大阪府を襲った主な災害

更新日:2021年10月4日

災害の記憶を風化させないために

 大阪府は、北を北摂山地、東を生駒山地、南を金剛山地と和泉山脈に囲まれており、その多くの土地が低地であるのが特徴です。また、大阪の市街地の多くがこの低平地にあるため、これまで集中豪雨による水害・土砂災害、台風による高潮災害が発生し多くの犠牲者が出ています。
 これらの災害に対して、行政の施設整備によるハード対策に加えて住民避難を軸としたソフト対策を効率的に組み合わせることが必要であり、具体的には、府民一人一人が災害に対する危険性を認識し、いざという時に適切に逃げていただくことが重要です。これまでの多くの被害と犠牲を無駄にしないため、住民自らが避難行動をとっていただくためには、過去の災害について知りそれを生かして次に起こる災害に備えることが大切です。
 以下に、これまでに大阪府を襲った災害をまとめました。災害の記憶を風化させることなく、後世に伝え、災害への備えを考えるきっかけとしてもらえればと思います。

平成30年台風第21号

 8月28日に南鳥島近海で発生した台風第21号は、非常に強い勢力を保ったまま9月4日12時頃徳島県南部に上陸しました。その後、14時ころに兵庫県神戸市付近に上陸し、15時には日本海海上へ抜けました。
 大阪府では、4日昼前頃から猛烈な風となり、また、台風の接近に伴って、潮位が急上昇し、過去の最高潮位を超える値を観測しました。
 この台風により、4日には暴風を伴い大雨となり、4日14時21分に能勢で最大1時間降水量69.0ミリを観測しました。また、関西空港で最大瞬間風速58.1メートル、最大風速46.5メートルを観測し、それぞれ年間を通じての第1位を更新しました。
 大阪府では、暴風雨により自動車の横転や高層ビルの破損、住家被害等が多数発生しました。

 人的被害 : 死者8名、重傷者約4名
 住家被害 : 全壊約1件、一部破損約2820件
              (上記被害は、大阪府災害年報(危機管理室のホームページ)より)
 公共土木施設被害 :  大阪府所管施設19件、市町村所管施設14件
                           (上記の公共土木施設被害は、国土交通省所管の災害復旧事業として採択された件数を示す)

 台風の接近に応じ、高潮に備え水門や防潮鉄扉など操作しました。高潮により潮位が上昇した状況は以下のとおりです。

○木津川水門(一級河川木津川)
 場所:大阪市大正区
 概要:大阪市内を流れる安治川、木津川、尻無川では、台風による高潮の被害から街を守るため、水門を設置して高潮の遡上を防いでいます。 

 ◆木津川水門操作室からの動画
   こちらのリンクからご覧ください。(外部サイトを別ウインドウで開きます)
   画面右手が下流(海側)、左手が上流で、水門により高潮の遡上を防いでいる状況がご覧いただけます。

 ◆木津川水門下流からの画像    

 木津川水門に押し寄せる高潮

通常の状態閉鎖した状態

○一級河川左門殿川(左門橋南詰)
 場所:大阪市西淀川区
 概要:海側(大阪湾)から押し寄せて、橋梁(国道2号)にあたる波と風の状況

 ◆左門橋左岸からの映像と画像
  動画はこちらのリンクからご覧ください。(外部サイトを別ウインドウで開きます)

 左門橋にあたる波と風

平成30年7月豪雨

 平成30年6月28日以降、梅雨前線が日本付近に停滞し、また29日には台風第7号が南海上に発生、北上して日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続け、台風7号や梅雨前線の影響により大雨となりやすい状況が続いた。このため、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、各地で甚大な被害が発生した。前線や湿った空気の影響で、6月28日から7月8日での総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリ、近畿地方で600ミリを超える大雨となったところがあった。大阪府では、能勢で降り始めからの総雨量が498.5ミリを観測、7月の月降水量第1位を上回る大雨となり、この大雨の影響により以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者0名、重傷者2名(高槻市、豊能町)
 住家被害 : 家屋全壊3棟、半壊1棟、一部損壊18棟、床上浸水21棟、床下浸水69棟
              (上記被害は、大阪府災害年報(危機管理室のホームページ)より)
 公共土木施設被害 :  大阪府所管施設28件、市町村所管施設55件
               (上記の公共土木施設被害は、国土交通省所管の災害復旧事業として採択された件数を示す)

 府内の大規模な公共土木施設被害状況は以下のとおり。

○一級河川一庫・大路次川
 場所:能勢町柏原(名月橋下流左岸)
 概要:記録的な大雨により、能勢町を流れる一庫・大路次川が増水し、護岸を浸食して崩壊に至った。

 一庫・大路次川被災状況

○国道173号
 場所:能勢町山辺
 概要:記録的な大雨により、谷側の道路法面が強度を失って崩落し、道路舗装やその下部の路盤が被災を受けた。

H30国道173号被災状況

平成29年台風第21号 平成29年(2017年)10月

 台風第21号は、日本の南の海上を北上し、超大型で強い勢力を保ったまま、平成29年10月23日03時頃に静岡県御前崎市付近に上陸した。大阪府では、台風を取り巻く発達した雨雲や本州付近に停滞した前線の影響により、18日夕方から23日朝にかけて長期間にわたり雨が降り続け、記録的な大雨となった。20日12時から23日12時までの総降水量は、熊取で340.0mmを観測した。また、期間中の最大1時間降水量は、熊取で24.5mmを観測した。22日の日降水量は、熊取で281.5mmを観測したほか、堺市堺区、八尾、関西空港、河内長野でも、いずれも統計開始以来の第1位を更新した。
 この大雨と暴風の影響で、以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者2名、軽傷者28名
 住家被害 : 家屋全壊1棟、半壊6件、一部損壊132棟、床上浸水13棟、床下浸水46棟
              (上記被害は、大阪府災害年報(危機管理室のホームページ)より)
 公共土木施設被害 : 大阪府所管施設38件、市町村所管施設62件
               (上記の公共土木施設被害は、国土交通省所管の災害復旧事業として採択された件数を示す)

 府内の大規模な公共土木施設被害状況は以下のとおり。

○二級河川牛滝川
 場所 : 岸和田市大沢町 地内
 概要 : 記録的な大雨により、不安定となった牛滝川の右岸側法面及び法面上部の盛土が大規模に崩壊。この崩壊
       によって牛滝川に流入した大量の土砂により河道閉塞が発生し、せき止められた牛滝川が氾濫し、近くを通る
       府道岸和田牛滝山貝塚線が冠水。府道を走行中の車数台が水没し、1名の死者が出た。

牛滝川の被害状況
【写真撮影】株式会社パスコ/国際航業株式会社

○国道173号
 場所 : 兵庫県篠山市福住 地内
 概要 : 記録的な大雨により、延長約40m、高さ約7mのブロック積擁壁が崩壊し土砂やコンクリートブロック等により
       道路が閉塞。崩壊部の斜面上部では、幅約60m、高さ約5mの滑落崖が確認された。

福住被災状況

○箕面公園
 場所 : 箕面市箕面公園 地内
 概要 : 主園路沿いで法面の崩落(幅約40m×高さ約50m)や多数の倒木が発生した。

箕面公園の被災状況

平成25年8月豪雨 平成25年(2013年)8月

 平成25年8月25日、西日本をゆっくり南下した前線に向かって太平洋高気圧の縁をまわって暖かく湿った空気が流れ込んだため、大気の状態が非常に不安定となり、大阪府内で激しい雷雨となった。特に、2時30分から7時00分と、10時00分から11時30分にかけて大阪市と東部大阪及び北大阪の南部を中心に非常に激しい雨が降った。アメダスでは降り始めの25日0時から16時までの総雨量は、豊中で148.0ミリ、枚方で112.5ミリ、大阪市中央区で88.5ミリを観測した。また、豊中で10時43分までの1時間に66.0ミリ、大阪市中央区で11時3分までの1時間に49.0ミリを観測し、大阪市中央区では10時55分までの10分間に27.5ミリの降水量を観測し観測史上1位の値を更新した。この影響で、大阪府では、床上・床下浸水が発生したほか、土砂災害や道路の冠水などの被害が発生し、交通機関にも大きな影響が出た。
 この豪雨の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者0名
 住家被害 : 床上浸水63戸、床下浸水1,444戸

梅田の浸水状況
            梅田Est前の浸水状況

平成24年8月豪雨 平成24年(2012年)8月

 前線が日本海から西日本に南下し、この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため、大気の状態が非常に不安定となった。このため、14 日明け方から朝にかけて近畿地方の中部を中心に猛烈な雨が降った。アメダスでは大阪府枚方で14 日06 時20 分までの1 時間に91.0 ミリ、京都府京田辺で14 日06 時25 分までの1 時間に78.0 ミリを観測するなど観測史上1位の値を更新した。また、解析雨量14 日05 時30 分までの1 時間に大阪府高槻市付近で約110 ミリの猛烈な雨となった。この影響で、大阪府で1 名が死亡、京都府宇治市で2 名が行方不明となったほか、大阪府、京都府などで床上浸水、床下浸水などの被害が多数発生した。また、交通機関にも大きな影響が出た。
 この豪雨の影響で、寝屋川流域では以下の被害が発生した。


 住家被害 : 床上浸水2,554戸、床下浸水17,080戸

寝屋川市内の浸水状況
       寝屋川市内の浸水状況(寝屋川市早子町)

三箇大橋付近の状況
           寝屋川の増水状況(三箇大橋)

平成7年梅雨前線豪雨 平成7年(1995年)7月

 6月末から7月にかけて時々梅雨前線の活動が活発となり、東北から九州までの広い範囲で大雨となった。この期間の降水量は、立山(富山県立山町)で1,731mm、鳥海山(山形県遊佐町)で970mm、多良岳(佐賀県太良町)で948mmとなるなど、東北から九州までの広い範囲で、平年の7月の降水量の150%から250%の降水量となった。
 7月1日から7月4日にかけて、前線は西日本から東日本にかけて停滞し、九州、四国、近畿地方で300mmを超える大雨となった。7月8日から12日にかけて、前線は日本海から北陸地方にかけて停滞し、活動が特に活発となった。このため、北陸から東北の日本海側を中心に大雨となった。長野県北部、北陸、東北の日本海側で400mmを超えた所があった。この大雨により新潟県上越地方及び長野県北部では、姫川の氾濫、鉄橋流失、土砂崩れなどにより鉄道の不通、家屋の浸水などの被害が発生した。7月20日から22日にかけて、前線は山陰沿岸から東日本を通り関東の東海上にかけて停滞した。また、沖縄の南海上から東シナ海に進んだ台風第3号の影響で、前線に向かって南から暖湿気流が入り、前線の活動が活発となった。 このため、中国、四国、近畿及び北陸を中心に大雨となり、特に山陰や四国及び近畿の太平洋側では日降水量が200mmを超えたところがあった。
 この豪雨の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者0名
 住家被害 : 床上浸水69戸、床下浸水3,668戸

芦田川の浸水状況
      芦田川の浸水状況(ジョギング広場周辺)

槇尾川の氾濫
   槇尾川の増水状況(国分河頭井堰付近)

昭和57年7月豪雨 昭和57年(1982年)7月

 昭和57年7月10日から20日にかけては、ほぼ毎日西日本の所々で日降水量が100mmを超える大雨となった。23日から25日にかけては低気圧が相次いで西日本を通過し、梅雨前線の活動が活発となった。
 24日は熊本で日降水量394.5mmを観測するなど、島原半島や熊本県北部を中心に大雨となり、25日は九州南部や紀伊半島南部で100mmから300mmの大雨となった。気象庁は、7月23日から25日の大雨を「昭和57年7月豪雨」と命名した。
 この豪雨の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者8名
 住家被害 : 家屋半壊99戸、床上浸水10,610戸、床下浸水63,460戸

近木川の被害状況
        近木川の護岸崩壊(千石橋下流右岸)

槇尾川の被害状況
    槇尾川の護岸崩壊(神田橋上流)

石川の被害状況
      石川の護岸崩壊(昭和橋上流右岸)

昭和47年7月豪雨 昭和47年(1972年)7月

 昭和47年7月3日から6日にかけては、黄海から日本海北部に進んだ前線を伴った低気圧に向かって暖湿気流が流れ込んだため、九州と四国で雷を伴った局地的な大雨が降り、この期間の降水量が500mmから800mmに達した所があった。
 9日から13日にかけて梅雨前線が南下し、本州南岸から四国、九州北部付近に停滞した。 また、日本の南海上には台風第6号、7号、8号があり、これらの影響で梅雨前線の活動は活発となり、西日本から関東地方南部にかけては400mmから600mm、山間部の多い所では1,000mm前後の大雨が降った。気象庁は、7月3日から13日の大雨を「昭和47年7月豪雨」と命名した。
 この豪雨の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者0名
 住家被害 : 家屋全壊23戸、家屋半壊42戸、床上浸水6,186戸、床下浸水40,346戸

大東市役所
        浸水する大東市役所(大東市谷川1丁目)

大東市内の浸水
             浸水する住道駅周辺

昭和42年7月豪雨 昭和42年(1967年)7月

 本州の南岸に停滞していた梅雨前線に、台風第7号から変わった熱帯低気圧から暖湿気流が流れ込み、北からは冷たく乾いた空気が流れ込んで前線の活動が非常に活発となった。9日には、熱帯低気圧から変わった温帯低気圧が前線上を九州北部から関東まで速い速度で進んだ。
 8日に前線近傍で雷を伴った強い雨が集中的に降った。 9日には温帯低気圧が通過し、さらに強い雨となり、佐世保(長崎県佐世保市)で125mm、福江(長崎県福江市)で114mmの1時間降水量を観測、呉(広島県呉市)や神戸でも70mmを超える大雨となった。背後に山地がある都市部で大雨となったため、土砂崩れや鉄砲水が多発し、人的被害や土木関係の被害が非常に多くなった。気象庁は、7月7日から10日までの大雨を「昭和42年7月豪雨」と命名した。
 この豪雨の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者5名
 住家被害 : 家屋全壊62戸、家屋半壊110戸、床上浸水16,684戸、床下浸水119,976戸

鳥飼基地
 JR鳥飼基地(摂津市安威川南町)

旧三島中学校
             旧三島中学校正門前の浸水

第二室戸台風 昭和36年(1961年)9月

 昭和36年9月8日にエニウェック島の南海上で発生した台風第18号は、西北西に進んで発達し、12日から13日にかけて中心気圧900ヘクトパスカル未満の猛烈な強さの台風となった。進路を次第に北寄りに変え、14日には沖縄の東海上を通過、15日朝奄美大島を通過した。 その後北東に進み、16日09時すぎ室戸岬の西方に上陸した。13時過ぎには兵庫県尼崎市と西宮市の間に再上陸、18時に能登半島東部に達し日本海に出た。日本海沿岸を北北東に進み、北海道西岸をかすめてサハリン付近からオホーツク海に進んだ。
 室戸岬(高知県室戸市)では最大風速66.7m/s(最大瞬間風速84.5m/s以上)、大阪で33.3m/s(同50.6m/s)、和歌山で35.0m/s(同56.7m/s)、新潟で30.7m/s(同44.5m/s)など、各地で暴風となった。
 この暴風や高潮による被害が大きく、雨による被害は比較的小さかった。大阪市では高潮により市の西部から中心部にかけて31平方kmが浸水したが、過去の同様な規模・進路であった室戸台風、ジェーン台風に比べると浸水面積は小さく、人的被害も小さかった。また、兵庫県、和歌山県、四国東部でも高潮による浸水被害があった。台風の通過した近畿地方と吹き返しの強い風の吹いた北陸地方で暴風による家屋の倒壊等の被害が特に大きかった。
 第二室戸台風の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者32名
 住家被害 : 家屋全壊3,386戸、家屋半壊21,356戸、床上浸水61,488戸、床下浸水59,729戸

第二室戸台風の被害状況
 高潮がおしよせる中之島地区(土佐堀川左岸)

第二室戸台風の被害状況
       西淀中学校舎の屋上へ避難する人々

第二室戸台風の被害状況
     高潮がおしよせる中之島地区(堂島川左岸)

昭和28年台風第13号 昭和28年(1953年)9月

 昭和28年9月18日にグアム島の南東海上で発生した台風第13号は、22日になって急速に発達し、非常に強い勢力を保ったまま北緯30度まで北上した。その後はやや衰えたが、25日17時に三重県志摩半島を横断し、伊勢湾を経て18時半頃愛知県知多半島に上陸した。21時には長野県諏訪市付近、26日00時に新潟市の東を通って、06時には三陸沖に進んだ。
 四国から関東地方にかけての広い範囲で20から30m/sの最大風速を観測した。また、期間降水量は舞鶴(京都府舞鶴市)で507.0mmに達したほか、四国、近畿、東海、北陸地方で200mmを超えた。
 台風の進路に当たった地方では暴風雨により被害が続出し、中でも愛知、三重、京都、滋賀、大阪、福井の各府県では甚大な被害が発生した。
 台風第13号の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者26名
 住家被害 : 家屋全壊877戸、家屋半壊3,354戸、床上浸水13,434戸、床下浸水150,354戸

台風第13号の被害状況
                        檜尾川の護岸崩壊

梅雨前線豪雨 昭和27年(1952年)7月

 日本の南海上まで南下していた梅雨前線は、昭和27年7月7日になって北上を始め、九州から本州南岸に停滞した。この前線の影響で近畿地方を中心に大雨となり、期間降水量は、和歌山で406.4mm、大阪178.1mm、神戸172.7mmとなった。 大阪では死者・行方不明者が89人となるなど近畿地方で大きな被害が発生した。
 この豪雨の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者41名、行方不明者48名
 住家被害 : 家屋全壊・半壊187戸、床上・床下浸水192,238戸

南海泉大津駅の被害状況
     南海泉大津駅構内の浸水状況

大津川の被災状況
     大津川の増水(楯並橋上流)

ジェーン台風 昭和25年(1950年)9月

 ジェーン台風は、9月3日高知県室戸岬のすぐ東を通り、10時頃徳島県日和佐町付近に上陸した。 台風は淡路島を通過し、12時過ぎ神戸市垂水区付近に再上陸、速度を上げて北上し13時半頃京都府舞鶴市付近から日本海に進んだ。 その後北東に進んで4日04時頃北海道渡島半島南端に上陸、北海道を縦断してオホーツク海に進んだ。降水量は、四国東部で期間降水量が200mm以上となったほかは、全般的に少なかった。 台風の中心付近で非常に風が強く、和歌山で最大風速36.5m/s(最大瞬間風速46.0m/s)となったほか、四国東部、近畿、北陸、東海で最大風速が30m/s前後の暴風となった。 台風の強風による吹き寄せで大阪湾や北陸沿岸で高潮が発生した。大阪湾では満潮時より2.1m以上高くなり、地盤沈下の影響もあって多くの家屋が浸水した。
 ジェーン台風の影響で、大阪府内では以下の被害が発生した。

 人的被害 : 死者240名
 住家被害 : 家屋全壊10,625戸、家屋半壊60,708戸、床上浸水54,139戸、床下浸水40,025戸

港区第二突堤
      大阪市港区の被害状況(第二突堤付近)

三軒家付近
      大阪市大正区の被害状況(三軒家付近)

野田阪神
      大阪市福島区の被害状況(野田阪神付近)

このページの作成所属
都市整備部 事業調整室都市防災課 防災計画グループ

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