平成26年度 大阪府同和問題解決推進審議会(平成27年2月10日開催)議事概要・配付資料

更新日:2015年3月24日

議事概要

平成26年度 大阪府同和問題解決推進審議会

1 開催日時 平成27年2月10日 火曜日 午前10時から正午
2 開催場所 國民會館住友生命ビル 12階大ホール
3 出席委員(敬称略)
 1号委員(大阪府議会議員)
 久谷 眞敬、中谷 恭典、竹下  隆、和田 賢治、加治木 一彦、後藤 太平、岡田 義信、吉田 保蔵

 2号委員(同和問題に関し識見を有する者)
 有田 典代、浦坂 純子、岡 絵理子、近藤 博宣、境 真理子、冷水 登紀代、寺西 由記江、長尾 彰夫、丹羽 雅雄

 3号委員(同和問題に関し経験を有する者)
 奥田 均、北口 末広、阪本 孝義、谷口 正暁、村井 茂
  
4 議事次第
(1)開会
(2)議事
 議題 国勢調査を活用した実態把握について
     国勢調査を活用した実態把握報告書【第二次】の報告
(3)閉会

5 議事録(要旨)

国勢調査を活用した実態把握について

※発言者の記載については、次のとおり。
○:委員、●:事務局 

(事務局(人権局)から、資料1により「報告書【第二次】の位置付け」、「用語の定義:『都市計画法上の区域区分・用途地域』、『隣接する地域』、『対象地域の地域類型ごとの男女別人口・世帯数』」、各章のトピックス一覧により「資料1各章の共通事項」について説明後、資料2に沿って、以下報告書の概要を説明)


・「1.人口・世帯の状況」
 1ページの資料左側、棒グラフをごらんいただきたい。説明に入る前に、まず、棒グラフの見方について、ご案内したい。この男性の年齢構成を示すグラフで、例えば一番上の「低層住居」のグラフ、が2本セットになっているが、上段の「低層住居」と表記があるグラフが地域類型上、「低層住居」に区分されるデータで、下段の隣接と表記があるグラフが、「低層住居」に区分される対象地域に「隣接する低層住居」のデータを示している。
 以下同様に、2本グラフのセットが上から9つ、そして、第一次報告を振り返るため、対象地域の合計と大阪府全域のグラフを参考としてそれぞれお示ししている。
 まず、前回第一次報告で見られた対象地域の特徴について振り返ると、人口・世帯では、15歳未満の年少人口と働き盛りの生産年齢人口が少ない、65歳以上の老年人口が多いということが特徴として見られたが、これを地域類型別に見ると、年少人口の少なさについては「準住居」の18.8%を除き、他の地域類型では、いずれも大阪府全域の14.1%より低くなっている。
 中でも、「低層住居」では、男性の年少人口が6.8%、女性が4.2%、「商業」では、男性が6.3%、女性が6.6%と、この2つの地域類型でとりわけ低くなっている。
 そこで、この2つの地域について、それぞれに隣接する地域を見てみると、「隣接する低層住居」の男性が13.4%、女性が11.7%と、いずれも隣接する地域が高くなっている。
 一方で、「隣接する商業」を見ると、男性で6.7%、女性で7.9%ということで、「対象地域の商業」と大きな差が見られないが、これは、繁華街という特徴を持つエリアの影響も無視できないのではないかと思われる。
 生産年齢人口の構成比の中で、「商業」を見ると、男性が78.8%、女性で74.0%となっており、「商業」で際立って高くなっているが、「隣接する商業」を見ると、それぞれ生産年齢人口の構成比が高い。ここでも繁華街というエリアの影響が考えられるのではないかと思われる。
 65歳以上の人口の構成比を見ると、大半の地域で大阪府全域を上回っている。そのような中でも、「市街化調整」をごらんいただくと、「市街化調整」が男性で28.8%、女性で37.5%と、とりわけこの「市街化調整」での老年人口の構成比が高くなっている。「隣接する市街化調整」を見ると、男性で29.0%、女性で39.0%と、こちらも最も高くなっている。 
 次に、2ページ、世帯類型のグラフをごらんいただきたい。
 第一次報告では、対象地域の母子世帯と高齢単身世帯、この構成比の高さがその特徴として見られたが、地域類型ごとに母子世帯の構成比を見ると、母数が小さい「低層住居」と「準住居」以外では、隣接する地域と差がない地域類型が多く見られる。
 高齢単身世帯については、「商業」では11.3%、大阪府全域とあまり差がない。また、「隣接する商業」の17.1%と比較しても、「対象地域の商業」が低くなっている。他の地域類型では、全て大阪府全域より高齢単身世帯の構成比が高くなっている。

・「2.教育の状況」
 3ページのグラフは、15歳以上の学卒者のうち、男性の学歴構成についてお示ししたものである。まず、小学校・中学校卒の状況については、いずれの地域類型においても、大阪府全域の16.1%よりその構成比が高くなっている。
 そのような中でも「近隣商業」では19.5%、「商業」では20.1%と、大阪府全域と比較しても、3から4ポイント程度の差にとどまっている地域もある。また、それぞれに隣接する地域との間においても、この「近隣商業」と「商業」の2つの地域類型では、ほとんど差がない状況である。
 短大・高専卒の状況については、「近隣商業」では7.0%、次いで「工業」では7.9%と、大阪府全域と差がなく、「商業」では9.3%と大阪府全域より高くなっている。そこで、それぞれに隣接する地域について見ると、隣接する地域においても同様に高い傾向が見られた。
 大学・大学院卒の状況については、最も高いのが「商業」で22.9%、最も低いのが「準工業」で11.0%、この間、2倍以上の開きがあるが、いずれも大阪府全域より低くなっている。
 次に、4ページ、15歳以上の学卒者のうち、女性の学齢構成についてである。まず、小学校・中学校卒の状況については、人口規模の大きい「住居」であるが、38.6%、「中高層住居」で38.5%、「準工業」で36.0%と、非常に高くなっており、この3つの人口規模の大きい地域が対象地域における小学校・中学校卒の構成比の高さに影響を与えていると考えられる。
 短大・高専卒の状況については、最も構成比の高いのが「市街化調整」、17.8%、あるいは「商業」、17.5%から最も構成比の低いのが「住居」の10.9%まで、こちらもかなり開きはあるが、いずれの地域類型においても、大阪府全域より低くなっている。
 なお、最も構成比の高い「市街化調整」を見ると、その「隣接する市街化調整」との間では差が見られない。
 大学・大学院卒の状況については、最も構成比の高いのが「近隣商業」の9.0%、次に、「商業」の8.9%から、最も低い「工業」、4.0%まで、2倍以上の開きが見られるが、大阪府全域の13.1%と比較すると、いずれの地域類型もその構成比が低くなっている。

・「3.労働の状況」
 5ページのグラフは、15歳以上人口の男性に関する労働力状態をお示ししたものである。第一次報告では、対象地域の労働力人口の割合が低いということが特徴として見られた。地域類型ごとに見た場合、唯一、「商業」のみが就業者と完全失業者を合わせた労働力人口の構成比、それぞれ63.7%と12.0%、合計で75.7%と高くなっているが、その内訳を見ると、完全失業者の割合が12%と、大阪府全域の6.7%より5ポイント程度高くなっている。
 また、この「商業」と「市街化調整」の2つの地域では、それぞれに対応する隣接する地域と比較しても、労働力人口の割合が高い。また、「市街化調整」では、完全失業者の割合が4.6%と、「隣接する市街化調整」の5.3%よりも低くなっている。
 次に、6ページ、15歳以上人口の女性に関する労働力状態である。第一次報告では、女性についても対象地域の労働力人口の割合が低いことが特徴として見られた。「商業」を見ていただくと、「商業」では50.5%と6.3%の合計で56.8%、「近隣商業」を見ると、46.1%と4.2%の合計で50.3%と大阪府全域より高くなっており、また、就業者の割合や「主に仕事」の割合についても、この「近隣商業」と「商業」では大阪府全域よりも高くなっている。
 次に、7ページは男性の従業上の地位である。第一次報告では、対象地域の男性では、正規の職員・従業員の割合が低く、非正規雇用の割合の高いことが特徴として見られた。地域類型ごとに見ると、「工業」では正規の職員・従業員の割合が65.0%と高くなっており、また、労働者派遣事業所の派遣社員とパート・アルバイト・その他を合わせた非正規雇用の割合も「工業」では低くなっている。
 次に、8ページは女性の従業上の地位である。第一次報告では、対象地域の女性についても、正規の職員・従業員の割合が低く、非正規雇用の割合の高いことが特徴として見られた。地域類型ごとに見ると、まず「近隣商業」、そして「工業」をごらんいただくと、4割前後と正規の職員・従業員の構成比が高くなっており、また、非正規雇用の割合を見ると、大阪府全域より低いか差がない地域類型のほうが多くなっている。
 しかし、対象地域における非正規雇用の割合が全体として高くなっているのは、人口規模の大きい「中高層住居」で、派遣社員の4.5%とパート等51.7%、これの合計で56.2%、「住居」では、派遣が3.6%とパート等が50.7%、合計で54.3%と高くなっており、ここでの非正規雇用の割合の高さによる影響というのが大きいのではないかと思われる。

・「4.住まいの状況」
 9ページのグラフは、持ち家、公営の借家、民営の借家などの住宅の所有形態についてお示ししたものである。第一次報告では、持ち家と民営の借家の構成比が低く、公営の借家の構成比の高いことが対象地域の特徴として見られた。
 そこで、まず持ち家の状況について、「市街化調整」をごらんいただくと、持ち家の構成比が80.1%と高くなっているが、「隣接する市街化調整」でも90.1%と高くなっている。
 公営の借家の状況について、人口規模の大きい「中高層住居」を見ると52.6%、「住居」を見ると52.1%と高くなっており、この2つの地域が対象地域全体の住まいの状況の構成比に影響を与えているものと思われる。
 民営の借家の状況を見ると、「商業」が73.3%と突出して高くなっており、「近隣商業」も49.9%と高くなっている。それぞれに隣接する地域と比較すると、いずれも隣接する地域で民営の借家の構成比も高くなっている。

・「5.移動者(転入者)の状況」
 10ページのグラフは、国勢調査の調査項目の中で現在の場所に住んでいる期間のデータを用いて、この10年間に移動した層における住宅の所有形態についてお示ししたものである。
 第一次報告では、法失効後の移動者のうち40.9%が民営の借家、33.6%が公営の借家ということになっていた。まず、公営の借家の構成比を見ると、「中高層住居」では39.3%、「住居」では48.8%と高くなっており、この2つの地域類型では、公営の借家が民営の借家の構成比を上回っている。
 民営の借家の構成比を見ると、「近隣商業」では64.2%、「商業」で75.6%、「準工業」で52.3%、「工業」で40.9%と高くなっており、これらの地域は、いずれも民営の借家が公営の借家を上回っている。

(委員からの質問、意見等)
○A委員 説明上の言葉で気になるところがある。ある1つの旧同和対策事業対象地域があって、その隣接する地域を用途分けされているが、この分析になったときには、その1つのところの周りを分析されているわけではなくて、その周りの地域を取り上げて、それをまた用途分類されているという解釈でいいのか。

● ご指摘のとおりである。

○A委員 だから、隣接しているところと実際は比較しているわけではなくて、全然違うところのものと比較している可能性がとても高い。例えば低層住居の対象地域があったとしたら、その周りが必ずしも低層住居であるわけではないので、それに比較しているこの低層住居というのは、もしかすると住居地域あるいは中高層、工業に隣接している用途地域が低層住居になっているところと比較しているということでいいのか。

● その点については、もう少し補足をさせていただきたい。対象地域という1つのエリアに対して、面または点で接しているというところだが、対象地域と一口に申し上げても、1つの地域類型ででき上がっているわけではない。多くが2つないしは3つの地域類型にそれぞれ区分をされている。その上で、例えば低層住居であれば、対象地域だけ存在しているというパターンはまれで、対象地域の隣接するところの低層住居のデータも抽出している、同様に中高層に隣接するところであれば、隣接するところのデータもとっている。
 委員が言われるように、それらを最後はまたそれぞれいろいろなところで抽出してきた隣接する低層、隣接する中高層を都市計画区分ごとに全て集約してデータとしてお示ししているというところでは、間違いはない。

○A委員 そういうことだろうと思うので、相当この見方に気をつけなければ、(隣接する地域は)一般的な用途地域別の市街地の状況が出てきている可能性がとても高いと思って、お聞きしていた。
 旧同和対策事業対象地域は、おそらく用途地域別に見ると、さまざまな用途、特になりわいに関係ある用途からこの用途地域が決まっていることが多いので、それぞれ全然異なった経歴というか、異なった市街地を持っている対象地域が当てはまっていると思う。ところが、そこから一歩出ると違う世界が広がっているということがよくあるので、必ずしも隣接といっても、その横の状況を示しているわけではないと思う。分析上、特徴を捉えるという意味では、少し難しいのではないかと思う。
 もう1点は、一般的に統計上、物申すときには、母数が100以下のものについては、分析対象にしないことが多い。都市計画上とか、あるいは、統計をいろいろ見ているが、1軒の家が引っ越したことがものすごく影響するので、それを比較することは、このデータのばらつきを見ていると、10とか32とかいうものを比較すること自体の意味が少し難しいのではないかと思う。

● 人口規模については、お示しのとおり、低層住居と準住居の母数が大変小さくなっている。例えば人口数であれば、低層住居207名であるが、世帯数では100を切るし、年齢別のデータということで細かく割っていくと、統計的にどうなのかというのはもちろん承知しており、それについては、報告書本文の中でも、あくまでも人口規模の小さい低層住居と準住居、これについては参考表記にとどめさせていただいている。年齢別のグラフも煩瑣にはなるが、参考としてお示しするほうが適切であろうということで、人口規模の小さい低層住居と準住居についても、参考でお示しをしている。

○B委員 質問であるが、何人かの意見を聞いてみたところ、まず、全体的な印象として、この部落問題というのは地域の住民からえらい遠いところに行ってしまったなというふうな印象である。具体的に言うと、これだけのデータを分析されて、こういう設定をされたご苦労はよくわかるが、難しくてよくわからないと。読むのが嫌になって、途中でやめてしまったという感想を述べる人がいた。
 この9つの類型に分けて、どんな違いが出たのか。あるいは、そこでの課題のあらわれ方が一律ではないといわれて、今日は少しわかったような気もするが、その中身を知りたい、どういうことなのか。ちょっときつい人は、何か違いをほじくり出そうとしているのではないかと、言う人もいた。
 あるいは、対象地域というけれども、同和地区というのを対象地域と言いかえて特定の地域を注目すると。だから、そのまなざしは、あくまでも同和地区、部落として固定化して見ているのではないかと。特定の地域をそういうふうに捉え続けて、住んでいる人を地区の住民とするのは、いつまでたっても同和問題の解決につながっていかないなということをおっしゃっていた。
 だから、法律が終了したにもかかわらず、こういう対象地域、いわゆる部落、同和地区があるとして、固定化しているのではないか、そういう心配がある。同和問題の解決のためになぜこういう調査が必要なのかよくわからないというのが率直な住民の声だった。見当違いも多々あるかもわからないが、聞いてきてくれとみんな言っていたので、とりあえず紹介だけさせていただく。

● 人権施策を進める上では、平成13年府同対審答申を現在基本に、一般施策による課題の解決に向けた取り組みを進めているところである。
 その平成13年の答申の中で、教育あるいは労働といった課題等が示されているが、それがその後どのように推移しているのか、実情を把握することは行政の基本ではないかと考えており、これまでの間、行政データを活用した実態把握と国勢調査を活用した実態把握を審議会でのご意見を踏まえながら進めてきたところである。私どもは、やはり課題の推移は把握すべきであるという考え方である。

○C委員 調査の中身については、それぞれの調査データには誤差率というのがあると思う。母数が小さくなればなるほど、誤差率は大きくなってくるので、大変詳細な分析をされていれば、当然該当データ数n値が少なくなってくるので、誤差率がどの程度かということは表記していただきたいという点が1点である。(注)
 もう1点は、委員あるいは事務局からの話ともかかわるのだが、中身そのものでなくて恐縮であるが、語句の修正をお願い、提案をしたいと思っている。それは、旧同和対策事業対象地域という言葉が使われているが、はっきりと同和地区と表記すべきではないかと思っている。2011年、平成23年に部落差別事象に係る調査等の規制等の条例が例の土地差別問題をきっかけに改正されており、その条例には、同和地区ということが明記されているし、それを調べたり、情報の提供はしてはいけないという形で府民にも啓発をされている。議会では、同和地区という形で議論をされているわけであるから、議会と本調査との用語の違いというのが生じるべきではないというのが1点である。
 2つ目は、本調査は、平成13年、2001年の大阪府同和対策審議会の答申をベースに行われているのであって、その平成13年の府の答申というのは、同和地区における人口流動、あるいは同和問題の現状を把握するという形で提起されている。同和地区の現状を把握せよと提起されて行われる調査の表記が、同和地区ではなく、旧同和対策事業対象地域と言いかえるということは、あえて必要ないわけで、ベースになっている平成13年の答申に基づいた用語を用いるのが至当かと思う。
 同和地区という名称は、被差別部落に対する行政用語として、同和対策事業にかかわる法律以前から、つまり、今年で内閣同和対策審議会答申が50年になるわけだが、法律のなかった時代から国、地方公共団体において、被差別部落と呼ばずに同和地区という呼称を使っているのであって、大阪府議会、あるいは、大阪府の答申とはあえてこの調査だけ異なった呼称を使うということはいかがなものかと思っている。
 その同和地区のことを従来大阪府においては同和対策事業対象地域として理解をしていたわけで、いわば解説用語みたいなものであるので、同和地区という言い方で表記を統一されるべきではないかと提案するので、会長のほうでよろしく取り扱いをお願いしたい。

○会長 用語の問題ということが現象的には出ているが、これは根本的には同和対策事業、あるいは、同和地区にかかわるいわば視点をどう捉えるのかという根本にかかわってきていることであるので、皆様のご意見をいただかなければと思う。

○D委員 今の点ともかかわって、1985年10月1日に施行された大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例でも条文の中に同和地区ということがうたわれていて、今もその条例は生きている。ちょうど数年前に土地差別調査事件というのが発生して、実際にマンションを建設するときに、どの土地にマンションを建設するかということをディベロッパーとかあるいは広告代理店が土地のマーケティングリサーチをする会社に依頼をして、依頼された土地調査会社が、実際に報告書に立地特性という中に、ここは旧同和地区とか、あるいは同和地区とか、具体的にストレートな名前とか、あるいは地域下位地域、あるいは、大阪市内で全体として一般的なグレードの高い、高級な家がたくさんある地域の一部が同和地区の場合、その表記をするとか、実際にはそういう表記があって、大阪府議会で、先ほど申し上げた部落差別調査等規制等条例を強化、改正するという形で土地差別も規制するという条例もできている。そういう意味では、名は体をあらわすということで、例えば法務局の啓発でも、同和問題という言い方を今もしている。その中で、例えば旧同和対策事業対象地域問題という表現はしていないので、私はきちんと名称も含めてやるべきだと思っている。
 もう1つ、例えばA3の横長の資料の3ページに「2.教育の状況」ということで、世帯員の学歴構成を書いている。男性の場合、先ほど別の資料で見てみると、住居のところが最も母数が多くて3万3,935となっている。
 これで、住居のところを見ていくと、例えば学歴構成だと、小学校・中学校の卒業が、同和地区の場合34.0%で、隣接は20.2となっている。大学・大学院等になると、さらに同和地区の場合11.2で、隣接は23.2と、倍以上の開きがあるということになっている。そして今度はトータル、対象地域の計と大阪府全域の計を見てみる小学校・中学校が32.1と16.1ということで、これも倍違う。先ほどの大学・大学院でいくと、対象地域が13.3、大阪府全域が31.1となっていて、これも倍以上の開きがある。
 5ページのところに、3として労働の状況がある。その3−1に労働力状態(男性)ということで、これも住居のところを見ると、例えば完全失業者、住居のところで11.0で、隣接の場合8.2。全体、総トータル、対象地域が10.7で、大阪府全域が6.7となっている。そういう意味では、この教育の状態、学歴状況と労働の状況というのが密接に結びついているのではないかと思う。
 2001年9月、私もそのころからこの委員であったので、よく覚えているのだが、そのときに答申の中でうたわれたのは、同和地区にあらわれる課題は、現代社会が抱えるさまざまな課題と共通しており、それらが同和地区に集中的にあらわれていると見ることができると、つまり、現代社会の課題と同和地区の課題というのは別々ではないと。現代社会にいろいろな課題があるが、その課題が集中的にあらわれているのが、いわゆる同和地区なんだということで、このデータ、2つの教育と労働という分野を見ても、いまだにこういうものは残っている。この分析、非常にわかりにくかったのだが、少なくともなぜこういうふうに今も実情があるのかという、つまり、なぜ集中的にあらわれているのかということをさらに分析をしていただきたいと思っている。この調査の報告書を読むだけでは、集中的にあらわれている原因が非常にわかりにくいというか、書かれていないというか、その辺をもしわかれば報告をお願いしたいと思っている。
 ちょうど今年は、部落差別撤廃行政の原点とも言われた国の内閣同和対策審議会答申が1965年8月11日に出されてちょうど50年目になる。半世紀を経て、一体内閣同和対策審議会答申でうたわれたことが、何が達成できて、何が残されているのかということも含めて、この2001年の答申を踏まえて、今回の実情把握の中でそういうこともぜひ明らかにしていくべきではないか。そうすることによって、これから部落差別を撤廃するために、行政として何をしなければならないのかということがより一層明確になると思う。この調査というのは、調査のために調査をしているのではなく、調査を踏まえて、次の行政の取り組みに生かすということがベースになって、そのために、この審議会でも報告されていると思うので、まさにその辺をもっと明確に打ち出すべきではないかと思う。

○E委員 一生懸命読んでいたのだが、なかなかわかりづらい。もともと、2001年の審議会答申(で課題が)同和地区に集中的にあらわれていると。これが2008年の提言でも同様な状況が続いていると。今回、国勢調査に基づく実態調査に入ると。入る前提として、要するに同和地区の問題だけではなくて、同様な課題、人権課題が集中しているそういう地域と比較をすると、そういう新しい課題もあるんだという前提で第一次調査に入ったと。今回は、それだけではなくて、関係市町村によるよりきめ細かい施策をするためにも、一度都市計画法上の区分に従って再度分析したらどうかと、こういう発展段階。
 ところが、ここに至って、都市計画区分でいくと私が読んでもなかなかわからない。本来の趣旨というのは、同和地区に人権課題が集中しているんだと、それが現状に続いていると、特に、教育、労働。同時に生活保護の問題、学力の問題、労働の問題が同じように同和地区以外にも社会的な状況として拡大していると、そういうこととの比較もきちっとやらなくてはいけないというのが目的だと思う。目的に従って、各論に行けば行くほど、本来の目的が薄れてくるので、原点に戻って、より細かい市町村の施策を実施するために、こういう分析がどういうふうにその施策にいけるのかという、そのことを意識しながら説明をしていただかないと、これを読んでもよくわからなかった。
 もう1つ、質問になってしまうが、9ページの準住居のところで、対象地域が99.1%、次の10ページの準住居のところで、対象地域が100%とデータがあるのだが、なぜそうなのかの説明がよくわからなかったのでそれも説明いただきたい。

● 準住居についてのお尋ねであるが、先ほどのこの報告書本文の用語の定義を再度ごらんいただきたい。準住居地域が、どういった地域なのかというと、いわゆる幹線道路の沿道という地域である。そういう地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するための地域という定義があって、具体的なイメージで言うと、大型スーパーとか営業用倉庫があって、それと住宅が調和して存在しているというような地域が準住居と言われる地域になる。
 実際に大阪府内において、準住居に指定されているところは、規模的にもかなり小さい。隣接する地域の準住居を見ると、人口規模が517、対象地域が232であるので、2倍程度しかなく、準住居はもともと府内にはあまりない。
 実際に住まいの状況はどうなのかというと、まず、住宅の所有形態では、対象地域のこの準住居にはほぼ公営住宅しかないという状況である。同様に、この10年でこの準住居に転入された方、ほぼ公営住宅なので、この10年で入居される方も公営住宅しかない。ただ、この10年の転入者の状況で、準住居の方であるが、32名ということで、かなり母数自体が小さく、統計上の限界なり、留保条件というのはついてくるが、この住まいの状況を見ると、準住居は大半が公営の住居しかないということである。
 
○A委員 用途地域というのは、都市計画上の将来像であって、ここに特徴と書いてあることは、将来こんな町になってほしいなという意味で都市計画上決めていることが書いてある。実際に何が決まっているかというと、一番大きなものは用途である。住宅が建てられないところという工業専用地域があるが、あとのところは全て住宅が建つ。一番何でも建つというのが準工業地域である。準工業地域には工場もできるし、ラブホテルもできるし、何でもできるところになっていて、もちろん住宅もあるというところである。用途と、容積率、建ぺい率を決めているというのがこの用途地域の大きな意味で、その3つで将来こんな町になってほしいという言葉として書いてあるのがこの特徴で、実際、それぞれの地域に入ると、この特徴とは全く違う市街地が展開されている場合が多い。
 例えば準工業というのは、もともとは大阪市域、併用住宅がとても多く、工場をやっている家が多かったので、準工業に一応全部が塗り分けれらたという経緯もあり、そういう家が例えば1軒でもその地域にあれば、そこは準工業のままであるし、もともとの土地利用と関係しているので、そこに入っている、旧同和対策事業対象地域がどういう町であったかということを示すのにはとても有効だと思う。そういう意味での、住居地域に入っている同和地区と、例えばわかりやすいのは市街化調整区域にある同和地区というのは、ほとんど旧集落であるので、持ち家率がとても高いというのが当たり前のようにわかってくるとか、そちらの地域の分類をするにはとても有効だとは思うが、その周りの全然違うところとの比較となると、少し疑問がつくと思う。そのようなものであるとして見ていただけたらと思う。

● 事務局から説明させていただきたい。
 今までいろいろご意見いただいた中で、旧同和対策事業対象地域という用語の表記の問題のご意見をいただいたが、我々、特別対策終了後、一般対策でいろいろな施策を打ってきているところ、その進捗状況、地区の状態の推移を見るために、これまでも実態把握をやってきている。これまでからずっといわゆる同和地区の呼び方を旧同和対策事業対象地域という表記をしてきている。これは、もともと特別対策時代に、行政でこれまで同和地区と言われてきたところを特別対策を打つために地区を指定してきた。その地域が特別対策終了後、一般対策で取り組んでいるのだが、どういう形で推移してきたかを見るために、その地域を旧同和対策事業対象地域と申し上げている。行政として、その地域をはっきりと特定して、誤解を招かないようにということで、こういう呼び方をしている。
 委員から、部落差別調査等規制等条例の話も出たが、この条例で申し上げている同和地区というのは、旧同和対策事業対象地域とイコールではなく、より広い概念になっている。こういった問題もあって、同和地区というと、なかなか特定の地域を指し示すのが難しいということがあって、我々としては、特別対策の時代に地区指定を行ってきた地区ということで、そこは正確にご理解いただきたいということから、旧同和対策事業対象地域という表記をしているので、その点についてはご理解いただきたい。
 それと、さまざまなデータから、依然として対象地域に課題が集中している要因は何かということで話があったと思うが、これも非常に難しい問題がある。昨年9月の第一次報告をさせていただいたときに、同様の課題を抱える地域が対象地域以外にもあるということで、そのときには、課題の集中というのは対象地域に特有の課題とは言えないのではないかという問題提起もあったかと思う。では、対象地域とそれ以外の地域で同じように課題を抱えている、課題が集中している地区があるとしたら、その要因は何かというのを分析する必要があるかと思うが、それを見たときに、対象地域における課題の集中が同和問題による要因で集中しているのか、あるいは、対象地域以外の課題が集中している地域と同じように、ほかの何らかの社会的要因によって課題が集中しているのか、我々としても分析する必要があると考えている。ただ、その分析が非常に難しい部分はあるものの、どういう形で分析できるのかというのは、今後検討していきたいという問題意識を持っている。
 今年度、国の同対審答申50年という話も出たが、我々としては、平成24年から、平成13年の大阪府の同対審答申で示された課題が現在どういうふうに推移しているのかということで、これまで行政データあるいは国勢調査を活用して実態把握を行っている。その結果が今回取りまとまったので、まだ分析が足らないところはあるが、これをどういうふうに評価をして、今後の取組みにつなげていくのかということをこの審議会のご意見も伺いながら、今後検討していきたいと思っているので、よろしくお願いしたい。
 もう1点、先ほど来隣接地域の話が出てきているが、補足させていただきたい。資料1の2ページに隣接する地域を説明している概念図を掲げているので、もう一度念のために確認ということで申し上げたい。
 この概念図を見ていただくと、格子状になっている真ん中あたりの白抜きの部分に対象地域というところがあるが、例えば商業地域の対象地域がここであったとご理解いただくとすると、周りのこの対象地域に点または線で接している網かけの部分がいわゆる隣接地域で、この隣接地域はあくまでも対象地域と同じ用途区分、商業地域の部分をとってきているということである。もし、この隣接地域に商業以外の住居地域があったら、そこは除いて、商業で隣接している、同じ用途地域で隣接している地域をとってきているということなので、全然対象地域とかけ離れた同じ用途地域のところと比較しているということではないということを補足させていただく。

○A委員 今の説明だが、その対象地域の周りに限ってはいないですよね。足し込んできているから。

● 対象地域も複数あるので、合計はしているが、合計している隣接地域は、いずれもどこかの対象地域に点または線で接しているところを集めてきている。

○A委員 それはわかるが、対象地域が、例えば近隣商業だったら、そこに接している近隣商業だけを隣接する地域としてとってきているということか。

● そのとおりである。対象地域と周辺地域を比較しようとするときに用途地域が全然違う住居と商業を比較するのもどうかという話があって、もともとの発想が対象地域を用途地域9つに細かく細分して、その状況を調べるというのが前提にあるので、隣接する地域を比較するときも、同じ用途地域の隣接する地域同士を比較しようという考え方である。

○A委員 ということは、その地域だけが例えば準工業だった場合、周りが全部違う住居系の用途だった場合は、隣接する地域なしとなっているものもある可能性はあるのですね。

● そのとおりである。少しだけ補足をさせていただきたい。先ほど対象地域の準工業の周りに準工業がない場合という仮定を置かれたが、実態として、対象地域だけが準工業で、その周りが全部住居系ということはない。必ず対象地域に隣接して同じ地域類型はあるし、それを今回集計している。

○D委員 意見として、これまで大阪府は、特別法があるときも含めて、ずっと実態調査を展開してきて、今までの実態調査の手法とかなり違うわけである。そういう意味では、この調査は、差別撤廃がどこまで進んだか、あるいは、差別的な実態がどこまで解消したかということを調査するというのも1つの大きな目的で、2000年の調査と今回の調査でかなり分析の仕方が違って、おそらくこれを大阪府民に理解をしてもらうというのは、かなり難しいと思う。2000年の調査のときは、どんな方法をとられたかということを皆さん方に、2000年のときにおられなかった人も多いと思うので(説明いただきたい)。それとどんなふうにこれで比較できるのかも含めていただければ。

○B委員 部落問題が住民から遠くなったなという印象はここにもある。この概念図、対象地域と隣接を見ると、自分が暮らしている地域とその隣接というふうに単純に捉える。実は、そうでもないみたいですね。そうすると、現実はここでいう対象地域から多くの人が地域外にずっと流れていっているわけだが、その人の流れというのは見えてない。住民の動的な流れが見えない。一次報告のときに、そういう地域の中に流入してくる層もあるという、その人の流れが見えないので、これは、どう捉えたらいいのか戸惑いがあるので、そこをもう少し説明してほしいと思う。

○C委員 私は、2000年のときの調査の調査委員をやっていたので、ご説明するが、2000年のときの調査は、同和地区の実態がその当該行政区の中でどのような位置にあるか。例えばA市の中に同和地区があるとすると、A市の中において、どのような状況にあるかということで、当該同和地区とA市との関係での比較をした。
 もう1つ、意識調査を行った。その場合は、同和地区周辺住民のほうがいろいろ偏見がきついのではないか、とりわけ同和対策事業に対する無理解等があって、これがかえって差別意識を助長しているのではないかということになったので、同和地区住民の意識だけではなく、当該中学校区の住民の意識、それと当該市の意識を比べて、当該市全体に比べて、地区を有する中学校区住民の意識はどうなんだろうかということを検証した。
 そういう意味では、市街化区域とかこの議論は、実は大分前の国の調査のときにあった議論なのだが、社会学的な調査でいうと、これは同和問題の実態を把握するにはやや無理があるという形になってきたので、同和地区を切り刻んだり、周辺地区を切り刻んだりして比較すると、母数が小さくなるということもあるし、1つの同和地区を住宅の形態であるとか、あるいは、用途目的で切り刻んでも、肝心の本調査の目的である同和地区の現状、そして、地域社会の矛盾の集中というのが今日まだ残っているんだろうかということを調べるには、何か木を見て森を見ないような調査データになっているのではないだろうかというのが率直なところである。
 むしろ、煩雑であるが、Aという地区の調査を、Aを含む市町村のデータと比べる、Bの地区の調査をBの市町村と比べる、そして、大阪府内の地区の合計を大阪府と比べるという形の社会的な位置における比較という形でデータを整理されたほうが、この調査の目的に即すると、わかりやすいデータが出てくるのではないだろうかと思う。
 隣接する地域を抽出したというのは、極めて積極的だと思う。そういう意味では、同和地区と隣接する地域と当該市町村を比べるとわかりやすい。そこに市街化区域の用途目的という横軸を入れるので、集計がややこしくなった。あっちのを持ってきたり、こっちのを持ってきたりして、せっかく周辺地域を調べていることの価値が分散してしまうというのがA委員が言われたことだと思うし、私も同感であるので、同和地区、周辺地区、当該市町村という比べ方でデータを整理されるべきではないかと思う。

● 今回の都市計画区域区分に分割してみようという、もともとの目的が、冒頭申し上げたように、府内の関係する市と町にとっては、自分の市の中にある対象地域がどのような都市計画区分に類型をされているのかというのは、もちろんよくご承知なので、従前のように、例えば大阪市と府内を4つのブロックに分けたというような形で市町村に提供しても、施策の参考にはつながりにくい面もあったのではないかという考え方が1つ。
 もう1点これは、民間レベルの研究にはなるが、大学の先生が、今から10数年前に和歌山市で実態調査をされたときに、和歌山市の中で都市公営住宅中心型であるとか、建て売り住宅転入型とか、郊外混住型とか、農村流入型というような、大きな分類で分析をされていたということで、それぞれにそれぞれの特徴が見られた。私どももこのようなそれぞれの特徴ができるだけ可視化できるような形で制度設計できないかということで、今回このような形で都市計画区域区分で分類をしてみようということだったのだが、実際にふたをあけてみると、人口規模の大小がかなり極端だったので、統計的に、例えば低層住居と準住居については参考扱いとなってしまったところは、今回反省点として受けとめないといけないと思っている。さらに改めて新しい集計というご提案もあったが、実態把握検討プロジェクトということで、今回国勢調査を活用した実態把握、集計作業等も作業部会を設け、そこで実際の集計作業も行った。しかしながら、880万人分の府民データをさらに現在とは違う形で集計し直すというのは、作業部会メンバーにもかなり負担が重く、今回はこの枠組みでの調査結果を踏まえて、この結果をどのように捉えていくべきなのか、評価していくべきなのかについて、審議会でのご意見を伺いながら、考えていきたいと考えている。

○F委員 私も第一印象、いろいろな膨大な作業をやっていただいた中で、結論としては、わかりにくいなというのが結論である。結局、こういうデータをいただいた上で、基礎自治体の中でどう予算投下していくか、あるいは、行政投下していくかということで、このデータではちょっとやりにくい。大阪府の場合は、広域の行政の中でお考えだと思うが、基礎自治体の中でおそらくさまざまな問題点、社会の課題と一緒だとD委員が言われたように、おおむね雇用の問題、生活困窮の問題、それから教育の問題というのが1、2、3と出てくると思うが、そういうデータをいただいた中で、自治体が投下しやすいような構成にしていただいたらありがたいということが実感である。よりわかりやすくまとめていただけたらと思う。

○C委員 データの再整理が膨大な作業になるということについては、私も理解しているが、できるだけ今後の調査のあり方に対する教訓ということも含めて受けとめていただけたらと思う。もう1つ、同和地区という呼称を使わないという理由については、はっきり同意できないので、改めてお話をしたいと思う。被差別部落のことを行政が同和地区と呼ぶことは随分以前からのことで、同和地区には当然未指定地区と呼ばれる同和対策事業をやってこなかった地域と実施をしてきた地域がある。大阪では従来からその未指定地区と同和対策事業をやってきた地域ということをあえて分けずに、同和地区という言い方でやってきたわけであって、先ほど来出ている平成13年の同和対策審議会答申の同和地区にあらわれる課題とか、同和地区における人口流動化の実態を把握しなければいけないというのは、あえて同和対策事業対象地域という言い方をしてこなかった。もし同和対策事業対象地域を同和地区とするのであれば、条例も同和地区と言わずに、同和対策事業対象地域と、議会で当然条文にそれが正式な言い方であれば盛られるべきであって、やはり、議会で議論をされているされ方というか、法律、条例に基づく方向で言葉を用いるべきではないだろうかと思う。
 これは、法が切れた直後にいろいろ問題になったことの蒸し返しであって、大阪府の当時の企画調整部長名あるいは教育長名で同和地区という呼称で同和地区はあるんだということを改めて府下市町村にも、あるいは教育長にも通達を出して、徹底を図っているところであるので、本調査の場合にのみ旧同和対策事業対象地域という言葉を用いると、何か特別なそこに意味があるんだろうか、行政と議会は対立しているんだろうか、この審議会と議会はうまくいっていないだろうかというような誤解も生じるので、同和地区という従来から言われてきた、そして法律以前からも同和地区というふうに大阪府では施策を進めてきたわけであるから、今回殊さらこの調査だけ旧同和対策事業対象地域という呼称を使う必要はないのではないかと思う。
 国の厚生労働省の隣保館における全国調査でも同和地区という形を使い、これは旧同和対策事業対象地域のことだというふうに国もそういう言葉を使い、旧同和対策事業対象地域という注釈を加えているのであるから、今回の調査も国、議会、そして大阪府のかつての通達に基づいて同和地区という呼称を用いるべきではないだろうかと思う。

● 今、C委員が言われているのは、一般的な呼称の話だと思う。同和地区はどうかということだと思うが、今回この調査については、国勢調査で当時の対象地域、旧事業の対象地域にフラグを立てて、そこから抽出しているので、未指定の地区は入っていない。ということからすると、より正確性を増すためにも、対象地域、旧同和対策事業の対象地域ということで、今回対象地域を使わせていただいているということでご理解いただければと思う。一般呼称の話ではないということでご理解いただきたい。

○C委員 従来からのように同和地区と使って、それはどこかという注釈で旧同和対策事業対象地域とすれば、従来からの経過、条例との関係、国の調査で使われている用語とも一致するのではないか。わざわざ今回だけ、必ずしもそれをしなければならないという何か特段の事情があるのか。

● 今回からということではなくて、これまでも対象地域という形で使わせていただいている。

○C委員 意識調査でも同和地区というのを使って、注釈として旧同和対策事業対象地域ですよね。

○G委員 同和地区という言葉とか、この審議会は同和問題、国の人権擁護には同和問題というのは主要な人権課題で同和問題、同和という言葉が消えたわけではなくて、同和問題という社会問題を解決しなければならないということはあるのだが、同和行政という言葉とか、同和地区という用語を殊さら使わないでおこうという傾向はあると、非常に感じている。同和という言葉が人権という名前の行政部署とかに変わっていくというのは急激にあった。同和問題の解決も含めて、人権というさまざまな課題を発展的に取り組もうという部署になっていく中で、同和問題の解決は当然主要な課題として含まれている、こういう認識で、発展と捉えるべきだという認識でいいと思う。例えば今日の議論の中では、同和問題解決推進審議会は人権局が、主たる対応のところ。でも、この実態調査にあらわれているように、総合行政、同和問題を解決しようと思えば、労働部や、福祉部や、教育や、さまざまな課題がある。特別措置が終了した後も一般施策を活用しながら同和問題はなお教育の格差とか中退、失業率、不安定就労、そして、現に差別事件が起こっている、生活保護、生活困窮も非常に高い、これが答申の内容であった。ポイントは、審議会ではっきりあらわされていた。それを解決しようと思ったら、教育部署、福祉部署、労働部署、生活困窮の福祉の部署、主な課長が来て、この議論を聞いていただいて、この調査のこの間の流れも把握していただく。審議会の中で、例えば地域就労支援事業とか、人権相談ケースワーク事業とか、進路選択支援事業とか、主にこれからの同和地区の実態にしっかり対応しようと思ったら、こういう一般人権施策は特に同和問題解決に活用できる施策なんだという資料を出していただいたと思う。
 ところが、私の地元の市町村でも少し前から起こっているのは、その地域就労支援事業を一番府が同和問題解決に特に活用できると創設までした事業の主体である就労支援センターが、この間、幾つかの市町村で人権センターや隣保館から撤退され、例えば同和地区が3カ所あったところには4カ所、5カ所の地域就労支援センターがあったのが、同和地区の就労支援センターがなくなって、市役所1本になっている。こういうことが起こっている。そこには、同和地区と言わない、同和行政と言わない、私の認識では同和行政というのは部落差別撤廃行政だと思う。しかし、特別措置法に基づく特別措置法推進行政と捉えている人は多い。だから、同和行政というと特別措置行政と言われるから、そういう用語を使うなと。同和地区という言葉を使うと、どこが同和地区だということになるから、行政的に昔から同和地区と呼んできたのに、特別措置法が切れたことによって動揺し出した。学校の校長先生が同和地区を含む学校の推進校というのは言ってはいけないのかと。特別措置法という地区指定がなくなって、行政は、同和地区かどうかということを事業展開上必要なくなったにもかかわらず、同和校と言ったら、差別にならないかと心配し出した。同和地区とか同和行政という言葉、現に部署の名前も同和がどんどん消えていって、具体的な地域就労の、一番同和問題の解決のために創設したような事業までが、大阪府は交付金化したことによって、地域展開が非常に弱まっていっている。
 今回、複雑でわかりにくい実態調査になっているというご意見が出たが、差別の実態とか教育、就労の実態とか生活困窮、そういうことを捉える延長線上で審議会をやっているわけであるから、そういう観点でこの議論をぜひこれからの審議会につなげていってほしい。大阪府庁の中でも総合行政として人権局を中心に問題解決のために事業が展開されるような審議に進んでいっていただきたいと思う。

○B委員 同和地区というのを殊さらこだわり、強調されているということについては、私は、よろしくないと思っている。同和問題の解決を実現する上で、この問題をどうしていくかということは、非常に重要な問題なので、同和地区とか被差別部落とかをなくしていくという方向でどんどん一般施策化していく、そういう方向だと思っている。ここにいるみんなが同和地区にこだわっているわけではない。そういう立場もある。

○H委員 前回の一次の報告のときに初めて参加をさせていただき、今回、報告を聞いて、当初の労働とか教育、それが引き起こす貧困という仮説を立てられて、それが非常に今回の調査でクリアに見えてきたなという気がした。何でもそうだが、今、ビッグデータの可視化の問題というのはいろいろなところで課題になっていて、このビッグデータを、作業部会をつくられて、労働や貧困、そういうことを浮き彫りにしようというそのパラメーター、軸をつくられたわけであるから、とりあえずはそのビッグデータの差し込んだ軸というものにどういうクリアな状況があらわれたかと、かなりはっきりしてきているように思う。それをどう可視化するか、1つはこのデータをどう使うかということでいえば、そういうことが重要ではないかと思う。ありとあらゆる軸があるわけである。いろいろなところからいろいろな分野でこの軸を入れたいというのはあるだろうが、とりあえずは、それを選ばれたのだから、そこから見えてきたものを順次可視化をしていくということが1つ。もう1つは、可視化の時点で、ある種のメディア研究であるけれども、かえって大事なものが見えにくくなるということがある。わかりやすいということはとても危ない言葉で、わかりやすくするがために見えなくなるものもある。その辺の注意が必要だと思った。

○I委員 調査の報告を伺い、私としては、ようやく何となく全体の枠組みが見えてきたような気がしている。どういう点が非常にわかりやすかったかということであるが、おそらく議論の中で何度となく出てきたことだと思うが、人権という観点からこの同和問題について考えた場合に、ある特定地域についてのみで、そこでの現状を見てしまうと、大阪府全体でどういうふうな問題が起こっているのかというのを抽象化して考えにくくなるのではないかと考えて、おそらくこのような形で都市を分類し、その都市計画法に基づいた分類に従って、労働の問題であるとか、教育の問題であるとか、そういうところとの関係で抽象化していかれたのではないかと理解している。
 そうすると、例えばこの都市計画法に従った分類でいくと、確かに低層住居のところは非常に母数が少ないという問題が出ていたが、逆を返せば、大きな問題として何があるのかと見た場合に、もしかすると、これから政策を考えていく上で何か重点的にしなければいけないところがほかの地域と比べて低いのではないかということが1点言えるわけで、逆に、商業地域であるとか工業地域のようなところであれば、商業地域、工業地域の固有の問題が出てきているのではないかということが、大阪府全体として見たときに言えるのではないかと思っていた。
 そういう観点から、今回の調査をしていただいたことは、非常に意味があり、さらに、労働であるとか貧困であるとか、あるいは、特に労働、貧困とつながる教育の問題、あと住居政策をどうするのかとかも含めた上での施策に生かしていくということは、すごく意味のある報告になったのではないかと思っている。具体的な施策をどうするのかというところは、私の専門外なので、この調査の意義を一言述べさせていただいた。

● 二次報告が見にくいという点については重々反省をしているが、今回は、そのまま集計結果を出させていただいたというのが主なことかと思っているので、これを府民の皆さんにご理解いただくためにはどうすればいいのか、もう一度検討させてもらった上で、大切なところを忘れないように、わかりやすい形でお示しさせていただきたいと思っている。
 今後の同推審の進め方については、第一次報告で、やはり、いろいろな課題が対象地域に集中的にあらわれているだけではなく、ほかの地域でもあらわれているということがわかり、この第二次報告についても、府トータルとしての9分類との比較という意味では一定出ていると思っている。そういった意味でも、各対象地域それぞれにいろいろな特徴があるということがわかったので、そういったことを踏まえて、同和問題の課題についての捉え方について、どう考えていったらいいのかということを、来年度考え方を整理させていただきたいと思っている。また皆様方のご協力をお願いしたいと思うので、よろしくお願いしたい。

(注)「悉皆調査(全数調査)」である国勢調査を活用した実態把握は、「標本調査」における誤差に関わる「誤差率」は生じない。


作成:府民文化部人権局

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資料1 国勢調査を活用した実態把握報告書【第二次】
     ・表紙 [Wordファイル/69KB]
      ・用語の定義 [Wordファイル/72KB]
      ・人口・世帯の状況 [Wordファイル/296KB]
     ・教育の状況 [Wordファイル/348KB]
     ・労働の状況 [Wordファイル/1.79MB]
     ・住まいの状況 [Wordファイル/154KB]
     ・移動者(転入者)の状況 [Wordファイル/311KB]
     ・仮説の検証 [Wordファイル/267KB]
     ・国勢調査で用いられている用語の解説 [Wordファイル/74KB]
資料2 国勢調査を活用した実態把握報告書【第二次】の抜粋 [Wordファイル/2.06MB]
参考資料 各章のトピックス [Wordファイル/16KB] 

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府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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