km供用開始します。
繋がる:寝屋川南部地下河川と流域下水道増補幹線は、4箇所(久宝寺緑地公園駐車場地下の他、大阪中央環状線沿い3箇所)で繋がります。
広がる:地下空間にある巨大な地下施設で浸水被害から守られる区域が、2,300haから6,100haに、3,800ha拡大します(吹田市の面積と同程度)。
大雨時、街に溢れそうになった雨水を一時的に貯留します。
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地下河川・下水道増補幹線あわせて、96万立方メートル(25mプール3,200杯分)の雨水を貯留します(既供用開始済、55万m3含む)。
寝屋川流域は、急激な都市化により、アスファルトやコンクリートなどで、地表が覆われたため、
大雨が降ると、街に雨水があふれやすくなってきました。
このため、治水施設を整備し、雨に強い街づくりをする必要がありましたが、
地上部は、河川を拡げられない、ポンプ場を増やせない密集市街地となっていました。
そこで、大阪府では、新たに土地を求めることが極めて困難である密集市街地の課題を克服しより多くの大雨を流すため、
新たな治水対策として、地下に新たなトンネル(地下河川)と、地下河川まで直接雨水を集めて流す、
新たな下水道管(下水道増補幹線)を一体的に整備することで、
地下河川と下水道増補幹線は直接地下で繋がり、雨水を放流する地下のネットワークを作り出しました。
この、地下河川と下水道を直接つなぐ整備方式は大阪独自のもので全国唯一です。
なお、地下河川流末ポンプ場の完成までは、暫定的に貯留施設として運用します。
今回の供用開始により、1時間に40mmを超える雨でも、ほとんど浸水被害が発生しなくなります。
このページの作成所属
都市整備部 河川室河川整備課 都市河川グループ
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