人権学習シリーズ みえない力 「ふつう」がいちばん?!/資料 「普通」であること

更新日:2016年2月12日

「ふつうがいちばん?!」(めやす90分)

資料 普通であること

 “普通であること”は、差別しないで生きていくことの保証なのだろうか。“普通の世界”では差別が起きることはないのだろうか。“普通であり続けようとすること”で「わたし」は差別しない人間として生きていけるのだろうか。
(中略)
 一般的で、どのような状況や場面にでもあてはまる“普通”など、どこを探してもない。“普通でありたい”という思いは、おそらくは常に私たちを捉えて離さないだろう。しかし、その思いのなかにある“普通”とは、世の中でいろんな意味や基準から考えて“外れている、あるいは外されている”人々や現実の“仲間入り”をできるだけしたくないという意志の表れなのである。
(中略)
 “普通であること”は、決して私たちに“差別をしない”保証を与えるものではない。むしろ、そこに安住することで、世の中にある差別は、確実に生き延びて、育っていくだろう。つまり、私たちが深く考えることなく“普通に安住すること”は、差別にとってこのうえなく良い“こやし”となるのだ。

 
 
出典:『差別原論 〈わたし〉のなかの権力とつきあう』好井裕明著、2007年(平成19年)より抜粋
発行:平凡社                          

 

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府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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