大阪府情報公開審査会答申(大公審答申第123号)その3

更新日:2009年8月5日

また、本件行政文書のうち、異議申立ての対象となる部分が記載されている書類は以下のとおりである。

(1)代表理事以外の役員の氏名について

「代表理事以外の役員の氏名」が記載されている書類は、a中小企業等協同組合設立認可申請書のうち、「役員の氏名及び住所を記載した書面」、「設立趣意書」、「設立同意者がすべて組合員たる資格を有する者であることを発起人が誓約した書面」、「設立同意者がそれぞれ引き受けようとする出資口数を記載した書面」、「創立総会の議事録」、「第1回理事会議事録」、「就任承諾書」及び「委任状」、b中小企業等協同組合定款変更認可申請書のうち、「定款の変更を議決した総会の議事録」、c中小企業等協同組合決算関係書類提出書のうち、「監査意見書」及び「通常総会の議事録」並びに、d中小企業等協同組合役員変更届出書のうち、「変更した事項を記載した書面」及び「総会議事録及び理事会議事録」がある。

実施機関は、これらの文書に記載されている代表理事以外の役員の氏名は、非公開事由にあたらないとし、公開すると決定した。しかし、異議申立人は、代表理事以外の役員の氏名について公開しないことを求めている。

(2)設立同意者の業種、許可又は免許番号について

「設立同意者の業種、許可又は免許番号」が記載されている書類は、a中小企業等協同組合設立認可申請書のうち「設立同意者がすべて組合員たる資格を有する者であることを発起人が誓約した書面」、「設立同意者がそれぞれ引き受けようとする出資口数を記載した書面」がある。

「設立同意者がすべて組合員たる資格を有する者であることを発起人が誓約した書面」には、設立同意者がすべて組合員たる資格を有する者であることを誓約した旨、設立発起人の住所、法人の場合は法人名、氏名及び設立発起人の印影が記載され別紙として設立同意者名簿に設立同意者名、住所、業種、許可又は免許番号、出資口数、常時使用する従業員数及び資本又は出資の額が記載されている。

「設立同意者がそれぞれ引き受けようとする出資口数を記載した書面」には、出資引受者の住所、名称、代表者名、出資引受口数、出資金額、常時使用する従業員数、業種、許可又は免許番号、法人の場合は法人名及び資本の総額又は出資の総額及び出資引受者の印影等が記載されている。

実施機関は、これらの文書のうち、団体役員を除く事業協同組合の設立同意者の氏名並びに許可又は免許番号、出資口数、出資額及び常時使用する従業員数、法人の代表取締役を除く個人の住所及び印影については非公開としているが、異議申立人は設立同意者の業種及び許可又は免許番号の全てについて公開しないことを求めている。

(3)職員給与手当、賞与、福利厚生費欄の金額及び備考欄について

「職員給与手当、賞与、福利厚生費欄の金額及び備考欄」が記載されている書類は、a中小企業等協同組合設立認可申請書のうち「収支予算書」とb中小企業等協同組合定款変更認可申請書のうち「定款変更後の収支予算書」がある。

「収支予算書」には、各事業年度における収入及び支出の予算を科目毎に表示し、備考欄に各科目の数字の根拠となる算式等を記載している。収入については「事業収入」、「賦課金等収入」及び「事業外収入」に分類され、費用については「事業費」、「事業間接費及び一般管理費」及び「事業外費用」に分類される。

実施機関は、この文書のうち、個人の給料、賞与及びこれらを特定し得る部分として一般管理費のうちの職員給与手当の備考欄について非公開としているが、異議申立人は、一般管理費のうちの職員給与手当、賞与、福利厚生費欄の金額についても公開しないことを求めている。

(4)決算報告書について

「決算報告書」は、通常「財産目録」、「貸借対照表」、「損益計算書」、「剰余金の処分または損失の処理の方法を記載した書面」及び「監査意見書」を指す。

実施機関は、この文書のうち法人の取引先事業者の名称、法人の取引金融機関に関する情報及び個人の印影について非公開としているが、異議申立人は、決算報告書の全ての情報について公開しないことを求めている。

3 本件係争部分が条例第8条第1項各号及び第9条各号に該当しないことについて

(1)条例における公開原則について

条例においては、その前文及び第1条にあるように、「府の保有する情報は公開を原則」、「個人のプライバシー情報の最大限の保護」、「府が自ら進んで情報の公開を推進」を制度運営の基本的姿勢としている。

よって、府の保有する情報は公開を原則としつつ、条例第8条及び第9条に定める適用除外事項の規定を設けたものであり、実施機関は、請求された情報が条例第8条及び第9条に定める適用除外事項に該当する場合を除いて、その情報を公開しなければならないものである。

本件異議申立てにおいては、異議申立人が本件係争部分を公開しないことを求めているため、本件係争部分が、条例第8条及び第9条に該当しないことを、以下において説明する。

(2)条例第8条第1項第1号に該当しないことについて

事業を営む者の適正な活動は、社会の維持存続と発展のために尊重・保護されなければならないという見地から、社会通念に基づき判断して、競争上の地位を害すると認められる情報、その他事業を営む者の正当な利益を害すると認められる情報は、営業の自由の保障、公正な競争秩序の維持等のため、公開しないことができるとするのが条例第8条第1項第1号の趣旨である。

同号では、

a 法人等に関する情報であって、

b 公にすることにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるものは、公開しないことができると規定している。

また、一般に、「競争上の地位を害すると認められるもの」とは、生産技術上又は営業上のノウハウや取引上、金融上、経営上の秘密等公開されることにより、公正な競争の原理を侵害すると認められるものをいうと解されており、「その他正当な利益を害すると認められるもの」とは、事業を営む者に対する名誉侵害、社会的評価の低下となる情報及び公開により団体の自治に対する不当な干渉となる情報等必ずしも競争の概念でとらわれないものをいうと解されている。

そして、「競争上の地位を害すると認められるもの」とは、当該文書に記録された情報が明らかとなることにより、当該法人等に具体的な不利益が及んだり、社会的評価の低下につながるなどの事実が存在し、それが社会通念に照らして「競争上の地位その他の正当な利益」を害すると認められる程度のものである必要があると解すべきである。

これを本件係争部分についてみると、本件行政文書は全て事業協同組合の発起人又は代表者から提出された当該事業協同組合の事業内容、役員、財務内容等に関する文書であり、上記aの要件に該当することは明らかである。

そこで、本件係争部分に記録された情報が、上記bの要件に該当するか否かを検討した結果は以下のとおりであり、いずれも上記bの要件に該当しないと判断した。

ア 代表理事以外の役員の氏名について

組合における役員には、理事と監事があるが、理事は理事会を構成して組合の業務執行の意思を決定するとともに、代表理事を選出して業務を執行させ、それを監督する。また、監事は組合の会計に不正や誤りがないかどうかを監査するとともに、必要あるときは組合の業務及び財産の状況を調査することを職務とする。このように、役員は組合運営における実質的な経営者であり、その氏名の公表が生産技術上又は営業上のノウハウや取引上、金融上、経営上の秘密等に当たるとはいえず、当該組合の競争上の地位を害するとは認められない。

イ 収支予算書のうち、職員給与手当、賞与、福利厚生費欄の金額及び備考欄について

「収支予算書」は、組合設立時や定款の変更で収支予算に変動がある場合に提出しなければならないものであり、その様式については中小企業庁が定める中小企業等協同組合経理基準に定める様式に従い作成することが望ましいとされている。

「収支予算書」は、事業収支予算と経費収支予算とを一本化したもので、収入については「事業収入」、「賦課金等収入」及び「事業外収入」に分類され、費用については「事業費」、「事業間接費及び一般管理費」及び「事業外費用」に分類される。

これらの情報には、事業者の「競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる」情報が含まれる可能性があるので、本号に該当するかどうかを個別具体的に検討した。

本件収支予算書は、収入の部については各事業の事業収入及び賦課金収入に区分され、支出の部については、事業ごとの事業費用、一般管理費及び剰余金に区分されており、概ね中小企業等協同組合会計基準に準拠して作成されている。その内容について見てみると、備考欄に各項目の数値の根拠となる算式が記載されているが、これらの情報を公にしても当該組合のおよその経営規模の把握が可能であったとしても、当該組合の競争上の地位を害するとは認められない。

ウ 設立同意者の業種、許可又は免許番号について

「設立同意者がすべて組合員たる資格を有する者であることを発起人が誓約した書面」の様式について特に法令の定めはないが、事業協同組合の組織、事業及び経営の指導等を行う中小企業団体中央会の全国組織である全国中小企業団体中央会(以下「全国中央会」という。)が作成している例によれば、「誓約書例」と「設立同意者名簿例」からなり、「誓約書例」は「設立同意者名簿例」に記載されている者が組合員たる資格を有することを誓約する旨を記載したものであり、「設立同意者名簿例」には、「設立同意者名、設立同意者の住所、出資口数、業種、資本の額又は出資の総額並びに常時使用する従業員数」を記載したものである。

また、「設立同意者がそれぞれ引き受けようとする出資口数を記載した書面」は、全国中央会が作成している設立同意書及び出資引受書例によれば、「設立同意者の住所、設立同意者名、出資引受口数、資本の総額又は出資の総額、常時使用する従業員数及び業種」を記載したものである。

本件行政文書における「設立同意者名簿」においても、「全国中央会」の例にならい、「設立同意者の氏名、住所、業種(許可又は免許番号)、出資口数、常時使用する従業員数、資本又は出資の額」が「設立同意書及び出資引受書」においても、「設立同意者の住所、名称、代表者名、出資引受口数、金額、資本の総額又は出資の総額、常時使用する従業員数、業種、許可又は免許番号」が、記載されている。

この中で、業種については当該組合定款第8条において、組合員資格として「再生資源卸売業を行う事業者であること。」と記載されており、組合員である以上、再生資源卸売業を行う事業者であることは明白である。また、再生資源卸売業を営む場合は、大阪府金属くず営業条例又は大阪府再生資源営業取締り条例に基づく許可が必要であり、このうち、許可番号さえ非公開とすれば、事業者名は特定できないので、組合員である個人又は法人事業者若しくは組合の「競争上の地位その他の正当な利益」を害するとは認められない。

また、組合役員に就任している設立同意者については、その氏名を公開することにより、その者が代表者を務める事業者の許可に係る情報について、情報公開請求を行うことにより、許可番号までうかがい知ることができる。

さらに一般的に、事業を営む者にとって、その業に係る免許や許可を保有することは競争上有利となるものであり、それを公にすることで競争上の地位を害するとは社会通念上考えられない。

従って、「設立同意者の業種、許可又は免許番号」を公開することによって、異議申立人が主張するような当該組合の競争上の地位を害するとは認められない。

エ 決算報告書について

決算報告書は、理事の責任において作成され、監事の意見書とともに総会に付議され、承認される。

決算報告書とは、「財産目録」、「貸借対照表」、「損益計算書」、「剰余金の処分または損失の処理の方法を記載した書面」を指し、これらの書類は「監査意見書」とともに「中小企業等協同組合決算関係書類提出書」に添付され、毎年度、事業協同組合の代表者から知事に対し提出されるものである。また、これら決算関係書類は、組合の定款等とともに、法第40条の規定により組合事務所に備え置かなければならず、組合員及び組合の債権者は、何時でも、理事に対しこれら書類の閲覧又は謄写を求めることができるとされている。

異議申立人が憂慮している「競争上の地位を害する」と認められるためには、当該文書に経営上の秘密やノウハウに属するような情報が存在し、それが明らかとなることにより、当該組合等に具体的な不利益が及んだり、社会的評価の低下に繋がるのが明白であることが必要である。

決算報告書の内訳についてみると、「財産目録」は、資産の部と負債の部に分けられ、資産から負債を差し引くことによって正味財産を表示している。「貸借対照表」は、一定の月日における組合の財政状態を明らかにするためのものであり、すべての資産、負債、資本を記載したものである。「損益計算書」は、一事業年度の損益を、その発生源泉別に全ての収益とこれに対応する費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益を加減して当期純利益を表示することにより、組合の経営成績を明らかにするものである。「剰余金の処分または損失の処理の方法を記載した書面」は、当期に利益剰余金がある場合には剰余金処分案を、損失金の場合は損失処理案を作成することになる。「監査意見書」は、理事から提出を受けた決算関係書類を監事が会計監査を行い、その結果について意見を付して理事に提出するものである。これら決算報告書に係る様式については中小企業庁が定める中小企業等協同組合経理基準に定める様式に従い作成することが望ましいとされている。

従って、「決算報告書」の内容は、組合の会計年度末の一時点の資産・負債の状況並びに会計年度内の収入・支出の状況を概括的に示しているものにすぎない。

また、「決算報告書」は、汎用性のある共通ルールに従って作成され、その経営状況を組合内外に客観的に示すためのものであり、法でも組合の債権者に閲覧や謄写を認めているところである。

以上からすれば、財産目録等の財務諸表に記載されている各勘定科目の金額から、当該組合の経営規模はどの程度であるか、収入と支出とのバランスがとれているかなど、当該組合のおおよその経営内容の分析や把握は可能であったとしても、主要簿や補助簿その他多くの会計帳簿などの細目的資料の提出や組合の経理担当者からのヒアリングを受けない限り、「競争上の地位を害すると認められるもの」というまでの経営上の秘密やノウハウに属するような情報までは得られない。これは、株式会社等の営利法人や公益法人においても同様である。

また、公益法人が決算関係書類を一般の閲覧に供するなど積極的にディスクロージャーする中で、公益性の高い事業協同組合をその例外とする合理的な理由は見当たらない。

(3)条例第9条第1号に該当しないことについて

個人の尊厳の確保、基本的人権の尊重のため、個人のプライバシーは最大限に保護されなければならない。特にプライバシーは、一旦侵害されると、当該個人に回復困難な損害を及ぼすことに鑑み、条例は、その前文において、「個人のプライバシーに関する情報は最大限に保護」することを明記し、条例第5条において「実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され得るもののうち、一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるものをみだりに公にすることのないよう最大限の配慮をしなければならない。」ことを定めている。そして、条例第9条においては、

a 個人の思想、宗教、身体的特徴、健康状態、家族構成、職業、学歴、出身、住所、所属団体、財産、所得等に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)

b 特定の個人が識別され得るもの

c 一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるもの

については、「公開してはならない情報」として定められている。

これを本件係争部分についてみると、「設立同意者の業種、許可又は免許番号」及び「決算報告書」は、専ら法人として事業協同組合に関する情報であり、aの要件に該当しないことは明らかである。

そこで、これら以外の本件係争部分に記載された情報が、b及びcに該当するか否かを検討した結果、以下のとおり、いずれもこれらの要件に該当しないと判断した。

ア 代表理事以外の役員の氏名について

事業協同組合の法人登記の際の登記事項としては、法第83条第2項第7号の規定により「代表権を有する者の氏名、住所及び資格」となっており、当該組合の代表権を有している者は定款の定めにより理事長のみである。

したがって、理事長を除く役員の氏名等は、組合が積極的に公表しない限りは、一般には知り得ない情報といえる。

しかしながら、本件情報は法人の機関における地位を表示するものであり、他から知り得ないという理由のみをもって「一般に他人に知られたくないと望むことが正当である」とは認められない。

一方、他の法令に基づく法人の役員については、公益法人については理事全員の住所及び氏名が、また営利法人である株式会社については代表取締役の住所及び氏名並びに取締役及び監査役の氏名が、それぞれ登記事項として定められている。また、公益法人については、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」において、役員名簿を含む法人の主な資料を法人の事務所と所轄官庁に備え置き、原則として一般の閲覧に供することとしている。

次に事業協同組合の公益性について検討すると、事業協同組合に対する税制上の優遇措置として、法人税率が公益法人と同様に22%となることや、事業税・事業所税・印紙税・登録免許税の減免などがある。また、異議申立人もそうであるように公的施設の運営委託などの受け皿や補助金の交付を含めた各種の助成の対象となることも多く、経営に自主性が確保されるべき民間法人のなかでは、経営の透明性を確保する必要性が特に高いものと考えられる。

ここで、役員の職責について検討すると、事業協同組合の理事で構成する理事会は、組合の業務の執行を決定する権限を有する(法第36条の2)。その理事会が決定した事項を執行するのが、代表理事である。したがって、理事は理事会を通じて組合の業務執行を決定する立場にある。

また、理事の責任に関して、法第38条の2第1項には「理事がその任務を怠ったときは、その理事は、組合に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。」とあり、また第2項では「悪意又は重大な過失があったときは、その理事は、第三者に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。」とあり、理事の責任が組合に対してだけでなく、第三者にも及ぶとしている。さらに、理事会の議事に参画した理事は、明確に反対した旨が議事録に記載されていない限り、その議事に賛成したものと推定されるのは、営利法人における取締役と同様である(法第38条の2第5項において商法第266条第2項、第3項及び第5項を準用)。

一方、監事は会計監査を通じて理事の業務執行を監督する立場にあるが、監事が組合又は第三者に対して損害賠償責任を負う場合において、理事もその責任を負わなければならないときは、その監事と理事は連帯債務者となる旨が定められている(法第42条において商法第278条を準用)。

以上のように、事業協同組合の理事と監事は組合の実質的な経営者であり、その権限と責任は組合の内外においても重大な関心事となる。

したがって、本件情報は、法の規定により行政庁に対し提出すべき情報であり、また、公益法人の役員と同様もともと公示的な性格を持つものである。

また、本件情報の開示によって、当事者の個人の尊厳が傷つけられたり、人格的利益が損なわれたりすることは、社会通念上考えられない。

従って、本件係争部分については、本号には該当しない。

イ 収支予算書のうち、職員給与手当、賞与、福利厚生費欄の金額及び備考欄について

「収支予算書」は、前述のとおり、事業収支予算と経費収支予算とを一本化したもので、収入については「事業収入」、「賦課金等収入」及び「事業外収入」に分類され、費用については「事業費」、「事業間接費及び一般管理費」及び「事業外費用」に分類される。

このうち、一般管理費の中に職員に対する給与手当、賞与及び福利厚生費にかかる金額を記載する欄がある。これらの情報を公開することにより組合職員の「個人の所得等に関する情報」に該当する可能性があるため、具体的に検討する必要がある。

本件行政文書を検討したところ、組合が各職員に対しどれだけの金額を支給する予定があるか備考欄に記載されている。しかし、当該部分については、実施機関において非公開とすることが決定しており、これを非公開にすれば、職員全員に対する支払予定金額しか判明しないこととなり、個人の給与等は公にされない。また、収支予算書はあくまで次年度における予定を示したものであり、組合が予定している職員数と実際の職員数が必ずしも一致するわけではない。

従って、本件係争部分については、本号には該当しない。

(4)その他の適用除外事項に該当しないことについて

本件係争部分に記載されている情報が条例第8条第1項各号及び第9条各号に規定する他の適用除外事項に該当するかについて、実施機関において再検討したが、本件係争部分には、公にすることにより認可事務に著しい支障を及ぼすおそれもなく、また法令の規定により公にすることができない情報や公にすることにより公共の安全に支障を及ぼすような情報等も含まれていないのは明らかである。

以上述べたところにより、本件係争部分の記載事項については、条例第8条第1項各号及び第9条各号に規定する適用除外事項に該当するとは認められない。

4 結論

以上のとおり、実施機関による本件決定は条例に基づき適正に行われたものであり、適法かつ妥当なものである。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室情報公開課 情報公開グループ

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