参加体験型学習(ワークショップ)を始める前に |
ほとんどの参加者が参加体験型学習の受講が初めての場合、講演会形式で始めてもよいでしょう。ある程度の学習経験がある参加者の場合は、いすのみで講演会形式に設営します。いすのみにするのは、あとでグループを作る際に移動するので、始めは机がないほうが動きやすいからです。グループになって、書く作業などを行うときに使えるよう、机は会場の隅においておきます。
参加体験型学習の経験がある参加者のときは、始めから机なしでいすを半円形(扇型)や円形に並べておいてもよいでしょう。
講演会の場合も、半円形(扇型)に机といすを並べておくと、柔らかい雰囲気で始めることができます。参加者に合わせて、工夫してみてください。
参加者を会場に迎える時、会場に入って参加者に声をかけましょう。
参加者席に入り込んで、あいさつ程度でもかまいません。
おはようございます、こんにちは、今日は寒いですね、席は決まっていましたか、
何時ごろから来られているんですか、などと声をかけてみます。
これには参加者との出会いを楽しむとともに、参加者と講師の境界線を緩めるような効果があります。
ファシリテーターは、参加者と近すぎず、遠すぎずの位置で話しましょう。会場の広さにもよりますが、30人程度ならマイクなしで声が届く程度がちょうどいい距離です。
物理的な距離だけでなく、気持ちの距離を近くし、参加者とできるだけ対等な関係にするため、演台などは使わないほうがよいでしょう。資料を置くための机があれば十分です。机の上には、ファシリテーターのための資料、配布プリント、学習活動の中で使う紙やマーカーを用意しておきます。
あとは、ホワイトボードを書きやすい位置に置きます。マーカーがかすれていないかも、事前に確認しておきましょう。
学習に入るための導入として、今日の学習方法は「講演=一方通行」ではなく、「参加型=双方向、学びあい」であることを説明しておくほうがよいでしょう。
「皆さんと一緒に考えたいと思っています。」「今日は、皆さんの考えや感じられたことを大事にしながら進めたいと考えています。」「できるだけ遠い話ではなく、身近なところから考えていきたいと思っています。」といったことを伝えましょう。
この話をしながら、以下のことを大切にするとよいでしょう。
☆参加者のようすや表情などに注目するなど、参加者に関心を示します。
☆参加者どうしの関係などにも関心を持って近づきます。
お互い気持ちよく学ぶために、場の規範(ルール)を共有しておくことは大切です。参加体験型学習の主役が参加者であることからすると、ルールを作るところから参加者とともに行うのが望ましいです。
しかし2時間程度の学習では、ルール作りから行う時間を取ることは困難です。そこで次善の策として、共有したいルールをファシリテーターから説明します。ルールの内容だけでなく、なぜ必要なのかもあわせて話すようにしましょう。
以下、ルールづくりの例(ファシリテーターの話す例)を紹介します。
学習では、ファシリテーターが一方的に講義をするのではなく、皆さんが感じられたことや、考えられたことを大切にしながら共に学びあいます。
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ルールの説明も参考にしてください。
このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ
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