人権学習シリーズ あたりまえの根っこ 発刊にあたって、冊子の構成と使い方

更新日:2016年2月15日

発刊にあたって

 生まれた時、私たちの意識や価値観は真っ白な状態ではなかったでしょうか。その後、成長していく中で、自分以外の人との関わりを深めていきます。家族や学校、趣味のグループ、職場など社会との接点はどんどん増えていきます。そして、人や社会との関わりの中で、家族や地域、社会の習慣やルールなどを身につけていきます。おとなになる過程は、私たちが社会で暮らす一員として、社会にあるさまざまな意識や価値観を「常識」「あたり前」として身につけていく過程でもあるといえます。
 人はみな思いやりの心を持っていますし、人権侵害は良くないことだと考えているでしょう。しかし、その「常識」「あたり前」の中に差別や人権侵害につながるものが含まれる可能性があります。また、ひとたび自分の利害が絡んだり、自分が苦しい状況に置かれたりすると、その「常識」は「建前」となり、他者を「差別(人権侵害)してもかまわない存在と見なす」ということがあります。この「見なす」ことを支えているのが「常識」「あたり前」と言われる社会意識であったりするのです。
 この教材では、私たちの暮らしの中にある習慣など「常識」「あたり前」とされてきたものがどのように培われてきたのか、その根底はどこにあるのかを考え、社会意識が差別や人権侵害につながる場合があることを考える内容となっています。
 この教材が、わたしたち一人ひとりの意識や価値観をふりかえり、差別や人権侵害につながる社会意識に気づき、変えていくことで、居心地のよい社会をつくる一助になれば幸いです。

冊子の構成と使い方

◆構成◆
 プログラムの時間はすべて90分です。導入からまとめまでを入れた構成となっています。
 「しあわせになりたい!」では、自分自身の価値観をふりかえり、社会における価値観を整理し、多様な人がそれぞれの価値観を大切にしながら暮らしていけるために大切なことを考えます。
 「子どもとおとな、何が違う?」では、子どもとおとなの力関係について考え、体罰などのおとなによる不適切な力の行使と子どもの権利を考えます。
 「あなたが大切にする 人としての中心軸は?」は、同和問題に関する忌避意識や差別意識について考え、差別的な態度につなげない方法や自分自身のあり方を考えます。
 「知ることでつくるゆたかな関係」では、差別の現実を知らなければよかったではなく、知っていることでより豊かにつながろうとするあり方を考えます。

◆プログラムの表記◆
[時間]
そのアクティビティの所要時間と、1つのアクティビティの中での活動ごとの所要時間、アクティビティの積算時間が書かれています。
[ねらい]なぜそのプログラムを提供し、なにを考えてもらうかが書かれています。
[キーワード]そのプログラムで学んでほしい内容が簡潔に書かれています。
[準備物]そのプログラムを実施する上で必要なものを示しています。
[プログラムの流れ]プログラムを構成するアクティビティ名とその概要と所要時間を紹介し、90分のプログラムの流れをつかんでいただきます。
[詳細な手順]「★」は、ファシリテーターの話す内容を、「●」は、ファシリテーターの動きが書かれています。
[ポイント]アクティビティを進める上での補足説明、会場の形や板書の例、予測される参加者の反応とそれへの対応、ファシリテーターへの助言などが書かれています。
[ワークシート、資料]参加者に配るワークシート、資料などをこのままコピーして使ってもらえるように掲載しています。


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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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