人権学習シリーズ ちがいのとびら やってみました!

更新日:2016年2月9日

知ってる!知らない?わたしの立場
やってみました! ―実践例―
(四條畷市人権協会)

 四條畷市人権協会が発足して1年足らず、組織としてもまだまだ未熟で、体制としても未だ整っていない状態でした。しかも会員相互の繋がりにも不安があるような状態であるこの時期に、このような講座を開催するのには不安がありました。何人集まってくれるのかという状況の中で、内容についてもしっかり把握していただけるか心配な面が先走りましたが、参加者の構成は、人権協会会員を対象に、人権擁護委員や四條畷市人権審議会委員を含む21名で、アイアイランド会議室で行いました。
 今回の講座は、「知ってる! 知らない? わたしの立場」を実施しました。参加者は30歳代から70歳代までの年齢構成で、男性14名、女性7名で行い、初めての体験の方も多かったようです。もちろんファシリテーターも新米です。

●講座の状況
 「「わたしは」ではじまる10の文章」では、「履歴書」風に書いた人も多かったのですが、意識的に避けた人も見受けられ、実際の場面ではいかに自己紹介をするのかが疑問に感じられることもありました。好みのことや夢などがほとんど出なかったのは少し残念でした。意外な内容としては、年配の方が過去の自分のことを振り返って紹介したこともかなりありました。全般的に年齢により差異が多く、現在の自身の活動していることはほとんどありませんでした。
 「知り合うために何をきく?」では、やはり履歴書的に聞いていることが多くみられました。この項目でも年齢により聞く内容に差異が見られ、相手にとって聞かれたくない内容についての意識のばらつきがかなりありました。住んでいる地域とか愛読書や宗教、学歴、政党の好み等も出ました。
 「結婚の条件」ではA(結婚しようとしている人)、B(その相談相手)、C(その場にいない設定での結婚相手)のおのおのの役割についてかなり時間を要しました。Cをいろんな条件カテゴリーをつけて考えてもらいましたが、直接Cに聞いて欲しいことでもBに相談していることが多く見受けられました。また、2人の事の問題を第三者に相談するのはいかがなものかという意見も相当ありました。条件カードの内容について同性愛という項目については疑問を呈する人もいたことは今後の課題と思われます。
 「アイデンティティの重層的カテゴリー」では、並べ方に違和感を唱える人は皆無であり、そのことを問題提起してもあまり反応がなかったので少し寂しく思いました。ほとんどの人が多数派だと思っているのでしょうか。項目の有利不利についても、もうひとつ問題の意味をつかみかねている人が多いように感じました。
 「ふりかえり」では、参加者自身の感想を語ってもらいました。そして自身の今後の課題についても意見をいただきました。まだまだ自分の人権意識が低いことを実感した方や改めて自信を持った方もいました。
 初めてのファシリテーターを体験して21名の方に説明をしていくことの難しさを痛感した次第です。参加者もこのような研修は初めての方が大半でしたので、ある面ではやりやすい面もありました。参加者も人権協会会員とはいえ、相談業務を担当している方、所属団体から参加された方や運動経験者、元教員、元行政の方等いろいろな経験の方や年齢層も多岐にわたっており、新米ファシリテーターとしては大変でした。
 今後の人権協会内部での啓発活動についての課題も提起されたりして、いろいろな面で有益な研修会になりました。また自己啓発の場として積極的に取り組んでいく端緒ができたように思えました。参加者のみなさんが本当に真剣に話し、聞き、そして議論している姿を見て、人権協会会員相互の信頼関係の醸成や自身の内面、人権意識の高揚に大きく役立ったと思います。 

●参加者の感想
・「「わたしは」ではじまる10の文章」では、一般的な紹介で始まった感がありましたが、10項目の紹介ともなればもう少し奥深くまで自己紹介しなければならなくなり、そこで多様な紹介が出てくる。そこには、今、現在自分の置かれている社会的な地位がかなり影響している感じがした。
・成功者は自信に満ちた紹介をしている感が見受けられた。
・住所の紹介は基本的な事ですが、出身地となりますと、個々事情があり自己紹介を控える人があった様に思われた。
・自分の生い立ちが相手にわかると今後の付き合いに支障が出るのではないかとの不安、このまま伏せておいたほうが良いのではとの思いがあるのでは。
・条件カードを使った結婚相談でも一人ひとり、人間の中には多様な価値観の違いがあり、結婚条件の1つをとっても各個人の生い立ち、個人の社会的地位等含めた価値観の違いがあると思いますが、今回の回答は、世間一般的な回答しか出ませんでした。時間がもう少しあればもっと個人個人の本音に迫れた感じがしましたが、ただ、個々の価値観は多様であり、偏ったりしている可能性が多々あると思いますし、別に価値観が一致しなくてもいいと思いますので、他人の価値観を受け容れる事ができたらよいのではないかと思います。


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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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