○大阪府議会の保有する個人情報の保護に関する条例
令和四年十二月二十三日
大阪府条例第八十一号
大阪府議会の保有する個人情報の保護に関する条例を公布する。
大阪府議会の保有する個人情報の保護に関する条例
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 個人情報等の取扱い(第四条―第十七条)
第三章 個人情報ファイル(第十八条)
第四章 開示、訂正及び利用停止
第一節 開示(第十九条―第三十一条)
第二節 訂正(第三十二条―第三十八条)
第三節 利用停止(第三十九条―第四十四条)
第四節 是正の申出(第四十五条―第四十七条)
第五節 審査請求(第四十八条―第五十七条)
第五章 雑則(第五十八条―第六十二条)
第六章 罰則(第六十三条―第六十七条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、大阪府議会(以下「議会」という。)における個人情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定めるとともに、議会が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める個人の権利を明らかにすることにより、議会の事務の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの
2 この条例において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、議長が定めるものをいう。
一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
3 この条例において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして議長が定める記述等が含まれる個人情報をいう。
4 この条例において「保有個人情報」とは、議会の事務局の職員(以下この章から第三章まで及び第六章において「職員」という。)が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、職員が組織的に利用するものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、大阪府議会情報公開条例(平成十二年大阪府条例第百五十三号)第二条に規定する公文書(以下「公文書」という。)に記録されているものに限る。
5 この条例において「個人情報ファイル」とは、保有個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。
一 一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
二 前号に掲げるもののほか、一定の事務の目的を達成するために氏名、生年月日、その他の記述等により特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したもの
6 この条例において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。
一 第一項第一号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
二 第一項第二号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
一 第一項第一号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
二 第一項第二号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
9 この条例において「個人関連情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいう。
10 この条例において「特定個人情報」とは、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号。以下「番号利用法」という。)第二条第八項に規定する特定個人情報をいう。
11 この条例において「保有特定個人情報」とは、職員が職務上作成し、又は取得した特定個人情報であって、職員が組織的に利用するものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、公文書に記録されているものに限る。
12 この条例において「独立行政法人等」とは、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人及び個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号。以下「法」という。)別表第一に掲げる法人をいう。
13 この条例において「地方独立行政法人」とは、地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。
(議会の責務)
第三条 議会は、その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるものとする。
第二章 個人情報等の取扱い
一 個人情報取扱事務の名称
二 個人情報取扱事務を所掌する組織の名称
三 個人情報取扱事務の目的
四 個人情報の対象者の範囲
五 個人情報の記録項目
六 個人情報の収集先
七 前各号に掲げるもののほか、議長が別に定める事項
2 議長は、個人情報取扱事務を開始しようとするときは、あらかじめ、当該個人情報取扱事務について、前項各号に掲げる事項を登録簿に登録しなければならない。登録した事項を変更しようとするときも、同様とする。
3 前二項の規定は、次に掲げる事務については、適用しない。
一 議会の議員若しくは議員であった者又は職員若しくは職員であった者に関する事務であって、専らその人事、給与若しくは福利厚生に関するもの又はこれらに準ずるもの(議長が行う職員の採用に関する事務を含む。)
二 国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人の職員又は職員であった者に係る個人情報であって、職務の遂行に関するものを取り扱う事務
三 臨時に収集された個人情報を取り扱う事務
四 一般に入手し得る刊行物等を取り扱う事務
五 資料その他の物品若しくは金銭の送付又は業務上必要な連絡に利用するため、送付又は連絡の相手方の氏名、住所その他の送付又は連絡に必要な事項のみを取り扱う事務
4 議長は、第二項の規定により登録した個人情報取扱事務を廃止したときは、遅滞なく、当該個人情報取扱事務に係る登録を登録簿から抹消しなければならない。
(個人情報の保有の制限等)
第五条 議会は、個人情報を保有するに当たっては、法令(条例を含む。第十三条第二項第二号及び第三号並びに第四章において同じ。)の規定によりその権限に属する事務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。
2 議会は、前項の規定により特定された利用の目的(以下「利用目的」という。)の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない。
3 議会は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
(利用目的の明示)
第六条 議会は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。
一 人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
二 利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがあるとき。
三 利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
四 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
(不適正な利用の禁止)
第七条 議会は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。
(適正な取得)
第八条 議会は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
(正確性の確保)
第九条 議会は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。
(安全管理措置)
第十条 議長は、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、議会に係る個人情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合における個人情報の取扱いについて準用する。
(漏えい等の通知)
第十二条 議長は、保有個人情報の漏えい、滅失、毀損その他の保有個人情報の安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとしてその定めるものが生じたときは、本人に対し、その定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるとき。
二 当該保有個人情報に第二十一条各号に掲げる情報のいずれかが含まれるとき。
(利用及び提供の制限)
第十三条 議会は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
一 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
二 議会が法令の規定によりその権限に属する事務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
三 知事、教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会、監査委員、人事委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、公営企業管理者若しくは警察本部長、府が設立した地方独立行政法人、他の地方公共団体の機関、他の地方公共団体が設立した地方独立行政法人、法第二条第八項に規定する行政機関又は独立行政法人等に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由があるとき。
3 前項の規定は、保有個人情報の利用又は提供を制限する他の条例の規定の適用を妨げるものではない。
4 議長は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、保有個人情報の利用目的以外の目的のための議会の内部における利用を議会の事務局の特定の課又は職員に限るものとする。
第十三条第一項 | 法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的 | 利用目的以外の目的 |
自ら利用し、又は提供してはならない | 自ら利用してはならない | |
第十三条第二項 | 自ら利用し、又は提供する | 自ら利用する |
第十三条第二項第一号 | 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき | 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるとき |
第三十九条第一項第一号 | 又は第十三条第一項及び第二項の規定に違反して利用されているとき | 第十三条第五項の規定により読み替えて適用する同条第一項及び第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定に違反して利用されているとき、番号利用法第二十条の規定に違反して収集され、若しくは保管されているとき、又は番号利用法第二十九条の規定に違反して作成された特定個人情報ファイル(番号利用法第二条第九項に規定する特定個人情報ファイルをいう。)に記録されているとき |
第三十九条第一項第二号 | 第十三条第一項及び第二項 | 番号利用法第十九条 |
(個人関連情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第十五条 議長は、第三者に個人関連情報を提供する場合(当該第三者が当該個人関連情報を個人情報として取得することが想定される場合に限る。)において、必要があると認めるときは、当該第三者に対し、提供に係る個人関連情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の個人関連情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
(仮名加工情報の取扱いに係る義務)
第十六条 議会は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。以下この条及び第六十条において同じ。)を第三者(当該仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者を除く。)に提供してはならない。
2 議長は、その取り扱う仮名加工情報の漏えいの防止その他仮名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
3 議会は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該仮名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、削除情報等(仮名加工情報の作成に用いられた個人情報から削除された記述等及び個人識別符号並びに法第四十一条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報をいう。)を取得し、又は当該仮名加工情報を他の情報と照合してはならない。
4 議会は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、電話をかけ、郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便により送付し、電報を送達し、ファクシミリ装置若しくは電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって議長が定めるものをいう。)を用いて送信し、又は住居を訪問するために、当該仮名加工情報に含まれる連絡先その他の情報を利用してはならない。
5 前各項の規定は、議会に係る仮名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
(匿名加工情報の取扱いに係る義務)
第十七条 議会は、匿名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該個人情報から削除された記述等若しくは個人識別符号若しくは法第四十三条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。
2 議会は、匿名加工情報の漏えいを防止するために必要なものとして議長が定める基準に従い、匿名加工情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
3 前二項の規定は、議会に係る匿名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
第三章 個人情報ファイル
一 個人情報ファイルの名称
二 個人情報ファイルが利用に供される事務をつかさどる組織の名称
三 個人情報ファイルの利用目的
五 個人情報ファイルに記録される個人情報(以下この条において「記録情報」という。)の収集方法
六 記録情報に要配慮個人情報が含まれるときは、その旨
七 記録情報を議会以外の者に経常的に提供する場合には、その提供先
九 第三十二条第一項ただし書又は第三十九条第一項ただし書に該当するときは、その旨
2 前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない。
一 次に掲げる個人情報ファイル
イ 議会の議員若しくは議員であった者又は職員若しくは職員であった者に係る個人情報ファイルであって、専らその人事、議員報酬、給与又は報酬、福利厚生に関する事項その他これらに準ずる事項を記録するもの(議長が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)
ロ 専ら試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル
ハ 一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル
ニ 資料その他の物品若しくは金銭の送付又は業務上必要な連絡のために利用する記録情報を記録した個人情報ファイルであって、送付又は連絡の相手方の氏名、住所その他の送付又は連絡に必要な事項のみを記録するもの
ホ 職員が学術研究の用に供するためその発意に基づき作成し、又は取得する個人情報ファイルであって、記録情報を専ら当該学術研究の目的のために利用するもの
ヘ 本人の数が議長が定める数に満たない個人情報ファイル
二 前項の規定による公表に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目及び記録範囲が当該公表に係るこれらの事項の範囲内のもの
三 前号に掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして議長が定める個人情報ファイル
4 前各項の規定は、議会が、条例で定めるところにより、個人情報ファイル簿とは別の個人情報の保有の状況に関する事項を記載した帳簿を作成し、公表することを妨げるものではない。
第四章 開示、訂正及び利用停止
第一節 開示
(開示請求権)
第十九条 何人も、この条例の定めるところにより、議長に対し、議会の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる。
(開示請求の手続)
第二十条 開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「開示請求書」という。)を議長に提出してしなければならない。
一 開示請求をする者の氏名及び住所又は居所
二 開示請求に係る保有個人情報が記録されている公文書の名称その他の開示請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項
3 議長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下この章において「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、議長は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
二 開示請求者以外の個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)若しくは個人識別符号が含まれるもの又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ 法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報
ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報
ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第二条第四項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
三 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報又は開示請求者以外の事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報を除く。
イ 開示することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
ロ 議会の要請を受けて、開示しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として開示しないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
四 議長が第二十五条各項の決定(以下この章において「開示決定等」という。)をする場合において、開示することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると議長が認めることにつき相当の理由がある情報
五 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
六 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
イ 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
ロ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
ハ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ニ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
ホ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
ヘ 独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分開示)
第二十二条 議長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。
(裁量的開示)
第二十三条 議長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示することができる。
(保有個人情報の存否に関する情報)
第二十四条 開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、議長は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
2 議長は、開示請求に係る保有個人情報の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき、及び開示請求に係る保有個人情報を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(開示決定等の期限)
第二十六条 開示決定等は、開示請求があった日から十五日以内にしなければならない。ただし、第二十条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
(開示決定等の期限の特例)
第二十七条 開示請求に係る保有個人情報が著しく大量であるため、開示請求があった日から三十日(第二十条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数を除く。)以内にその全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、議長は、開示請求に係る保有個人情報のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの保有個人情報については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において、議長は、同条第一項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 この条の規定を適用する旨及びその理由
二 残りの保有個人情報について開示決定等をする期限
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第二十八条 開示請求に係る保有個人情報に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び開示請求者以外の者(以下この条、第四十九条第二項第三号及び第五十条において「第三者」という。)に関する情報が含まれているときは、議長は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、議長が定めるところにより、当該第三者に関する情報の内容その他議長が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
二 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を第二十三条の規定により開示しようとするとき。
(開示の実施)
第二十九条 保有個人情報の開示は、当該保有個人情報が、文書又は図画に記録されているときは閲覧又は写しの交付により、電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して議長が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による保有個人情報の開示にあっては、議長は、当該保有個人情報が記録されている文書又は図画の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
2 議長は、前項の規定に基づく電磁的記録についての開示の方法に関する定めを一般の閲覧に供しなければならない。
3 開示決定に基づき保有個人情報の開示を受ける者は、議長が定めるところにより、議長に対し、その求める開示の実施の方法等を申し出なければならない。
(手数料及び費用負担)
第三十一条 保有個人情報が記録されている公文書の開示請求に係る一件当たりの手数料は、零円とする。
一 開示請求をして、保有個人情報又はこれを複写した物の写しの交付を受ける者
二 第十三条第二項第一号の規定に基づき、議長が定めるところにより、保有個人情報の提供として公文書等の写しの交付(これに準ずるものとして議長が定める方法を含む。)を受けるもの
第二節 訂正
(訂正請求権)
第三十二条 何人も、自己を本人とする保有個人情報の内容が事実でないと思料するときは、この条例の定めるところにより、議長に対し、当該保有個人情報の訂正(追加又は削除を含む。以下この章において同じ。)を随時請求することができる。ただし、当該保有個人情報の訂正に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。
(訂正請求の手続)
第三十三条 訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「訂正請求書」という。)を議長に提出してしなければならない。
一 訂正請求をする者の氏名及び住所又は居所
二 訂正請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項
三 訂正請求の趣旨及び理由
3 議長は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、訂正請求をした者(以下この章において「訂正請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
4 議長は、訂正請求をする者に対し、当該訂正請求に係る保有個人情報の特定に必要な情報を提供するよう努めなければならない。
5 第三項の規定により補正を求めた場合において、議長は、訂正請求をした者に対し、当該補正に必要な情報を提供するよう努めなければならない。
6 第二十四条の規定は、訂正請求について準用する。
(保有個人情報の訂正義務)
第三十四条 議長は、訂正請求があった場合において、当該訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る保有個人情報の利用目的の達成に必要な範囲内で、当該保有個人情報の訂正をしなければならない。
(訂正請求に対する措置)
第三十五条 議長は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 議長は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
一 この条の規定を適用する旨及びその理由
二 訂正決定等をする期限
(保有個人情報の提供先への通知)
第三十八条 議長は、第三十五条第一項の決定に基づく保有個人情報の訂正の実施をした場合において、必要があると認めるときは、当該保有個人情報の提供先に対し、遅滞なく、その旨を書面により通知するものとする。
第三節 利用停止
(利用停止請求の手続)
第四十条 利用停止請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「利用停止請求書」という。)を議長に提出してしなければならない。
一 利用停止請求をする者の氏名及び住所又は居所
二 利用停止請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項
三 利用停止請求の趣旨及び理由
3 議長は、利用停止請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用停止請求をした者(以下この章において「利用停止請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。
4 第三十三条第四項の規定は、利用停止請求をする者について準用する。
5 第三項の規定により補正を求めた場合において、議長は、利用停止請求をした者に対し、当該補正に必要な情報を提供するよう努めなければならない。
6 第二十四条の規定は、利用停止請求について準用する。
(保有個人情報の利用停止義務)
第四十一条 議長は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、議会における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしなければならない。ただし、当該保有個人情報の利用停止をすることにより、当該保有個人情報の利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(利用停止請求に対する措置)
第四十二条 議長は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をするときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
2 議長は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしないときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
一 この条の規定を適用する旨及びその理由
二 利用停止決定等をする期限
第四節 是正の申出
(是正の申出)
第四十五条 何人も、議長に対し、議会の保有する自己を本人とする保有個人情報の取扱いが、この条例の規定に違反して不適正であると認めるときは、その取扱いの是正を申し出ることができる。
(是正の申出の手続)
第四十六条 是正の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を議長に提出しなければならない。
一 是正の申出をする者の氏名及び住所又は居所
二 是正の申出に係る保有個人情報を特定するに足りる事項
三 是正の申出の趣旨及び理由
四 前三号に掲げるもののほか、議長が別に定める事項
2 第二十条第二項の規定は、是正の申出をしようとする者について準用する。
(是正の申出に対する措置等)
第四十七条 議長は、是正の申出があったときは、速やかに、必要な調査を行い、当該是正の申出に対する処理を行い、その内容(当該是正の申出の趣旨に沿った処理を行わない場合にあっては、その理由を含む。)を当該是正の申出をした者に対し、書面により通知しなければならない。
第五節 審査請求
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第四十八条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第九条第一項の規定は、適用しない。
(審議会への諮問)
第四十九条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為について審査請求があったときは、議長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、大阪府個人情報保護審議会条例(令和四年大阪府条例第五十八号)第一条に規定する大阪府個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)に諮問しなければならない。
一 審査請求が不適法であり、却下する場合
二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の全部を開示することとする場合(当該保有個人情報の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
三 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の訂正をすることとする場合
四 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の利用停止をすることとする場合
2 前項の規定により諮問した場合には、議長は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
一 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下この章において同じ。)
二 開示請求者、訂正請求者又は利用停止請求者(これらの者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
三 当該審査請求に係る保有個人情報の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
一 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
二 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る保有個人情報の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る保有個人情報を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
(審議会の調査権限)
第五十一条 審議会は、必要があると認めるときは、議長に対し、諮問に係る保有個人情報の提示を求めることができる。この場合において、何人も、審議会に対し、その提示されている保有個人情報の開示を求めることができない。
2 審議会は、必要があると認めるときは、議長に対し、諮問に係る保有個人情報に含まれている情報の内容を審議会の指定する方法により分類し又は整理した資料を作成し、審議会に提出するよう求めることができる。
(意見の陳述)
第五十二条 審議会は、審査請求人等から申立てがあったときは、当該審査請求人等に口頭で意見を陳述する機会を与えなければならない。ただし、審議会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
2 前項本文の場合において、審査請求人又は参加人は、審議会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
(意見書等の提出)
第五十三条 審査請求人等は、審議会に対し、意見書又は資料を提出することができる。ただし、審議会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
(提出資料の閲覧等)
第五十五条 審査請求人等は、審議会に対し、審議会に提出された意見書若しくは資料の閲覧又は写しの交付(以下この条において「閲覧等」という。)(当該意見書又は資料が電磁的記録である場合にあっては、閲覧等に準ずる方法として議長が別に定める方法を含む。)を求めることができる。
2 審議会は、前項の閲覧等をさせようとするときは、当該閲覧等に係る意見書又は資料を提出した審査請求人等の意見を聴かなければならない。ただし、審議会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
(調査審議手続の非公開)
第五十六条 審議会の行う審査請求に係る調査審議の手続は、公開しない。
(答申等)
第五十七条 審議会は、諮問があったときは、速やかに、書面により答申しなければならない。
3 議長は、審議会が第一項の規定による答申をしたときは、これを尊重して、速やかに、当該答申に係る審査請求に対する裁決をしなければならない。
(令五条例五六・一部改正)
第五章 雑則
(開示請求等をしようとする者に対する情報の提供等)
第五十九条 議長は、開示請求、訂正請求又は利用停止請求(以下この条において「開示請求等」という。)をしようとする者がそれぞれ容易かつ的確に開示請求等をすることができるよう、保有個人情報の特定その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
(個人情報等の取扱いに関する苦情処理)
第六十条 議長は、議会における個人情報、仮名加工情報又は匿名加工情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
(運用状況の公表)
第六十一条 議長は、毎年一回、この条例の運用状況を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
(委任)
第六十二条 この条例の実施に関し必要な事項は、議長が定める。
第六章 罰則
第六十四条 前条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第六十五条 職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第六十六条 前三条の規定は、府の区域外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。
第六十七条 偽りその他不正の手段により、第二十五条第一項の決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、五万円以下の過料に処する。
附則
この条例は、令和五年四月一日から施行する。
附則(令和五年条例第五六号)
この条例は、公布の日から施行する。