第33回 大阪府人権施策推進審議会

更新日:2023年3月8日

第33回大阪府人権施策推進審議会 議事概要

【日 時】平成30年12月19日(水曜日)16時から18時
【場 所】國民會館中ホール
【出席者】有村委員、大谷委員、善野委員、高田委員、
      樋口委員、福岡委員、森田委員

【配布資料】
資料1−1 大阪府人権教育推進計画について(概要) [PDFファイル/553KB]
資料1−2 人権教育・人権啓発白書(法務省・文部科学省)<抜粋> [Excelファイル/17KB]
資料1−3 人権擁護に関する世論調査(内閣府)<抜粋> [Excelファイル/14KB]
資料1−4 「人権問題に関する府民意識調査」を今後の人権施策に生かす [Wordファイル/67KB]
資料1−5 大阪府人権教育推進計画の点検(案) [Wordファイル/61KB]
資料1−6 インターネットによる人権侵害等に係る人権教育・啓発について [Wordファイル/27KB]
資料2−1 行政文書における性別記載の点検・見直しについて [Wordファイル/31KB]

【議事概要】
○開会
  大阪府府民文化部人権局長あいさつ
○議題

(1)大阪府人権教育推進計画(平成27年3月改定)の点検について
【質疑応答】

○会長
  この計画の見直しは、スケジュールはどのような感じで考えているのか。

○事務局
  今般、審議会で、各委員の先生方からご意見を頂戴次第、その内容を踏まえ、修文を加えて、いわゆるパブリックコメントを実施し、最終取りまとめをした成案を審議会でお示しをして固めたいと考えている。

○委員
  危機感がなさすぎだというのが第一印象。特に気になったのは、人権教育の推進というところで、いわゆる公務員、教職員、警察官など、そのような人権擁護に非常に深く関わる仕事をしている人については、特にきちんとした啓発が必要だと、国際的にも言われていること。
 そのことを考えると、例えば最後に説明があった資料1−5の12ページ・13ページに、公務員、教職員、警察職員、福祉医療関係者とあるが、ここの右側が真っ白になっているというのはいかがなものかと思った。
記憶に新しいところでいうと、例えば、教育長がパワハラで辞めたとか、警察官の問題発言も大きな話題になった。それに対して、府政のトップを扱うはずの人がかばい立てをするというか、あまり積極的に対応しなかったということがあって、これはどうなのかという気はする。本当に自分事として、府として考えているのかなということが、大いに疑問である。
 こんなことでこれからお客さんが外国からいっぱい来るようになって、大阪府の人権施策は大丈夫かと言われないか心配。府の組織としてどういうふうに取り組むのかということ。自分のところの問題としてどう取り組むか(を検討すること)は必要ではないかと思う。

○委員 
  
この資料1−5の点検(案)の7ページの右上で、一部削除になった部分、人権問題についての学習経験に関する質問を2015年調査で実施されなかったというところについて。前の2010年には人権問題に関する府民意識調査で、「地域で人権問題についての学習経験がありましたか」という質問事項を入れておられたかと思うが、2015年調査で実施しなかったというのは、なぜだったのか。

○事務局
   実は前回、意識調査を実施する際には、回収率が降下傾向という背景があった。回収率を上げるという観点に至った今後の絞り込みという観点と、それから、一定これまで質問を繰り返してきたものについて、傾向が把握できたものなどについては、項目から落とすなど、再構築のようなことをした関係で、学習経験がある人に関する質問は、前回はカットした。

○委員
  回収率を高めることはすごく大事だと思うし、質問の重複は避けたほうがいいとは思うのだが、学習経験があったかどうかというのは、人権教育が本当に浸透しているかどうかをチェックするために、非常に重要な質問ではないかと思われる。あえてこの質問がなくても、別でカバーできるという質問があったのか。

○会長
   少しお調べいただければと思う。

○委員
   ヘイトスピーチ規制条例について、先ほど事情が変わったと説明いただいた。その中で、人権尊重の社会づくり条例は改定が視野に入っているという中で、この条例にひもづいて基本方針があって、それにひもづいて計画がある中で、条例が変わるかもしれないのに、点検していて大丈夫なのかという根本的な疑問がある。そこはどうなのか。

○事務局
   この点検については、前回の改定時にそのような私どもに課された命題であるので、状況が変わるかもしれないが、この時点でしっかり押さえなおすと。次のステージに行くにしても、この時点でしっかり捉えなおすということで、点検をさせていただいた。

○会長
  3年ごとに、粛々と見直しをしていくということになるということ。

○事務局
   前回は10年という計画期間があった。今回、10年という期間が削除されたわけであるが、ここの理由としては、昨今、いろいろな傾向に走っている計画が3年ごとに見直しをされているという実態や、先ほどの法律などが相次いで制定されるようなことが、3年間のうちに行われている。そのように、情勢の変化が短時間に行われている現状から、長期の計画でいいのかということで、3年ごとにしっかり点検し、必要であれば改正すると。そのような法整備を前回の審議会でご議論いただき、このような命題をいただいて点検をしている。だから次回、それがいいのかどうかは、またご意見があればいただければと思う。

○委員
   今のことに関連してだが、条例改正というのは、いきなり答弁で出てきた話なのか。それともある程度、議会の中でこのような話は出ていたのか。それによって条例改正というのは、どれくらい具体的な話なのか、だいぶ変わってくると思う。今のところ、どのようなスケジュールでというのは出ている話なのか。それとも知事がこのときに言ったというだけなのか。

○事務局
   ヘイトスピーチについては、大阪市が規制条例を制定して対応しており、府内でそのようなことが起こっているということも、事実は私どももしっかり認識して、施策を行ってきた。しかし、この度万博が正式に決まり、そのような国際イベントもこの近年に大阪で開催される。また、大阪が世界的にも認められる都市になるという条件から、議員からこの際にどうですかという質問をいただいた折に、知事も国際都市としての環境整備を急ぐ必要があると判断され、答弁されたものと思っている。

○委員
  ということは、まだ具体的なスケジュールは何も決まっていないということ。

〇会長
  我々はあらかじめ決まった手続きにのっとって、この計画の見直しをしていきましょうということになる。

○会長
  先ほどの委員のご質問については、いかがか。

○事務局
  前々回の府民意識調査では、委員ご出席の折、「あなたは学校、職場及び地域で人権問題についての学習を経験したことがありますか」という質問をしており、現行計画の中でも7割を超えている。前回の府民意識調査では、これと同じ質問はしていない。関連する質問はないのかということで、これが関連するかどうかはご意見を頂戴したいところであるが、人権問題についての情報、いわゆる知識の入手経路について聞いている。質問内容としては、「あなたは人権問題についての情報や知識は主にどこで(何で)知りましたか」ということで選択肢とし、家族や友人知人、広報紙や新聞、テレビ、ラジオ、インターネット、学校教育、職場、地域での研修、その他という設問を設けていたところである。

○会長
  その方たちは何割くらいいるのか。

○事務局
   この「人権問題についての情報や知識をどこで知りましたか」ということの結果としては、学校、テレビ、ラジオと回答した人の割合が84.2%と突出しており、次に学校教育が34.2%という形になっている。ご指摘いただいたとおり、現行計画の中で前回が学習経験について引用させていただいていたが、これを今の人権問題についての情報及び知識の入手経路の結果をそのままおくことで、問題がないということ。また、修文をさせていただきたいと思う。

○会長
 先ほど、委員が既にご意見を述べられていて、教職員、公務員、警察官への啓発について、今般は国連や国の動向、社会情勢、法令制度の変化等を参考にして、計画を変えようということであれば、今みたいな修正になるだろうというご提案だったが。

○委員
  府の計画であるから、国や国際的な動向は当然書くとして、府の中のことはきちんと書くべきだと思う。

○委員
  資料1−6で、「今後の取組等についてご意見を賜りたい」とあるが、例えば、今、どういうことをやられていて、効果の認識はどのようになされていて、ということについてはまた説明があると思っていてよいか。

○事務局
  今回、前回改定で、計画終期を設けない代わりに、3年ごとにこまめに点検していくという中で、点検のやり方について、細かく整理してはいなかった。記載されている内容については、先ほど会長もおっしゃられたとおり、国連や国の動向というところで、そういうことで変化に対応するためにということになっている。そのような視点でかぶせて、今の点検内容が著しく人権教育啓発の方向性にぶれていないか、ずれていないかということでもチェックを掛けるという趣旨である。
  この資料1−6を起こさせていただいた趣旨は、我々が施行機関として、結果として大阪府人権教育推進計画の中の「4推進計画」については、さわる必要がないのではないかと考えているが、委員の視点で計画の中身を変えたらどうかということがあるのであればご意見を賜りたいと思う。
   ここで挙げさせていただいたのは、ご議論をいただく1つのテーマとして、インターネットの問題、性的マイノリティの人権問題、ヘイトスピーチの問題については、そこに記載させていただいているような動きが最近の社会的な潮流として、話題であるので、このようなテーマのもとで人権教育推進計画のあり方、政策の進め方について、いろいろとご意見をいただければと思っており、これは1つのご提案、「このテーマについていかがでしょうか」という趣旨で、起こさせていただいた次第。
 
それぞれ施策、事務事業については、お手元に人権施策の状況という資料をご用意させていただいている。昨年度版は今編集中のため、お手元にご用意できていないが、それぞれ実施した事業について、項目単位でこのように取組みをしたということで、事務事業の概要はそこで明記させていただいている。フォローアップで白書とこの計画とセットで見ていただくという形になるかと考えている。

○事務局
  少し補足を。どのような取り組みをしているかということで、2、3挙げると、性的マイノリティについては、先ほど、ご報告させていただいたように、若年層が相当、人権意識が低いという調査結果になっていた。そのため、今年度はまだ一部しかご紹介できていないが、大学生を巻き込んで、性的マイノリティの方の人権啓発の啓発コンテンツを一緒に考えていくというような取り組みなども進めている。
 性的マイノリティの問題でいうと、今、国会で野党から規制をするという法案が出ている。また、与党も自民党を中心に理解増進の法案を取りまとめたというような報道もある。このような時期に条例化を目指すという動きがあるので、このタイミングでどのような問題があるのか。これを大阪府が制定する形になると、いろいろな問題もあるので、そのような意見をこの時点でお聞きできればと思っているところ。

○会長
  意見については、今この場でと、おっしゃったのかと思うが、時間の関係もあるので、本日ご欠席の委員も含めて、また後日メールで意見をお送りいただくというかたちでもよいかと思う。

○委員
  意見ということだが、この教育推進計画の中の11ページの(2)教育の機会均等の確保と学びの場の充実について。いわゆる支援学校で人権教育はほとんどなされていない。カリキュラムの中に入っていない。やはり権利の主体をどのように作っていくかというようなところを、教育の場で教えていただくということ(が必要)。
  
特に人権侵害になるのは、いわゆる、体罰は当たり前だというような、知的能力、理解がなかなか進まないから体で教えるのだということだが、それがいわゆる人権侵害にあたるのだという教育すら受けることができていない、支援学校のカリキュラムについて、この問題も一定考えていく必要があるのではないかと思っている。

○会長
  私はその実態を今初めてお伺いしたが、確認しなければいけない部分も多分あると思われる。もし事実だとしたら、計画の中に表出しして、強調してもいい側面かなと思う。

○委員
  視点を少し変えた形で意見を申し上げてよろしいか。
  
資料1−6で、先ほど会長からも後日、全員の委員の皆さまの意見をということではあったが、ここに挙がっている◎の3点について。インターネットによる人権侵害とヘイトスピーチの解消ということは、現れ方が違うということではあるが、いわゆる差別的憎悪表現が「書く」という行為によって出たものがインターネットであり、「発声」という形で現れたものがヘイトスピーチという構造的な捉え直しも、する必要があるのではないかと思う。
 項目として挙げていくときのせっかくの見直しの時期でいえば、今後、大きく加速していく人権侵害、不当な差別の言動に関しての現れ方が違うということを捉えて、全体としてどう取り組んでいくかを、府として考える。
 そして、先ほど委員からもあったが、諸外国の変化、国の変化を踏まえてということだけではなくて、ネガティブな府の事例をどのように捉えた取り組みかという表現も、必要になってくるのかなと思う。先ほどから挙がっている中の、年代に応じた、あるいは職場に応じた研修というくくりに関しても、研修効果を問う調査を引き続き実施していくことも、明確にしていく必要があるのではないかと思われる。
 そこのあたりの具体例が先ほど支援学校でのカリキュラムという形で、委員から出されたが、子どもの人権に関わる視点で最後に述べたいと思う。
 虐待等を受けて施設に入る。そして施設でまた職員から2次的な何らかの差別や虐待に近い状況が起こるということは、いくつかの事例であると思う。そのときに、私が先ほど、年代に応じた(研修を)と申し上げたのは、その施設の職員の研修は当然のことながら、そこに大学生のボランティアが共に研修として入る。これは施設実習等でも必ず行くことになっているので、教育と養護、この両方に関わる面での研修という体制の見直しも明記していくことが、府としての人権侵害に関わることを、どのように捉えているかという構造の見直しと対策。ターゲットをどこにしていくか、広げていくかというあたりも、触れる必要があるのではないかと考える。

○会長
 今の中で研修効果という話があったが、これをどのように確認していくかはなかなか(困難)。3年ごとの見直しにも相当大きな要因になってくると思う。そして誰をターゲットに研修をするのかということ。それから、現れた現象に引っ張られるのではなくて、根本的なものをきちんと把握できるようにしましょうというお話だったと思う。そのあたりもとても重要だと思うので、事象としてはかなり多様化しているわけであるが、現れている根本的なことをきちんと把握して、それを対象にした教育活動になっていくようにというご指摘だったと思う。

○委員
 資料1−5の7ページのところで、どこまで書き込むのかという問題はあると思うのだが、たとえばこの3年間で人権問題の動向でいえば、昨年・今年あたりはハラスメントが話題になったので、その辺をどこか表現されたりするのか、(判断は)お任せしますというのと。あと、7ページのところでいえば、最初のカッコ書きの段落のところの、どこまで書くのかという話になると思う。
 いじめ、ニート、引きこもりと下から2行目に挙がっているが、ニートと引きこもりは福祉的課題は多分あるのだろうという気はするが、人権問題としてどう扱うのかという素直な疑問を感じるところ。お答えはいらないが。
 あと、3年というくくりでいうと、12ページの冒頭の(4)で「多様な文化や価値観を持つすべての人々が共生できる人権教育の推進」などでいくと、これから3年の社会で注目される課題として、外国人労働者への目線などが出てくるのだろうなという意見。こういうところは細かく書けば書くほど、汎用性・普遍性がなくなると思う。どこまで書くのかは議論の余地ありだとは思うが、お任せする。

○会長
 外国人のことに関して、今メディアで相当、政府でも議論されているところで、どうなっていきそうかという予想はできる。それを先取りして計画に書き込んでいくことは、あるのかもしれないということ。

(2)行政文書における性別記載の点検・見直しについて
【質疑応答】

○委員
  府立高校の願書で性別欄をなくしたのは、非常に英断ではないかと思う。選抜において、男に下駄を履かすとか、女に下駄を履かすみたいなことは府立学校でやっていないわけで、なくても全然支障がない。今まで慣習で性別欄を設けていたということだったのだろうなと思うので。
 
 そのように不要な性別記載は基本いらない、廃止していくということで考えていけばいいし、先ほどアンケートもあったが、アンケートに関しても性別の情報は非常に大事な情報ではあるが、それも工夫して、男女どちらかという答え方ではないやり方にしていただければと思う。

○委員
  これは他の県とか、あるいは他の自治体でどれくらい見直しの実施されているのか、把握されていたら教えてほしい。

○事務局
  ちょうど熊本県が近々に調査をされているのがネットで発表されている。熊本県は初めて実施されたということであった。対象については性別記載を設けている文書について、廃止か存続かという、私どもが平成17年にやった手法でされたものかなと思う。その中では今日のネット上の発表では申請書等の通知書の総数が9600ほどあり、その中で534件が性別記載欄のある様式ということだった。その534件のうち204件、38%について順次見直しをすることになったと、ネット上で発表がされている。
 
 ほかの県でもこのような取り組みがされていると思うが、直近では熊本県が今日発表されていた。

(3)その他
     特になし

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 企画グループ

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