有機フッ素化合物(PFOA等)

更新日:2024年1月12日

有機フッ素化合物(PFOA等)とは

 フッ素を含む有機化合物のうち、ぺルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(Per- and PolyFluoroAlkyl Substances)の総称をPFASと呼びます。各国・各機関においてこれらの物質に関する管理の在り方が議論されてきています。
 PFASの一種であるPFOA(ペルフルオロオクタン酸(Per Fluoro Octanoic Acid)の略称)及びPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸(Per Fluoro Octane Sulfonic Acid)の略称)は、撥水性と撥油性を併せ持つ特異な性質を有していることから、これまで様々な表面処理の用途に使用されてきました。

PFOAとPFOSの構造式

主な用途

  ・PFOA・・・泡消火薬剤、繊維、電子基板、自動車、食品包装紙、石材、フローリング、皮革、防護服 等
  ・PFOS・・・泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、フォトマスク(半導体、液晶ディスプレイ)、写真フィルム 等

用途 
 ※フライパン等にPFOAはほとんど残存していないこと、また、フライパン等を適切に使用した場合にはリスクがないことが確認されています。
 【参考】
  ファクトシート(科学的知見に基づく概要書) (内閣府食品安全委員会)
   ・「パーフルオロ化合物」(外部サイト) 
   ・「フッ素樹脂」(外部サイト)

特徴・人の健康への影響

 PFOA及びPFOSは、化学的に極めて安定性が高く、水溶性かつ不揮発性の物質であるため、環境中に放出された場合には河川等に移行しやすいです。また、難分解性のため、長期的に環境に残留すると考えられています。
 これらの人の健康への影響については、各国・各機関である程度の知見が集積されつつあるものの、現時点において、発がん性等の毒性について国際的に統一された評価値はありません。

国内外での規制状況

 PFOAは、POPs(ポップス)条約で、製造・使用、輸出入を原則禁止する物質に挙げられています。国内では、化審法に基づき、原則として製造・輸入・使用が禁止されています。
 PFOSは、POPs条約で、製造・使用、輸出入を制限する物質に挙げられています。また、PFOAと同様、化審法に基づき、原則として製造・輸入・使用が禁止されています。

POPs条約(経済産業省)(外部サイト)

化審法(経済産業省)(外部サイト)

 また、2023年2月にPFOA、PFOS及びその塩が水質汚濁防止法の指定物質に追加されました(環境省報道発表資料(外部サイト))。これらの物質が事故により公共用水域等に排出され、人の健康や生活環境に被害が生じるおそれがあるときは、事業者は速やかに応急措置を講じるとともに知事に届け出る必要があります。

事故時の措置に係る届出書

 なお、水質汚濁防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく排水基準は設定されていません。

河川や飲み水での基準

 PFOA及びPFOSは、2020年5月に、水質汚濁に係る要監視項目(※1)に指定され、河川や飲み水などにおける暫定的な目標値(指針値)(※2)として、PFOS及びPFOAの合計値で50ng/L(※3)以下とされました。(環境省報道発表資料(外部サイト)
 なお現在、土壌や食物(米・野菜等)に関する指針値等はありません。
  ※1 要監視項目は、「人の健康の保護に関連する物質ではあるが、直ちに環境基準とはせず引き続き知見の集積に努めるべき」とされている項目です。(要監視項目(環境省)(外部サイト)
  ※2 指針値は、「体重50kgの人が、一生涯にわたり1日2Lの水を飲用しても健康に対して有害な影響がないと考えられる濃度」として設定されています。
  ※3 1ngは、1gの10億分の1の重さです。 

国における検討状況

 PFOS、PFOA及びPFASに係る科学的知見の集積並びに国際的な動向を踏まえ、国においても各種検討が進められています。

【環境省】
PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議(外部サイト)
(概要)
 PFOS・PFOAに係る最新の科学的知見等を踏まえ、水環境に係る目標値等について検討する。

PFASに対する総合戦略検討専門家会議(外部サイト)
(概要)
 PFASに係る国内外の最新の科学的知見及び国内での検出状況の収集・評価を行い、これらを踏まえた科学的根拠に基づくPFAS に対する総合的な対応を検討するとともに、国民への分かりやすい情報発信を通して国民の安全・安心に資する。

  • PFASのうち特に関心が高いPFOS、PFOAについては、住民の不安に寄り添い透明性を確保しながら適切な情報発信を行っていく必要があるため、現時点の科学的知見に基づき、本専門家会議の監修の下でQ&A集が作成されました。
     PFOS、PFOAに関するQ&A集(外部サイト)(令和5年7月 環境省、PFASに対する総合戦略検討専門家会議)
  • 国内外の最新の科学的知見及び国内でのPFAS検出状況の収集・評価を行い、これらを踏まえた科学的知見に基づくPFASに対する総合的な対応策についてとりまとめられました。
     PFASに関する今後の対応の方向性(外部サイト)(令和5年7月 PFASに対する総合戦略検討専門家会議)

【内閣府食品安全委員会】
有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ(外部サイト)
(概要)
 海外におけるPFASに関するリスク評価の最近の動向、また、厚生労働省及び環境省が水質の目標値等の検討を開始したこと等を踏まえ、PFASについて食品健康影響評価を行う。

PFOA及びPFOSに係る説明資料

  「PFOA・PFOSってなんだろう?」(A4用紙2枚分) [Wordファイル/209KB] [PDFファイル/222KB]
 

摂津市内における有機フッ素化合物(PFOA等)対策について

 大阪府では、摂津市内で過去にPFOAを取り扱っていた事業所周辺の公共用水域及び地下水において、PFOA等が暫定指針値を超過して検出されていることから、継続的に監視を行うことを目的として、PFOA等に係る水質調査を実施しています。
 また、大阪府は当該事業所の対策実施状況を確認するとともに、同事業所に対し恒久的な流出防止対策を早期に実施するよう要請しています。
 国に対しては、PFOAによる人の健康への影響について明らかにし、その結果を踏まえ、土壌、水質及び農作物等に係る汚染状況の評価やその対応に関する指針等を示すよう要望しています。
 なお、摂津市内の地下水については飲用利用がないこと、水道原水については水道の暫定目標値を下回っていることが同市により確認されています。(摂津市ホームページ(外部サイト)

摂津市内のPFOA等に係る水質調査結果等について

 摂津市内のPFOA等に係る水質調査結果及び事業所による対策の実施状況等についてはこちらです。

  摂津市内のPFOA等調査結果(大阪府実施) 令和5年8月実施の水質調査結果について掲載しました。

【参考資料】

 環境省が令和元年度及び令和2年度に実施したPFOS及びPFOA等に係る全国調査結果はこちらです。

令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査の結果について(外部サイト)(令和2年6月11日、環境省)
令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査の結果について(外部サイト)(令和3年6月22日、環境省)

このページの作成所属
環境農林水産部 環境管理室事業所指導課 化学物質対策グループ

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