大阪府情報公開審査会答申(大公審答申第212号)

更新日:2016年9月9日

(大阪府情報公開審査会答申(大公審答申第212号)

〔教職員評価・育成システムの平成20・21年度評価総括表部分公開決定異議申立事案〕

(答申日 平成24年2月29日)

 

 

第一 審査会の結論

実施機関の決定は妥当である。

 

 

 

第二 異議申立ての経過

1 異議申立人は、大阪府情報公開条例(以下「条例」という。)第6条の規定により平成23年2月21日、大阪府教育委員会(以下「実施機関」という。)に対して、「府立学校(全日制)における平成20年度、21年度「評価・育成システム」の総合評価の各学校ごとのS・A・Bの評価分布(人数・%)全教職員・退職者を含む。」の公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。

 

2 同年3月3日、実施機関は、条例第13条第1項の規定により、本件請求に対応する行政文書として(1)の行政文書(以下「本件行政文書」という。)を特定の上、(2)の部分を除いて公開するとの部分公開決定(以下「本件決定」という。)を行い、(3)のとおり公開しない理由を付して異議申立人に通知した。

(1)行政文書の名称

ア. 2008年度職員の評価総括表(集計表)

イ. 2009年度職員の評価総括表(集計表)

(2)本件決定により公開しないこととされた部分

府立学校(全日制)の各学校の2008年度職員の評価総括表(集計表)及び2009年度職員の評価総括表(集計表)における、「対象外の者の数(注2)((1)、(2)を除く)」、「対象者数」及び「対象者の評価結果集計」の各集計欄

(3)公開しない理由

ア. 大阪府情報公開条例第8条第1項第4号に該当する。

本件行政文書(非公開部分)には、個人の業績評価、能力評価、総合評価、評価結果の集計等が記載されており、これらの情報は、教職員の評価・育成システムに関する人事管理情報であって、これらの情報が公になると、他校の分布と比較されることにより、校長が自らの評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがあるなど、人事管理に関する事務の遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある。

イ. 大阪府情報公開条例第9条第1号に該当する。

本件文書(非公開部分)には、対象外の者の数、自己申告票の不提出者数等が記載されており、これらの情報は、個人のプライバシーに関する情報であって、特定の個人が識別されうるもののうち、一般に他人に知られたくないと望むことが正当と認められるものである。

 

3 異議申立人は、本件決定を不服として、平成23年5月6日、行政不服審査法第6条の規定により、実施機関に異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

 

第三  異議申立ての趣旨

本件決定を取り消し、非公開部分のうち、「府立高校(全日制)における平成20年度、21年度の『評価育成システム』の総合評価の各学校ごとのS・A・Bの評価分布(人数・%)(全教職員・退職者を含む)」(=2008年度、2009年度の職員の評価総括表のデータ)の公開を求める。

その範囲は、「府立高校(全日制)における平成20年度、21年度『評価育成システム』の総合評価の各学校ごとのS・A・Bの評価分布(人数・%)全教職員・退職者を含む」である。

 

 

第四 異議申立人の主張要旨

異議申立人の主張は概ね以下のとおりである。

 

1 異議申立書における主張要旨

教育委員会は「公開しない理由」を、「大阪府情報公開条例第8条第1項第4号に該当する」として、その理由を「本件行政文書(非公開部分)には、個人の業績評価、能力評価、総合評価、評価結果の集計等が記載されており、これらの情報は、教職員の評価・育成システムに関する人事管理情報であって、これらの情報が公になると、他校の分布と比較されることにより、校長が自分の評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがあるなど、人事管理に関する事務の遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある」と述べている。これは私が2008年10月15日に行った同様の平成19年度分「行政文書公開請求」に対する2009年11月20日付「部分公開決定」処分(教委職企第1785号)での「公開しない理由」と、一言一句同じである。そこで、それに対する2010年1月14日付「異議申立書」を引用し、その時の私の主張の正当性を、教育委員会による2010年「教職員に対する評価・育成システム」(以下、「システム」という)に関するアンケート(以下、「アンケート」という)結果(大阪府下の全評価者対象)、その記述部分(府立学校長・准校長によるもの)及び2007年〜2010年「苦情審査会」議事録を基に検証する。

(注)アンケート記述部分の冒頭番号は、教育委員会による整理番号である。       

(A) 学校長は客観的な基準に基づいて、「公正かつ適切に」評価することは出来るか。

(a) 校長は、自分の専門教科を除いてその他の教科については門外漢である。従って自分の専門教科以外の教科を評価する基本的知識・能力を欠いており、それらの教育内容、教育方法について適正に評価することは不可能である。その点を指摘すると、私が在籍した▲▲▲高校校長は「自分も教員であったので、授業を見ればわかる」と強弁したが、それは教科の専門性を軽視するものである。面談の中でさらに追求すると、校長は「(私の担当教科である)英語教育の専門的なことについてはよくわからない」と認めざるを得なかった。

(b) 校長は、1時間程度の授業観察で教員の教える能力をはかることは出来ない。授業観察を増やすとしても、2〜3時間が限度である。授業には1年を通した流れがあり、その内の多くて2〜3時間(私は2007年度約600時間授業をした)を切り取って1年間の授業を評価するのは、野球選手が2〜3試合の結果で査定されるようなものである。また、教頭が一次評価者となっているが、教頭が授業を見に来たことは全くない。手引き(1)3頁には「一次評価者は、教職員の自己申告と、日常的に教職員と接する中で把握した評価の対象となる事実(行動や態度)をもとに評価を行い…」とある。たしかに、教頭は教員と接する時間は校長よりは長いが、それでも教員との接点は断片的である。授業も見ないでなぜ教える能力がわかるのか。

(c) 24学級規模の府立高校全日制普通科には教頭、事務長、事務職員、技能員、教諭、養護教諭、実習助手と多岐に渡る職種の職員が約60名いる。教諭に対してでさえ専門外の教科は「よくわからない」と言っているのに、教諭以外の未経験の職種に対しては、さらにわかるはずがない。それらの全教職員を「公平・公正」に評価することは、物理的に不可能である。

(d) 「教職員の評価・育成システム」手引き(1)10頁で「能力評価は、日常の業務の遂行を通じて発揮された能力(態度・行動)を絶対評価します。*職務全般の取り組みが評価の対象となります。」とあるが、校長が多数の教職員の「職務全般」を把握するのは不可能である。

論点(1)

(A)の(c)の「全教職員を「公平・公正」に評価することは、物理的に不可能である。」について、評価当事者の校長・准校長の記述は悲鳴に近い。以下校長・准校長のSOSを引用する。

0440:一人の評価者がこれほど多くの部下の人事考課を行う制度は、企業でも稀ではないか。制度運営に要する労力があまりに大きいので、制度のシンプル化を検討していただきたい。

0535:支援学校は、教員数が多いため特に時間がかかり、細かに評価することが難しい。評価のポイントをしぼり、得点性にして加点方式にして、その点に応じて評価するようにしてはどうか。

回答した校長・准校長175人のうち、実に35人(回答者の2割)が「評価する人数が多すぎる」と言っている。評価が「難しい」、「困難」、「厳しい」、「無理がある」、「バカげ」ている、「不可能」である、「限界」があるなど、「現行システムの致命的欠陥」を非常に強い調子で指摘している。これら校長・准校長の生の声を踏まえ、私の主張「全教職員を「公平・公正」に評価することは、物理的に不可能である。」について、教育委員会の弁明を求める。

論点(2)

(A)の(d)の「校長が多数の教職員の『職務・全般』を把握するのは不可能である。」について、

0480:校長、教頭が60名以上の評価を行うのは限界がある。研修で事例を挙げ、ひとつひとつプラスorマイナスの判定を行い総合して能力評価を行うことをやっている。一人の教員の年間の活動を2人で全て観察し、拾い上げることは不可能である。被評価者の不満の原因のひとつとして挙げられている。首席、任命する主任に評価権を与えれば、より組織的に学校経営を行うことができ、より適正な評価になると考える。

と、教職員と接点が少ない府立学校校長・准校長が評価することは、現実的に無理があると指摘している。

0425:校長の評価者が教育長であることも大いに疑問を感じます。日々接触のある教員の意見による評価ならば、良くも悪くも納得できますが、現行の方法ではあまりにも無責任であると言わざるを得ません。

と、校長・准校長の評価を教育長がすることについて、私と同種の問題点を指摘している。

以上の点を踏まえ、私の主張「校長が多数の教職員の職務全般を把握するのは不可能である。」について、教育委員会の弁明を求める。

論点(3)

(D)評価の客観性は、システムのなかに組み込まれていない。

教育委員会は、地位確認請求訴訟(平成19年(行ウ)第81号、第102号、第168号)平成20年4月8日付け「訴えの変更に対する答弁書」11頁で、「(自己申告票未提出者について)自己申告票による目標の設定等の手続きなしに業績評価を行おうとしても、目標設定等の客観的基準がないために、結局校長の主観的判断により業績評価を行うことになる。そして、この場合、府教委が別に業績評価の基準を作成したとしても、基本的に校長の主観的評価であることに変わりがなく、また、校長の主観による業績評価を行う場合は、能力評価との区分が曖昧になるおそれがある。しかも、能力評価、業績評価及び総合評価がともに校長の主観により行われることになれば…」と述べている。

この文面で教育委員会は、(a)能力評価及び総合評価は、「校長の主観により行われる」こと、(b}手引き(2)10頁、11頁の教諭・講師(実習担当)・実習助手に対する能力評価の評価基準等(評価基準・評価要素/判断基準・着眼点・着眼点の例)は、府教委が別に作成した基準であるので客観的基準でないと自ら認めている。業績評価について「目標設定等の客観的基準」あるので、客観的であると主張するが、手引き(1)9頁、10頁「評価について」を読むと、「目標ごとの達成状況の判断」「業績の評価」とも「最終的には校長が主観的に判断する」と解釈できる。教育活動を総合的に評価することは至難であることは、教育委員会も理解していて、それを無理やり評価するには、評価しやすいように「単年度で切り取り、教育活動のごく一部に焦点を当てる」必要があった。それが「目標設定」の真の理由で、決して「客観的基準」などではない。

上記の私の論証と視点は異なるものの、アンケートは「評価の公平性・客観性・透明性」について、多くの問題点を指摘している。

0276:専門性の高い第三者評価機関の導入。

0319:職階制をもっときっちり整備する。校長が何十人も評価すること自体に無理がある。

0225:1年を通じて、全教職員(50〜60人)を観察しているつもりだが、やはり、対象の数の多さから、客観性・透明性に無理があることも事実である。

評価の公平性・客観性・透明性をより向上するための具体の改善策の指摘や、「現行システムでは、客観的・公平な評価は不可能である」と指摘する校長・准校長や、システム自体を否定・疑問視するものもある。

さらに、「評価の公平性・客観性・透明性をより向上するためには、どのような改善を行うべきだと思いますか。当てはまるものをすべて選択してください。」に対して、「評価基準をよりわかりやすくする」を選んだ評価者が、府下全体で90.5%もいる事実は、「評価基準が、評価者にとって曖昧である(=客観性に欠ける)」ことを示している。同じ項目を選んだ被評価者は77.1%で、評価者の方が13.4%も高いことからも、「評価者の、評価基準の客観性に対する自信のなさ」が伺われる。

また、過去の異議申立についての実施機関の弁明書に対する反論書で、私は次のように主張した。

「教職員の評価・育成システム」における「業績評価」に基準は、すべて文章表記で、評価者の「主観」によりどのようにでも変わるものである。「SとA」「AとB」「BとC」「CとD」の境界はどこにあるのか、おそらく「評価者」である校長でさえ合理的な説明はできないだろう。このような「評価の主観性、恣意性、曖昧さ」は、校長におべっかを使う「ゴマすり教職員」を生み出す温床となる。そして、多くの校長が「ゴマすり教員」を重用するため、「良心的な教員」との間に深い溝が生じ、学校全体が不信感・無力感で覆われ劣化していく。

この点に関して、校長・准校長はアンケートで、私の主張を裏付けている。

以上の点を踏まえ、私の主張「評価の客観性は、システムのなかに組み込まれていない。」について、教育委員会の弁明を求める。

論点(4)

システムの「手引き」(1)9頁には、「評価は、業績評価と能力評価、及びその結果に基づく総合評価とし、各評価とも絶対評価とします」とあり、大阪府情報公開審査会の答申(大公審答申第199号)15頁にも、「評価・育成システムにおける評価は、すべて絶対評価であり、5段階の評価区分(S、A、B、C、D)ごとの割合は定められていないとある。

しかし、アンケート「Q5-3給与反映以降、評価に変化がありましたか。」の選択肢に「上位評価区分(S、A)50%以内を意識するようになった」を設けたことで、「絶対評価でない」ことを教育委員会自身が認めてしまっている。

過去の「異議申立書」からの引用「大阪府人事委員会は、S+Aの合計比率が5割を超えないように、規則で定めている。現に教育委員会は、市町村教育委員会に対して5割を超えないように指導していると聞いている。また市町村によっては5割を超えている学校に指導が入っているとも聞く。これは、「評価は絶対評価である」という教育委員会の主張と相容れないものである。

その点について、11名もの校長・准校長が、「絶対評価ではない」実態を証言している。

「手引き」(1)9頁の「評価は、業績評価と能力評価、及びその結果に基づく総合評価とし、各評価とも絶対評価とします」という記述と、「S+A」の合計比率が5割を超えない」ということには絶対的な矛盾がある、という点について教育委員会の弁明を求める。

論点(5)

過去の「異議申立書」からの引用、「教職員の評価・育成システム」はきわめて杜撰な制度設計だと言わざるをえないが、評価結果に納得できない場合、「苦情申出」の制度がある。では、「苦情申出」は「評価の公正性・公平性に資すること(手引き(1)21頁)ができるだろうか。

(a)苦情審査会の構成は教育監、教育振興室長、総務企画課長、教職員室長、教職員人事課長の5名で全て教育委員会の職員で占められている。いわば身内だけの審査で、果たして「公平・公正」な審査ができるのか、出来ると言うのならその理由と、これまでの苦情申出の総件数、そのうち教職員の主張が認められたものの件数を示してもらいたい。

(b)手引き(1)23ページ「苦情対応要領」には「審査会は、申出事案にかかる評価結果が、事実に基づき、評価基準等に照らして評価されているかどうかを審査する」とある。審査会に提出される書類は、a校長からの「評価・育成シート」、b教育委員会企画課の調査員が校長より聞き取りまとめた調書」(以下「校長調書」という)、c教職員の「苦情申出書」(調査員による書き込み有り)・「評価者調書に対する追加意見」である。教職員が「苦情申出」で述べている事実と、「校長調書」で述べられている事実が相反する場合、苦情審査会は何を持って判断するのか。

(a)の「いわば身内だけの審査で、果たして「公平・公正」な審査ができるのか、出来ると言うのならその理由と、これまでの苦情申出の総件数、そのうち教職員の主張が認められたものの件数を示してもらいたい。」について、教育委員会は過去の弁明書では何も答えていない。私が入手した苦情審査会議事録によれば、2007年48件、2008年27件、2009年16件、2010年18件、計109件のうち、審査対象となった108件全て結論は、「校長(准校長)の評価は妥当である」であった。理由は、2007年48件・2008年27件は全て「苦情申出内容に対して、校長(准校長)から聴取した内容を審査したところ、評価結果を不当とする事実が認められなかったため。」であった。2009年・2010年については約3分の1、「苦情申出内容に対して、校長(准校長)から聴取した内容を審査したところ、評価結果を変更すべき理由が認められなかったため」が理由に付け加わったが、「不当とする事実」と「変更すべき理由」に違いはあまりない。

これでわかることは、「苦情審査会は校長の評価に御墨付きを与えるための機関」であり、決して(手引き(1)21頁)「評価結果に対する苦情の申出及びその取り扱いに関する要綱」第2条にある「苦情対応は、評価結果に対する被評価者と評価者の共通認識の形成に寄与することにより、学校における信頼関係の醸成をはかるとともに、評価の公正性・公平性に資するもの」ではないことである。なぜなら、(1)108件もの評価に対する苦情(異議)申立がすべて却下されている事実は、それだけで「苦情審査会」の欺瞞性を十分証明している。(2)(b)で「審査会に提出される書類は、a校長からの評価・育成シート、b教育委員会企画課の調査員が校長より聞き取りまとめた調書、c教職員の苦情申出書・評価者調書に対する追加意見、である。教職員が「苦情申出」で述べている事実と、校長調書で述べられている事実が相反する場合、苦情審査会は何を持って判断するのか。」と過去の「異議申立書」で問うたが、教育委員会は無視することで逃げた。苦情(異議)申立を却下した理由が二通りだけしかなく、「苦情申出内容に対して、校長(准校長)から聴取した内容」に「評価結果を不当とする事実が認められ」るかどうか、「評価結果を変更すべき理由が認められ」るかどうかを審査するために、「校長(准校長)から聴取した内容」(校長の言い訳)が常に優先される構造になっている。これでは、教職員の苦情(異議)申立が認められるはずがない。「教職員が「苦情申出」で述べている事実と、校長調書で述べられている事実が相反する場合、苦情審査会は何を持って判断するのか。」について、教育委員会の弁明を再度求める。

論点(6)

過去の「異議申立書」からの引用、「教職員の評価・育成システム」による評価は、ボーナス・昇給・年金にリンクしているため、教職員に対し、一生涯影響を与える。従って、万に一つも評価の誤りは許されない。

評価結果に給与反映について、アンケートでは「Q5-1評価結果の給与反映により、意欲・資質能力の向上につながっていると思いますか」に対し、74.1%(府下全体)もの評価者が否定的な意見であった(被評価者は82.8%)。その点について府立学校の校長・准校長は、実に37人(回答者の21.1%)が否定的な意見を書いていて、給与反映の弊害が大きいことを示している。

また、「Q5-3給与反映以降、評価に変化がありましたか。当てはまるものをすべて選択してください」(評価者のみ回答)では、「評価が厳しくなった12.2%、評価が甘くなった9.7%、下位評価を付け難くなった40.0%、上位評価区分(SA)50%以内を意識するようになった35.5%、特に変化ない28.8%(すべて府下全体)」と、70%以上の評価者が「給与反映により、影響があった」と証言している。この項目では、次のように書いている府立学校の校長・准校長もいる。

0284:絶対評価であるのにSA50%以内は構造的欠陥である。これなら相対評価に改めるべき。

0685:育成という観点から言うと、その効果があれば年々高い評価を与える者が増加する。また、S・A・Bを増すよう指導すべきである。50%以内の制限することと矛盾する。

さらに、「Q5-4評価結果が給与に反映されたことに伴う影響として、当てはまるものをすべて選択してください。」では、「『短期的に成果が出やすい』『容易に達成できる』といった目標設定が増えた」(評価者23.9%、被評価者11.9%)、「目標設定以外の職務や目立たない職務にかかわらない教職員が増えた」(評価者11.4%、被評価者18.1%)と、「教育現場に悪影響を与えている」実態が明らかになった。

これについて、府立学校の校長・准校長は、次のように証言している。

0230:何でも評価の対象として考え合うサツバツとし雰囲気が生まれた「絶対評価」などというマヤカシは言わないで、給与反映については校内業務でより働いたものがより高く評価される相対評価にすべき。

アンケート結果、及び校長・准校長の記述から明らかなように、評価結果の給与反映は、職員の意欲・資質能力の向上につながっていないだけでなく、7割以上の評価者の評価に影響を与えている。つまり、私の主張した「教職員の評価・育成システムによる評価は、ボーナス・昇給・年金にリンクしているため、教職員に対し一生涯影響を与える。従って、万に一つも評価の誤りは許されない。」という状況とは、程遠い実態になっていることは明らかだ。これは、SABの昇給格差をなくす(しかも低いBに合わす)という、小手先の改定では決して済まされない事態である。この点について、教育委員会の弁明を求める。

まとめ

大阪府情報公開条例第8条第1項第4号では、(公開しないことが出来る行政文書として)「…人事管理…の事務に関する情報であって、公にすることにより、当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの(下線は異議申立人によるもの。以下同じ。)」とあり、「これらの事務」とは本件では教職員の評価を指し、それが「公正かつ適切」に執行されなければならないとしている。それに対し、教育委員会は「大阪府情報公開条例第8条第1項第4号に該当する」として、「本件行政文書(非公開部分)には、個人の業績評価、能力評価、総合評価、評価結果の集計等が記載されており、これらの惰報は、教職員の評価・育成システムに関する人事管理情報であって、これらの情報が公になると他校の分布と比較されることにより、校長が自分の評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがあるなど、人事管理に関する事務の遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある」と述べ、「評価は適正にされなければならない」ことを理由に、公開を拒否している。

私は「教員評価・育成システムで「これらの事務(=教職員の評価)の公正かつ適切な執行」がなされていないことを、以下の6点で明らかにしてきた。特に、(1)〜(4)では、実際にシステムを運用している校長・准校長の証言を引用し、私の意見だけでなく、実際にシステムを運用している側からも、「これらの事務(=教職員の評価)の公正かつ適切な執行」がなされていない実態を明らかにした。校長・准校長の代表的意見を1〜2再掲する。

(1)全教職員を「公平・公正」に評価することは、物理的に不可能である。

(2)校長が多数の教職員の「職務全般」を把握するのは不可能である。

(3)評価の客観性は、システムのなかに組み込まれていない。

(4)「手引き」19頁の「評価は、業績評価と能力評価、及びその結果に基づく総合評価とし、各評価とも絶対評価とします」という記述と、「S+Aの合計比率が5割を超えない」ということには絶対的な矛盾がある。

(5)教職員が「苦情申出」で述べている事実と、校長調書で述べられている事実が相反する場合、苦情審査会は何を持って判断するのか。

(6)アンケート結果、及び校長・准校長の記述から明らかなように、評価結果の給与反映は、職員の意欲・資質能力の向上につながっていないだけでなく、7割以上の評価者の評価に影響を与えている。つまり、私の主張した「教職員の評価・育成システムによる評価は、ボーナス・昇給・年金にリンクしているため、教職員に対し一生涯影響を与える。従って、万に一つも評価の誤りは許されない。」という状況とは、程遠い実態になっていることは明らかだ。これは、SABの昇給格差をなくす(しかも低いBに合わす)という、小手先の改定では決して済まされない事態である。この点について、教育委員会の弁明を求める。

過去の「異議申立書」に対する「弁明書」では、「異議申立人は、異議申立書の中で、様々な質問を提起し、回答を求めているが、これらについては、本件行政文書の情報公開とは全く関係のないものであり、弁明の必要はないと判断する」と、私の主張を完全に無視して、説明責任から逃げた。「これらの情報が公になると他校の分布と比較されることにより、校長が自分の評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがある」という理由で公開を拒否する以上、教育委員会は「評価が適正に行われている」ことを説明する義務があり、かつ「評価が公正かつ適切に執行されていないという私の論証に逐一反論する義務がある。

次に、請求している情報の公開が、「これらの事務(=教職員の評価)の公正かつ適切な執行」に有益であることを述べる。現状のように、各校長(准校長)の評価の実態がブラックボックスに入っていて外部から何もわからず、苦情申出をしても一方的に校長(准校長)に有利な制度のもとでは、校長(准校長)は「安心して」恣意的な評価ができる。評価結果の分布を公表することは、自分の評価に対する批判などを意識」することで校長(准校長)に緊張感を与え、より適切な評価を行おうという動機付けになる。つまり、それは「人事管理に著しい支障を及ぼす」のではなく、むしろ良い影響を与えると考えるのが合理的である。また、他校の分布を知ることは、「他校は甘い評価をしているのではないか」という、次のような校長(准校長)間の疑心暗鬼を少なくすることにも寄与する。

大阪府情報公開条例第8条第1項第4号では、(公開しないことが出来る行政文書として)「…人事管理…の事務に関する情報であって、公にすることにより、当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの」と規定しており、また教育委員会も、「大阪府情報公開条例第8条第1項第4号に該当する」として、「本件行政文書(非公開部分)には、個人の業績評価、能力評価、総合評価、評価結果の集計等が記載されており、これらの情報は、教職員の評価・育成システムに関する人事管理情報であって、これらの情報が公になると他校の分布と比較されることにより、校長が自分の評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがあるなど、人事管理に関する事務の遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある」と述べ、ともに「著しい支障」という限定をつけている。評価結果の分布を公表することで、校長(准校長)が「自分の評価に対する批判などを意識」することは、可能性としては無くはない。しかし、校長・准校長による評価は、「給与反映」により既に「適正な評価が困難」になっている。また、「SAの上限50%枠の設定」によってシステムの前提がくずれ、評価事務の遂行に「著しく支障」が起きている。それらをなくすには、「給与反映」と「SAの上限50%枠の設定」の撤廃しかない。また、校長研修等で、「自分の評価に対する批判などを意識」せず「公正な評価」を行うように指導することは、十分可能である。少なくとも、「著しい」支障が出ないようにはできるはずだ。その程度の指導が出来ないほど、教育委員会は自らの指導力に自信がないのだろうか。

なお「公開しない理由」の「大阪府情報公開条例第9条第1号に該当する」(部分)については、部分公開された文書1頁(校長、教頭の表)をさすという説明なので、この異議申立では争わない。

最後に、私がまとめた校長・准校長の生の声を、前掲のものも含め載せておく(略)。システムが導入されて以来、自己保身に汲々としている教育委員会・管理職及び一部の教職員を見てきた。

しかし、175名の校長(准校長)アンケ一ト個票を全て読んで、教育に対し良心を失っていない校長・准校長が相当数いることに、わずかながら希望を持つことができた。教職員・管理職に膨大な時間とエネルギーを費やさせておきながら、学校教育の向上にあまり繋がっていず、逆に悪影響を及ばしている「教職員に対する評価・育成システム」が、一目も早く廃止されることを、大阪府で32年間教育に携わった者として、切に望みます。

 

2 反論書における主張要旨

教育委員会は「弁明書」で、私が異議申立書の「異議申立ての理由」で提起した(1)〜(6)の論点に、「また、異議申立人は、様々な質問を提起し、回答を求めているが、これらについては、本件行政文書の公開と全く関係のないものであり、弁明の必要はないものと判断する。」と述べるのみで、「説明責任」を放棄している。しかし、教育委員会が「公開しない理由」を、「大阪府情報公開条例第8条第1項第4号に該当する」として、その理由を「本件行政文書(非公開部分)には、個人の業績評価、能力評価、総合評価、評価結果の集計等が記載されており、これらの情報は、教職員の評価・育成システムに関する人事管理情報であって、これらの情報が公になると、他校の分布と比較されることにより、校長が自分の評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがあるなど、人事管理に関する事務の遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある」と述べ、「評価は適正にされなければならない」ことを理由に公開を拒否している以上、「評価が適正にされているかどうか」を検証した私の論点は、「本件行政文書の公開と全く関係のない」どころか、その核心をなすものである。私が今回提出した、教育委員会による「教職員に対する評価・育成システム」(以後、「システム」という)に関するアンケート(以後、「アンケート」という)結果、特に府立学校長・准校長による記述部分は、評価を直接担当している学校長・准校長のものだけに、「評価が適正にされているかどうか」判断する第一級の証拠であり、教育委員会にとって決して無視できないものである。

私が「異議申立書」で提起した6つの論点が、「本件行政文書の公開と全く関係のない」ものかどうか、審査会の見解を求めます。

(1)学校長・准校長が全教職員を『公平・公正』に評価することは、物理的に不可能である。

アンケートに回答した校長・准校長175人のうち、実に35人(回答者の2割)が「評価する人数が多すぎる」と言っている。評価が「難しい」、「困難」、「厳しい」、「無理がある」、「バカげ」ている、「不可能」である、「限界」があるなど、「現行システムの致命的欠陥」を非常に強い調子で指摘している。これらはすべて、校長・准校長が記述欄に自発的に記入したものであり、2割の校長・准校長が、アンケート項目にない事項で、期せずして同じような内容の訴えをしている事実は、その訴えが真実をついていることを示している。それは、システムの「公平性・公正性」が、事実上破綻していることを証明している明確な証拠である。もともと「公平性・公正性」が保証されていないのに、「これらの情報が公になると、他校の分布と比較されることにより、校長が自分の評価に対する批判などを意識して適正な評価を行うことが困難になるおそれがある」との主張は、意味がない。

(2)校長・准校長が多数の教職員の『職務全般』を把握するのは、不可能である。

・評価者が正確に評価するには、常に同じ室で常にその人の仕事ぶりを見ることができる場合に限られる。

・校長、教頭が60名以上の評価を行うのは限界がある。研修で事例を挙げ、ひとつひとつプラスorマイナスの判定を行い総合して能力評価を行うことやっている。一人の教員の年間の活動を2人で全て観察し、拾い上げることは不可能である。

などと、教職員と接点が少ない府立学校校長・准校長が評価することは、現実的に無理があると、システムの欠陥を(前述のアンケートにおいて)指摘している。

(3)評価の客観性は、システムのなかに組み込まれていない。

・職階制をもっときっちり整備する。一人で評価できる限界は10人程度であり、いくら公平性・客観性・透明性といっても。校長が何十人も評価していること自体に無理がある。

・1年を通じて、全教職員(50〜60人)を観察しているつもりだが、やはり、対象の数の多さから、客観性・透明性に無理があることも事実である。

・評価するとともに、育成していくことは不可欠だと思っていますが、教育の成果は10年・20年経って実を結ぶこともあり、単年度ですべてが評価できないという苦しさがある。

など、アンケートにて意見が出され、さらに、「評価の公平性・客観性・透明性をより向上するためには、どのような改善を行うべきだと思いますか。」に対して、「評価基準をよりわかりやすくする」を選んだ評価者が、府下全体で90.5%もいる事実は、「評価基準が、評価者にとって曖昧である(=客観性に欠ける)」ことを示している。また次の記述は、「評価基準が、評価者にとって曖昧である(=客観性に欠ける)」を裏付けている。

・AとBの境界が曖昧になってしまう。校長としての評価の基準を示すことが最も難しいことである。  

・5段階評価のせいで大半の先生方をAかBどちらかに評価せざるを得ないが、評価する側もされる側も実感としてAとBの区分が明確でないから。

(4)「S+Aの合計比率は5割を超えない」という大阪府人事委員会の基準と、「各評価とも絶対評価とします」というシステムの「手引き」の記述には、矛盾がある。

システムの「手引き」(1)9頁には、「評価は、業績評価と能力評価、及びその結果に基づく総合評価とし、各評価とも絶対評価とします」とあり、審査会の答申にも、「すべて絶対評価であり」とあるが、アンケート「Q5-3給与反映以降、評価に変化がありましたか。」の選択肢に「上位評価区分(S・A)50%以内を意識するようになった」を設けたことで、「絶対評価でない」ことを教育委員会自身が認めてしまっている。

・高く評価したい場合S・A評価50%以内という制約があるので、適正さについて疑問を感じるところがある。

などと、「絶対評価ではない」実態を証言している。

(5)「苦情申出」の制度には、致命的な欠陥がある。

(a)苦情審査会の構成は5名全て教育委員会の職員で占められている。いわば身内だけの審査で、「公平・公正」な審査ができるはずがない。2007年〜2010年4年間の計109件のうち、審査対象となった108件全て結論は、「校長(准校長)の評価は妥当である」であった。

(b)(5)手引き(1)23ページ「苦情対応要領」には「審査会は、申出事案にかかる評価結果が、事実に基づき、評価基準等に照らして評価されているかどうかを審査する」とあるが、教職員が「苦情申出」で述べている事実と、「校長調書」で述べられている事実が相反する場合、苦情審査会は何を持って判断するのか。苦情(異議)申立を却下した理由は、「苦情申出内容に対して、校長(准校長)から聴取した内容を審査したところ、評価結果を不当とする事実が認められなかったため。」、「苦情申出内容に対して、校長(准校長)から聴取した内容を審査したところ、評価結果を変更すべき理由が認められなかったため。」のいずれかである。「苦情申出内容に対して、校長(准校長)から聴取した内容」に「評価結果を不当とする事実が認められ」るかどうか、「評価結果を変更すべき理由が認められ」るかどうかを審査することから、「校長(准校長)から聴取した内容」(=校長の言い訳)が常に優先される構造になっている。これでは、教職員の苦情(異議)申立が認められるはずがない。

(6)評価の給与反映は、「職員の意欲・資質能力の向上」につながっていないだけでなく、校長・准校長の評価に悪影響を与えている。

評価結果に給与反映について、アンケートでは「Q5-1評価結果の給与反映により、意欲・資質能力の向上につながっていると思いますか」に対し、74.1%(府下全体)もの評価者が否定的な意見であった。

その点について府立学校の校長・准校長は、

・教職はそもそも教員のボランティア性に依拠した職種である。職務怠慢などをなくする事は必要だが、教員のボランティア性をそこなうものであってはならない。

・生徒・保護者にとって(全てとは限らない)B評価の教員がS評価の場合もある。

・評価結果の給与反映により、結果の出やすい安易な目標設定や抽象的な目標設定が多くなり、具体的な目標設定や、やや難しい目標設定が行われなくなっている。

・かなりの職員が懸命にとりくんでいるが、SやAの人数をしぼり込む必要もあり、B中心となる。

など、給与反映の弊害がそれだけ大きいことを示している。アンケート結果、及び校長・准校長の記述から明らかなように、評価結果の給与反映は、職員の意欲・資質能力の向上につながっていないだけでなく、7割以上の評価者の評価に影響を与えている。「適正な評価を行うことが困難になるおそれがある」というなら、評価結果の給与反映をやめるべきである。

以上6項目は、「適正な評価を行うことが困難になるおそれ」ではなく、実際に「適正な評価を行うことが困難」、または「不可能」になっていることを、評価当事者の校長・准校長が証言している「事実」である。

(7) この反論書は、本来2011年6月21日を締め切りに提出することになっていた。しかし、私は先に「『教職員の評価・育成システム』における2006年、2007年の東淀川高校のS・A・Bの全教職員(校長・事務長を除く)の評価分布(人数・%)」の公開を求め、答申を待っているところであった。その答申次第で、当反論書の内容が変わるため、審査会事務局に要請して、答申が出るまで待ってもらうことになった。何度も事務局に答申を催促したが、答申(大公審答申208号)を受け取ったのは10月5日(答申は10月3日付け)であった。なぜ半年以上も答申が出ないのか、審査会として説明をしてもらいたい。公開を求めている情報の中には、時期を逸したらその意義がなくなるものも存在する。特別の事情がない限り、公開請求から答申まで1年以上かかるのは、情報公開の趣旨に違反しているのではないか。

前述の大公審答申208号の答申で審議会は、退職校長による評価分布の公開を拒否する理由として「当該校長は、離職後もなお継続する可能性がある被評価者等との個人的な人間関係を考慮し、あるいは、校長時にした行為に対する社会的な批判を意識し、これを回避しようとする行動にでることは容易に予想される」と主張している。

まず、「離職後もなお継続する可能性がある被評価者等との個人的な人間関係を考慮し」について、高校現場の実態を全く理解していない。高校では在職中でさえ、殆どの教職員と校長との「個人的な人間関係」はない。校長と教員の間の「個人的な人間関係」が「離職後もなお継続する可能性は、さらに少ない。稀にあるとしても、それは校長とよほど仲が良かった教員(=校長の側近)に限られ、その場合も、評価結果S,A,Bの分布の公表が、その人間関係に影響を与えるとは考えられない。校長は、在職中に個人評価をしており、そちらの方が「可能性」としてではなく「事実」として、「個人的な人間関係」に悪影響を与えている。評価することで、教職員との関係に悩む校長・准校長の苦悩が、アンケートにも書かれている。

次に、「校長時にした行為に対する社会的な批判を意識し、これを回避しようとする行動にでることは容易に予想される」について、評価結果S,A,Bの分布の公表を退職後に公表することで、「社会的な批判」がどうして起こるのか。「容易に予想される」というなら、そのメカニズムを明らかにしてもらいたい。

これらの審査会の理由は、第三者の批判に全く堪えないものである。4名もの優秀な審査会委員の先生方が、本当にご自身で考えられたのか、この理由で全員が合意されたのか疑う。

(8)私が直接知っている受験生が、2010年度に大阪府の高校教員に採用された。その受験生は、学生時代「学力的」には最低ランクで、誰がみても高校教員になれる「知的能力」を持っているとは思えない学生であった(人間的評価は別である)。「大阪の採用試験がそこまで易しくなっているのか」と、私は愕然とした。

インターネットで調べられる範囲で、大阪府公立学校採用試験について調べてみた。給与反映された2007年度以降では、教育委員会直轄の高校・高等部の落ち込みが、採用人数が増えたことを考慮しても、激しすぎる。

現段階で言える事は、採用された高校の国語・数学の教員の中には、「大学入試問題がまともに解けない(=生徒より学力が低い)教員が相当数いると思われる」いうことである。また、毎年1割〜2割近くの合格者が、大阪府の公立学校教員になっていないのも気になる。

大阪府の教員の給与は、橋下府政のもと全国最低ランクになった。本来擁護すべき部下(府職員・教員)をたたくことで、橋下氏は府民の支持を集めることに成功した。早期退職や他府県への転出など、大阪府の公立学校から逃げる教員が増加し、残っている教員も管理強化と低賃金でやる気や自主性を無くしていると聞く。その上、新たに教員になる者のレベルが低下していくなら、大阪の公教育の未来は暗い。その一番の被害者は、子供達である。

(9)「大阪府情報公開条例」前文より、「情報の公開は、府民の府政への信頼を確保し、生活の向上をめざす基礎的な条件であり、民主主義の活性化のために不可欠なものである。府が保有する情報は、本来は府民のものであり、これを共有することにより、府民の生活と人権を守り、豊かな地域社会の形成に役立てるべきものであって、府は、その諸活動を府民に説明する責務が全うされるようにすることを求められている。

このような精神のもとに、府の保有する情報は公開を原則とし、個人のプライバシーに関する情報は最大限に保護しつつ、行政文書等の公開を求める権利を明らかにし、併せて府が自ら進んで情報の公開を推進することにより、「知る権利」の保障と個人の尊厳の確保に資するとともに、地方自治の健全な発展に寄与するため、この条例を制定する。」

大阪府情報公開審査会は、この前文の精神を真摯に受け止めて、行政の論理に与することなく、合理的で納得できる判断とその根拠を出していただきたい。

 

3 口頭意見陳述における主張要旨

・一人の校長が60人からの教職員全員を評価することは難しい、又は、不可能であると、各校長は、教育委員会実施のアンケートにて回答している。各学校の評価分布が公になると、公平な評価に支障があるというが、そもそも出来ていないことは明らかである。(教育委員会が主張する論理の前提として、)公平な評価が出来ていること(証明)を教育委員会に問うても、情報公開とは関係無いとして、説明を行わない。

・昨今、大阪の教育は大きく変わろうとしている中で、教職員の評価の実態を明らかにすることは社会的に重要である。

・何もかも隠されると、行政へのチェックが出来ない。行政権力の濫用へのチェックのために、情報公開制度があるので、ご審議をよろしくお願いしたい。

・先の私の異議申立への答申(大公審答申208号)についての大きな方向性の審議が定まったと、情報公開審査会事務局に聞いてから、約半年間も実際の答申手交を待たされた。なぜ半年以上も答申が出ないのか、審査会として説明をしてもらいたい。公開を求めている情報の中には、時期を逸したらその意義がなくなるものも存在する。

・本件の情報について公開されると、本当に、条例第8条第1項第4項の「著しい支障」があるのか、ご審議いただいて、答申の中でお示し願いたい。

 

 

第五 実施機関の主張要旨

実施機関の主張は概ね以下のとおりである。

 

1 教職員の評価・育成システムについて

(1)実施機関は、平成14年7月、「教職員の資質向上に関する検討委員会」から、「教職員全般の資質向上方策」について最終報告を受けた。この最終報告の中で、教職員の意欲と資質能力を高め、教育活動をはじめとする学校の様々な活動を充実し、学校を活性化する方策として提言されたのが「教職員の評価・育成システム」(以下「システム」という。)であり、試行実施を経て、平成16年4月16日に開催された大阪府教育委員会会議で、府立学校に勤務する教職員を対象とした「府立の高等専門学校、高等学校等の職員の評価・育成システムの実施に関する規則」(平成16年大阪府教育委員会規則第12号)(以下、「システム実施規則」という。)を新たに制定し、平成16年度以降は、これら規則に基づいて実施している。

地方公務員法第40条第1項には「任命権者は、職員の執務について定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならない。」とあり、実施機関においては、平成16年4月16日付けで旧勤評規則を廃止し、平成16年度以降、システムの評価結果をもって地方公務員法第40条第1項に規定する勤務評定として実施している。

評価結果の給与への反映については、平成19年度から、前年度の評価結果を昇給及び勤勉手当における勤務成績の判定に活用することとし、職員の給与に関する条例、府人事委員会規則の改正や実施機関による「勤務成績に応じた昇給の取扱いに関する要領」等を制定するなど必要な規定整備を行い、各府立学校長に通知し、全ての教職員に周知している。

(2)システムは、システム実施規則に基づき、自己申告と面談を基本に実施しており、府立学校における教諭の評価者については、1次評価者は教頭、2次評価者は校長としている。

各教職員は、学校や校内組織の目標達成に向け、各自が年間を通じて取り組む目標を設定し、自己申告票(設定目標等)を作成して育成(評価)者である校長に提出する。教職員の設定目標は、自己申告票をもとに、育成(評価)者との面談によって決定される。

教職員から提出された自己申告票に対して、育成(評価)者は、児童生徒や保護者、同僚教職員などの意見も参考にしながら評価を行う。

評価では教職員の自己申告を踏まえ、設定された個人目標の達成状況を判断して「業績評価」として評価し、また、職務全般の取組みを対象に、教職員の日常の業務の遂行を通じて発揮された能力を「能力評価」として評価する。その上でこれらの評価をもとに「総合評価」が行われる。

評価は、いずれもA・B・Cの3段階を基本にS・Dを加えた5段階(S・A・B・C・D)の絶対評価でなされ、評価の結果は年度末に教職員本人に開示され、取り組みの改善や、次年度の目標設定に生かすこととされている。

 

2 本件行政文書について

(1)府立学校長からの評価結果の報告

各府立学校長は、システム実施規則第12条第1項に基づき、システムに係る評価結果について、教育委員会に報告することとなっており、平成20年度及び平成21年度は評価結果入力システムを用いて、所属教職員の「業績評価」、「能力評価」、「総合評価」及び評価結果のない職員については、対象外区分のデータを入力後、教育委員会に提出している。

(2)本件行政文書の記載内容及び出力について

本件行政文書の記載内容は以下のとおりである。

2008年度及び2009年度職員の評価総括表(集計表)には、「学校名」、「課程等」、「校長名」が記載され、また「総職員数」、「対象外の者の数(注2)」、「対象者数」の項目別集計表及び、「対象者の評価結果集計」の表があり、2つの表の集計は、上記(1)で、各校長が入力したデータをもとに作成されるものであるが、入力完了と同時に集計されて出力されるものではなく、入力完了後、以下の作業を行うことにより、評価対象外の者の数、自己申告票の不提出者の数、「業績評価」、「能力評価」及び「総合評価」の評価区分(S、A、B、C、D)ごとの集計表等が出力できる仕組みになっている。

・別の作業メニューから、帳票指示を行い、帳票配信システムへデータを移動する。

・入力システムとは別の、帳票配信システムから、移動されてきたデータを基に作成された集計表を出力する。

この集計表についても、各校長がそれぞれの学校の入力結果に誤りがないかどうかを点検、確認するための便宜として、作成できることとしたものであるが、実施機関としては、必要としていない情報であり、各校長に対して、集計表を出力の上、実施機関へ提出する指示は行っておらず、実施機関としても出力していない。

なお、実施機関では、各校長が入力したデータを集約して、府立学校全体の評価結果を毎年公表しているところである。 

 

3 本件処分理由について

(1)本件処分は、本件行政文書のうち、

マル付き数字1 2008年度及び2009年度職員の評価総括表(集計表)における、「対象外の者の数(注2)」、「対象者数」の集計欄の情報

については、条例第9条第1号に該当することから、また、

マル付き数字2 2008年度及び2009年度職員の評価総括表(集計表)における、「対象者の評価結果集計」の集計欄

については、条例第8条第1項第4号に該当することから部分公開としたものであるところ、異議申立人は、異議申立書で、条例第9条第1号に該当する部分については、この異議申立では争わないとしていることから、本件行政文書のうち、条例第8条第1項第4号に該当することから部分公開とした部分(マル付き数字2)(以下「本件情報」という。)について弁明することとする。

また、異議申立人は、異議申立書の中で、様々な質問を提起し、回答を求めているが、これらについては、本件行政文書の情報公開とは全く関係のないものであり、弁明の必要はないものと判断する。

(2)条例第8条第1項第4号の該当性について

教職員の評価は、前述のとおり、校長が個々の教職員ごとに、その業績及び能力について、絶対評価を行うことにより実施している。

本件情報を公開すると、学校間の評価結果の分布を比較することが可能となり、評価者(校長)ごとの評価分布の異同が明らかになることから、個々の評価者にとっては、自身の評価に対する批判を避けようとする心理や、あるいは他校とのバランスを図ろうとする心理が働き、所属教職員の評価に予断が生じることが考えられるなど、システムの公正かつ適切な運用に著しい支障を及ぼすおそれがある。

また、学校ごとの評価の分布の差が、所属教職員の資質・能力の差であると受け取られ、ひいては、学校自体の優劣を示すものと、府民に誤解されるおそれがある。そうすると、所属教職員や在校生等に対する偏見を生み、あるいは、学校の序列化につながるなど、今後の学校運営に著しい支障を及ぼすことも考えられる。

本件情報は、教職員の人事管理に関する情報であって、公にすることによって、府民に誤解を与えるなど、当該及び同種の事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれがある情報に該当する。

なお、実施機関においては、こうした事務執行上の支障を回避するため、学校ごとの評価結果は公表せず、全府立学校全体の評価分布を公表しているところである。

 

4 結 論

以上のとおり、本件処分は、条例の規定に基づき適正に行われたものであり、何ら違法又は不当な点はなく、適法かつ妥当なものである。

 

 

第六 審査会の判断理由

1 条例の基本的な考え方について

行政文書公開についての条例の基本的な理念は、その前文及び第1条にあるように、府民の行政文書の公開を求める権利を明らかにすることにより「知る権利」を保障し、そのことによって府民の府政参加を推進するとともに府政の公正な運営を確保し、府民の生活の保護及び利便の増進を図るとともに、個人の尊厳を確保し、もって府政への信頼を深め、府民福祉の増進に寄与しようとするものである。

このように「知る権利」を保障するという理念の下にあっても、一方では公開することにより、個人や法人等の正当な権利・利益を害したり、府民全体の福祉の増進を目的とする行政の公正かつ適切な執行を妨げ、府民全体の利益を著しく害することのないよう配慮する必要がある。

このため、条例においては、府の保有する情報は公開を原則としつつ、条例第8条及び第9条に定める適用除外事項の規定を設けたものであり、実施機関は、請求された情報が条例第2条第1項に規定する行政文書に記録されている場合には、条例第8条及び第9条に定める適用除外事項に該当する場合を除いて、その情報が記録された行政文書を公開しなければならない。

 

2 評価・育成システムについて

実施機関は、教職員の自己申告による個人目標の設定(自己申告票の作成)や上司との面談等を内容とするシステムを2年間にわたる試験的実施と試行実施を経て、平成16年度から本格的に実施している。

評価・育成システムは、実施規則に基づき運営されている。府立学校における教諭の評価者については、1次評価者を教頭、2次評価者を校長とし、具体的な評価においては、教職員の自己申告を踏まえ、設定された個人目標の達成状況を判断して「業績評価」として評価し、また、職務全般の取組みを対象に教職員の日常の業務の遂行を通じて発揮された能力を「能力評価」として評価する。その上でこれらの評価をもとに「総合評価」が行われる。

なお、実施機関においては、評価・育成システムの評価結果をもって地方公務員法第40条第1項に規定する勤務成績の評定とし、平成18年度の評価結果からは、翌年度の昇給や勤勉手当の支給割合にも反映している。

また、評価・育成システムによる評価は、いずれも5段階(S・A・B・C・D)の絶対評価であり、評価区分ごとの割合は定められておらず、結果は年度末に本人に開示されている。

 

3 本件係争情報について

本件行政文書は、大阪府の各府立高等学校において各校長が評価結果入力システムに入力し、実施機関が帳票配信システムから出力した、府立学校ごとの「2008年度 職員の評価総括表(集計表)」及び「2009年度 職員の評価総括表(集計表)」である。本件決定において非公開となったのは、次の部分である。

(1)総教職員数の「対象外の者の数(注2)」及び「対象者数」の各欄

「対象外の者の数」については、(注2)に各欄の説明が記載されており、a.在外教育施設等において勤務している者、大学等において長期研修中の者、b.充指導者主事として教育委員会事務局に勤務する者、c.実施期間のうち病気休暇、休職発令、育児休業等により、実施可能な期間が6ヶ月に満たない者、d.その他実施機関が対象としないことが適当と認めた者のことであり、それぞれ該当する人数が記録されている。

「対象者数」の欄には、「自己申告票の提出者数」、「自己申告票の不提出者数」、「合計」の人数が記録されている。

(2)「対象者の評価結果集計」に係る「業績評価」、「能力評価」及び「総合評価」の各欄

これらには各府立高等学校の評価区分(S、A、B、C、D)ごとの人数の集計及び構成比(%)がそれぞれ記載されている。

本件行政文書の(1)及び(2)のうち、(1)の非公開部分については、異議申立人は争わないと主張しているため、本件係争情報として(2)の「対象者の評価結果集計」に係る「業績評価」、「能力評価」及び「総合評価」について、以下検討する。

 

4 本件決定に係る具体的な判断及びその理由について

(1)条例第8条第1項第4号について

行政が行う事務事業に関する情報の中には、当該事務事業の性質、目的等からみて、執行前あるいは執行過程で公開することにより、当該事務事業の実施の目的を失い、又はその公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼし、ひいては、府民全体の利益を損なうおそれがあるものがある。また、反復継続的な事務事業に関する情報の中には、当該事務事業実施後であっても、これを公開することにより同種の事務事業の目的が達成できなくなり、又は公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるものもある。

このような支障を防止するため、これらの情報は公開しないことができるとするのが条例第8条第1項第4号の趣旨である。

同号は、

ア 府の機関又は国等の機関が行う取締り、監督、立入検査、許可、認可、試験、入札、契約、交渉、渉外、争訟、調査研究、人事管理、企業経営等の事務に関する情報であって、

イ 公にすることにより、当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの

は、公開しないことができる旨を定めている。

(2)条例第8条第1項第4号該当性について

本件情報が上記(1)ア及びイの要件に該当するか否かについて検討したところ、以下のとおりである。

本件情報は、実施規則に基づき、評価・育成システムに係る評価結果について、各府立学校長が評価結果入力システムに入力し、実施機関が帳票配信システムから出力した文書であることから、「府の機関又は国等の機関が行う人事管理等の事務に関する情報」として、(1)アの要件に該当する。

実施機関が主張する「集計表についても、各校長がそれぞれの学校の入力結果に誤りがないかどうかを点検、確認するための便宜として、作成できることとしたものであるが、実施機関としては、必要としていない情報であり、各校長に対して、集計表を出力の上、実施機関へ提出する指示は行っておらず、実施機関としても出力していない。」という説明は、(1)アの要件の該当性の判断に影響を与えるものでない。

次に、本件情報が(1)イの要件に該当するかどうかについて検討する。

この点について実施機関は、本件係争部分については、評価者である各府立高等学校の校長が、所属の教職員について行った評価・育成システムによる人事評価における「業績評価」、「能力評価」及び「総合評価」の結果の評価区分ごとの該当人数に係る情報であり、評価・育成システムによる評価は、全て絶対評価であり、5段階の評価区分(S、A、B、C、D)ごとの割合は定められていないことからも、依然として、本件係争情報を公にし、各学校の評価結果の分布が明らかになると、各校長が行う評価・育成システムによる人事評価に当たって、他校とのバランスを取ろうとしたり、自身の評価に対する所属教職員からの批判を避けようとする心理が働くことが想定される状況は、現時点では、各校長へのアンケートの結果を見ても払拭されたとは言い難く、評価結果が特定の評価区分に集中するなど客観的で公正な評価を行うことが困難になるおそれがあり、本件係争情報を公にすることにより、評価・育成システムによる人事評価に係る事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれがあるとする実施機関の主張には理由があると考えられ、(1)イの要件に該当する。

よって、本件係争情報は、条例第8条第1項第4号の規定に基づき、公開しないことができるものである。

ただし、審査会においては、平成16年度から評価・育成システムが開始されてすでに6年以上経過し、実施機関において、適正な評価の実施の確保を図るため、各評価者に対して、評価に係る研修・指導等を行っていること、また、各被評価者本人に自己の評価結果を開示し、昇給及び勤勉手当における勤務成績の判定に活用されていることから、当該評価分布を公開することによって評価者へ与える影響は必ずしも大きいとは言えず、従って、当該評価分布を公開することによる支障は著しいとまでは言えないとの意見、あるいは、今後も円滑に評価・育成システムを進めるためには、評価が公正かつ適正に行われていることを実施機関が主張するのであれば、関係教職員に対して十分に説明し、教職員の理解を得られるよう当該評価分布を公開するほうがむしろ効果的であるとの意見もあった。

なお、実施機関は、「学校ごとの評価の分布の差が、所属教職員の資質・能力の差であると受け取られ、ひいては、学校自体の優劣を示すものと、府民に誤解されるおそれがある」ことも非開示とすべき根拠として主張したが、むしろ、最近の教育に対する府民の関心の高まりを考えると、実施機関としてはそのような誤解が生じないように教育行政について府民等関係者への説明責任を果たす努力をすべきであるから、これを非開示の理由に挙げる実施機関の主張は失当である。

以上により、審査会としては、評価・育成システムの今後の運用のあり方が、人事評価に係る事務の公正かつ適切な執行に対する支障についての評価に再考を促す可能性がありうることを念のため付言する。

 

5 その他の異議申立人の主張について

(1)異議申立人は、過去の答申(大公審答申第208号)を審査会から受け取るまでに相当な時間を要したことについての事情・理由を問い、また、当該答申における本審査会の判断理由についての再反論を述べているが、いずれも、本件決定に対する異議申立ての理由となるものではない。

(2)異議申立人は、評価・育成システム制度そのものの問題点等に関して種々主張しており、審査会としての評価・意見等を求めている。本件決定の公開・非公開の判断に影響するものについては、「第六 審査会の判断理由」のとおり検討し意見を述べたところである。

 

6 結論

以上のとおりであるから、本件異議申立てには理由がなく、「第一 審査会の結論」のとおり答申するものである。

 

 

(主に調査審議を行った委員の氏名)

  大和正史、岩本洋子、野呂充、松本哲治

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室情報公開課 情報公開グループ

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