人権学習シリーズ あたりまえの根っこ あなたが大切にする 人としての中心軸は?/3.差別を私ごととしてとらえる

更新日:2016年2月15日

「あなたが大切にする 人としての中心軸は?」(めやす90分) 

3.差別を私ごととしてとらえる

詳細な手順

ポイント

(30分)
説明と記入10分、2人組で共有5分、4人組で共有5分、資料の説明10分

説明と記入

★先ほど考えていただいたのは、みなさんの価値観につながる部分です。価値観や思想は、これまでの育ちの中での習慣などあたりまえとされているもの、メディアの影響、人からの伝聞など日常生活のさまざまな場面から無意識のうちに個人の価値観として培われることがあります。もちろん、価値観や思想を持つことは自由です。ただ、物事には二面性があるように、それが過度に偏ってしまうともう一方を排除してしまうなどの危険性も持っています。
 それでは、これから1つの例として、「家柄」や「土地」という具体的な価値観に関する具体的な事例をあげて考えていきたいと思います。

具体的な場面から考える
★シートでは「ある日、ネットに自分の住んでいるところが「同和地区」「被差別部落」だという書き込みがありました」という設定をしています。このようなことが実際にあった場合、あなたならどう考え、どう行動しますか?今から12通りの選択肢を提示しますので、当てはまる部分とその理由を書いてみてください 。書いてみて感じたことは後で共有しますが、具体的に何を書いたかは見せ合いません。

● シートを1人1枚配付し、当てはまるものに丸をつけてもらう。その理由や感じたことも書いてもらう。(複数回答可)

2人組で共有
★先ほどの2人組で書いた内容を分かち合ってみてください。シートを見せ合ったり、何を選んだかを必ずしも言う必要はありません。感じたことを話し合ってください。

4人組で共有
★では、次に別の2人組と一緒になって4人組を作ってください。今書いたり話し合ったりしたことについて、今度は4人グループで分かち合ってみてください。

資料の説明(土地差別や結婚に際しての忌避意識)
★今からお配りする資料1「2010年(平成22年)人権問題に関する府民意識調査結果(抜粋)」をご覧になって感じたことを話してみてください。

●資料1を配付する。

★先ほどのシートの設定は、近年の人権問題に関する意識調査から見えてきた課題とも関連しています。大阪府が2010年(平成22年)に行った調査によると、約55%の人が、住宅を選ぶ際に同和地区の地域内は「避けると思う」または「どちらかといえば避けると思う」と回答し、自分自身や自分の子どもの結婚の際には、約21%の人が結婚相手が「同和地区出身者かどうかを気にする」と回答しています。
 また、同和地区や同和地区の人に対する差別意識が残っている理由については、多くの人は、「昔からの偏見や差別意識をそのまま受け入れてしまう人が多いから」と見ていますが、刷り込まれたイメージや周りの意見などに影響されている人も一定数います。
 マイノリティと結婚すると不利なことが起こるかもしれないという漠然とした不安感や部落差別の歴史、これまでの同和対策の経緯・内容と現在の同和問題の解決に向けた取り組みなどを知らないまま、同和地区や同和地区の人についてのうわさ(表面的、断片的で否定的な情報が多い)から判断されていることも多いのではないでしょうか。
 では、今、残っている課題に対して私たち一人ひとりは何ができるでしょうか。それを次に考えていきたいと思います。





• 価値観や思想を持つことは自由だが、過度に偏ると危険な場合もあることを説明。






• 例えば11のような積極的なとらえ方もあるので、説明する時には、「困った事態に対応する」というニュアンスに偏りすぎないように注意する。 
 
• シート末文に掲載されている削除依頼や窓口への相談方法を情報提供する。

• 参加者の中に同和地区に住んでいる人や、このような状況を現実に経験したことがある人がいる可能性を念頭においておくこと。

• 意見交換が重要なので、必ずしも全体発表しなくてもよい。

 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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