○トラウマの理解とこころのケア リーフレット 【内容】  人は、個人では対処できないような突然の衝撃的な出来事を経験すると、  こころに傷を負います。このような心の傷のことをトラウマといいます。 ・トラウマの原因になるようなできごと  身近な人の突然の死   戦争 人為災害 虐待   自然災害 犯罪被害  事件や事故  性被害  ・トラウマによって起こりやすい反応  ◇こころの反応   ・そわそわと落ち着かない気持ちになる   ・無力感、疎外感、自分を責める気持ちになる   ・怒りっぽくなる、いらいらする   ・同じことを繰り返し考える   ・恐怖や不安を感じる   ・起こっていることが現実だと思えない   ・感情がなくなってしまったようである   ・死にたいと思う  ◇からだの反応   ・頭痛、肩こり   ・息がつまる、だるい、めまい   ・吐き気、下痢、胃の痛み   ・食欲不振や過食   ・睡眠の問題(不眠・悪夢)  ◇行動の変化   ・集中力や記憶力の低下   ・判断力の低下   ・ひきこもり   ・性欲の減退や亢進  これらのトラウマ反応は、ひどいショックを受けたときに誰にでも起こりうる反応です。  大部分は時間の経過と共に、徐々におさまってきます。反応の仕方や回復の仕方は、 人によって異なります。 ・回復のためにできること  ◇マイペースを心がけましょう   ・トラウマ反応は誰にでも起こる反応です。自分が弱いのだ、    早く乗り越えなければいけない、    などと思わずに、焦らないことが大切です。   ・回復の仕方や早さは一人ひとり違います。自分のペースにあわせ、    頑張りすぎないようにしましょう。  ◇気持ちとからだをいたわりましょう   ・大変なときだからこそ、適度な食事と十分な睡眠を    心がけましょう。   ・十分な休息や睡眠をとりましょう。  ◇いつもの生活を取り戻しましょう   ・小さなことからでも少しずつ日常生活に戻り    ましょう。        自分自身で生活や気持ちをコントロールできているという感覚は、回復    のために大切なことです。  ◇体験したことや気持ちを話しましょう。   自分の気持ちや反応について信頼できる人に話すことが回復の助けになります。    ・身近な方へ  被害を受けた人は、自分の変調に気づきにくいので、身近にいる人が  トラウマによって起こる反応を正しく理解し、適切に対応すること  が大切です。  ◇安全な場所で安心して過ごせるようにしましょう   ・危険から遠ざけます   ・必要な場合はからだのケアをします   ・正確な情報を伝えます   ・日常生活の援助をします  ◇話をじっくり聞きましょう   ・否定することなくじっくり耳を傾けて話を聞くだけで本人は少し楽になります。   ・批判したり自分の考えを押し付けることは控えましょう。   ・自分を責めている人には「あなたが悪いのではない」と伝えることも    役に立ちます。  ◇自分自身へのいたわりも大切にしましょう   ・「何とかしなければ…」と思い込んでがんばりすぎないようにしま    しょう   ・ひとりで抱え込まないようにしましょう  支援者もトラウマを受けます(代理受傷)   トラウマを受けた人に接したり、トラウマを引き起こすようなできごとの話を聞く   と、被害を受けた人と同じように影響を受けることがあります。   無力感や自己評価の低下などが生じたら、セルフケアを心がけてください。 ・PTSD(外傷後ストレス障害)とは?  トラウマの中でも、特に、生命が危険になるような恐ろしいできごとを  経験したり目撃した際に、次の症状が起こることがあります。  ることがあります。   ○侵入症状     トラウマとなったできごとが急に頭に浮かぶ など   ○回避症状     出来事を思い出させるような人・場所・場面などを避ける など   ○気分・認知の変化     「誰も信用できない」といった思いを持つ など   ○過覚醒症状     寝付けない、怒りっぽくなる など   こうした症状が1カ月以上持続し、それにより顕著な苦痛、社会生活や日常生活に支   障がある場合PTSD(心的外傷後ストレス障害)の可能性があります。 ・専門機関への相談が必要なとき  ・極度の動揺、強い孤独感や恐怖感  ・自殺のおそれ  ・慢性的に続く症状  ・長期にわたり続く仕事上の不適応や生活面の問題  ・アルコールや薬物を乱用する傾向  医療機関で治療を受けることによって、トラウマによる多くの反応や症状が緩和さ  れることもあります。つらいときには無理をせずに、早めに受診しましょう。 リラックスするために     <呼吸法>    @鼻から ゆっくり大きく息を 吸います(おなかを ふくらませます)    「1.2.3」    A少し止めて「4」    B鼻もしくは口からゆっくり息を 吐きます(おなかをへこませます)    「5.6.7.8.9.10」      <伸びをする>    @ 思いきりグーッと背伸びをします    A ストンと力を抜きます         力を抜くときに声を出すとリラックス効果がさらに高まります。 大阪府こころの健康総合センター  〒558-0056    大阪市住吉区万代東3-1-46   TEL:06-6691-2811(代)   FAX:06-6691-2814   HP:http://kokoro-osaka.jp/ 2013年3月発行 2023年8月改訂