第26回男女共同参画審議会概要

更新日:2017年4月6日

第26回 大阪府男女共同参画審議会 概要

開催日時:平成22年9月27日 月曜日 16時30分から18時30分

場所:大阪府公館

出席委員:
会長代理 伊藤 公雄       京都大学大学院文学研究科教授
       木戸口 公一   医療法人厚生会副理事長、同大阪西クリニック院長 
       清野 博子     前大阪府立男女共同参画・青少年センター館長
       田間 泰子     大阪府立大学人間社会学部教授、女性研究センター主任研究員  
       中田 理恵子   財団法人大阪府人権協会評議員
       畑  律江     毎日新聞社編集局学芸部編集委員 
       深堀 昭吾     シャープ株式会社人事本部副本部長 
       古久保 さくら    大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授  
       村上 正直     大阪大学大学院国際公共政策研究科教授
       森田 雅也     関西大学社会学部教授   
                                                           

【会議の概要】

1 開会

2 議事

(1) 会長及び会長代理の選任について

・委員の互選により、会長に徳矢典子委員が選任された。
・徳矢会長により会長代理に伊藤公雄委員が指名された。

(2) 新たな大阪府男女共同参画計画の策定に関する基本的な考え方について

◆田間委員より「大阪府立大学における女性研究者支援の取組」について説明 (資料3)

◆事務局より資料説明 (資料1−1、資料1−2、資料2)

◆主な意見等(注:文中○印は委員、●印は事務局によるもの)

○「ミレニアム開発目標」の中で男女共同参画に特に関連するのは、「全ての教育レベルにおける男女格差の解消」と「妊産婦の健康の改善」である。これは国際社会がその達成に努力すべきものであるが、自治体もその取組に寄与すべきものである。

資料1−1P5「国際化の進展の中での男女共同参画の推進」の項目に具体的な取組が記載されているが、内向きの取組だけでなく外に貢献するという視点があってもよいのではないか。また、資料1−1P12の「女性に対するあらゆる暴力の根絶等」に女子差別撤廃条約の完全実施を入れてもよいのではないか。

○「基本的視点」の第1点目に「男女共同参画(女性の活躍)による社会の活性化」の項目が入ったことは非常によい。しかし、「重点的に取り組むべき分野(案)」の1つ目の書き方が拡散しており、インパクトに欠ける。
 「基本的視点」の項目は、労働力人口が減少する中、女性をはじめとする多様な人材の活用による社会経済の活性化が求められているが、それを推進していくには、仕事と生活との調和を図ることが必要。一方では、母子世帯や高齢単身女性などで貧困など生活困難が拡大し、社会全体で取組むべき深刻な課題となっている。これに対しては、行政と民間団体が連携した取組など、大阪が培ってきた地域力を活かす視点が重要である。このように、「基本的視点」については、一連のストーリーが見える。しかし、「重点的に取り組むべき分野(案)」の項目を見ると、ストーリーが崩れている。もう一度整理してはどうか。

○推進体制について、ドーンセンターの果たしてきた役割は非常に大きい。ドーンセンターは、府だけではなく、西日本のセンターの機能を果たしている。ドーンセンターで提供されているプログラムは多くの人から評価されており、ブランドである。府は、ドーンセンターのブランド力を効果的に使うべきであり、計画にもきちんと位置づけしていただきたい。

○国際的な流れを踏まえて、周知啓発していくことが必要である。DVの研修の際などあらゆる機会に「ミレニアム開発目標」も含めた国際的な背景について周知徹底することが大事である。

○男女共同参画社会という言葉の認知度もまだまだであるのに、「ダイバーシティ」という言葉を使うのはどうか。

○企業では「ダイバーシティ」という言葉を使っている。外国人、高齢者、障がい者などいろいろな人の多様性、いいところを引き出す「ダイバーシティ」の取組を行っている。ダイバーシティの考え方をアピールしていくことが大事だと思う。

○P2に「メディアにおける有害情報の氾濫」とある。定型句のように使われているが、表現の自由の問題もあり、もう少し敏感になってはどうか。例えば「メディアの機能を悪用した性犯罪の問題」といったように、対象を限定してはどうか。

○P2の「男女共同参画に関する啓発事業予算の削減」については、ここに記載すべきことなのかという問題もあるが、この書き方では、「啓発予算が削減されたからいろいろなところと連携していく」という趣旨に読まれかねない。

○DVでは暴力のことがでてくるが、無視するというメンタルの問題もある。いわゆるネグレクトの問題も書いてほしい。

○DVに関しては府の基本計画がある。現行法では、ネグレクトの問題もDVの定義に入っているが、もう少し強調したらよいということかもしれない。

○女性医師は、一旦、離職すると最先端医療には復帰できないという問題がある。そのため、アップ・ツ・デートに業務に戻れるよう特別なプログラムを作っている。府の施策でも参考にしてはどうか。

○内閣府においても、2008年に女性の参画加速プラグラムを実施し、その中には、「女性医師」の項目が入っている。女性医師の参画拡大についても、「健康」の項目に入れておくべきではないか。

○資料1−1のP14「女性の健康支援」に「女の子には、まず自分の身体を守ることを第一優先順位で学ばせるべき」とあるがいかがか。もし女性のことを書くなら、男性のことも並べて書かないとおかしいのではないのか。

○基本はエンパワメントの視点である。自分の尊厳を守る知識、行動力、判断力を育てることが大事である。リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、女性も男性も持っている権利である。その上で、新たな問題として、若年層の中絶の問題などをポジティブアクション的に特に必要な問題として考えてもよいのではないか。
 
資料1−1のP14に「女性の健康支援」とあるが、こう書くと男性の問題が落ちてしまうのではないか。

○P16「相談窓口等の情報提供」だが、相談窓口等で情報提供しているということだが、情報が必要なところに届いていない。情報を発するには、だれをターゲットにするのかが大事。ターゲットを意識しないと必要なところに情報が届かない。

○先ほどのダイバーシティの話も、参考資料の「男女共同参画等計画の名称」の件もそうだが、より多くの府民に理解・共感してもらえるよう広報分野での工夫が大事である。

○今回の資料では、マイノリティのことがしっかり書かれており、よいと思う。P2の3つ目の後段の(  )は不要ではないか。府には社会的には弱い立場の人もたくさんいる。そこを常に意識していくことが必要。

○内閣府では性的マイノリティに言及している。他の自治体でも新プランの作成に関わっているが、どこのプランにも含まれている。性的マイノリティは書き込むようにした方がよいのではないか。

●男女共同参画が実現すればどのような社会になるかということを示すことにより、男女共同参画に関心がない人にも少しは身近に考えてもらえるのではないかと考え、「目指すべき社会(案)」を作成した。前回、ライフステージ別の目標もつけたが、これは、自分の暮らしや人生にいつも関係するものと意識してほしいということで作成したもの。

○この「目指すべき社会(案)」の3つの社会は、一般の人にとっては、固いという印象である。府民1人1人に届くプランということが重要と思う。

○ライフステージ別は難しい。人生は多様化しており予測がつかない状態。例えば結婚を60代ですることもあり、ライフステージとして示すのは難しい。

●課題は全国同じようなものであり、目指すべき社会に「大阪」の独自な点が見えたらよいと考えている。都市の活性化の観点や都市の魅力が見えたらよいと考える。経済は悪いが何か希望が見えるようなものを描いていきたい。

○「推進体制」だが、オール大阪の連携はわかるが、NPOとの連携では、NPOとは対等であるべき。コラボや連携体制の構築というが、女性のただ働きになる可能性もある。NPOにどういう支援ができるか構想していくことが大事。計画の中にどこまで入れるか難しいが、市民との協働については、平等の観点、市民を疲弊させない協働の観点を盛り込むべきである。

○P7の「生活技術の向上」だが、「家庭での仕事を正当に評価」の部分はやめた方がよい。誰かに評価してもらわなくても、生きていく上で生活技術は当然必要であり、大事なことである。

○推進体制については、男女共同参画の考え方が府民にいきわたることが大事。府と大阪市の連携をもっと意識的にできないのか。道州制につながるかもしれないが、例えば、大阪と京都との連携とかも考えられる。前向きにやっていくことの工夫が必要。書き込まなくてよいが、視野に入れてほしい。

○社会経済情勢の変化に「国際化の進展」とあるが、資料1−1のP5「国際化の進展の中での男女共同参画の推進」のほかは、対応があまり触れられていない。国際化が進展する中、5年後は大企業の多くが外国に移っているかもしれない。このような状況も認識しておくべき。前向きの話をするだけでなく、懸念材料も踏まえて計画を策定することが必要。

○男女共同参画と国際化に関しては、企業にとっての国際化の流れも関係する。企業にとっても魅力のある大阪府となる必要もある。

3 閉会

【配付資料】

 資料1−1 新たな大阪府男女共同参画計画の基本的な考え方<検討資料> [Wordファイル/119KB] 

 資料1−2 参考データ集

        【データ編】(1)あらゆる分野への男女共同参画の推進 [Wordファイル/703KB]

        【データ編】(2)男女共同参画に向けた意識形成 [Wordファイル/570KB]

        【データ編】(3)仕事と子育て、介護との両立ができる環境の整備等 [Wordファイル/1.25MB]

        【データ編】(4)男女の人権の尊重と生涯を通じた健康支援 [Wordファイル/392KB] 

        【データ編】(5)様々な困難を抱える人々 [Wordファイル/363KB] 

 資料2   新たな大阪府男女共同参画計画の策定に向けて(検討資料) [Wordファイル/66KB]

 資料3   元気!活き生き女性研究者公立大学モデル
        −大阪府立大学における女性研究者支援−  [PowerPointファイル/731KB]  ポスター       

 参考資料 これまでの大阪府男女共同参画等計画の名称

 参考資料 部落解放同盟大阪府連合会・女性部パンフレット「大阪の部落女性」

このページの作成所属
府民文化部 男女参画・府民協働課 男女共同参画グループ

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