○大阪府薬物の濫用の防止に関する条例
平成二十四年十一月一日
大阪府条例第百二十三号
大阪府薬物の濫用の防止に関する条例を公布する。
大阪府薬物の濫用の防止に関する条例
(目的)
第一条 この条例は、薬物の濫用による被害が深刻な状況にあることを踏まえ、薬物の濫用を防止するための施策を推進し、及び必要な規制等を行うことにより、青少年をはじめとする府民の生命、身体等に対する危害の発生を防止するとともに、公の秩序又は善良の風俗を維持し、もって府民が健康に安心して暮らすことができる健全な社会の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において「薬物」とは、次に掲げる物をいう。
一 大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第一条に規定する大麻
二 覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)第二条第一項に規定する覚醒剤
三 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二条第一号に規定する麻薬及び同条第六号に規定する向精神薬
四 あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)第三条第一号に規定するけし、同条第二号に規定するあへん及び同条第三号に規定するけしがら
五 毒物及び劇物取締法施行令(昭和三十年政令第二百六十一号)第三十二条の二に規定する物
六 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。第十条第一項において「法」という。)第二条第十五項に規定する指定薬物(以下「指定薬物」という。)
七 前各号に掲げるもののほか、中枢神経系の興奮、抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあると認められる物
(平二六条例一五六・令二条例五五・一部改正)
(府の責務)
第三条 府は、薬物の濫用の防止に関する施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。
2 府は、前項の施策の推進に当たっては、国、他の地方公共団体及び薬物の濫用の防止を目的とする団体との連携及び協力を図るものとする。
(府民の責務)
第四条 府民は、薬物の濫用の防止に関する府の施策に協力するよう努めなければならない。
(推進体制の整備)
第五条 府は、薬物の濫用の防止に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整備するものとする。
2 知事及び公安委員会は、相互に連携し、及び協力して薬物の濫用の防止に関する調査、指導その他の措置を行うものとする。
(調査研究の推進)
第六条 府は、地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所と協力して、薬物の濫用の防止に関する施策を最新の科学的知見に基づいて実施するため、薬物の危険性に関する調査研究を行うとともに、薬物の試験及び検査に関する研究開発を推進するものとする。
(平二九条例三一・一部改正)
(情報の提供)
第七条 府は、薬物の濫用による府民の生命、身体等に対する危害の発生を防止するため、府民に必要な情報を提供するものとする。
(教育及び学習の推進)
第八条 府は、青少年をはじめとする府民が薬物の危険性に関する正確な知識に基づき行動することができるよう、その教育及び学習の推進に必要な措置を講ずるものとする。
(知事指定薬物の指定)
第九条 知事は、第二条第七号に掲げる薬物のうち、府の区域内において現に濫用され、又は濫用されるおそれがあり、かつ、中枢神経系の興奮、抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有すると認められる物を公示して指定することができる。
2 知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ大阪府薬物指定審査会(以下「審査会」という。)の意見を聴くものとする。ただし、緊急を要し、あらかじめ審査会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
3 前項ただし書の場合において、知事は、速やかに、その指定に係る事項を審査会に報告しなければならない。
(平二七条例三四・平二八条例一一〇・一部改正)
(禁止行為)
第十条 何人も、指定薬物について、法第七十六条の四に規定する医療等の用途以外の用途に供するために、情を知って、使用する場所を提供し、又はあっせんしてはならない。
2 何人も、知事指定薬物について、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として規則で定めるもの以外の用途に供するために次に掲げる行為をしてはならない。
一 製造し、栽培し、販売し、授与し、所持し、購入し、譲り受け、又は使用すること。
二 情を知って、使用する場所を提供し、又はあっせんすること。
三 販売又は授与の目的で広告を行うこと。
(平二六条例五二・平二六条例一五六・一部改正)
2 公安委員会は、この条例の施行に必要な限度において、公安委員会規則で定める警察職員に、知事指定薬物等を業務上取り扱う場所その他必要な場所に立ち入り、調査させ、又は関係者に質問させることができる。
(平二七条例一〇七・一部改正)
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者に警告を発するほか、その法人又は人に対しても、警告を発することができる。
3 公安委員会は、警察職員が第十条第一項に規定する行為をした者を発見したときは、公安委員会規則で定めるところにより、知事に通知することができる。
(平二六条例五二・一部改正)
一 薬物の濫用による被害から府民の健康と安全を守るため緊急を要する場合で、前条第一項の警告を発するいとまがないとき。
二 その者が前に前条第一項の警告を受けたことがあるとき。
(平二六条例五二・一部改正)
(緊急時の勧告)
第十四条 知事は、第二条第七号に掲げる薬物の濫用により、府民の生命又は身体に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがあると認めるときは、当該薬物を製造し、栽培し、販売し、授与し、所持し、購入し、譲り受け、若しくは使用し、又は情を知って、使用する場所を提供し、若しくはあっせんする者に対し、その行為を中止し、又は当該薬物の回収若しくは廃棄その他必要な措置をとることを勧告することができる。
2 知事は、前項の規定による勧告を行ったときは、府民に当該勧告に係る薬物に関する情報を提供するものとする。
(平二六条例五二・一部改正)
2 不動産の譲渡等をしようとする者は、当該譲渡等に係る契約の締結の前に、当該契約の相手方に対し、当該不動産が薬物の製造等をする場所に使用されるものでないことを確認するよう努めるものとする。
3 不動産の譲渡等をしようとする者は、当該譲渡等に係る契約において、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
一 契約の相手方は、当該不動産を薬物の製造等をする場所に使用してはならないこと。
二 譲渡等をした不動産が薬物の製造等をする場所に使用されることが判明したときは、当該譲渡等をした者は、当該契約を解除し、又は当該不動産を買い戻すことができること。
4 不動産の譲渡等をしようとする者が前二項に規定する措置を講じた場合において、譲渡等をした不動産が薬物の製造等をする場所に使用されることが判明したときは、当該譲渡等をした者は、当該譲渡等に係る契約を解除し、又は当該不動産の買い戻しを申し入れるよう努めるものとする。
(平二七条例一〇七・追加)
(不動産の譲渡等の代理又は媒介に係る規制等)
第十六条 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、当該代理又は媒介に係る不動産が薬物の製造等をする場所に使用されることとなることを知って、当該不動産の譲渡等に係る契約の代理又は媒介をしてはならない。
(平二七条例一〇七・追加)
(旅館営業者の宿泊契約等に係る規制等)
第十七条 旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条第一項の許可を受けて旅館業を営む者(以下「旅館営業者」という。)は、同項の許可の申請に係る施設が宿泊しようとする者により薬物の製造等をする場所に使用されることとなることを知って、当該施設に宿泊させてはならない。
2 旅館営業者は、当該施設への宿泊契約において、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
一 宿泊しようとする者は、当該施設を薬物の製造等をする場所に使用してはならないこと。
二 宿泊しようとする者が当該施設において薬物の製造等を行っていることが判明したときは、旅館営業者は、当該施設からの退去を求めることができること。
3 当該施設が薬物の製造等をする場所に使用されることが判明したときは、旅館営業者は、当該宿泊者に対し、当該施設からの退去を求めるよう努めるものとする。
(平二七条例一〇七・追加)
(平二七条例一〇七・追加)
(平二七条例一〇七・追加)
(公表)
第二十条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わなかったときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。
(平二七条例一〇七・追加)
(国に対する意見表明等)
第二十一条 知事は、薬物の濫用の防止に関する施策を推進するために必要があると認めるときは、国に対し、意見を述べ、又は必要な措置をとるべきことを求めるものとする。
(平二七条例一〇七・旧第十五条繰下)
(規則への委任)
第二十二条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(平二七条例一〇七・旧第十六条繰下)
(平二六条例五二・一部改正、平二七条例一〇七・旧第十七条繰下)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十条第二項第一号の規定に違反した者
(平二六条例五二・一部改正、平二七条例一〇七・旧第十八条繰下)
第二十五条 第十条第二項第三号の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
(平二六条例五二・追加、平二七条例一〇七・旧第十九条繰下)
第二十六条 第十条第二項第二号の規定に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。
(平二六条例五二・旧第十九条繰下・一部改正、平二七条例一〇七・旧第二十条繰下)
(平二六条例五二・旧第二十条繰下、平二七条例一〇七・旧第二十一条繰下)
(平二六条例五二・旧第二十一条繰下、平二七条例一〇七・旧第二十二条繰下・一部改正)
附則
(検討)
2 府は、前項ただし書に規定する規定の施行後三年を経過した場合において、当該規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成二六年条例第五二号)
(施行期日)
1 この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(平成二六年条例第一五六号)
この条例は、平成二十六年十一月二十五日から施行する。
附則(平成二七年条例第三四号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成二七年条例第一〇七号)
この条例は、平成二十八年三月一日から施行する。
附則(平成二八年条例第一一〇号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成二九年条例第三一号)
この条例の施行期日は、規則で定める。
(平成二九年規則第六四号で平成二九年四月一日から施行)
附則(令和二年条例第五五号)抄
この条例は、公布の日から施行する。