人権学習シリーズ あたりまえの根っこ あなたが大切にする 人としての中心軸は?/4.私が大切にする中心軸は?

更新日:2016年2月15日

「あなたが大切にする 人としての中心軸は?」(めやす90分) 

4.私が大切にする中心軸は?

詳細な手順

ポイント

(25分)
説明とワークシート記入7分、付せんに記入3分、グループでの分かち合い5分、グループ発表5分、まとめ5分

時代軸で考える差別解消の取り組み説明とワークシート記入
★私たちに何ができるかの手がかりとして、時代軸でこれまでの取り組み、差別が減った現実、今の課題について考えていきたいと思います。

● ワークシート「人権タイムライン」、資料2「I Have A Dream!」、もぞう紙、マーカー、付せんを配付する。

★ワークシートは、同和問題における時代ごとの状況や取り組みを紹介しています。私たちの社会をふり返ってみると、厳しい差別状況に対する当事者の立ち上がりや、行政による格差是正に向けた取り組みがあり、かつての同和地区の状況は、大幅に改善されました。しかし、忌避意識などにみられるような差別の状況は残っており、それを乗り越えようとする人々の営みは現在も続いています。
 資料2はアメリカで黒人差別が今より厳しかった時代に公民権運動を行ったキング牧師の演説です。当時、彼の描いた「社会のあってほしい姿」は、まさしく「夢」でした。しかし、45年を経て、2008年(平成20年)にバラク・オバマさんが大統領に就任し、初の黒人大統領が誕生しました。この2つをつなげて考えてみると、長い時間をかけたさまざまな取り組みの中で、社会は変えていけるということを実感していただけるのではないのでしょうか。

★時代軸に沿って課題解決に向けた取り組みやそれに伴う社会の変化を考えていただきましたが、次に差別の解消に向けて、ワークシートに「こんな社会にしたい」と「私はこうありたい」の枠に自分が思うことを記入してください。たとえば、社会軸として、行政が人権教育や啓発活動を積極的に行う、人権について学校でしっかり教える。自分軸として、当事者と実際に会ってみる、人権学習に積極的に参加する。などが考えられますが、思いつくものを書いてください。

●ワークシートに個人で記入してもらう。

• ファシリテーター自身が差別解消に向けて必要だと思うことを自分の言葉で伝える。

 

グループで共有
★次に、その差別の解消に向けて、今どんなことが必要なのか、今自分にはどんなことができるのか、を社会軸と自分軸に分けて、それぞれ1枚の付せんにつき1項目を書けるだけ書いてみてください。

●付せんに個人で記入してもらう。

★次にその項目について、グループで分かち合っていただきます。まずもぞう紙にタイムラインの矢印を写してください。そのもぞう紙に先ほど書いた付せんを貼っていきながら分かち合いをしてください。

全体で共有
★では、グループで考えたものを前に貼り出し、発表してください。

●グループで記入した紙をホワイトボードに貼り出し、発表してもらう。

 

 

 もぞう紙の例:もぞう紙の左から右へなだらかに上を向いた矢印と途中から下に向かう矢印が書かれている。
 

まとめ
★先ほどの意識調査の結果とも関連しますが、漠然とした不安が忌避意識につながる場合があることを考えると、このような意識を解消するためには、正しい知識を持つことが重要といえるのではないでしょうか。また、差別の解消に向けて積極的に活動している人と出会ったり、一緒に活動したりすることが、差別意識の解消につながったという事例もあることから、積極的に交流する機会を持っていくことも重要かもしれません。
 今日は近代以降の時間軸で同和問題を考えていただきました。同和地区に対する差別意識が残っているという「今」だけをみると、差別がなくなることは難しいと思う方もおられるかもしれませんが、長い時間軸でみてみると、改善されてきたことも多くあるのです。
 また、現在と未来を考えるためにも、同和問題の歴史や社会的な背景を学ぶことも大切です。歴史研究の積み重ねにより、これまでの「あたりまえ」が見直されるようなこともあります。これまで同和問題について学んでこられた方も、改めて学ぶ機会を持っていただきたいと思います。
 参考までに、同和問題に関するこれまでの取り組みや現状、課題解決に向けた積極的な取り組みなどをまとめた資料をお配りします。ぜひご覧ください。
 本日は参加していただき、ありがとうございました。

●資料3「同和問題のこと」を配付する。

• 例えば、「士農工商」ですが、江戸時代にはそういう身分のくくりや序列はなく、「すべての人たち」というような意味であったことがわかり、現在の教科書では使われていません(「農工商」については、「百姓」「町人」という名称で学習しています。)。 
 また、以前はピラミッド型の図が示され、「えた」「ひにん」と呼ばれる厳しく差別されていた人々を士農工商の下に置く説明がなされていましたが、現在の歴史教科書にピラミッド型の図は全くありません。こういった被差別の人々については、「百姓・町人とは別に、えた身分、ひにん身分などの人々いました」などと表現されています。


• ふりかえりを行う場合は、48ページのふりかえりシートを使ってもよい。

 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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